伝統板・第二

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人の上に立つ者に求められること⑩ - 夕刻版

2020/01/18 (Sat) 22:17:23

「悪い上司」と「いい上司」

      *Web:東洋経済online (2017/01/21)より

      *『成功する人はなぜ、「この7人」を大事にするのか?』
         リー・ウェイウェン(著) より

「悪い上司」「尊敬できない上司」の10の悪習

(1)厳しい

   部下に対してつねに文句を言っている。
   みんな役立たずだとでも言うように、怒りをぶつける。

(2)朝令暮改

   一度出した指示を、後から気まぐれに変更する。
   部下は翻弄され、仕事の進捗にも影響が出る。

(3)威圧感がある

   その上司がいると職場が戦々恐々としている。
   私的な理由で休もうものなら、重罪を犯したような気になる。

(4)時間外にも仕事をさせる

   勤務時間外にも部下に仕事を命じる。
   昼休みにわざわざ呼び出して、特に緊急でもない仕事を言いつけたりする。

(5)指示があいまい

   明確な指示を出さず、「自分で考えろ」などと言う。
   自分の考えは自動的に伝わっているものと思い込み、
   理解できない部下を愚かだとののしる。

(6)人使いが荒い

   自分の買い物を頼むなど、仕事に関係のない私用を部下に手伝わせる。

(7)褒めずに叱ってばかり

   何かミスをしたらすぐに飛んできて文句を言うが、
   いくら成果を上げてもめったに褒めてくれない。

(8)潜在能力を潰す

   自分の立場を失うことを恐れ、能力のある新人を目の敵にする。
   有能な部下を「チームの仲間」とみなさず、敵視する。

(9)責任を押しつける

   仕事がうまくいかなかったとき、部下を悪者にして責任を押しつける。
   相手に恨みを買うような仕事は部下にやらせ、自分は傍観している。

(10)給料を上げない

   昇給について相談すると話をそらす。
   部下がどれだけ会社に貢献しても、自分からは昇給を提案しない。




「いい上司」が備えているべき10の能力

(1)感謝してくれる

   言葉や書面など形を問わず、社員の努力に対して感謝の意を示してくれる。

(2)期待してくれる

   社員自身の自己評価が低くても、士気が上がるように励まし、力づけてくれる。

(3)優しく親しみやすい

   穏やかで、話しやすい。
   怒鳴って相手を怖がらせるようなことは絶対にしない。
   一方で、適度な距離を保ってくれる。

(4)仕事の処理能力が高い

   面倒な仕事をほったらかしておいたりしない。
   指示も的確で、つねに余裕がある。

(5)責任を押しつけない

   仕事がうまくいったときは部下と成果を分かち合い、
   問題が発生したときは自ら責任を負い、部下を守ってくれる。

(6)理解力がある

   部下がミスをしても、理解して寛容に対処してくれる。
   決して厳しく責め立てたり、罰を与えて懲らしめたりしない。

(7)問題解決の能力が高い

   優先的に対応すべきことをすばやく処理し、
   部下に対しては問題解決の方向性を示すことで経験を積ませてくれる。

(8)話を聞いてくれる

   部下の意見を真剣に聞いてくれる。
   古いやり方を刷新するといった提案にも耳を傾け、
   胸の内を吐き出させてくれる。

(9)ユーモアがある

   ユーモアがあり、職場の雰囲気を明るくしてくれる。
   仕事中に冗談を言っていてもいちいちとがめない。

(10)弱い者の味方

   グループの中で力の弱い人物にも目をかけ、尊重してくれる。

   ( https://toyokeizai.net/articles/-/154242?page=2 )


・・・

<関連Web>

(1)光明掲示板・伝統・第一「人の上に立つ者に求められること」
   → http://bbs6.sekkaku.net/bbs/?id=wonderful&mode=res&log=46

(2)スレッド「人の上に立つ者に求められること①」
   → http://dentou.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=6456974

(3)スレッド「人の上に立つ者に求められること②」
   → http://dentou.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=6518568

(4)スレッド「人の上に立つ者に求められること③」
   → http://dentou.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=6565311

(5)スレッド「人の上に立つ者に求められること④」
   → http://dentou.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=6611149

(6)スレッド「人の上に立つ者に求められること⑤」
   → http://dentou.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=6747214

(7)スレッド「人の上に立つ者に求められること⑥」
   → http://dentou.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=6931505

(8)スレッド「人の上に立つ者に求められること⑦」
   → http://dentou.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=7130595

(9)スレッド「人の上に立つ者に求められること⑧」
   → http://dentou.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=7610822

(10)スレッド「人の上に立つ者に求められること⑨」
   → http://dentou.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=7691510

             <感謝合掌 令和2年1月18日 頓首再拝>

帝王学~「貞観政要」の読み方 - 伝統

2020/01/20 (Mon) 21:49:44


       *『帝王学:「貞観政要」の読み方』山本七平:著より

(1)「貞観の治」。
   これは中国では、理想的な統治が行われた時代の一つとして、
   後代の模範とされた時代である。

(2)「兼聴」
   情報を吸い上げる。

(3)思い切った権限の委譲をせよ。

   広い天下にはあらゆる問題があり、それが千変万化するのだから、
   それに応じてこちらも変化して対応すべきなのだ。

   そこで権限を委譲して多くの部下に討論・協議をさせ、宰相に対策を立てさせ、
   その結果が穏便であってはじめて奏上させて決裁し、実行に移すべきである。

(4)「全能感」にとらわれるな。
   権力者はしばしば奇妙な全能感にとらわれるものである。

   この全能感をもたなかった権力者といえば源頼朝と初期の北条氏、
    そして徳川家康であろう。
   ともに『貞観政要』から強い影響を受けたと思われる人々である。

(5)在野の賢者をスカウトせよ。

(6)「実需」

   虚栄心を捨てる。
   人間には、必ず虚栄心がある。
   そして、虚栄心の充足だけは限度がない。

(7)「自制」

   縁故・情実人事を排する。

(8)妻に口出しさせるな。

   人事に介在しやすいのが、
   実は家族すなわち母とか妻とか子などの意向である。

   太宗は、これが介入することを絶対に許さなかった。
   その点、彼の妻の文徳皇后は賢夫人であり、
   夫としての太宗に言うべきことは言ったが、
   決して政治や人事に口出すことはなかった。

(9)「栄貴」より「徳行」こそ肝要。

   その人の死後、人々は何でその人を量るのか。
   それは権力でもなく、社会的な地位でもなく、
   いわば「人格的な力」ともいうべきものであることを、

   太宗は知っていた。
   そして、それを知っていたことが彼の生き方の基本であり、
   また『貞観政要』やその他の史書などを通じて、
   後代に大きな影響をもち得た理由であろう。

・・・

<参照スレッド>

伝統板・第二「人の上に立つ者に求められること②」
http://dentou.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=6518568

(1)「六正・六邪」―人材を見わける基本 2015/07/16

(2)貞観政要~”十の心構え” 2015/07/17

(3)貞観政要~”九つの徳” 2015/07/18


伝統板・第二「人の上に立つ者に求められること⑧」
http://dentou.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=7610822

(1)不機嫌な上司は不要、鏡で自分の顔見よ 2017/09/06

(2)名君と呼ばれる人にはどのような条件が? 2017/10/02

(3)リーダーが持つべき「3つの鏡」 2017/10/03

(4)リーダーとしての器を磨く  2017/10/04

             <感謝合掌 令和2年1月20日 頓首再拝>

貞観政要 上に立つ者の心得 - 伝統

2020/01/21 (Tue) 20:50:04


        *Web:ビジネスブックマラソン(2020年01月16日)より抜粋

本書の紹介

本日ご紹介する一冊は、優れた指導者たちの間で読み継がれてきた
『貞観政要』のエッセンスを、知の巨人2人が対談しながら解説した一冊。

『貞観政要』は、唐の名君・太宗と臣下との問答・議論を集大成した
帝王学の名著で、これまでにも何冊か本は出されています。

ただ、時代が異なる上に若干読解力を必要とするので、
そのまま訳しても経営の実践に役立てるところまではいきません。

その点本書は、渡部昇一、谷沢永一氏の対談・解説により、
その意味するところを具体的にしているため、じつにわかりやすい。

太宗以外のリーダーとの比較も、内容に厚みを加えています。

君主が自分を律するためにどんな制度を必要とするのか、
臣下にどう接し、処遇するべきなのか、組織を守るための大事な点を指摘しています。

本書いわく、

<『貞観政要』を読まなかった織田信長や豊臣秀吉の政権は短命に終わり、
『貞観政要』を読んだ徳川家康や北条政子の政権は繁栄を築いた>。

「そんな大げさな…」と思ってしまいますが、2人のリーダー論を読めば読むほど、
いかに「貞観の治」と呼ばれた唐の政治が理想的だったのか、よくわかります。

殺した皇太子の参謀だった魏徴(ぎちょう)を大抜擢し、重用したのも驚きですが、
その謙虚さ、反省力には本当に驚きます。


本書では、

<ずけずけものを言う魏徴と、それに感心する太宗の奇跡的めぐり合わせ>

などと書かれていますが、この視点から言えば、
今の某国の指導者は理想からはほど遠い状態ですね。

と、批判めいたことを言うのは簡単ですが、実際にトップの立場からすれば、
これがいかに感情的に難しいことなのかがわかる。

当の太宗でさえ、後半戦はおかしくなったのだから、
良い政治というのは本当に簡単ではないのです。

だからこそ、リーダーは本書を読んで自分を戒めなければいけない。



要点

『貞観政要』に唐の太宗が後宮にいた三千人の女官を
「人民の財力を使い果たすものだから、そんなに必要ない」と言って
家に帰らせる話が出てきます。

吉宗は大奥でそれとそっくり同じ真似をしていますからね。
『貞観政要』を読んでおったのはほぼ確実です(谷沢氏)

 ・・・

「朕、不善有らば、卿(けい)必ず記録するや」
(私が悪事を働けば、お前はそれを必ず記録するのか)

「道を守るは官を守るに如(し)かず」
(職責を守ることが道徳に適うことだと思っています)

──太宗と?遂良(ちょすいりょう)の会話

 ・・・

李世民は皇太子になって、お父さんの高祖から位を譲り受け、
確か二十七歳で即位して太宗になります。

それから二十四年間の在位中、
太宗は兄を殺したという決定的な負い目を背負い続けた。

それを帳消しにするために、太宗は名君たらざるを得なかったとも言えるでしょう
                        (谷沢氏)


要するに皇太子の李建成が阿呆やったから、太宗さん、あんたはいま
皇帝になっているんで、李建成が自分の進言をちゃんと採用していたら、
あんたは皇帝の位におれへんのに……と言っているわけですからね。
これは天下の開き直りですよ
                        (谷沢氏)

 ・・・

止める側の人が贅沢な生活をしていたら「なんだ、お前は」という話に
なりますけれど、みんな非常に質素であったから太宗も認めざるを得なかった
というわけです(渡部氏)

小さな贅沢を見逃すと必ず極端までいってしまうと考えた諌臣たち

 ・・・

貞観十二年に太宗が

「林深ければ多くの鳥が棲む。川の流れが大きければ多くの魚が泳ぐ。
人が仁義道徳の行いを積み重ねれば、天下の人は自然になつき従うものである」

と言っています(渡部氏)

 ・・・

内助の功が素晴らしかった文徳皇后は太宗以上の人格者

この人は三十六歳で太宗より先に亡くなるんですが、そのときに太宗に遺言するんですね。
「私の親戚の者を重く用いることを絶対にしてはいけませんよ」と(谷沢氏)

 ・・・

太宗が重臣たちに言うわけですね。

「君たるの道は、必ず須らく先ず百姓を存すべし」と。

これは君主よりも百姓が重要だと言っているわけですね。
人民を苦しめて君主が贅沢をするのは、
自分のふくらはぎの肉を割いて食べるのと同じだと(渡部氏)


「君主は舟、民は水」──水は舟を浮かべることも転覆させることもできる

 ・・・

太宗が

「今の世に、こんな忠臣がいるだろうか」

と問うたら、魏徴が答えるんですね。

「それは君主が臣下をどのように待遇するかで決まります」と(渡部氏)

 ・・・

人材登用の物差しはただ一つ、その人間が本当に役に立つかどうか

秀吉に天下を取らしめたのは黒田官兵衛なんですね。
その黒田官兵衛を最も恐れたのが秀吉なんです

(中略)

臣下の者が秀吉に「あの官兵衛殿をあんなにわずかな石高にしたのはなぜですか?」

と聞いたら

「あいつに百万石でもやってみろ。天下を取られてしまうわ」

と秀吉が言った(谷沢氏)

 ・・・

「徳の高さ」という物差しによって国の寿命を考えていた太宗

考え抜いた挙げ句、家康は天下太平の世の中では
能力云々を言ってはいけないと洞察する。
それがすごいですねえ。

能力で戦国時代を生き抜いてきた家康が、能力でやると喧嘩になるから
生まれた順番で行こうと決めたわけですから(渡部氏)

   ( http://eliesbook.co.jp/review/2020/01/   vol.5435 )

             <感謝合掌 令和2年1月21日 頓首再拝>

『貞観政要』から紐解くリーダーの心得 - 伝統

2020/01/22 (Wed) 19:36:42


       *Web:「致知」(2018年09月22日)
            ~谷沢永一と渡部昇一、二人の碩学が
             『貞観政要』から紐解くリーダーの心得

《帝王学の書『貞観政要』》

〈谷沢〉
『貞観政要』というのは、唐の太宗が諫議大夫や諫臣たちと交わした対話をまとめた本です。
編纂したのは呉兢という当代一流の歴史家で史官だった人。
呉兢は太宗が没して約50年後の人ですが、宮廷の中に残っていた資料を基にまとめたわけですね。


『貞観政要』は遅くとも桓武天皇の時代には日本に入っていたようです。
以来、当時の歴代天皇、あるいは北条、足利、徳川といった為政者がこの本に学んでいます。

要するに『貞観政要』には、皇帝・帝王とはどうあるべきか、
政治とはどうあるべきかが記されているのです。

高位にある者が政治を執り行う場合に心得るべき要諦がすべて書かれている
エンサイクロペディア(百科事典)のような本です。

私も『貞観政要』という有名な本があることはかねてから知っていました。
ところが不思議なことに、この本の研究書が見当たらない。

おかしいなと思って探していたところにやっと古書目録で見つけたのが
原田種成の『貞観政要の研究』(昭和40年・吉川弘文館)という本。
これを読んでビックリ仰天しました。
まさに微に入り細をうがって徹底的に研究してある。


〈渡部〉
私も『貞観政要』というのが大変な本であるとは知っておったので、
谷沢先生と対談したいなと思っていたのです。

それで、その時の参考書には『国訳漢文大成』に収められているものを使おうと
思っていたら、谷沢先生から「原田種成の本があります」と教えていただきました。
それを読んだ時は日本の文献学のレベルの高さを目の当たりにする思いでした。



《北条政子も徳川家康も『貞観政要』を読んでいた》

〈渡部〉
北条政子がこの本の存在を知って、公家に訳させて仮名本で読んでいますね。

〈谷沢〉
北条政子は漢文が読めないから、菅原為長に命じて日本語訳させて講義させたわけです。


〈渡部〉
それから徳川家康も読んでいた。
徳川時代は儒教の時代と言いますが、本当は孔子よりも
『貞観政要』のほうを重視していたような感じを受けますね。

家康も『論語』を一所懸命勉強しましたが、
本当に役に立つと思ったのは『貞観政要』なのではないかと。

〈谷沢〉
家康の命令で慶長年間に木版の『貞観政要』が出ていますからね。
駿河版と言いますが、それが出版された年は関ヶ原の戦より前なんです。
家康はすでにその時点で天下を治めるための心がけをちゃんと考えておったわけですね。

〈渡部〉
『論語』や『孟子』は家来が読んでもいいものですが、
『貞観政要』は君子、殿様でないとあまり関係ないんですよ。
だから、徳川家とか上杉鷹山とか、ああいう人たちは一所懸命読んだと思います。


〈谷沢〉
そうでしょうね。おそらく天下の政治に直接関わる人が読んでいたと思います。
例えば吉宗です。『貞観政要』に唐の太宗が後宮にいた3千人の女官を「そんなに必要ない」
と言って大部分を家に帰らせる話が出てきます。

吉宗は大奥に対してそれとそっくり同じ真似をしていますからね。
『貞観政要』を読んでおったのはほぼ確実です。

〈渡部〉
『貞観政要』を学ぶことにおいて吉宗の出た紀州家は非常に熱心でしたね。
だから、後に一番普及したのが紀州版でした。

〈谷沢〉
その紀州藩の藩校の初代教授が伊藤仁斎の子の伊藤蘭嵎なんです。
その影響があったかもしれませんな。

〈渡部〉
仁斎ももちろん『貞観政要』を知っていたわけですね。

〈谷沢〉
もちろん。おそらく仁斎の後継者の伊藤東涯もね。
しかし、仁斎も東涯も君主ではあっても帝王じゃありませんから、
それについてもの言うことは、はばかりがあったのでしょう。


