伝統板・第二

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人の上に立つ者に求められること⑨ - 夕刻版

2018/01/06 (Sat) 19:19:40

人もお金も「感情」で動く!

        *「「人を動かす人」になるために知っておくべきこと」第1章より
          ~ジョン・C・マクスウェル(著)より(P23~38)

《「重要感を持たせられるか」 ―― これが決め手》

(1)「対人能力」ほど重要なことを私は知らない。

(2)絶対知っておきたい人間関係「3つの教訓」

  ①「敏感・迅速」に対応せよ。
  ②「問題」から逃げず「解決」に集中せよ。
  ③誰に対しても「誠実」であれ。

(3)「自分」が動けば、「相手」も動き始める!

   相手を動かしたいなら、まず自分が動く―― これが人間関係の基本である。

(4)一瞬で相手の心をつかむ「4つの秘訣」

  ①「激励の言葉」でモチベーションを上げろ。

   「外に飛び出して、苦しんでいる人に手を差し伸べること」こそ、
   孤独と不幸を乗り越える一番の近道だ。
         (精神科医 マール・メニンガー)

  ②「自尊感情」をくすぐれ。

   「人は誰しも”認められたい”という欲求を持つ」
           (哲学者 ウィリアム。ジェームス)

   「相手の立場に立つ」から共感が得られる。

   大切なのは、「自分が接してほしいように相手に接する」こと。

  ③「傾聴力」を鍛えよ。

   熱心にきちんと考えながら聞くクセを身につけなければ、
   必要な情報は得られないばかりか、自分の判断に誰もついてこなくなるだろう。

  ④相手の「心の底」を斟酌せよ。

(5)コミュニケーションはすべての基本である。

  ①いつも上記の「4つの秘訣」を念頭に置いてほしい。

  ②人生において出会う人すべてが自分の「糧」となる。
   そう考えば、どんな相手とも助け合い、切磋琢磨する仲間となれる。

  ③人間関係で最も大事なスタート地点は「私」ではなく、
   「私たち」であると気づいたとき、多くの人を惹きつけ、
   動かせる人間的魅力、対人能力が備わるだろう。

・・・

<関連Web>

(1)光明掲示板・伝統・第一「人の上に立つ者に求められること」
   → http://bbs6.sekkaku.net/bbs/?id=wonderful&mode=res&log=46

(2)スレッド「人の上に立つ者に求められること①」
   → http://dentou.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=6456974

(3)スレッド「人の上に立つ者に求められること②」
   → http://dentou.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=6518568

(4)スレッド「人の上に立つ者に求められること③」
   → http://dentou.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=6565311

(5)スレッド「人の上に立つ者に求められること④」
   → http://dentou.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=6611149

(6)スレッド「人の上に立つ者に求められること⑤」
   → http://dentou.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=6747214

(7)スレッド「人の上に立つ者に求められること⑥」
   → http://dentou.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=6931505

(8)スレッド「人の上に立つ者に求められること⑦」
   → http://dentou.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=7130595

(9)スレッド「人の上に立つ者に求められること⑧」
   → http://dentou.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=7610822

            <感謝合掌 平成30年1月6日 頓首再拝>

「有無を言わさぬ存在感」はあるか - 伝統

2018/01/11 (Thu) 20:02:24


        *「「人を動