〈渡部〉
確かに君主には教えてもいいけれど、普通の人に教えるのは意味がない
というような感じがありますからね。

逆にいまは社長がたくさんいますから、
この本を読む価値はむしろ高まっていると言っていいですね。

〈谷沢〉
あらゆる経営者、リーダー、それから政治家に読んでほしいのは、
『論語』『孟子』もさることながら『貞観政要』のほうです。
こちらはより具体的なんですよ。

『論語』『孟子』は名著だけれども、いたって抽象的でしょう。
「仁」と言おうが「信」と言おうが、要するにぜんぶ抽象論です。

ところがこの『貞観政要』はリーダーとはどうあるべきかということが
具体的に書かれている。
その点では、世界中でこの本が最高じゃないかと僕は思います。

〈渡部〉
私もそう思いますね。


《守成をいかに成し遂げるか》

〈渡部〉
いまの話からも分かりますが、『貞観政要』というのは、
創業の成った後の守成をどのようにやり遂げるかということが
大きなテーマになっていますね。

〈谷沢〉
だから太宗は群臣に質問しています。
「帝王の業、草創と守文と孰れか難き」と。

つまり帝王の事業として、戦って天下を獲得することと、
その天下を治めることのいずれが難きや、と聞くわけです。

〈渡部〉
これは日本中の社長が大好きな言葉です(笑)。

〈谷沢〉
そうすると魏徴は「守成のほうが大切だ」と言うし、
房玄齢は「創業のほうが大事だ」と言う。

この房玄齢は太宗とともに唐の王朝をつくるために苦労した人ですね。
だから太宗は、房玄齢が創業の難しさを強調する立場もよく分かるし、
治めていく立場を強調する魏徴の考え方もよく分かると言って、
天秤にかけて両方をバランスよく取り入れるんですね。

〈渡部〉
そのうえで、もう天下は取って創業の困難は過ぎたのだから、
これからは守成のほうに重きを置こうと太宗は言うわけです。

〈谷沢〉
これから自分は施政をしなきゃならないから諫議大夫だけじゃなくて他の連中も、
どんどんわしに忠告してくれとね。


〈渡部〉
この天下を守る難しさという話はしょっちゅう出てきます。

貞観15年には、太宗が諫臣たちに「天下を守ることは難しかったか」と問うています。

すると魏徴が「甚だ難しい」と答えるんです。

そうしたら太宗は「権限を家来たちに任せて、その諫言を受け入れれば
難しくないんじゃないか」と言うのですが、魏徴はその答えに納得しないんですね。

そして「昔からの王様を見ていると、国が危ないような時は賢い家来を使い、
その忠言も聞くけども、安楽になると心が緩んで怠るようになります。
諫めようとする者も、王様に逆らうのを恐れて諫めなくなります」と忠告するんです。

だから「安くして而も能く懼る」つまり、安楽の時ほど大いに警戒する必要がある
というわけです。

これはそのとおりで、玄宗皇帝なども最初の頃は名君と言われましたが、
後には楊貴妃に入れ込んで駄目になってしまいました。


〈谷沢〉
貞観11年には、豪華な宮殿を造るようなまねをすれば
天下人民の心がすべて離れてしまうと魏徴が注意しています。
「高大な宮殿を造ることは危険であり、低い粗末な宮殿が安全であることを
お考えになれば、神のごとき天子の徳化は自然に人民にしみわたり、
無為にして天下は治まりましょう。これが最上なる天子の徳でございます」と。

つまり、何もしなはんな、と。
それでいて自然に治まるのが一番の徳であるというわけです。

逆に、創業の困難を忘れて土塀にまで彫刻を施すような贅沢華麗を追求すれば、
人民は天子の徳を認めない。
「これが最も下なるやり方でございます」と論理的に説明していますね。


〈渡部〉
これだけ言われても、子孫の時代には駄目になるんです。

〈谷沢〉
玄宗も『貞観政要』を勉強すれば良かったのですが、しなかったのでしょう。

〈渡部〉
やはり守成は難しい。

だから魏徴は『詩経』にある、
「戦戦兢兢として、深淵に臨むが如く、薄氷を履むが如し」
 という気持ちでないと国は治められないと言っているわけです。

〈谷沢〉
それは実力で天下を取った人の心境ですね。

三代目になると分からなくなるんです。

     (https://www.chichi.co.jp/web/20180922tanizawa-watanabe/ )

             <感謝合掌 令和2年1月22日 頓首再拝>

包容力を持て - 伝統

2020/05/28 (Thu) 21:36:51


          *『生長する青年』(昭和25年11月号)
            ~徳久 克己 医博 

指導者となるために必要なことは、偉大な包容力をもつということである。

ちょっとした感情の行き違いや、物の貸借関係等の些細なことで、
自分のために協力してくれる重要な友人や部下を失うようなことでは、
偉大な仕事を完成させてゆくことは出来ないのである。

諸君の協力者が諸君に対して面白くもない行為をした時には、
彼等を責める前に先ず彼等が何故にそんなことをせねばならなかったか、
彼等がそんなになったのは諸君自身の彼等に対する愛が足りなかったのではなかったか? 
というように先ず自己反省をしなければならない。

相手を責めるということは相手を排斥することであって、
自分への協力をことわることであり、折角自分の中に入ってきたものを
外へ放り出してしまうことなのである。 

水を沢山入れようと思えば大きい器が必要であると同じように、
諸君が偉大な指導者になればなる程、諸君自身の器が大きくなる必要があるのであって、
どんな人間が諸君のふところへ飛び込んで来ても包容できる、
偉大な包容性というものが必要となってくるのである。


包容力を養え、ということを強調すると、
すぐ 『我慢したり、耐えたりする』 人があるが、
これは根本的に誤りであって、

聖経 『甘露の法雨』 の冒頭に  
『怺えたり我慢しているのでは心の奥底で和解していぬ』  と説かれているのである。 

包容性とはその根源が愛に基いたものでなければ、真の包容性ではないのであって、
結局  『万物と克く調和すること』 なのである。

調和とは感謝であり、感謝は自他一体の愛から生れてくるのであって、
太陽が地上の総てのものに惜しみなく光を与えるが如く、
自分にとって都合がよいとか悪いとか、美しいもののみに光を与えるというものではなく、
太陽は総てのものに平等に光を与えるが如く、好きとか嫌いとか都合とか不都合という、
感情や利害関係によって支配される愛は、ニセモノの愛である。

相手の欠点をほじくり出して排斥するような偏狭な心では、
指導者としての資格はないのであって、偉大な仕事はできないのである。 
太陽が肥料の上にも光をあてて、それを美しい花に変ずるあの偉大な包容性を、
吾々は学ばねばならないのであって、偉大な包容力を持つならば、
集り来る如何なる人々を唯々すばらしい人々に変えてしまうのである。


諸君は自分が正しいからと云って、決して他人の不正を責めてはいけないのである。

パウロは  

『汝ら信仰の弱き者を容れよ、その思うところを詰るな。 
 或人は凡ての物を食うを可しと信じて、弱き人はただ野菜を食う。 
 食う者は食わぬ者を蔑すべからず、食わぬ者は食う者を審くべからず、
 神は彼を容れ給えばなり』 (ロマ書 14章1ー3)  と説いているのであって、

吾々は信仰に入ったからと云って、或は神についての多少の知識を持つからと云って、
信仰薄き者或は信仰なき者を決して軽蔑してはならないのである。

自分が神の子であるという自覚を得れば得る程、総ての人を神の子として拝み、
そして包容するようになるのが本当の信仰であって、
多くの人々の中で一日でも早く神と結ばれた諸君は、
偉大な包容力を持って総ての人々を限りなく愛さなければならない。 

諸君が他人のことを心配したり責めたりしなくとも、神は既に総てを知り給い、
全智全能なる神は彼を最もよく導き給うのである。


包容性を持つということは、絶対なる神を信ずることになるのであって、
諸君が真に神を信じ、諸君自身が無限愛なる神の子であるとの自覚を得るならば、
諸君に包容性は自然にそなわってくるのである。

技巧的な包容性はニセモノであって、必ずメッキがはげる時が来るのであるが、
神の子の自覚から生れてくる包容性こそ、真の包容性であり、諸君を偉大な指導者となすのである。

http://predictional46.rssing.com/chan-21595050/all_p10.html
09/02/13

             <感謝合掌 令和2年5月28日 頓首再拝>

成長会社のトップ三十数人の共通点 - 伝統

2020/06/13 (Sat) 18:56:49


       *メルマガ「人間力」(2020.6.13)より

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数々の企業再建に尽力し、
名経営者として高い評価を得てきた井原隆一氏。

北海道日本ハムファイターズの栗山英樹監督が
その著書を座右の書としておられることでも話題となりました。

その井原隆一氏が
『致知』1981年11月号の対談記事で語られた
「成長会社のトップ三十数人の共通点」という
興味深いお話があります。

……………………………………………………
 成長会社のトップ三十数人の共通点

            井原隆一
……………………………………………………

以前に成長会社のトップ三十数人かの人と対談したことがありましてね。

で、対談して気づいたのは、その三十何人には非常に共通したものがあるんですね。

(1)自分に厳しい

(2)がめつい

(3)エリート意識がない

(4)洞察力がある

(5)物、人に対する感謝の念が強い

(6)これでいいと満足しない

(7)数字が読める(将来の計算をするのが巧み)

(8)厳しい体験の中から自分が成長する糧を見出している

(9)独りぼっちになる(反省)

(10)天才は一人もいない。


その三十何人かのトップをみていてね、
どうしたら、ああいう姿勢を持てるのかを考えてみたんですが、

要するに、自分を捨てきっているからなんですね。

自分を捨てきれない者は会社を捨てるか、自分が捨てられる。


自分を捨てるというのは、

自分の立場とか、名誉とか地位とかね、そういうことにとらわれないで、
企業経営のために、全能を傾けられるということです。

私はね、将たる者は右手に七分の合理性、左手に三分の人間味を持てといってます。

厳しさだけじゃ、やはり人はついてこないから、三分の人間味を持つ。

ところが、その右手に私情を入れる人がいる。
自分が大切だから、悪口いわれないようにするわけです。

だから、私を捨てられない人は、判断、決断、断行ができない。

会社のためにはこうした方がいいんだが、
失敗したら自分の責任を問われはしないかとかね、自分を先にしている。
自分を捨てていない。

企業のためにこうすべきだと判断、決断しながら、
私の感情を入れるものだから、断行ができない。

こういう公私混同も困る。

それで、得てして、こういう公私混同が会社を滅ぼす。

あのトップは立派な人だとか、いい人だとかいわれたくてね、断行を躊躇する。

勇気というのは私心を捨てたときに、自ずから出てくるものですのにね。

             <感謝合掌 令和2年6月13日 頓首再拝>

【型破りな人】 - 伝統

2020/06/24 (Wed) 20:03:30


       *メルマガ「人の心に灯をともす」(2020.06.23)より

   (早稲田大学教授、内田和成氏の心に響く言葉より…)

   われわれはいま新型コロナウイルスの感染拡大の危機を経て、
   さらに強いリーダーシップが求められるステージに立っています。

   それは「変革のリーダー」です。

   そして、変革のリーダーになるためには、
   これまで常識とされてきた殻を打ち破り、
   新しいやり方を生み出していかなければなりません。

   そのためにも、たくさんの経験を積んでおく必要があります。

   これまでのやり方にとらわれない新機軸を打ち立てるためには、
   既存のやり方を知り尽くしておかなければならないのです。


   たとえば、日本の伝統芸術である歌舞伎には、
   演者の動き方や芝居の演出方法など、これまで長い年月をかけて
   磨き上げられてきた「型」があります。

   その歌舞伎をさらに大勢の人に知ってもらおうと新たな演出を取り入れたり、
   海外で上演したりするなど、さまざまなチャレンジをしてきた
   歌舞伎役者の中村勘三郎さん(いまの6代目中村勘九郎さんのお父さん)は生前、
   テレビ番組のインタビューでこんなことをおっしゃっていました。

   これまでの「型」を熟知し、きちんと習得した人が、
   従来の型にとらわれない新機軸を打ち出して新しいことに挑戦する。

   これが「型破り」だと。


   一方で、型をきちんと習得せず、何も知らずにやるのは、
   「型無し」あるいは「破れかぶれ」です。

   変革も同じです。

   破れかぶれではダメ、型破りでなければなりません。


   「自分を知る」ということは「型におさまる」ということではありません。

   多くのチャレンジを通じて、リーダーシップの幅を広げていく。

   そうすることで、型破りを起こして、変革期にも通用する、
   よいリーダーになれると思います。

        <『リーダーの戦い方』日本経済新聞社
                https://amzn.to/3dquvc2 >

              ・・・

内田氏は運についてこう語る。

『成功と失敗は常に紙一重です。
 したがって、最後の決め手となる運は、
 ただそれを大切にすればよいというものではありません。

 常に自ら引き寄せようとする努力、つかみ取ろうとする努力が必要です。

 こうした努力も、魅力的なリーダーになるために必要不可欠な条件です。

 また、運は人生にとっても大切です。

 私はできるだけ、運のよい人と付き合うようにしたいと考えています。

 そうすることで、仕事がスムーズに運んだり、
 うまくいったりする可能性が高くなるからです。

 ほとんどの場合、運のよい人は、忙しい人です。

 これは「バンドワゴン効果」によるものでしょう。

 バンドワゴン効果とは、
 「パレードの先頭を走る楽隊車(バンドワゴン)に乗りたい」
 「皆が持っているから私も欲しい」「流行に乗り遅れたくない」といった、
 多数派の意見を重視する心理的な効果です。

 運のよい人や仕事ができる人には、人も仕事も集まってきます。』


「型破りな人」のことを「破天荒な人」ともいう。

「天荒」とは、未開の地、あるいは雑草などの生い茂る荒れ地のことをいう。

中国の唐の時代、荊州(けいしゅう)という地方から、
史上初めて官吏登用試験である科挙に受かった者がいた。

そこで人々は「天荒」を破ったということで、「破天荒」という言葉が生まれた。


また、「型破り」とは「守破離(しゅはり)」のことだ。

「守」とは、師の教えや型を忠実に守り、身につけること。

「破」とは、師匠だけでなく他流派の教えも受けたりして、
      自分に合った方を模索し、さらに研鑽すること。

「離」とは、一つの流派から離れ、自分独自の流派を打ち立てること。


型破りな人、破天荒な人のまわりには人が集まる。

人をひきつける「魅力」があるからだ。

魅力ある人は運も引き寄せる。


型破りな人には限りない魅力がある。

             <感謝合掌 令和2年6月24日 頓首再拝>

リーダーに必要な徳目、仁・義・礼・智・信 スピリチュアルな観点から - 伝統

2020/07/24 (Fri) 21:32:39


         *Web:宇宙の兄弟たちへ(2020年7月23日)より

儒教では仁・義・礼・智・信の五つが大切な徳目(五常・五徳)とされています。



儒教というのは中国の春秋時代に生きた思想家である孔子が説いた教えです。

孔子の説いた教えは君子への道であり、
理想的なリーダになるための教えであったと思います。

儒教において徳の高い人物こそ君子であるわけですが、
その徳の種類にはおもに仁・義・礼・智・信の五種類をあげる事が多いです。

その他にも忠・孝・悌を加える事もありますし、
さらに十徳を数えるところもあります。

これは現代で言えば政治家にも当てはまりますが、
起業家や会社で部下を持つ立場の者などに必要な内容だと思います。


つまり人を導くリーダーにとって必要な徳目であると言えます。


それでは具体的に見ていきましょう

まず仁が初めに来ます。

仁とは人を愛する心。人を労り、思いやる心を言います。
この仁が一番大切な徳目であり、これを外してはその他の徳は失われます。
徳の土台となるのが、この仁です。

リーダーとして必要なのは、部下を愛したり、人を愛する心であり、
愛が基本になければならないという事です。

時には厳しく指導しなければならない時もありますが、
その根底には相手への愛がなければなりません。

愛が根底にある事で、人を生かせるようになります。


次に義が来ます。

義とは正義の心と言っていいでしょう。
善と悪を分け、正邪、真偽を分ける分別の心です。
たとえ自分の利益にならないと思っても、正義を貫く姿勢と言えます。

たとえば、企業で産地偽造などが問題になったこともありますが、
いろんな会社で消費者にバレないだろうと思って誤魔化している所は多いと思います。

賞味期限を誤魔化したり、産地を誤魔化したり、
検査結果や、材質を誤魔化す事があるでしょう。

そのように自分たちの利益のために、
バレないだろうと不正を行う所もありますが、それは義に反している行為です。

たとえ気づかれないと言っても不正を働いてはいけません。

そのように義に反する事をしないようにすることも義のこころでしょう。

あるいは最近ではウイグルの強制収容所で作られたものや、
強制労働で作られた製品などが日本でも出回っています。

メジャーな日本企業がウイグル人弾圧に間接的にも関わっていると知られています。

そのように知らないふりをして安上がりで製品を作り、利益を上げる事は出来ますが、
それはやはり義に反していると言えるでしょう。

たとえ自分の利益になるとしても正義に反する事はしないのが、義のこころといえます。


次に礼です。

礼とは敬意を表現する心と言えます。

会社で言えば一般的に上司や取引先に失礼の無いように礼を表すのもそうでしょう。

あるいは部下や後輩など、後から来るものにも心遣いをすることも礼に入ると思います。

こうした目に見える対人関係として礼が述べられていると思いますが、
もう一歩進んで、目に見えない物への畏敬も含まれるのではないかと思います。

神仏への畏敬もそうですし、
目に見えない働きに対する感謝の心も礼に含まれるように思います。

神様に感謝したり、ご先祖様や守護霊様に感謝する心も、礼に入るでしょう。


次に智が来ます。

智とは単なる知識の詰込みではなくて、
深く洞察が加わった智慧にあたるでしょう。

知識をたくさん持っている人もいますが、
それが人の役に立っていなければ宝の持ち腐れになります。

そして知識を集めるだけでなく、
それを材料に自分で考え、智慧に変えていく工程が必要です。

知識という豆粒をたくさん集めるだけではなく、
それを発酵させて味噌にまで作り上げるような事でしょう。


そして最後は信です。

信頼するこころを言います。

相手を信頼し、裏切るような事はしないという事です。

会社においては、取引先によって言っていることが違っていたらだめでしょう。

どちらにも良いように言って取引をしていると、いつか信用を失ってしまいます。

口がうまくて成績を上げる方もいますが、信頼を損なうような事をしていると、
段々と周りにバレていき、信用を失っていきます。

相手を信頼するとともに、自分も誤魔化したり嘘を言ったりせずに
、誠実な態度で接するという事です・

以上は一般的な信ですが、スピリチュアルな観点からすれば、
目に見えない存在を信じる事、法則を信じることなどが入ると思います。

神仏からの加護を受けている事を信じて感謝する事であったり、
因果の法則があり、間違ったことをしていては、
いずれは自分に返ってくるのだと信じる事もそうでしょう。

そのように、目に見えない存在を信じ、
霊的法則を信じる事も信の徳目に入ると思います。


以上、儒教の五徳である仁・義・礼・智・信について現代的な観点と、
スピリチュアルな観点から述べてみました。

    (https://www.spacebrothers.jp/2020/07/blog-post_23.html )

             <感謝合掌 令和2年7月24日 頓首再拝>

【感性型リーダーシップの十か条】 - 伝統

2020/08/17 (Mon) 19:51:53


       *メルマガ「人間力」( 2020年05月30日)より
        ~『いまこそ、感性は力』行徳哲男 (著)/芳村思風 (著)より


一、リーダーには教育力あるいは活人力がなくてはならない。


二、リーダーには魅力的な個性あるいは人望がなくてはならない。


三、リーダーには勇気ある行動力がなくてはならない。


四、リーダーには先見力がなくてはならない。


五、リーダーは自分たちの仕事の意味、価値、値打ち、
  素晴らしさ、すごさを情熱を持って語らなくてはならない。


六、リーダーは自分の生き方を支える哲学を持たなくてはならない。


七、リーダーは人間としての成長意欲を持ち続けなくてはならない。


八、リーダーは創意工夫への努力をし、変化を恐れ拒否してはいけない。


九、リーダーは文化力を身に付けなくてはいけない。


十、リーダーは人間性の豊かさをつくらなくてはいけない。

             <感謝合掌 令和2年8月17日 頓首再拝>

【組織蘇生のためのリーダー訓】 - 伝統

2020/08/23 (Sun) 19:29:04


(1)リーダーは信念を持って行動せよ。
(2)地位や権限で人を動かすな。
(3)ほめる、叱る時のTPOを知れ。

(4)部下の総力を結集して、目的の完遂にあたれ。
(5)苦手の人間を克服せよ。
(6)部下に信頼されるリーダーになれ。

(7)仕事から逃げるな、仕事を追え。
(8)俺がやらねば誰がやる。
(9)目標に向かって猛進せよ。

(10)仕事に慣れるな、問題意識をもって先手をとれ。
(11)根性をたたき直し、旺盛なファイトで仕事にあたれ。
(12)自信と信念を持って、迫力ある仕事をせよ。

(13)権限は与えられるものではない、自ら奪い取れ。
(14)常識を捨てろ、固定観念をすてろ。
(15)最後に頼れるのは自分一人だ。

(16)難問題に挑戦し、自己を磨け。
(17)グチを言うな、問題は結果だ。
(18)販売に限界はない、売って売って売れまくれ。

(19)協力一致、目標突破。
(20)気力は体力に先行する。
(21)ファイトなく者は去れ。

(22)貴様の考えは甘いぞ、世間は厳しいぞ。
(23)失敗を恐れるな、これを活かす工夫をせよ。
(24)負けるな、他人にも自分にも。

(25)販売は戦争である。勝つことのみしかない。
(26)競合を打ち破れ、勝ち残るのはわれわれだ。
(27)視野を広げろ、変化を先どれ。

             <感謝合掌 令和2年8月23日 頓首再拝>

率先垂範 - 伝統

2020/08/24 (Mon) 21:30:04

リーダー力(指導力)~「人を育てる」率先垂範

(1)土光敏夫

  ①経営者の4条件 ア、使命感
           イ、無私
           ウ、詩心
           エ、現実処理能力

  ②率先垂範とは、上司が立派なことをするだけで
   可能になるものではない。

   部下が、それを学ぼうとし、共に働こうとという
   気持ちになった時こそ可能となる。

   ⇒ 自分の方から、部下の方へ足を運ぶ。 

  <参照Web>

佐々木常夫オフィシャルサイト
   「土光敏夫~無私の心
   https://sasakitsuneo.jp/leader/01.html


   土光敏夫氏(Web正論)
   https://seiron-sankei.com/personl_history


(2)墨子

  ①スローガン  ア、兼愛非攻(博愛と不戦)
          イ、尚賢(賢明な人を大切にする)

  ②よい才能をもつ人間は命令に従せにくい。
   だがその主君の値打ちを引き立てさせる。

   「よい弓矢は頑丈にできているからツルは張りにくい。
    だが高く届き、深く射ることができる。

    よい馬は敏捷だから乗りにくい。
    だが重い荷を載せて、遠方まで行くことができる」

  ③能力ある人には、小事だけでなく、思い切って大事をも任せよ。

  ④本当に役に立つ人を育てるには、
   思い切って大事を任せて鍛えねばならない。

  <参照Web>

   【墨子とは】
    https://liberal-arts-guide.com/mozi/


(3)山本玄峰(禅師)

  ①物の持ち味を生かさないのが殺生なのだ。

  ②上師は仇につく、中師は恩につく、下師は勢いにつく・・・修行の心構え

  ③「人を育てる」ことのできる人は、何より自分に厳しい。

  ④真に厳しい指導とは、日常の仕事の中でも、
   「人の機をみて指導」していく。

  ⑤機を見て指導チャンスをつくれるか否かは、
   その上司のセンスの問題だが、
   自己に厳しい姿勢が、そのセンスを育てる。

  <参照Web>

   山本玄峰:熊野出身の有名人
   https://www.mikumano.net/hito/yamamotogenpo.html

   忍び難きを忍び―山本玄峰の禅―
   http://h-kishi.sakura.ne.jp/kokoro-605.htm

             <感謝合掌 令和2年8月24日 頓首再拝>

リーダー力(指導力)~「人を育てる」心を揺り動かす(1) - 伝統

2020/08/25 (Tue) 22:32:59


「人を育てる」には、能力を向上させるだけでなく、
その人の心を揺り動かし、やる気にさせなければならない。


(1)唐の太宗

  ①君主たる者は、努めて臣下(部下)の意見に耳を傾けねばならぬ。
   そして特定の臣下(部下)の意見だけでなく、
   気に入らない臣下(部下)の意見にも耳を傾けて聞かなくてはいけない。

  ②人主たる者は、自分がたとえ賢明であっても、
   心をむなしくして人を人を受け入れるべきもので、
   そうしてこそ人がついてくる。

  ③上司の包容力と部下のチームワーク
   この2つを結びつけるものこそ、「傾聴」である。

   「傾聴」とは、腹立たしさをグッとこらえて必死で耳を傾けること。

  ④「傾聴」は部下を「育て」、
   意気に感ずる心を育てると同時に、

   上司は「傾聴」を通して、
   部下に鍛えられて「育て」られていくのである。

             <感謝合掌 令和2年8月25日 頓首再拝>

リーダー力(指導力)~「人を育てる」心を揺り動かす(2) - 伝統

2020/08/26 (Wed) 19:32:35


(2)ベートーベン

  ①果敢に運命に挑戦

   勇気、体のすべての弱点にかかわらず、
   しかもなお、わが精神は君臨す。

  ②何のよいことをも、もたらさない禍というものはないのだ。

  ③最も優れた人たちは、苦悩することで歓喜を手に入れる。

  ④人を感動させるのは、理論・理屈の立派さではなく、
   その生き抜く姿の反映なのだ。

  ⑤記録することは、現実を深く見つめ直し、
   思考を高めるのに効果がある。

             <感謝合掌 令和2年8月26日 頓首再拝>

リーダー力(指導力)~「人を育てる」心を揺り動かす(3) - 伝統

2020/08/28 (Fri) 22:40:44


(3)上杉鷹山

  ①リーダーシップのとり方

   ア、全員が実情について共通の認識をもつ ⇒ 情報の共有化を図る

   イ、全体の大目標を分化して、各「職場(組織)」ごとの目標を立てる。

   ウ、「職場(組織)」目標ができない場合は
     組織(容れもの)を変え、人(中身)の意識を変革する。

   エ、リーダーシップを遺憾なく発揮するには、
     部下の力でそれを補完するように努力する。

  ②何(内容)を言っているのかを重視し、
   誰(言い手の身分や人間性など)が言っているのかにこだわるな。

  ③全員が火種運動を起こせ
   ~一人ひとりが胸に持っている炭に火をつけろ。
    火がついたら、その火を他人に移せ。

  ④人が本当に力をつけるのは、自分自身のために必死に考える時である。
   その考えを深め、短時間に検討するためには、
   複数の人で討議し合うことが有効である。

  ⑤「して見せて、言って聞かせて、させてみる」
   
   ア、「して見せて」 ~ 率先垂範
   イ、「言って聞かせて」~ 説明する
   エ、「させてみる」 ~ 実際にその仕事をやらせる

             <感謝合掌 令和2年8月28日 頓首再拝>

【小さなことをチェックすべし】 - 伝統

2020/10/14 (Wed) 22:46:35


       *メルマガ「人の心に灯をともす」(2020年10月12日)より

   (コリン・パウエル氏の心に響く言葉より…)

   《小さなことをチェックすべし》

   釘(くぎ)がないので  蹄鉄(ていてつ)が打てない
   蹄鉄が打てないので  馬が走れない
   馬が走れないので  騎士が乗れない
   騎士が乗れないので  戦いが出来ない
   
   戦いができないので  国が滅びた
   すべては蹄鉄の  釘がなかったせい


   有名なこのマザーグースは、
   ごく小さな問題が重大事を引き起こす様をうたったものだ。

   最終的な成否を左右するのは、たくさんの小さなことだ。

   リーダーは小さなことまで感じられなければならない…
   小さなことが起きる組織の最深部がどうなっているのかまで
   感じられなければならない。

   出世すればするほど、虚飾とスタッフに囲まれてほかが見えなくなる。
   現場でなにが起きているのか、確認する必要性が高まるのだ。

   ひとつの方法は、高級感にあふれた役員専用フロアを出て、
   階下の現場に降りること。

   これから行くなどと予告をしてはならない。

   予告などすれば、大急ぎで掃除をされたり必死で準備をされたりして、
   パワーポイントのプレゼンテーションを見せられるのが落ちだ。

   もちろん、十分に告知をして、まるで売り物のように
   きれいな状態で受け入れられるようにしてやらなければならないこともある。

   しかし私は、ふらっと立ち寄り、ぶらぶらと見て歩くほうが好きだ。

   整備工場をのぞくなら、工作機械は汚れたままで
   部品がちらばっているほうがいいし、そこかしこに士官が待っていて、
   形式的な四半期報告書に書かれていない整備の現状について
   あれこれ説明するといったことはないほうがいい。

   兵舎の視察では、寝棚と壁際のロッカー、そして、
   寝棚の脇に置かれた小型トラックをチェックする
   (いまは状況が違う。最新の兵舎は学生寮のようなものになってしまった)。

   洗面所へも直行する。

   チェックするのはきれいかどうかだけではない。

   トイレットペーパーが不足していないか、鏡が割れていないか、
   シャワーヘッドがなくなったりしていないかなどもチェックする。


   なにか不具合がある場合、だいたい、維持管理費が不足しているか、
   こういうことを調べて修正する体制ができていないか、
   あるいは、兵士の監督が十分におこなわれていないかだ。

   どこに問題があるのかを確認し、正さなければならない。

      <『リーダーを目指す人の心得』飛鳥新社
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                ・・・

伊那食品工業では、社員に対してこう教えているという。

「公共の駐車場に車を置くときには、
 施設の出入り口からいちばん遠い場所に駐車しなさい」と。

なぜなら、病院でもスーパーマーケットでも、
出入り口から近い場所には、体調の悪い方、お年寄り、
体に障がいのある方などが駐車したいと思っているから。


他人への思いやりや、公を大事にするという精神を、
実践で示すとそうなるからだ。

どんなに素晴らしい知識があっても、
どんなに高邁(こうまい)な哲学を語ろうと、
それを実践しなければそれを知らないのと同じ。

そして、その実践も長く続けなければ本物にはならない。


まわりの人は、本当によく見ている。

たった車の止め方一つで、その人の人間性や思いやり度、
あるいは美意識が分かってしまうということだ。


「神は細部に宿る」という言葉がある。

もともとは建築デザインからきている言葉だが、
建築のディテール(細部)こそが大事であり、
それが美につながる、といった意味だ。


小さなことを常にチェックし、細部を大事にする人でありたい。

             <感謝合掌 令和2年10月14日 頓首再拝>

「人望力」 - 伝統

2020/12/12 (Sat) 23:23:08


       *メルマガ「人間力」(2020.12.7)より
        『致知』最新号、作家・政治史研究家の瀧澤中さん

……海軍で「髭の提督」と呼ばれた木村昌福中将もまた
人望力で部下の運命を切りひらいた人でした。

木村中将に関する印象的なエピソードがあります。

戦闘中に、左右から敵の魚雷が向かってきたことがありました。

どうにも避けようのない状況の中、
木村中将は「航海長、真っ直ぐ進め!」と命令します。

すると、一つの魚雷は手前で不発となり、
二つ目も水深の深いところを通り過ぎ、難を逃れることができました。

戦後、
「なぜあの時、『真っ直ぐ進め』という命令を出したのですか?」

と尋ねられた木村中将は、

「操舵機を握っている若い士官に、
『艦長の命令通り直進したから命中したのだ』と
責任回避させてやらなくちゃあ。どうせ命中するのだから」

と答えたといいます。

つまり、

「すべての責任は艦長の自分にある」

ということです。

また、木村中将は、いま機関室では誰が何をしているか、
食堂ではどうかなど、細かいところまで]
部下や現場の「業」をしっかり理解、掌握していたといいます。

自分の命や地位や名誉ではなく、
何よりも部下のことを最優先に考えて行動する。

そして率先垂範で危険な任務に当たり、現場の実情にもしっかり通じる。

こういう平素の実践によって、

「この人にならついていこう」

と部下たちに思わせる人望力が備わっていったのです。

             <感謝合掌 令和2年12月12日 頓首再拝>

神の心、太陽の心、親分の心 - 伝統

2020/12/31 (Thu) 00:17:56


        *「生命の實相」幸福篇下巻(12月30日)より

健康が心の中にあるのみではなく、財福もその人の心の中にあるのである。

親分の心になることが、自分自身の運命を親分にまで推し進める。

いつまでも子分の根性で功(こう)を同僚の間で争い、
眼を偸(ぬす)んで安らかさを希(こいねが)っているようなことでは、
その人の運命はいつまでも子分であるのであろう。

親分の心の最大なるものは、神の心である。

すべてを赦し、すべてのものを太陽のごとく照り、温(あたた)め、
みずからは光線と温熱と生命(せいめい)を投げ出すのみで、
敢(あ)えてみずからは求めぬのが神心(かみごころ)。

太陽の心。太陽の心。これが親分の心である。
かくのごとき人はよく衆(しゅう)を率(ひき)い大いに伸びるのである。

             <感謝合掌 令和2年12月30日 頓首再拝>

人・時・処の三相応 - 伝統

2021/02/08 (Mon) 00:49:25


          *「生命の實相」第37巻幸福篇上(2月7日)」より

才能ということは一つの資格であるがすべてではない。
智恵と力とがいくら多くあっても
人望を集めえない者は《天の時》を得ることができない。

天の時は人望から来るのである。
人望は人の和すなわち調和から来る。

なんの働きもないのに出世しているような人を見ると、
才能があって出世しえない者は嫉妬羨望して不平に思いがちであるが、
働きというものは眼に見える才能的な、また技術的な働きばかりではない。

何をしなくとも大いに働いている人がある。
「無為にして化す」という言葉にあてはまる人はそんな人である。
あの人がいてくれるので、ただいてくれるだけでこの団体に重みがある
というような人はそういう人である。

才能ある人はこの種の「無為にして化す」る人を
羨(うらや)んで不平に思ってはならない。
唯物論の人は物質的働きしか見えないから
無為人(むいじん)に対して反抗しがちである。

無為人とは何もしない人ではない。そのままで大いに為している人である。
一家の心柱(しんばしら)であり礎石(そせき)である。

諸々の機械が滑らかに実に複雑な働きをなしうるのは、
工場の礎(いしずえ)と柱とがしっかりしているからである。
礎(いしずえ)と柱(はしら)とは無為人である。

礎と柱とは平均がとれ重心がとれていなければならない。
言い換えれば全体と調和していなければならない。
調和が生活の重心である。

才能がありあまるほどありながら、
出世しない人は、周囲と調和しない人か、不平の人か、
長上のものに親しく近づいて行くことをおべっかつかい
とまちがえられることを惧(おそ)れて、
長上に近づくことを潔(いさぎよ)しとしない人か、
下の人には深切であるが上の人には恭(うやうや)しくない人かである。

栄えるためには人(ひと)・時(とき)・処(ところ)の
三相応が備わらなければならない。
人・時・処の三相応といっても大調和のほかに何もない。
人に相応し、時に相応し、位置に相応して調和してゆかなければならない。

下剋上は花々しいように、あるいは潔(いさぎよ)いように思いちがえられて
若い青年たちに歓迎せられやすいが、
それは人時処(じんじしょ)の三相応を破るものであり、
大調和を毀すものである。

一時効果を収めるように見えても永遠の栄えは下剋上からは来ないのである。
ドイツやイタリヤの共産革命が中途で破れたのは下剋上の革命であるからである。
ヒットラーもムッソリーニも下剋上の反動に乗ったために一時栄えたのだ。

下剋上は必ず反動が来るものである。
ソビエトにおいてすら下剋上には反動が来ている。
ロシア革命当初の元勲はすべて放逐か、国外逃亡か、銃殺されてしまっている。

ものは落ちつくところへ落ちつかせるしか仕方がない。
無理に上へあがっても結局は落ちるばかりであり、落ちるまでは不安なばかりである。

雲雀(ひばり)は空にあって楽しく囀(さえず)り、
すずむしは草場の下にあって楽しく啼く。
すずむしを蒼空で囀(さえず)らせようと思っても無駄である。

           <感謝合掌 令和3年2月7日 頓首再拝>

“人望力” - 伝統

2021/02/24 (Wed) 14:35:50


      *メルマガ「致知BOOK」(2021.02.23)より

━━━━━━━━━━━━━━━━━━
優れた才能があっても、
人生や仕事に失敗する人がいる一方で、
特別な能力がなくても大きな仕事を
成し遂げる人がいるのはなぜだろうか――。

その答えは、

「この人にならついていこう」

と思わせる人間的魅力、すなわち

“人望力”

の差にあると、作家・政治史研究家の瀧澤中氏は言います。

――――――――――――――――――――
歴史に学ぶリーダーシップの研究
  『人望力』

      瀧澤中・著

――――――――――――――――――――

連合艦隊司令長官だった山本五十六が、病院船を見舞ったとき。

失明した少年兵に、

「帝国海軍は、決して君のことを見捨てない」

そう言って励ました。

日露戦争のときには、日本海海戦で勝利した東郷平八郎元帥が
敵将・ロジェストヴェンスキー中将を病院に見舞い、

「勝敗は兵家の常で、恥じることではありません」

として、ロジェストヴェンスキーと
バルチック艦隊の兵たちが全力を尽くしたことに敬意を示した。


言葉ほど端的にその人物の心を表すものはない。

人望のある人物の言葉は、相手を傷つけない。

叱ることもある、叱責し怒鳴ることもある。

しかし相手の人間性を否定したり、
気にくわないというだけで荒い言葉を使うことはない。


なぜか。

利他が心にあるから、相手を思いやる。

利他が心にあるから、私事ではなく公のことについてのみ叱る。

もちろん人間は完璧ではない。

リンドン・ジョンソンを見てもわかるとおり、
時には思いやりのない言葉や眉をしかめる言葉も吐く。

しかしその本性が善であれば、人は赦す気になる。

要は、人望のある人物の言葉とは、
その表現力であるよりはにじみ出る人格であり、
心が思いやりと利他で満たされていれば、自然と言葉は選ばれるのである。

それでもより豊かな表現を求めるのであれば、
あなたが思う人望ある人物の言葉を、
何度も繰り返し読むことをおすすめする。

言葉は、読み、あるいは書くことで
心に入ってくる。

善い文は善い人間をつくり、
人望の厚い人の言葉は、
人望の厚い人間をつくる。

そう筆者は確信している。

           <感謝合掌 令和3年2月24日 頓首再拝>

包容精神 - 伝統

2021/03/11 (Thu) 00:11:50


          *「生命の實相」第37巻幸福篇上(3月10日)」より

反抗心というものは自己低卑の証徴(しるし)である。
反抗心の逆は包容精神である。
包容精神は自己偉大の自覚である。

少青年に反抗心はあらわれ、
一概にはいえないが、父母には包容精神があらわれている。

乞食でも親分となるほどのものは包容精神が大きいので子分から尊敬せられる。

            <感謝合掌 令和3年3月10日 頓首再拝>

組織をまとめる「真のリーダー」に必要な3要素 - 伝統

2021/04/25 (Sun) 13:24:18


        *Web:東洋経済(2021.03.11)より抜粋

(1)「やりたいことをもっている」こと

  ①「これだけは死んでもやりたい」という強い気持ちがリーダーにないと、
   メンバーは好き勝手に動くだけになり、組織はまとまることなく
   空中分解してしまいます。

  ②「これはどうしてもやりたい」という明確な「旗」を掲げられること、
   これがリーダーの第一条件です。

  ③少しオーバーにいえば、すべてのリーダーのやりたいことは、
   「〝世界経営計画〟のサブシステムであるべき」だと思っています。

   要するに「世界をどのように解釈し、それをどのように変えたいと思い、
   自分はそのなかのどのパートを受け持ちたいと思うか」ということに
   他なりません。


(2)「旅の仲間を集められる」こと

  ①「これがやりたい」と旗に掲げることは、
   たいていは一人ではできないことです。
   だから協力者や同士を集める必要が生じてきます。

  ②そのためには、ただ旗を立てるだけではなく、
   その旗にどんなビジョンが描かれていて、
   それを実現することがどれほど社会にとって有益かつ魅力的であるか
   を広く伝え、

   さらにはその旗を見た人に「自分もやってみたい」という
   気持ちを起こさせなければなりません。

  ③「仲間を集める力」=「共感力」


(3)「旅の目的地までチームをまとめ、引っ張っていく」こと。

  ①旗のもとに集まった人たちに思う存分力を発揮させ、
   ゴールに向かわせる、いわば統率力です。

   どんなに素晴らしい夢であっても、リーダーがその夢を実現するための
   具体的な道筋を示せなければ、せっかく集まった人たちもやる気を失い、
   離れていってしまいます。

  ②メンバーのモチベーションを常に高い状態に保ち、
   さらに彼らの力を1つに束ねて同じ方向に進ませるためには、
   現実味のあるしっかりした経営計画が必要です。

https://news.yahoo.co.jp/articles/664d6783ed27551710ff8fc4ab150750c4ec54fe

            <感謝合掌 令和3年4月25日 頓首再拝>

【『教える技術』を習得せよ! リーダーは知っておきたい3つの基本】 - 伝統

2021/04/27 (Tue) 23:37:16


        *Web:STUDY HACKER(2016-12-24)より抜粋

後輩に仕事を任せたり指示したりする時、
どうすればいいかお悩みの方は多いはずだ。

特に、後輩に仕事を指示することに慣れていない
若手のビジネスパーソンにとっては、難しい問題だろう。

例えば、初めて後輩を持つことになったり
新人に業務を教えることになったりしたとき、
自信がなくてしどろもどろになったことはないだろうか? 

あるいは逆に、
「自分が新人の頃はこんなんじゃなかったのに」などと、
後輩の出来の悪さに憤慨したことがある人もいるかもしれない。

(中略)

こんな現代において、どのような姿勢で後輩と接するか、
どの量の仕事を振れば適切か、引き継ぎでは何を伝えればいいか、
先輩の側がしっかり考える必要があるのだ。

今回は、後輩に仕事を指示するとき、何をどのように伝えるべきか、
どのような心構えでいるべきか、を考える。


(1)相手の視点に立ってものごとを考える

  ①後輩が、先輩であるあなたからの指示内容を理解できない
   のだとしたら、それは後輩の理解力のせいではない。

   専門的な知識やノウハウを噛み砕けない、
   あなたの説明力に問題があるのだ。

   後輩の立場に立ち、自分の指示で十分理解させることが
   できるか、真剣に考えよう。

  ②かのアインシュタインは、
   「6歳児に説明できなければ、理解したとはいえない」
   という言葉を残した。

   彼は「相対性理論」さえも、
   こんな風に噛み砕いて説明している。

   彼は「相対性理論」さえも、
   こんな風に噛み砕いて説明している。
   その理解力・説明力には舌を巻くばかりだ。

          ・・・

   ある日アインシュタインが街中で小さな男の子に、
   「相対性理論って何なの、教えてよ!」と質問された。

   アインシュタインはにっこりと微笑み、こう答えたという。

   「もし君が、きれいな女の子と1時間並んで坐っていた
    とすれば、その1時間は1分のように思えるでしょう。

    しかし、もし君が熱いストーブのそばに1分間坐って
    いたら、その1分間は1時間のように感じるでしょう。
    これが相対性です。」

          ・・・


(2)「結果」ではなく「行動」ベースで指示を出す

  ①あなたが後輩に指示を出すことになったら、
   結果や完成状態だけを伝えるのではなく、
   結果を出すまでの詳細な行動も、合わせて指示してあげよう。

   たとえば、もし議事録をまとめてほしいのなら、
   「まずは会議中に発言者のログを取る。そして議題別に、
    特に取り上げられ議論が深まった発言を議事録に残す。
    さらに、次回の会議までのToDoが分かるように記す」

   というように、具体的な「行動ベース」で指示すべきなのだ。

  ②行動ベースで指示を出すことによって、
   相手に伝わりやすくなるだけでなく、
   後輩は継続して同じ結果を生み出すことができるようになる
   はずだ。


(3)「背景と文脈」を徹底的に共有する

  ①仕事において大切なのは
   「WHAT(何をやるか)」ではなく、「WHY(なぜやるか)」
   ということだ。

  ②あなたが仕事を指示する相手に
   当事者意識を高めてもらうには、
   その仕事に共感してもらわなければならない。

   会社としてその仕事を進める意義は何か、
   どのような経緯で後輩に仕事を指示しているのか、
   後輩に何を期待しているのかを伝えることで、
   相手のやる気を引き出すことにつながる。

https://studyhacker.net/columns/shigoto-shiji

            <感謝合掌 令和3年4月27日 頓首再拝>

「失敗を認め、許す」 - 伝統

2021/06/10 (Thu) 00:15:35


      *メルマガ「IISIA」(2021年06月09日)より

⇒その理由は……:

─リーダーである理由。
 それは束ねること、です

─そのために時に厳格でなければならないでしょう。
 それは確かにそうです


─しかしそれだけなのでしょうか。
 違います

─許すことも重要なのです。 
 その上でさらに強固な輪をつくる


─この判断もリーダーしか出来ないのです。
 そのことを、忘れてはなりません

─厳しくも、温かく。
 その先にこそ本当のリーダーシップがあります

全ては美しくなければならない。
そこににじむものがあってはならない

それは確かにそうなのだ。

しかしだからこそ、その枠組みを超えたものを見る必要がある


ルールの向こう側の世界。
そこでやさしさを見せること

それによって二度と外れることのない本当のメンバーが出来上がる。
その繰り返し、なのだ

甘えさせることなく厳しく。
しかしだからこそ、包み込む

その繰り返しの中にリーダーシップの奥義を読み込む。
・・・そうありたいものだ

            <感謝合掌 令和3年6月9日 頓首再拝>

「やる気を奪うセリフ」×「やる気に火がつくセリフ」 - 伝統

2021/08/21 (Sat) 13:18:33


       *島津マネジメントレター(2021.05.12)より

先日こんな記事を見つけました。

ソニー生命保険の調査で
社会人1~2年目の男女に聞いた、

「先輩に言われたら、
 やる気を奪われてしまうセリフは?」

・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・


1位「この仕事向いてないんじゃない?」(31.0%)

2位「やる気ある?」(25.5%)

3位「ゆとり世代だなあ」(23.7%)

4位「私が若いころは◯◯だったよ」(22.9%)

5位「そんなことは常識でしょ」(18.2%)

などで、

適正を否定される、

意欲を認めてもらえない、

世代でひとくくりにされる、など、

正当に評価してもらえないことによって、

モチベーションが
下がってしまう人が多いようです。


他に

「前にも言ったと思うんだけど?」(14.0%)

「ちゃんと考えたの?」(13.3%)

など、

知識不足や能力不足を
指摘するような言葉に接すると、
やる気を失う人が少なくないようです。


男女別にみると、

「女/男だからしょうがないね」
(男性6.0%)(女性19.8%)

では、女性のほうが13.8ポイント高かった。



逆に、仕事で失敗したときなど
落ち込んでいるときに先輩に言われたら
やる気に火がつくセリフは・・・・



1位「君がいて助かった、ありがとう」(43.0%)

2位「本当によくがんばった」(30.7%)

3位「何でも相談してね」(25.8%)

4位「一緒に乗り越えよう」(24.8%)

5位「よくそこまでできたね」(17.5%)

と続いた。


男女別でみると、

「一緒に乗り越えよう」
(男性20.8%、女性28.8%)は、

女性のほうが8.0ポイント高い。


女性には、
支えてもらえる心強さが、
仕事へのパワーになる人が多いのかもしれません。


でもこうやってみると、

別に特別な言葉ではなく、
誰もがうれしい言葉は誰もがうれしいし、

誰もが言われて嫌な言葉は
誰もが嫌ということではないでしょうか。


私も小さいころから亡き母から

「自分がやられて嫌なことは
 人にもするな。

 自分がやられてうれしいことは
 人にもしてあげなさい」と

よく言われていました。


「人は上司になるとバカになる」

という言葉があります。


これは、自分が部下だった時に、
やられたり言われて嫌だったことを、

なぜか自分が上司になると
やったり言ったりしてしまう上司を
揶揄している言葉ですが、

気を付けたいものですね。


あなたは、

自分が部下だった時に、

やられたり言われて嫌だったことを、
部下にやったり言ったりしていませんか?

自分がやられたり言われたりして

うれしかったことを

部下にしてあげていますか?

         <感謝合掌 令和3年8月21日 頓首再拝>

【互いに育つ言葉】 - 伝統

2021/09/28 (Tue) 15:53:44


やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、
ほめてやらねば、人は動かじ ~山本五十六

<Web: ちからのある言葉【格言集・名言集】より>

連合艦隊司令長官、山本五十六と言えばこの言葉。
というほど名言中の名言。

あまりにも有名すぎて取り上げるのをためらったが、
ここはひとつ、初心に返ってみようと思う。



この言葉には続きがある。

ご存じかと思うが取り上げてみよう。

「話し合い、耳を傾け、承認し、任せてやらねば、人は育たず。

 やっている、姿を感謝で見守って、信頼せねば、人は実らず」



子は親の背中を見て育つ。

子は親の鏡・・・。

部下は上司の姿を良く見ているもの。

口では立派なことを言っても、行動が伴っていなければ
聴く耳は持たないし尊敬もされないから、
上司の小言と部下の態度は堂々巡り。



まずは、自分がやってみせる。

人間以外の動物のほとんどは、
言われなくてもそれができているのに、
なぜ人間だけが? と頭をかしげたくなる。



「人間ほど『子育て』をしている動物はいない」

と言ったのは、自然流育児を提唱する
小児科医、真弓定夫氏。

人間以外の動物は、親の姿を見て
子が育ってゆく「子育ち」ができているけれど、

人間は親が先に手を出し
口を出すものだから子は育たないのだと。

つまり、「子育ち」ができていないから、
ずーっと「子育て」をするはめになるのだそうだ。

いわんや「親育ち」においてをやである。



だから

自分でやってみる。

自分に言い聞かせる。

自分をほめる。

そうでなければ、成長しない。



五十六さんの言葉はそのまま、
自分自身が成長するための言葉でもある。

教えられる者も教える者も、
互いに育ってゆくための言葉だったのだ。

https://www.compass-point.jp/kakugen/4676/


         <感謝合掌 令和3年9月28日 頓首再拝>

【リーダーの条件~by岩田 松雄】 - 伝統

2021/10/11 (Mon) 13:00:55


【リーダーの条件①】カリスマ性も能力もいらない!
元スタバCEOが説く、リーダーに不可欠な要素とは!?
中田敦彦のYouTube大学(2021/10/09)
https://www.youtube.com/watch?v=vcvJvvLk6cA

【動画目次】
00:00 OP
03:38 リーダー像の誤解
06:29 人徳主義
11:30 人徳の正体
11:58 弱い人を大切にする
19:14 誘惑と恐怖に負けない
24:44 聞きにいく力
27:42 次回予告


【リーダーの条件②】人徳を向上させる方法とは!?
中田敦彦のYouTube大学(2021/10/10)
https://www.youtube.com/watch?v=CIRtgYD4m90&t=0s

【動画目次】
00:00 聞きにいく力
03:33 人事マトリクス

・・・

<参照>
「ついていきたい」と思われるリーダーになる51の考え方
岩田 松雄(著)

要点

(1)「ついていきたい」と思われるリーダーとして、
   謙虚で支持されるというリーダー像が存在する。

(2)謙虚で支持されるリーダーは、
   部下と深い信頼関係を築き、現場を大事にしている。

(3)リーダーは、長期的、表向きは楽観的で、
   短期的、内面では悲観的なシナリオにも備えておく必要がある。

(4)リーダーには人間力が不可欠である。
   優れたリーダーは、人間力を高めるために日々努力している。


書評Web

【書評】「ついていきたい」と思われるリーダーになる51の考え方
を読んでみた感想
https://monokoto68.com/51thinking/

         <感謝合掌 令和3年10月11日 頓首再拝>

長の十訓~その1「長たる者の器量」 - 伝統

2021/11/10 (Wed) 03:19:01

長の十訓~その1「長たる者の器量」

        *「長の十訓」藤尾秀昭(著)より

(1)長たる者の器量

  ①国も会社も家庭も、そこにどういうリーダーがいるかで決まる。
   どういうリーダーがいるかで、浮沈、盛衰が左右される。
   いつの時代も問われるのは、リーダーの器量である。

  ②では、人間的器量はいかにして養えるのか?

   安岡正篤師は『経世瑣言』の中で、
   その要諦を概ね次のように示している。

   「まず、第一に古今のすぐれた人物に学ぶことです。
    つまり、私淑する人物を持ち、愛読書を持つことが、人物学を修める
    根本的、絶対的条件であります。

    次に大事な条件は怯めず(おめず)、臆せず、勇敢に、己を空しうして
    あらゆる人生の経験を嘗め尽くすことです。人生の辛苦艱難、喜怒哀楽、
    利害得失、栄枯盛衰を勇敢に体験することです。

    その体験の中にその信念を生かしていって、初めて知行合一的に
    自己人物を練る事ができるのです。」

  ③リーダーの器量は一朝一夕には成らない。
   不断の長い修練の果てに培われる、ということを忘れまい。

         <感謝合掌 令和3年11月9日 頓首再拝>

長の十訓~その2「壁を越える」 - 伝統

2021/11/11 (Thu) 04:06:41


(2)壁を越える

  ①形こそ違え、人生の壁は誰の人生にも訪れてくる。

   ただ、壁が前に立ちはだかった時に、人が辿る道は二つに分かれる。
   一つは壁に敢然と挑み、なんとしても乗り越えていこうする道、
   もう一つは壁に圧倒され、委縮し、逃避する道である。

  ②松下幸之助氏の言葉がある。

   『人間は自らの一念が後退する時、
    前に立ちはだかる障害物がものすごく大きく見える。
    それは動かすことのできない現実と思う・・・
    そう思うところに敗北の要因がある』

  ③一念を堅持し続けることである。

         <感謝合掌 令和3年11月10日 頓首再拝>

長の十訓~その3「場を高める」 - 伝統

2021/11/11 (Thu) 12:59:49


(3)場を高める

  ①吉田松陰は、二度目の野山獄下獄の時、村塾の壁にこの言葉を記した。

   「松下陋村と雖も、誓って神国の幹とならん」

   松本村はひなびた寒村ではあるが、必ずや日本の背骨となろう。

   松陰は塾生たちにその場で励めばそこが華になると教えた。

   その精神を結集させたような言葉である。

   いま、私たちが松陰に学ぶものは、この気概ではないか、

   人にはそれぞれ与えられた場がある。

  ②その場がたとえどんなにささやかであっても、
   その場を少しでも高める。

   そこに集う人々の心も高める。

   そのことに心して、日々精励したいものである。

   あなたは、あなたのいる場を高めているだろうか。

         <感謝合掌 令和3年11月11日 頓首再拝>

【先ず隗(かい)より始めよ】 - 伝統

2021/11/14 (Sun) 13:18:23


        *メルマガ「人の心に灯をともす」(2021.11.14)より

   (山口謠司(ようじ)氏の心に響く言葉より…)

   燕(えん)の国を立派なものにしたいと願う王に招かれた
   郭隗(かくかい)という賢者が、次のような話をした。

   「むかし、千金のお金を出してでも、
    一日に千里を走る馬を手に入れようと考えた君主がありました。

    ところが、3年経っても、そんな名馬は見つかりません。


    ところが、小間使いをしている男が、
    『私が買って参りましょう』と言ったのです。

    君主は、彼を買いにやらせます。

    すると3ヵ月歩き回った頃に、彼は千里の馬を見つけました。


    しかし、残念ながらその馬は死んでいたのです。

    男は、しかたなく五百金を出して馬の死体を買うと、
    それをもって君主のところへ戻りました。

    君主は、男を叱って言います。

    『私が欲しいのは生きた馬だ。
     死んだ馬をこんな高いお金で買って来るとは何事だ!』


    男は答えました。

    『君主様、私を叱るのはかまいませんが、黙って見ていてください。
     そのうち、千里の馬が何頭も手に入ることになりますから。
  
     いま世の中は、君主様が求める名馬のことでもちきりです。

     死んだとはいえ、名馬とあれば、五百金を出しても買う君主のことだ。

     名馬の価値がわかる君主は、生きた馬なら、
     千金を出して買ってくれるに違いない、と』

   それから1年もしないうちに、
   君主のところには、名馬が3頭もやって来たのです」


   郭隗はこの話を終えると、燕の王に言った。

   「まず、私、隗(かい)をお召しになるところから始めたらいかがでしょうか」

   郭隗は、自分を「死んだ名馬」にたとえたのである。

   すると、名馬を求めた君主の話同様、
   数年もせずして、燕には賢者と呼ばれる人が全国から集まり、
   国は大いに栄えたのである。


   《人材が続々と集まる方法》

     <『中国古典100話』(山口謠司)知的生き方文庫
          https://amzn.to/3c2SwYu >

           ・・・

「先ず隗(かい)より始めよ」の意味は、現代とは多少解釈が違う。


現代では、

大事をなすには、まず手近なところから始めよ、

ということ。


それが、転じて、

人に言ってばかりいるのではなく、言い出したものが自分から始めよ、

という意味にもなっている。


いわゆる「率先垂範」ということだ。

経営者やリーダーが、自ら範(はん)をしめすということ。

口先だけでは人はついてこない。

人は、その人の行動を見ているからだ。


率先垂範の人でありたい。

         <感謝合掌 令和3年11月14日 頓首再拝>

「部下が上司に言われてムカつく」ベスト5 - 伝統

2021/11/18 (Thu) 13:15:28


        *Web:リーダーズアカデミー review186
              (2021年9月2日)より抜粋

5位「やる気があるのか?」

4位「上が言っているんだから、やれ」

3位「余計なことをするな」

2位「そんなこともできないのか?」

1位「使えないな」

だそうです。


言われてうれしい一言は、

【男性】

1位「ありがとう」

2位「よくやった」

3位「いいアイデアだ」

4位「期待しているよ」

5位「あなたにしかできない」


【女性】

1位「ありがとう」

2位「よくやった」

3位「頑張ってるね」

4位「おつかれさま」

5位「あなたにしかできない」


だそうです。


こうやってみると、改めて人間は感情の動物で、
いつの時代も言われて嫌なことは嫌だし変わりないし、
言われてうれしいこともそんなに変わらないと思いませんか?

そんな当たり前のことを、どれだけ特別に思って、徹底していけるか?

人の心を動かすのは、もしかしたら
そんなに難しいことではないのかもしれませんね。

亡き母に、

「人にやられて嫌なことは、人にもするな!
 人にやられてうれしことは、人にもしてあげなさい」

とよく言われましたが、単純な教えですが、大切なんだと思います。

世の中には

「人は上司になるとバカになる」

という言葉があります。

これは、自分が部下だった時にやられたり言われたりして
嫌だったことを、自分が上司になると部下にしてしまう上司を
揶揄した一言です。

あなたは、自分が言われたりやられたりして
嫌なことを知らないうちに人にしてしまっていませんか?

自分が言われたりやられたりしてうれしいことを
人にもしてあげていますか?

         <感謝合掌 令和3年11月18日 頓首再拝>

艦長に必要な資質と今後のコロナ対策 - 伝統

2021/12/08 (Wed) 00:59:48

艦長に必要な資質と今後のコロナ対策
抗酸化チャンネル・犬房 春彦(医師・医学博士)(2021/12/07)
https://www.youtube.com/watch?v=ydofzU3uDA8

         <感謝合掌 令和3年12月7日 頓首再拝>

リーダーに求められる最も大切な資質とは? - 伝統

2022/01/21 (Fri) 15:08:05


       *メルマガ「リーダーズアカデミー」(2022.01.21)より

あなたは、

「リーダーに求められる大切な資質とは何か?」

と聞かれたら何と答えるだろうか?


リーダーシップ、謙虚さ、判断力、時代を読む力など、
いくらでも挙げることができると思う。


100人に尋ねれば100通りの答えが返ってくるかもしれない。


その中でも私は、あえて

「セルフマネジメント能力」を一番に挙げたい。


「どれだけ自分を律することができるか」

ということだ。


この能力こそ、リーダーが最も備えるべき資質だと思っている。


セルフマネジメントすべきことには、4つある。

それは、

【欲】【健康】【時間】【感情】。


私は人間の最大の敵は本能、欲だと思っている。


本来、経営は正しいか、正しくないか、という意識で、
さまざまな判断を下さなければならない。


ところが、欲をコントロールできないリーダーは

「やりたいか、やりたくないか」

「好きか、嫌いか」

などの基準で判断をしてしまう。


また、現場のリーダーで、自分の感情を律することのできない人は、

「決まったことに従う」という当然のことができない。

組織は民主主義。


たとえ、自分の意見と違う決定が下されたとしても、
そこはきっちりと割り切って、ベストを尽くさなければならない。

決まったことに対して、

「どうせうまくいかない」

「もっといいやり方がある」

と文句を言うのはナンセンスだ。


経営者や幹部など、立場が上であればあるほど、
感情のコントロールが必要だ。


欲には、
金銭欲・ビジネス欲・自己顕示欲・性欲などさまざまな種類があるが、

その欲に流されて、自分をコントロールできないようでは、
事を成すことはできない。

もちろん上司だって人間。

欲に流されそうになることもある。


そもそも人間の欲が絡む判断は、
「善51 対 悪49」くらいの微妙なところで判断されているものだ。


何か悪い行いをするときでも、
心の中で常に葛藤があり、結果を左右しているのが、
51対49というわずかな差だということだ。

例えばある経営者が、賄賂を送ったとしても、

「こんなことはやってはいけない」

という思いが100分の49あったはず。


ところが、

「わかりゃしないだろ」と

「やってしまえ」という思いが、

100分の51あったために引き出された行動というわけだ。


そのぎりぎりのところで、
自分の理念や信念に即した行動を選択できるかどうかが、
セルフマネジメントのカギであろう。


51対49の危うい綱引きをしているときこそ、
あなたが経営者・経営幹部であることを強く自覚してほしい。

あなたの行動をすべての社員が見つめている。

そして、
あなたのセルフマネジメント能力を推し量っているのだ。


結局のところ経営者の判断、行動が社員に影響を与え、
ひいては企業文化を培っていく。


今、あなたの会社には、

正しい理念や信念に則した文化が根付いているだろうか。

胸を張れるにしろ、
改善すべき点があるにしろ、

それがあなた自身を映す鏡だ。

         <感謝合掌 令和4年1月21日 頓首再拝>

あの人の下なら、やる気が出る - 伝統

2022/01/28 (Fri) 19:23:16


        *「あの人の下なら、やる気が出る」 中谷彰宏(著)より

(1)「前から言おうと思っていたんだけど」

   より、

   「いま、気づいたんだけど」 と言おう。

   「前から言おうと思っていた」と言われたら、
   「それなら、なんで前から言ってくれなかったのか、
   前からずっと嫌われていたのか」 という気持ちになる。

   これは、ケンカ・指示・注意、あらゆるコミュニケーション
   の大切なポイント。

(2)叱るときは、すぐ叱る。

(3)表情を見て、コミュニケーションのタイミングをつかむ。
   一人一人の部下の名前を覚えていくことも大切。

   しかし、名前よりも先に表情を見てください。
   表情を見ていくと、名前は自然に覚えられる。

   コミュニケーションは、
   ただ言葉のやりとりをしているのではない。

   表情を見合う関係だ。

(4)ミーティングではなく、コミュニケーションをとる。
   ミーティングでは、本音は出てこない。

(5)リーダーの仕事は
   自分のスタッフの問題を解決してあげること。

   部下の悩みを解決してあげたいなら、
   階段ですれ違ったときにふと振り返って、
   「あれはどうなっているかな? 」
   というさりげないやり取りが大切。

   また「この間、ありがとね」という小さな一言です。

(6)コミュニケーションというのは、
   こういったムダ話の積み重ねです。

   トイレで話そう。

   トイレでたまたま隣に並んだときに、
   「このごろ元気そうだね」
   「うれしそうだな。なにかいいことあったのかな」
   と話しかける。

   これが本当のコミュニケーション。

(7)育てられるのがうまい人は、育て方もうまくなる。

(8)100回繰り返さないと、徹底できなくて当たり前。
   100回くりかえしても、あきらめない。

(9)気軽なやりとりが、コミュニケーションになる。

   コミュニケーションで大切なのは、
   なるべく重々しく言わないで、
   気軽に言ってあげること。

(10)メールのコツは、軽く、短く。

(11)なんでもない会話を増やそう。

(12)コミュニケーションがあれば、私語はない。

(13)バックアップの守備範囲を広くする。
   チームで仕事を楽しくしていくには、
   自分の守備範囲にこだわらないことが大切。

         <感謝合掌 令和4年1月28日 頓首再拝>

リーダーは大根役者ではダメ! - 伝統

2022/01/30 (Sun) 18:59:05


        *メルマガ「リーダーズアカデミー review204
              (2022年1月28日)より抜粋

コロナの影響で、世の中が変わり、
社会で生活する人々の遊び方や仕事のやり方、
生活習慣や価値観までも変わったといっても過言ではありません。

人も企業も社会も変化し続けることが大切なので、
これに異論はありません。

ダーウィンも言っています。

『もっとも強いものが生き残れるわけではなく、
 もっとも賢いものが生き残れるわけでもなく、
 変化し続けられるものだけが生き残れるのだ』と。

しかし、世の中がどんなに変わっても
変わらないものが【3つ】だけあると、

『7つの習慣』の著者である
スティーブン・R. コヴィー博士が言っています。

それは、

【変化し続ける】

【選択の自由】 

そして 【原則】 です。


私はこの【原則】の中に
人として大切なものがあると思っています。


それは

「人は感情の動物である」

ということです。
   

人は100%感情で動く生き物です。


そういう意味では
私は部下を持つリーダーたるもの、
この感情を揺さぶれなければだめだと考えています。

そのためには、

【いい意味でリーダーは役者であること】です。


大根役者では見抜かれます。


ある上司は、部下が自分の机のところにきて、
問題や相談を持ちかけてきたり、
ホウレンソウ(報・連・相)をしに来た時、

必ずその部下を机越しに座らせて、
自分と部下の間をさえぎっているパソコンを閉じ、
仕事道具をすべて横によけて、

「なんだ?」

と聞く習慣を持っているそうです。


あなたは自分が話をしようとしたとき、

自分の上司がそんなことをしてくれたら

「この人は真剣に自分の話を聞こうとしている」

と思いませんか?


この方は言っていました。


「なぜそういったことをするか?」というと、

部下の話を真剣に聴く気があるという
メッセージを部下に伝えるための工夫だそうです。


座布団1枚って感じの役者ですよね(笑)


ほめる、叱るなども含めて
そういう多少の演出があってもいいので、

あらゆるコミュニケーションスキルを使って、

リーダーは部下の心を揺さぶれるようでなければ
いけないのではないでしょうか。


これからは、

お金や地位といったハードではなく、

コミュニケーションという
ソフトで報酬を与えられるリーダーが最高の上司かもしれません。

         <感謝合掌 令和4年1月30日 頓首再拝>

挨拶には大切なことが3つある - 伝統

2022/01/31 (Mon) 19:25:35


     *致知BOOKメルマガ(2022.01.27)より
        ~『「人に長たる者」の人間学・第2講 小人の学』伊與田覺・著より

「敬」「謝」「謙」「譲」「和」という精神で「礼」を行えば相手に通ずる。

日本では頭を下げるのが「礼」です。
握手するのも「礼」 の一つです。

形はいろいろ違って参りますけれども、
根本にそういう心を持つことが大事なんです。

その「礼」の中で、我々が日常一番よく行っておるものは「挨拶」であります。

「挨」も「拶」も「触れる」とか「押す」という意昧があります。

石と石が触れ合ったら火花が飛ぶ。
電気が触れ合うと稲妻が出る。

人間が触れ合ったときには、挨拶によって
人間関係はスムーズにいくんですね。

だから、挨拶にはじまって挨拶に終わるということは、
今更私がいうまでもないことです。


この挨拶に大切なことが3つある。

(1)その1つは「時の宜しきを得る」ということ。

   人間の心というものが最もよく表れるのは眼です。
   目は口よりもものを言う。

   眼というのは常に真実を物語っている。
   だから礼をするときには、はじめに相手の目をよく見る。

   そして頭を下げて起こしたときに、もういっぺん相手の目を見る。

   だから、目が合うということが大事。
   相手を見ずに頭だけ下げるような礼のことを「瞽礼(これい)」という。

   中国の宴会に行って大切なのは、「カンペイ」ということです。

   本当の「カンペイ」というのは、盃を持ってまず相手の目をよく見る、
   酒を飲み乾したら盃の底を見せて相手の目を見る。

   それで言葉は通じなくても心はよく通じるんです。

   犬と人間とも同じことで、お互いに目を見合うたら
   言葉は通じないけれども心が通じるものなんです。


(2)挨拶に大切なことの2つめは、「言葉の宜しきを得る」です。

   「おはようございます」とか「こんにちは」とか、
   そのときに応じて言棄を変える。

   また「おはよう」「おはようございます」というように、
   相手に応じて言莱を変える。

   これを瞬時に判断をして適切な言葉を使う。
   「言葉の宜しきを得る」とはこのことをいいます。


(3)3つめは挨拶の内容が、道理に適っていること。

   無茶な言葉を使わない、そういう挨拶を「事の宜しきを得る」と申します。

   侠客の挨拶を「仁義を切る」といいますね。
   侠客というのは本来、強きをくじいて弱きを助ける。
   人間の道義の根本をなすものは、義理と人情です。

   だから、仁義に適った挨拶をする。

   こちらが仁義に適った挨拶をしているのに、
   向こうがそれに応じない場合は
   「血の雨が降る」なんてことになるわけでありますな。

   侠客は命よりも仁義というものを重んじているのです。


そういうことで挨拶には、3つの宜しきを得ることが大切である。

これを「挨拶の三宜(さんぎ)」といいます。


このことを幼少の時分から、繰り返し繰り返し行っておりますと
挨拶というものか身について、どこから見ても麗しくなる良い躾がついてくる。

にわか仕立てではどことなしにぎこちない。

やっぱり幼少の時分から、
あるいはいつもこういうことを心掛けて
挨拶をいたしておりますと、
どこから見ても感じが良くなるものです。

         <感謝合掌 令和4年1月31日 頓首再拝>

リーダーの本質 - 伝統

2022/02/03 (Thu) 18:49:58


      *「リーダーは最後に食べなさい! ―最強チームをつくる絶対法則」
        サイモン・シネック(著)より

(1)リーダーは親のようなもの

  ①リーダーになるのは、親になるようなものだ。
   そして入社とは、新たな家族の一員となるようなものだ。

   一致団結して成功できれば、忠誠を尽くしている家族のシンボルとして、
   社名を誇らしく思う。

  ②敵、ライバル、対抗勢力と見なさずに、
   信頼できる味方として同僚と関わるからこそ、
   組織は大きな成果をあげる事ができる。

   私達は充分、外部からの危険にさらされている。
   そこに内部からの脅威が加われば、組織として機能するはずがない。


(2)安心感の砦を築くこと

  ①見事な成果をあげるグループの能力は、
   メンバーがどれほどチームとして一致団結できるかにかかっている。

   屈辱感や孤立感を覚える、自分が無能に思える、
   周囲から拒絶されているように感じる。

   これらはすべて組織の内部にいる人間が避けようとするストレスだ。
   とはいえ、内部の危険はコントロール可能である。
   組織内部の人間が互いに全く危険を感じずにすむ文化をつくりあげるのが、
   リーダーシップの目標であるべきだ。

  ②それを実施する方法がいくつかある。

   1人1人に帰属意識を覚えてもらうこと。
   人間らしい価値観と信条を明確にした強い文化を作り上げること。
   部下に権限を委譲すること。
   信頼と共感を持ってもらうこと。

   いわば「安心感の砦」となる「サークル・オブ・セーフティ」を
   作り出せば、部下はグループ内で脅威を感じずに済む。

   すると、ストレスから解放された部下は、
   外部の絶え間ない危険から組織を守る作業
   に時間とエネルギーを注ぐようになり、
   大きなチャンスを掴む事ができる。

  ③会社の強さと耐久力は、
   製品やサービスの良し悪しで決まるのではなく、
   社員がどの程度一丸となって協力しているかにかかっている。

   だからこそ、グループの1人1人が
   「サークル・オブ・セーフティ」を維持すべく、
   自分の役割を果たさなければならない。

   そして社員がそうできるよう確実を期すのがリーダーの役割だ。


(3)リーダーのためのレッスン

  ①社風が会社の行動を決める

   強い企業文化があれば、社員は似たような愛着を会社に持つ。
   文化の基準が品格、価値観、信条といったものから、
   業績や数字など非人間的な測定値へと移行すると、
   信頼や協力への意欲が弱まる。

  ②リーダーがする事を文化も倣う

   社風を作るのは常にリーダーである。
   リーダーが他人よりも自分を優先する風潮を作れば、
   強い恐怖心と不信の文化が生まれる。

  ③誠実であれ

   リーダーシップとは、誠実であること、正直であること、
   説明責任を全うする事だ。

   深い信頼と忠誠心を部下にもたせるには、
   まず真実を伝える事から始めればいい。

  ④友情が大切

   真の意味で部下を導くには、
   通路を歩き、自分が奉仕している部下と
   時間を過ごさねばならない。

  ⑤頭数ではなく、人々を導く

   まず社員が会社を愛さなければ、
   顧客が会社を愛する事はない。

http://www2452ua.sakura.ne.jp/book/12849/summary/

         <感謝合掌 令和4年2月3日 頓首再拝>

【リーダーは社交的である必要はない】 - 伝統

2022/02/12 (Sat) 01:08:40

      *メルマガ「人の心に灯をともす」(2022.02.09)より

   (内藤誼人(よしひと)氏の心に響く言葉より…)

   みんなでリーダーを決めようというとき、
   たいていの場合には、積極的で、社交的で、
   率先してよくしゃべる人が選ばれます。

   そういう人のほうが、「リーダーっぽい」と感じられるためです。


   「リーダーシップ」という 言葉は「指導力」などと訳されますが、
   みんなをグイグイ引っ張っていくようなパワフルな人間ほど、
   リーダーらしいと思われやすいのです。

   内気であまり自分からは話さない人や謙虚な人は、
   あまりリーダーに選ばれません。

   神経質で細かいことばかり気にする人も、やはりリーダーに選ばれません。

   大雑把というか、 大胆な人のほうがリーダーらしく思われるからでしょう。


   米国カリフォルニア州立大学のコリーン・ベンダースキが、
   MBAコースの受講者227名 4人から6人でグループをつくらせ、
   数カ月かかる課題を与えたときもそうでした。

   お互いに面識のない人同士でグループをつくらせて経過を観察すると、
   第1週目には社交的な人ほど、メンバーから「あの人はリーダーに向いている」
   という評価を受けました。

   最初はおしゃべりな人がリーダーになりやすかったのです。

   ところが、10週目にはメンバーからの評価は変わりました。

   なんと、社交的な人の評価が下がって、
   神経質な人の評価は逆に上がっていたのです。


   なぜこのような評価の逆転現象が起きたのでしょうか。

   ベンダースキが分析したところ、
   社交的な人は威勢の良いことは口にするくせに、
   思ったほどグループに貢献してくれないということが、
   メンバーに次第にバレてくるのです。

   「あいつって口だけだよな」と馬脚を表わしてしまうので、
   どんどん評価が下がります。

   だいたい10週間も一緒に課題をやっていれば、
   「口先だけの人間」かどうかはわかってきます。


   そのため社交的な人は最初こそ良い印象を与えますが、
   そのうちに評価は悪くなるのです。

   その点、神経質な人は細かいことを気にするので、
   最初はメンバーたちから「面倒くさいヤツ」と思われがちです。


   けれども一緒に課題に取り組んでいると、
   思った以上に頑張ってくれるということがわかり、
   グループ内での評価は高くなるのです。

   「私は、どちらかというと口下手だし、
    小さなことばかり気にして大きな考えもできないから、
    リーダーには向いていない」

   と感じる人もいることでしょう。

   そういう人はたしかに最初は印象があまり良くないかもしれません。

   けれども、小さなことを気にしてしっかりやっていれば、
   そのうちにほかのメンバーにも自分の良さがわかってもらえるはずです。


   たとえ最初の印象は悪くともそのうちに印象が良くなるのですから、
   自分はリーダーに不向きだなどと考える必要はありません。


   同じことは内気な人にも言えます。

   内気な人は、あまり積極的に前に出ていくわけではないので、
   どうしても最初はそんなに良いイメージを与えないかもしれません。

   けれどもそうした人の良さは次第にわかってもらえます。

   あせって良いところを見せようとしなくとも大丈夫な のです。

       <『もっとすごい心理学』総合法令出版
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              ・・・

日頃、人前で滔々(とうとう)と話をする優れたリーダーでも、
意外に、「人前で話すの苦手だ」、「あまり目立ちたくない」という人は多い。

また、スピーチが下手で、小さな声でボソボソ話す名経営者もいる。

我々は、理想のリーダー像として、
大きくて明るい声で、いつもニコニコして元気よく、
ポジティブなことばかりを話して、
まわりをグイグイ引っ張っていくような人を想像しがちだ。

人物について 中国明代の儒学者である呂新吾(ろしんご)が
名著『呻吟語』でこう語っている。(安岡正篤)より


深沈厚重(しん〇んこうじゅう)、是第一等素質 。
   *〇:ち

磊落豪遊(らいらくごうゆう)、是第二等素質。

聡明才弁(そうめいさいべん)、是第三等素質。


第一等の人物は、深沈厚重 どっしりと落ち着いて深みのある人物である。

細事にこだわらない豪放な人物は第二等。

頭が切れて弁の立つ人物は第三等である。



才気走って、ペラペラと弁の立つ人は 信用がない。

頭の良さをひけらかす輩(やから)も 胡散臭(うさんくさ)い。

豪放磊落(ごうほうらいらく)な人物は、まだまだ危なっかしくて駄目だ。

我々は往々にして、世間で目立つような
「聡明才弁」の人や 「磊落豪遊」の人を評価してしまうが、
本当は目立たない「深沈厚重」の人こそが真のリーダーたり得るということだ。

「リーダーは社交的である必要はない」…

表面の華々しさではなく、
深い内面と実力を兼ね備えた真のリーダーを目指したい。

         <感謝合掌 令和4年2月11日 頓首再拝>

偉大なるリーダーとなり得る要素 - 伝統

2022/02/20 (Sun) 01:56:34


       *『 人生を前進する 』 ( P148 )より

最も多く愛する者が最も偉大なるリーダーとなり得るのである。

最も多く赦す者が最も偉大なるリーダーと成り得るのである。

最も多く愛する者が最も偉大なるリーダーとなり得るのである。

最も多く奉仕する者が最も偉大なるリーダーと成り得るのである。

最も多く與(あた)える者が最も偉大なるリーダーとなり得るのである。

最も多く稱(ほ)め得るものが最も偉大なるリーダーとなり得るのである。

         <感謝合掌 令和4年2月19日 頓首再拝>  

WHYから始めよ! - 伝統

2022/03/26 (Sat) 13:30:36


       *「WHYから始めよ! インスパイア型リーダーはここが違う」
         サイモン・シネック(著) 、日本経済新聞出版(刊)より

(1)インスパイア型リーダーとは、本物のリーダーのことです。
   本物のリーダーはWHYを語ります。

   優れたリーダーのWHYを具体的に見てみると、
 
   アップルのスティーブ・ジョブズは「他社とは違う考え方」。
 
   サウスウェスト航空は、「庶民のために戦う闘志」。
 
   ビル・ゲイツは、「あらゆる机にパソコンを」。
 
   ウォルマートは、「つねに学び、顧客に奉仕する」。
 
   スターバックスは、「第三の場所(サード・プレイス)」。

(2)WHYとはその組織の目的であり、理念であり、大義なのです。
 
   つまり何(What)をどう(HOW)やるのか、
   良い商品をいかに効率的に作るかなどと
   いうことは全く関係ないのです。
 
   あくまでWHYという信念からスタートして、
   形になったのが商品なのです。

(3)キャッシュバック商法の落とし穴
   ・・・いくら操作したところで、忠誠心を育てることはできない。

(4)アップルの手法を単純に真似ても、それだけではうまくいかない
   ・・・人々はあなたのWHATを買うのではない。
   あなたがそれをしているWHYを買うのだから。

(5)サウスウエスト航空は、
   低コストの航空会社という考え方を発明したわけではない
   ・・・「われわれは庶民のために戦う闘志である」
   ・・それこそ、かれらが航空会社を創業したWHYだった。

(6)WHYタイプは夢想家であり、あまりにも活発な想像力の持ち主だ
   ・・・いっぽうHOWタイプは、もっと現実を生きている。


サイモン シネック: 優れたリーダーはどうやって行動を促すか
TED(youtube)
https://www.youtube.com/watch?v=qp0HIF3SfI4&t=537s

・・・

<参照>

(1)『WHYから始めよ!』の書評とサクッと要約|
   WHYによって人々を操作せず鼓舞させる
   https://sakudoku.com/review/business/start_with_why

(2)【書評】『WHYから始めよ! インスパイア型リーダーはここが違う』
   サイモン・シネック
   https://www.biz-knowledge.com/entry-start-with-why/

(3)インスパイア型リーダーはここが違うWHYから始めよ!
   …サイモン・シック 著 栗木さつき 訳
   https://ns-1.biz/book26.htm

(4)Appleが成功したのは、すべてを「WHY」から始めているから
   https://www.lifehacker.jp/article/140611book_to_read/

         <感謝合掌 令和4年3月26日 頓首再拝> 

【新しい時代のリーダーシップとは】 - 伝統

2022/03/29 (Tue) 13:39:42


      *メルマガ「人の心に灯をともす」(2021.04.23)より

   (加谷珪一(かやけいいち)氏の心に響く言葉より…)

   昭和型の大量生産社会では、組織をまとめるために
   権威主義を用いるのが効率の良い方法でした。

   単純な仕事に一心不乱に取り組むことが重要でしたから、
   威圧的、高圧的な人物が組織のリーダーに最適とされました。

   今でもそうした雰囲気を色濃く残している組織は多く、
   声が大きい、怖そうに見える、学歴が高い、
   といった属性を持った人物が昇進しやすいのが現実です。

   しかしながら、こうしたリーダーシップのあり方というのは、
   安価な商品を大量生産する昭和の時代にしか通用しないものです。


   消費主導型経済では、多様化した価値観が存在し、
   その分だけ、多種多様なライフスタイルが存在することになります。

   企業はこうした多様化されたニーズに合致した製品や
   サービスを提供できなければ業績を拡大できませんし、
   ひいては経済全体を成長させることもできません。

   多様化した価値観を製品やサービスに反映するためには、
   チーム全員が個性を存分に発揮する必要があり、
   チーム・リーダーには、こうした社員の個性を
   うまく引き出すスキルが求められます。

   このような環境下で重要となるのが「平等」の概念です。


   ここで古い価値観から脱却できない人は、
   上下関係がないと指揮命令系統を維持できない
   と考えてしまいますが、そうではありません。

   当然のことですが、消費主導型経済においても、
   組織における上下関係というものは存在し、
   リーダーの指示で部下は仕事を進めていくことになります。

   しかし、上下関係の質という点において、
   従来とは大きく異なっているのです。

   昭和型の組織では、上司は全人格的に部下より立場が上でした。

   上司には権威があり、その発言内容にかかわらず、
   上司の言うことは絶対だったわけです。

   しかし、消費主導型経済における上司というのは、
   あくまで組織から付与された権限に基づいた、
   機能的なものでしかありません。

   機能として指示を行う権限を有しているだけで、
   人としては皆が対等な立場です。

   これが本書で言うところの平等であり、
   指揮命令系統が存在しないという意味ではありません。


   企業のある部門が新商品の開発を行うにあたって、
   もっとも年齢の若い社員が、豊富な知識を持っていたと仮定します。

   機能的な上下関係で動いている組織の場合、
   チーム・リーダーが、一時的にその若い社員に
   プロジェクトの主導権を預け、その知識が有効活用できるよう
   環境を整えるでしょう。

   若い社員には機能としての権限が付与されましたから、
   他の社員も若手社員に従いますが、プロジェクトが終了すれば、
   その関係性も終了となります。

   もし若手社員の働きが商品開発に大きく貢献した
   という判断がなされれば、上司はそれを評価し、記録に残します。


   あくまで必要性に基づいてリーダーシップが発揮され、
   その成果が記録されたというだけであり、
   そこには情緒的な上下関係は存在していません。

   こうした機能的な人間関係を社会全体で構築できるのかが、
   新しい時代において問われているのです。

    <『日本は小国になるが、それは絶望ではない』KADOKAWA
                    https://amzn.to/3gw6ENi >

             ・・・

本書の中にこんな文章があった。

『ニュージーランドは典型的な消費経済の国ですが、
 同国の首相であるジャシンダ・アーダーン氏は39歳の女性です。

 コロナウイルスによる感染拡大が危惧されると、
 迅速にロックダウン(都市封鎖)を決断、
 収入が落ちた労働者に12週間にわたる現金給付を実施することで、
 早期の封じ込めに成功しました。

 アーダーン氏は、国民に対して丁寧に状況の説明を行い、
 場合によってはSNS上で自ら国民の質問に答えるなど、
 威圧的でないコミュニケーションを心がけ、国民からの支持を獲得しました。

 国民の側も首相の対話力や論理性を強く支持しており、
 ロックダウンもスムーズに実施されたようです。

 こうしたチームプレーができるのも、年齢や性別、
 見た目といった情緒や雰囲気で組織を動かすのではなく、
 あくまで機能としてリーダーと向き合うという
 コンセンサスが確立しているからです。

 フィンランドのサンナ・マリン首相も34歳で首相に就任しており、
 何の問題もなくトップとしての業務を行っています。

 マリン氏は、両親が離婚し、その後、母親と同性のパートナーに
 よって育てられたという経験を持っています。

 消費主導型経済を順調に発展させるためには、
 必要に応じて適切な人材を組織のトップに据える柔軟性が
 必要不可欠なのです。』


昭和型のリーダーの発言が時々、マスコミを賑(にぎ)わす。

威圧的や高圧的だったり、多様性を否定したり、男女の偏見だったりする話だ。


新しいリーダーシップは、「ティール組織」とも似ている。

ティール組織とは、軍隊のような厳格な上下関係の組織から、
個々の従業員が指示されなくても、自発的に意思決定し仕事をしていく
というスタイルの組織のことだ。


また、雇用をアライアンスだと捉えるリンクトインのような組織とも言える。

アライアンスとは、雇用主と社員が仕事においてアライアンスを組むということ。

アライアンスは普通、会社と会社が業務(事業)提携するというような時に使われる。

つまり、雇用主と社員が対等な関係として仕事の提携をするということ。


また、新たなリーダーシップとは、
若い人と年輩者が上下の分け隔てなく付き合うということでもある。

「忘年の交」という言葉がある。

これは年末に行われる「忘年会」の元々の意味だ。


忘年会とは、一年の苦労を忘れる会ではない。

それを、安岡正篤師はこう語る。

『忘年とは、年齢を忘れるの意で、
 漢代の大学者孔融(当時50歳)と禰衡(でいこう)(20歳未満)との交わりを、
 世人が「忘年の交」とよんだ故事による。
 だから、忘年会とは老若席を同じくし年齢を忘れて楽しむのが本当だ。』


古き時代の思い込みを捨て…

新たな時代のリーダーシップを身につけたい。

         <感謝合掌 令和4年3月29日 頓首再拝> 

社員から積極的にフィードバックをもらっているか - 伝統

2022/06/09 (Thu) 12:32:21


      *メルマガ「リーダーズアカデミー マネジメントレター 」(2022.04.25)より


あなたは、リーダーとして

「ズバッ」と社員から意見をもらっているだろうか?


「これは違う」と思ったとき、
社員がはっきり「ノー」と言えている関係性を築いているだろうか?


トップの立場になると、
部下からの「ノー」という声はなかなか聞こえてこない。


もちろん、

単なる文句や悪口は聞くまでもないが、
社員の「これは違う」という指摘の中には、
正しいもの、会社に役立つものも多い。

しかし、組織に属する社員としては、
少なからずリーダーへの遠慮や配慮があるだろう。

大いに意見を交わしていいはずの会議の場でさえ、
反論を主張してくれないという場合もある。


リーダーであれば、

「ノーを言える部下、意見を言ってくれる部下ほどありがたいものはない」と

思ったほうがいい。


社員としては会社の事情もわかるし、
様々な利害関係が絡み合って、
なかなか正直な意見を素直に述べることが難しい場合もある。


だからこそ、

リーダー自らが積極的に社員からフィードバックをもらいに行くべきだ。


本物のリーダーなら、耳の痛い話も積極的に取り入れる度量を持ってほしい。

         <感謝合掌 令和4年6月9日 頓首再拝> 

【同僚として働きにくい5つの条件】。 - 伝統

2022/06/11 (Sat) 04:36:57


      *メルマガ「リーダーズアカデミー マネジメントレター 」(2022.06.01)より

先日ネットで情報収集をしていたら、こんな記事を見つけました。

同僚として働きにくい5つの条件
https://leaders-ac.biz/Lb24968/513141

どの会社でも、一緒に働きづらい同僚がいるものですが、

要約すると、こんなことが書いてありました。

(1)ネガティブになりがち

   あなたがどんなに有能でも、怒っている、
   あるいは張り詰めているように見える場合、
   人々はそれに気づくだろう。

   こうして周囲の人は防御的になり、心を閉ざしてしまう。


   ポジティブな態度の人の周囲では、人はリラックスする。

   そのため、ポジティブな人には自然と人が寄ってくる。


(2)変化に抵抗がある

   「これまでいつもこのやり方だった」と言っていることに気づいたら、
   それはあなたが変化に抵抗していることを示す警告だ。

   周囲の人は、あなたを最大限避けるようになるだろう。

   心が広い人は好奇心と受容性があり、新たなアイデアや人に寛容だ。

   寛容さによって自然と信頼が培われ、
   より楽に他者とつながれるようになるだろう。


(3)何を考えているか分からない

   他者にあなたと一緒に働きたいと思わせることができず、
   周囲の人があなたの存在や取り組み、あなたがもたらす価値、
   あなたにどのような支援ができるかを

   理解できなければ、

   相手はあなたという謎を理解するのに苦労するだろう。

   相手を混乱させれば、
   機会や顧客、プロジェクト、昇進、パートナーなどが失われる。

   明確にしさえすれば
   簡単に解決できる場合は特に残念だ。

   明確に情報を提供すれば、
   相手はあなたのことを理解し、
   あなたに好感を持ち、
   あなたを信頼してくれる。


(4)無計画な行動が多い

   計画性や意欲がなく、
   その仕事に優先的に取り組んでいない印象を関係者に与えてしまう。

   また同僚にストレスを与えてしまい、
   同僚はもう二度とあなたの
   尻拭いをしたくないと思っているかもしれない。


(5)無関心・無頓着

   自己認識を持つことは、
   自分の強みや弱み、考え、信念、やる気、感情を
   明確に理解していることを意味する。

   自分がどのように立ち振る舞うかだけでなく、
   自分のエネルギーが
   他者に与える影響を理解することが大事だ。

   そうすることで、他者との交わりや相手のあなたに対する認識、あなたの態度、
   その瞬間の相手に対するあなたの反応が全てつながっていることを理解できる。

   これらは全て、自己認識を改善することで向上できるものだ。


今日はこの件を、なぜお伝えしたかというと、

(1)ネガティブになりがち
(2)変化に抵抗がある
(3)何を考えているか分からない

(4)無計画な行動が多い
(5)無関心・無頓着

という5つの条件、これって同僚だけでなく
リーダーにも当てはまると思いませんか?

こんな5つの条件を持っているようなリーダーであれば、
一緒に働きたいとは思わないですよね。

逆に、

(1)ポジティブ

(2)変化に柔軟性がある

(3)何を考えているのか情報共有をしてくれる

(4)計画的に行動をする

(5)周りの人に常に関心と興味を持っている

こんな5つの条件を持っているリーダーであれば一緒に働きたいと思いませんか?

ぜひ自分のリーダーとしての「あり方」を見直してほしいと思い

今日は伝えさせていただきました。

あなたは、リーダーとして
言動がポジティブで、変化にに対応し、
常に何を考えているのか社員に情報共有し、

計画的に行動をし、社員に常に関心と興味を持って行動していますか?

         <感謝合掌 令和4年6月10日 頓首再拝> 

【人の子の親も「上に立つ者」】 - 伝統

2022/06/15 (Wed) 04:23:10


      *メルマガ「人の心に灯をともす」(2022.06.01)より

   (藤尾秀昭氏の心に響く言葉より…)

   組織の長だけではない。

   人の子の親も「上に立つ者」 である。

   人が人の間で生きる限り、そこには必ず長幼の序が生まれる。

   上に立つ者の人間学が重大な所以である。


   では、上に立つ者に求められる条件とは何か。

   中国の古典『列子(れっし)』にこういう話がある。

   楚の荘王(そうおう)が賢人の「せん何(せんが)」に国を治める方法を尋ねた。

   「私は身を治めることは知っていますが、国を治めることはよく存じません」と
   「せん何」は答えた。

   「私は君主となったので、国を守る方法を学びたい」と 荘王は言う。


   「せん何」が言う。

   「私は君主が身治まって国乱れたのを聞いたことがありません。
    また君主が身乱れて国治まったのも聞いたことがありません。
    本は身にあります。

    ですから、お答え申し上げるのに、
    末梢(まっしょう)を以てすることはいたしません」


   「よし、わかった」と荘王は言ったという。

   修身こそ上に立つ者の根本条件、とは古来教えるところである。

    これこそ現代にも不変の第一条件であろう。



   第二条件は実力である。

   実力とは実行力のことだ、と
   故豊田良平氏(元関西師友協会副会長)は喝破されたが、
   実(行)力のない人を上に得た組織ほど不幸なものはない。



   第三条件は感化力である。
   人を巻き込んでいく力、人 の意識をかき立てていく力である。

   よき感化を与えない と、組織は病む。

   さらに言えば、上に立つ者に私心ある限り真の感化力は生まれない。

   長の私心は組織に紊乱(びんらん)をもたらす。

   無私と感化力は一対である。



   第四条件は勇猛心である。
   自己と組織の向上のために、
   いかなる困難にも臆せず、奮い立っていく心、
   小成に安んじず、未知の世界に立ち向かって努力精進する心である。



   第五条件はロマンである。

   方向を示す力といってもいい。

   「大きなことをするのではなく、
    人に思いやりを持つ人 は神仏が大きな目で見ている」、

   一燈園創始者、西田天香氏の言葉である。


   一国は一人を以て興り、一人を以て亡ぶ、という。

   小は家庭から大は国家まで、
   人間が集うあらゆる組織の盛衰は、上に立つ者のいかんで決まる。

   上に立つ者の責任は大である。

       <『人生の大則』致知出版社 https://amzn.to/38Aouxg

              ・・・

1.「修身斉家治国平天下 (シュウシンセイカチコクヘイテンカ)」という言葉が
  「大学」(儒教の四書の中の一つ)にあります。

  天下をおさめるには、まず自分の身を修め、次に家庭をととのえ、
  そして天下を平らかにする、ということです。

  自分の身を修める(修身)ということは、
  子供から大人になる修養をするということです。

  すなわち、「自立」。

  自立している人の特徴は、「人のせいにしない」、
  「与えられた環境に文句を言わずそこで最善を尽くす」、
  「自分を律することができる」、
  「人に与えることができる」等々です。


2.口ではどんなに偉そうなことを言っても、そこに実行が伴っていなければ、
  ただの口先だけの輩(やから)、「口舌(こうぜつ)の徒(と)」です。


3.人に感化を与える人は、影響力のある人であり、後ろ姿で語れる人です。

4.勇猛心とは、何ものにも屈しない、勇猛果敢な心です。

5.ロマンとは、夢や冒険心をもたらすものです。


どんなに高邁(こうまい)な理想を掲げたとしても、
それを主張する本人との乖離(かいり)があったら、
だれもそれを聞く人はいません。

嘘くさい、と一蹴(しゅう)されるだけです。

だからこそ、大事なのは、己の身を修めることです。

自分の行いを正し、自分を磨き、自分をつくり上げることです。


誰もが、「上に立つ者」の自覚を持つことが必要だと思います。

         <感謝合掌 令和4年6月14日 頓首再拝> 

【「面白い仕事」と「つまらない仕事」の生産性と疲れ度の関係】。 - 伝統

2022/07/15 (Fri) 04:32:09


      *メルマガ「島津マネジメントレター」(2022.07.01)より

労働衛生学でアメリカの学者さんの面白い実験を紹介します。

面白い仕事とつまらない仕事の、生産性と疲れ度をはかったものです。


・つまらない仕事をさせた場合 → 生産性は1/3、疲れ度は3倍

・面白い仕事をさせた場合は  → 生産性は3倍、疲れ度は1/3


つまり、

『つまらない仕事と面白い仕事では 生産性や疲れ度に9倍の差がある』

ということがわかったそうです。


どんなに辛くつまらない仕事でも、面白さをプラスすると、
疲れることなく、生産性もあがるという事ではないでしょうか。


『いかに部下に面白い仕事を させてあげることができるか?』

リーダーの腕の見せ所ですね。

仕事が面白いと思わせてあげることはリーダーとして重要な役割です。


「仕事を面白くする工夫」を完全に丸投げしてしまうのは、

リーダーの無能を仕事を任された側に押し付けているだけです。


リーダーは「仕事の面白さ」を演出できることも
大切な役割の一つだと覚えておいてください。

面白い、つまり、楽しく仕事をするというのは、
会社やリーダーが演出していく大事な要素だと思います。


どんなに仕事が忙しくても、ユーモアを交えながら仕事をしたり、

プロジェクトが終わったときなど、イベントを開催するなど

ちょっと工夫をするだけで、楽しく仕事をすることができます。


つまり遊び心をもつこと、

このことは、まじめ一辺倒な日本人よりも
ユーモアのある海外の方がうまいように感じます。


コロナ前の出来事ではありますが、シンガポールのある金融会社は、
月一回の業績報告会をクラブ(ディスコ)を貸しきって行っていました。

報告や業績優秀者の表彰などをクラブのスクリーンで行い、

終了後は貸切のパーティーで思いっきり飲んで歌って・・・。

楽しそうですよね(^^)


日本では、仮に業績報告会を開催をしたとしても、
会議室や事務所で儀式のようにやるのがほとんどではないでしょうか。


日本の企業も、『遊び心を持ちながらまじめに仕事をすること』
をまじめに考えなくてはいけない、そんな気がします。

そうすれば、最近問題になっている、
心の病の増加傾向の拍車をすこし緩めることが、
できるのではないでしょうか。


あるアンケートでは、上場企業において、

「半数以上が社員の心の病が増加傾向にある」

としながら、

人を育て、仕事の意味を考える余裕がない会社ほど、
心の病の増加傾向を訴える企業が多いということが明らかになってます。


仕事の楽しさを上手く伝えられず、
人の心をほったらかしにしている企業ほど
心の病の増加傾向があり、
それをただ嘆いているように感じてしまいます。


これからは

『積極的に仕事を楽しむこと』

『仕事を楽しませること』

を念頭に置き、

気持ちよく仕事をする環境を作ること、

それが会社やリーダーであるあなたの使命なのではないでしょうか。


仕事の面白さを演出するために、何か工夫をしていることはありますか?

         <感謝合掌 令和4年7月14日 頓首再拝> 

【稲盛和夫に学ぶ人間学】 - 伝統

2022/08/12 (Fri) 04:22:06


        *メルマガ「人の心に灯をともす」(2022.07.26)より

   (藤尾秀昭氏の心に響く言葉より…)

   数年前、稲盛氏に近い人からこんな話を聞いたことがある。

   京セラがまだ創業間もない頃のことと思われる。

   ある夏、社長の稲盛氏も参加して社員旅行が行われた。

   近くに海があり、現地に着くや社員はこぞって海へ飛び出していった。

   だが、一人だけ泳げない社員が取り残されていた。


   稲盛氏は、「よし、俺と一緒に泳ごう。背中につかまれ」と
   彼を背中に乗せて沖に連れていった。

   その社員は感激し、生涯この人についていこう、と決意したという。

   稲盛氏が情の深い人であることを物語る話である。


   稲盛氏の情の深さはただやさしいというだけではない。

   根底に相手を成長させようという思いがある。

   だからこそ、その情は時には厳しさをもって発露する。


   盛和塾は経営哲学を学ぶ経営者の集いだが、
   その場である時、 氏は概要、次のような話をされている。


   「皆さんに心をきれいにすることの大事さを説いているが、
    不況や困難に立ち向かうには勇気が必要。

    絶対に目標を達成するという気概が必要だ。

    経営は意志である。

    リーダーは目標に向かって、なり ふり構わず、
    闘争心、ガッツ、執念をもって立ち向かっていかな ければならない」


   稲盛氏がよく引用する言葉がある。
   アメリカの作家・フィッツジェラルドの言葉である。

   「一流の知性とは、二つの相対立する考えを同時に心に抱きながら、
    しかも正常に機能し続けられる能力をいう」

   つまり、相反する両極端を併せ持ち、
   それを局面によって使い分けられる人物こそ、
   真にバランスのとれたリーダーだというのである。

   このリーダーとしての能力を状況に応じてフルに使い分けるこ とによって、
   稲盛氏は京セラを発展させ、KDDIを成功に導き、
   日本航空の奇跡の復活を成し遂げたのだろう。


   稲盛氏のもう一つの大きな特長は、
   仕事に真剣に打ち込むことでつかんだ体験哲学、人生と経営を発展に導く原理原則を
   自分一人のものとせず、フィロソフィとして言語化し、
   社員だけでなく多くの人に伝えようとされた点にある。

   その原理原則を稲盛氏は折に触れ、説き続けた。

   その実践に裏打ちされた言葉は一灯となり、多くの人々の心の闇を開いた。

   氏の薫陶を受けた人たちの声が、それを如実に証明している。


   京セラの創業から日本航空の再生まで約六十年、
   幾度もの試練を乗り越え、道を切り開いてこられた稲盛氏の生き方、考え方。

   氏の著作等を通じてぜひその真髄に触れていただきたいと思う。

   それは コロナ禍という現下の困難を生きる人たちにとって、
   勇気や希望を与えると共に、今後の歩み方を照らす
   何よりの道標(みちしるべ)となるに違いない。


   最後に、あらゆる人に通じる人生の要諦を説いた
   稲盛氏の言葉を紹介しておきたい。

   これは古今、多くの先哲が唱えてきたことと一致している。


   「災難や苦難に遭ったら、
    嘆かず、腐らず、恨まず、愚痴をこぼさず、
    ひたすら前向きに明るく努力を続けていく。

    これから将来、よいことが起きるためにこの苦難があるのだと耐え、
    与えられた苦難に感謝すること。

    よいことが起きれば、驕らず、偉ぶらず、謙虚さを失わず、
    自分がこんなよい機会に恵まれていいのだろうか、
    自分にはもったいないことだと感謝する。

    これが素晴らしい人生を生きるための絶対の条件です」


   実行するは我にあり。
   実行を積み重ねて初めて真価を発揮する言 葉である。

           <『小さな修養論 5』致知出版社>

           ・・・

以前、稲盛和夫氏を塾長とする盛和塾に入っていたことがあります。

初期の頃のメンバーだった関係もあり、
全国で7名の塾生の中の一人として私も選ばれ、稲盛塾長と対談しました。

京都の哲学の道沿いにある、京セラのゲストハウス「和輪庵」が会場でした。


一人ひとりの対談も終わり、懇親会になったとき、
稲盛塾長は、私の真正面に座られました。

前々からどうしてもお聞きしたいことがあり、質問しました。

「塾長は、普段、愛とか人に優しくとおっしゃっていますが、
 別のある時には鬼のように厳しく、情け容赦のない決断をなされますが、
 その相反することをどうお考えになりますか?」

稲盛塾長はそのとき、

「うーん…」

と言ったまま目をつぶり、2,30秒ほど黙ったあと、

「それは、すさまじい質問だ。
 私も、時々自分が精神分裂ではないかと思うこともある。

 しかし、相反することを、いとも平然とやってのけることができる人を
 名経営者というのだと思う」

とおっしゃったのです。


まさに、
本書にあるフィッツジェラルドの言葉の通りです。

人生には、裏も表もあります。

人は、鬼にもなれば仏にもなるのです。


「鬼手仏心」という言葉があります。

見た目には、鬼のような情け容赦のないことをするが、
実は心の中は、仏のようなやさしい慈悲心にあふれているということです。

外科医はメスをつかって、患者の体を残酷にも思えるほど切り開くが、
それは患者を救うためという慈悲の心があるから、という意味で使われます。


名経営者にしても、我々凡人にしても、
毎日といっていいほど、相反することは起きています。

その相反する矛盾の中を生きているのが我々人間だと思います。

生き物に優しくといいながら、ステーキを食べ、
環境にやさしくと言いながら、ゴミを出し、地球を汚し続けているのですから。


「裏を見せ 表を見せて 散るもみじ」

という、良寛和尚の辞世の句にもあるように、
我々は日々、裏を見せ、表を見せて生きています。


正義感だけを主張したとしたら、我々は1日たりと生きていけないでしょう。

あらゆる苦難に感謝し…

謙虚に、驕らず、おかげさまの心で生きていきたいと思います。

         <感謝合掌 令和4年8月11日 頓首再拝> 

【おかげさまの心】 - 伝統

2022/08/25 (Thu) 14:57:10


       *メルマガ「人の心に灯をともす」(2022.07.30)より

   (青山俊董(しゅんどう)氏の心に響く言葉より…)

   《こどもこそ大人の親ぞ》(東井義雄)

   タクシーに乗った。女性ドライバーが語りかけてきた。

   「私、母子家庭です。中学生の息子と二人暮らし。

   やがて息子が大人になった時、
   誇れる母であらねばならないと、毎日をつつしんで生きています。

   もし息子がいなかったら、私は堕落していたことでしょう。

   息子のおかげで生きる姿勢をととのえることができ、
   息子を拝んでおります」


   私はうれしくなり

   「育児は育自(子育ては自分を育てること)と気づかせてもらいました」

   と手紙をくれた教え子のことや、東井義雄先生の
   「子どもこそ、大人の親ぞ」という言葉などを語ったことであった。


   子どものおかげで親が育ち、
   生徒のおかげで先生が成長する。

   生徒や子どもを、わが親とし、鏡として、
   みずからの生き方を心して生きる人にして初めて、
   親とか教師と呼ばれるにふさわしい人と言われるのであろう。

        <『あなたに贈る 人生の道しるべ』春秋社>

         ・・・

社長やリーダーは、部下がいるからこそ、
社長らしく、リーダーらしくなる、ということがあります。

部下に恥ずかしい姿を見せられないから、
誇れるリーダーでいたいから、
自ら学び、成長する、ということです。

つまり、ポジションが人を育てるということです。


講師や先生も同じで、受講者や生徒がいるから、
自らを磨き、高めていく、ということです。

もちろん、中にはそうでない人もいますが、
なり立ての初心者の頃は、みんな高い志を持ち、成長しようとしていたはずです。

それが何年かして、慣れが出てくると、当たり前となり、
「おかげさま」という感謝の気持ちがなくなります。


受講者や生徒がいるおかげ、部下がいるおかげ、そして、こどもがいるおかげ、

という「おかげさま」の心です。

もっというなら、「嫌な上司」のいるおかげ、「約束を守らない人」のいるおかげ、
「きらったり、無視したりする人」のいるおかげで、
自分が成長し、魂が磨かれるのです。

まさに、おかげさま、です。


「おかげさまの心」を胸に刻みたいと思います。

         <感謝合掌 令和4年8月25日 頓首再拝> 

【即断即行】 - 伝統

2022/09/04 (Sun) 04:54:54


      *メルマガ「人の心に灯をともす」(2022.07.27)より

   (松下幸之助氏の心に響く言葉より…)

   秀吉が柴田勝家と戦った、いわゆる賤ヶ岳(しずがたけ)の合戦の折、
   柴田側の大将佐久間盛政(もりまさ)は、
   秀吉が大垣に出兵している留守をついて、
   秀吉側の砦を奇襲してこれを落とし、非常な戦果をあげた。

   ところが、その報に接した秀吉は、ただちに決断し、
   全軍を急がせ、五十キロ あまりの道を
   わずか半日ほどでとって返した。

   そして、秀吉の帰陣のあまりの早さにあわてる佐久間勢を追撃し、
   勢いに乗って一気に勝家の本陣をも攻め落として
   決定的な勝利をおさめたのである。


   こうした秀吉の機敏さは、たとえば明智光秀を倒し、
   主君信長の仇を討った山崎の合戦にも見られる。

   本能寺の変が六月二日で、山崎の合戦は六月十三日、
   その間わずか十一日しかたっていない。

   しかも秀吉はその時、岡山で強敵毛利の大軍と
   四つに組んで対峙していたのである。

   新幹線ができ、電信電話のある今日ならともかく、
   すべて徒歩であった時代に、これは大変な早さだったといえる。

   事実、相手の光秀はもちろん、
   信長の家臣や盟友の徳川家康にいたるまで、
   だれ一人こうした秀吉の素早い行動を予想できなかったといわれている。


   こうした他人の予測を超えるような機敏さ、
   いいかえれば決断と行動の早さというものが、
   秀吉をして数かずの大事な合戦に勝利をおさめ、
   天下をとらしめた一つの大きな要因ではないかと思う。

   昔から “兵は神速を貴ぶ” ということばもある。

   また “先んずれば人を制す” ともいわれる。


   一瞬の勝機を的確につかむかどうかに
   勝敗の帰趨がかかっている場合もある。

   そういう時にいたずらに躊躇逡巡(ちゅうちょしゅんじゅん)
   していたのでは機会は永遠に去ってしまう。

   だから、大将たるものは、即断即行ということがきわめて大事である。


   これは何も戦にかぎらず、一国の運営、会社の経営でも同じことである。

   情勢は刻々と移り変わっていく。

   だから、一日の遅れが一年の遅れを生むというような場合も少なくない。


   決断もせず、実行もせずといった姿で日を過ごすことは許されない。

   「もちろん、熟慮に熟慮を重ね、他人の意見も聞いた上で決断し、
   しかもきわめて慎重に時間をかけて事を運ぶことが必要だ
   という場合もあるだろう。

   だからそういうことは一面に十分に考慮に入れておくことは
   大切であるが、しかし大事にあたって即断即行できる見識と
   機敏な実行力は指導者に不可欠の要件だといえよう。


   《指導者は即断即行を心がけなくてはならない》

    <『指導者の条件』PHPビジネス新書https://amzn.to/3RZf9AR

             ・・・

指導者やリーダーの仕事は、決断することです。

往々にして、指導者の決断が遅いために、
仕事が遅れてしまうということが多いものです。

他の人に任せず、
自分で仕事を抱え込んでしまうタイプの指導者に多い現象です。

なんでも自分で完璧にやろうとするからです。


決断の早いリーダーは、人に仕事を任せることが上手です。

それは、人に任せた上は、出来上がりは60点か70点でよい、
と肚を括(くく)っているからです。

そして、間違ったらその時点で、修正すればいい、
と思っているからでもあります。


完璧を目指そうとしたら、決断はどんどん遅くなります。

検討に検討を重ね、結局は勝機を逸してしまうのです。

そして、結局、決断しないため、時間切れとなり、
まわりの言うとおりにせざるを得なくなります。

決断もせず、行動しないということは、
まわりに流される、ということです。


仕事ができるか、できないか、というのは
その人の行動のスピードでわかります。

●「今すぐにやります」、と言ったのに、
 なんの対処もせず、そのまま放置し、やらない。

●「やるか、やめるか」の決断をしなければいけないのに、
 「少し考えさせてくれ」と言って、そのまま何日も放置し、
 結局はやらない。

●レポートや報告の提出期限に必ず遅れる。


ヘンリー・フォードはこう言っています。

「決断しないことは、時として間違った行動よりたちが悪い。」


「即断即行」という言葉を肝に銘じたいと思います。

         <感謝合掌 令和4年9月3日 頓首再拝> 

【リーダーの3つの条件】 - 伝統

2022/09/16 (Fri) 15:19:02


        *メルマガ「人の心に灯をともす」(2021.04.26)より

   (立命館アジア太平洋大学(APU)学長、出口治明氏の心に響く言葉より… )

   「日本に真のリーダーはいるのでしょうか?」

   いきなり大きな問いで恐縮ですが、今の日本の元気のなさをみていると、
   原因はリーダーの不在にあるような気がしてなりません。

   閉じた世界で毎日同じことを繰り返していて何とかなる状況であれば、
   リーダーの資質や能力はそれほど大きな問題にはならないでしょう。

   極端な言い方をすれば、そのような状況下では
   誰がリーダーをやろうがあまり関係がないのです。


   では、真のリーダーシップとは、どういうものなのでしょうか?

   リーダーといっても率いる組織によって
   役割や権限の大きさなどさまざまですが、
   僕は「これがなければリーダーたり得ない」という要素が
   少なくとも3つはあると思っています。


   (1)一つめは「やりたいことをもっている」こと。

      一般的にはビジョンといわれているものですが、
      これは何も「地球の環境問題を解決したい」というような
      壮大なものでなくてもかまいません。

      極論すれば「パートナーともっと仲よくなりたい」といった
      極めて個人的な目標でもいいのです。

      「これだけは死んでもやりたい」という強い気持ちがリーダーにないと、
      メンバーは好き勝手に動くだけになり、
      組織はまとまることなく空中分解してしまいます。

      「これだけはどうしてもやりたい」という明確な「旗」を掲げられること。

      これがリーダーの第1条件です。


   (2)二つ目は「旅の仲間を集められる」こと。

      「これがやりたい」と旗を掲げることは、
      たいていは一人ではできないことです。

      だから協力者や同士を集める必要が生じてきます。

      そのためには、ただ旗を立てるだけではなく、
      その旗にどんなビジョンが描かれていて、それを実現することが
      どれほど社会にとって有益かつ魅力的であるかを広く伝え、
      さらにはその旗を見た人に「自分もやってみたい」という気持ちを
      起こさせなければなりません。

      僕はこの「仲間を集める力」を「共感力」と呼んでいます。


 
   (3)三つ目の要素は「旅の目的地までチームをまとめ、引っ張っていく」こと。

      旗のもとに集まった人たちに思う存分力を発揮させ、
      ゴールに向かわせる、いわば統率力です。

      どんなに素晴らしい夢であっても、リーダーがその夢を実現するための
      具体的な道筋を示せなければ、せっかく集まった人たちもやる気を失い、
      離れていってしまいます。

      メンバーのモチベーションを常に高い状態に保ち、
      さらに彼らの力を一つに束ねて同じ方向に進ませるためには、
      現実味のあるしっかりした経営計画が必要です。

         <『カベを壊す思考法』扶桑社新書>

           ・・・

「旅の仲間を集める力」の項にはこんなエピソードがあった。

《探検隊募集。わずかな報酬。極寒。まったく太陽を見ない日が何日も続く。
 生還の保証なし。ただし、成功すれば名誉と称賛が手に入る》

『これは1914年、ロンドンの新聞に掲載された
「大英帝国南極横断探検隊」の隊員募集広告です。

広告主は隊長のアーネスト・ヘンリー・シャクルトン卿でした。

よく読むまでもなく、労働条件は最悪です。

でも冒険を求める人にとっては、これほど魅力的なコピーはありません。

実際この広告の反響はすさまじく、世界中から5000人を超える応募があったそうです。

そのなかから25人の精鋭を難なく採用したシャクルトン卿は
希代の共感力の持ち主だといっていいでしょう。』


起業の原点は、どこか遠いところに旗を立てることだ。

そして、旗幟鮮明(きしせんめい・主義主張をはっきりとさせ)にして、
仲間を集め、皆と一緒に旅をする。


この旅は、会社の起業だけではない。

家族や友人たちとともにどこかへ出かける本当の旅もある。

趣味の会や、ボランティアの会、勉強会、食事会であっても、みな旅だ。


目的地を決め、誰を集めるか。

そして、口だけでなく、本当に旅するのか。


「リーダーの3つの条件」を心に刻み…

旗を立て、仲間を集め、旅をしたい。

            <感謝合掌 令和4年9月16日 頓首再拝>

【ポジティブフィードバック】 - 伝統

2022/10/20 (Thu) 13:11:34


      *メルマガ「人の心に灯をともす」(2022.10.14)より

   (国際エグゼクティブコーチ、ヴィランティ牧野祝子氏の心に響く言葉より…)

   「どうしたら、部下がやる気を出してくれるのだろうか」

   「こんな簡単なことが、どうしてうちのチームはできないのだろう」

   「上司の立場になったものの、どうしたらいいのかまったくわからない」

   「1on1をしても効果がないようだ」

   あなたは今、このような悩みをお持ちなのかもしれませんね。

   上司、リーダーにとって、部下やチームがうまく機能しない、成長しない、
   結果を出すことができないことは大きな課題であり、
   できるだけ早く解決したいものでしょう。


   「結果の出せる優秀なビジネスパーソン」である
   だけでは、いい上司、いいリーダーとはいえません。

   上司であるあなたと同じ、いえ、それ以上に成果を出せる部下を育てるのが、
   いい上司であり、いいリーダーの仕事だからです。


   部下が成長し、チームがうまく機能するには、上司やリーダーのあり方、そして、
   上司 やリーダーと部下との関係性が大きく影響します。

   ところが、多くの上司、リーダーの方が、
   部下との関係に悩み、そのうえで間違えた対応をしてしまっているのです。


   私は現在、国際エグゼクティブコーチとして活動しています。

   キャリアに関する課題や悩みを解決するお手伝いが仕事なので、
   日々、たくさんの上司やリーダー、
   そして部下の立場の人と会い、お話を聞いています。

   クライアントはアメリカやヨーロッパ、アジア、なかには南アメリカや
   中東にいらっしゃる製造業、金融など、様々な分野でのビジネスパーソンや
   お医者様や国家公務員の方々です。

   起業家、駐在員などもいらっしゃり、幅広い業界の方々とお話しするわけですが、
   キャリアに関する課題やお悩みは業界や国を超え、
   本質的な違いはありません。


   この仕事を始めて驚いたことがあります。

   それは、「上司がフィードバックをくれない」
   というお悩みの相談がとても多いことでした。

   世界中の企業で起きている課題ですが、日本では特に多く聞きます。


   「仕事の仕方はこのままでいいのか?」
   「求められていることがわからない」
   「私には実力 はないのか?」など、

   実績があり、仕事ができると評判の人までもが、
   上司からフィード バックがないために
   不必要に悩んだり落ち込んだりして、仕事に集中できなくなっているのです。

   本書を今、手にしてくださっている皆さんの多くが、
   「部下」を経験してきたことでしょう。

   ちょっと思い出してみてください。
   「つくってくれた資料がわかりやすかったから、
    お客様を説得することができたよ」

   「先日教えてくれた現場のお客様の声。
    戦略会議でシェアしたら、マーケティング部長も興味津々で聞いていたよ」など、

   上司があなたのことをきちんと見てくれていることがわかったり、
   認めてもらえたりすると、やる気が出たのではないでしょうか。

   私も部下として働いていた時は、上司が
   「せっかくやっているのに、何も言ってくれない」と、
   自分のやり方でいいのか、間違っているけれど
   注意してもらえないだけなのかがわからず、まりやる気が出ませんでした。


   一方、上司が「やっていることに対して、アドバイスをくれる」と、
   自分が成長していることを意識でき、
   「この人のために頑張ろう」と、より一層頑張れていました。

   ちょっとしたことでも「助かっているよ」
   「君のやっていることは会社に価値を与えているよ」
   と上司に言葉で伝えてもらうことで部下は嬉しくなり、
   モチベーションが上がり、「これからも頑張ろう」と思えるのです。


   これまで20年あまり10か国で、多国籍企業と呼ばれる世界的大企業の本社から、
   中国のファミリービジネスまで様々な規模の会社で
   幅広い分野の方々と仕事をさせていただいてきました。

   その中で、多くの素晴らしいリーダーと出会うことができました。

   彼らに共通していたのは、

   戦略的に組織の方向性を示すと同時に、
   部下に「見ているよ」 「認めているよ」といったポジティブなフィードバックを
   頻繁に行ってくれることでした。

   「強み」や「得意」を認められたら、誰だって嬉しいものです。


   実際、彼らのポジティブフィードバックは、
   国籍や年齢、バックグラウンドを問わず効果がありましたし、

   私もリーダーになってから、彼らに学んだポジティブフィードバックを心がけたところ、
   様々な国や地域出身の部下たちにも効果が感じられました。

   また、私の働いていた欧米企業は20年近く前から
   リモートや在宅ワークを推進していたのですが、
   リモートだと難しいとされる部下指導、管理等も
   ポジティブフィードバックで 効率的に行うことができていました。

   働き方が多様化している中、
   上司、リーダーの皆さんには、ぜひ、取り入れていただきたいスキルです。

          <『ポジティブフィードバック』あさ出版>

         ・・・

ポジティブフィードバックとは
思いやりを言語化した良質なコミュニケーションだという。

「ひとつの褒め言葉で2ヵ月は生きられる」

と言ったのは作家のマーク・トウェイン。

人は、誰かの言葉によって励まされたり、
力をもらったり、心が救われたりするものだ。


また、
「辞めるのは会社でなく、上司から離れていくのだ」
という言葉もある。

自分を励ましてくれたり、信じてくれ、
成長させてくれるリーダーにはずっとついていきたいと思うからだ。

リーダーからのポジティブフィードバックは、部下にとっての「ギフト」。

「ギフト」をくれるリーダーに、部下はついていきたくなる。

(以上本書より)



上司から言われて嬉しい言葉は(マイナビニュースから)…

「ありがとう」

「見ているよ」

「おつかれさま」

「助かった」

「頼りにしている」

「君が必要だ」

「すごいね!」

「よくやった!」


ちょっとしたひと言が相手の気持ちを動かす。

私のことを覚えていてくれたな、気にしてくれていたんだ、と。


また、上司や部下にかかわらず、同様に大事なのはレスポンスの早さやだ。

レスポンスは早いだけでポジティブフィードバックになる。


それはたとえば…

●メールをもらったら、即座に返信する。

●情報をもらったことにすぐ感謝する。

●誰かを紹介されたら、その後の経過をすぐに報告する。

●何かをやってもらったことに対して、
 ねぎらいの言葉やお礼の言葉をすぐに言う(メールする)。


誰かを紹介したり、つなげたりしたことがある人はわかるが、
「その後どうなったか」ということを報告してくれる人は意外と少ない。

「紹介された〇〇さんに会ってきました。おかげさまで事業が進展しそうです」

「おすすめだった〇〇に行ってきました。すごい流行っていて、勉強になりました」


気づかいや思いやり、すみやかなレスポンスは、とても大事だ。

ポジティブフィードバックという言葉を胸に刻みたい。

         <感謝合掌 令和4年10月20日 頓首再拝>

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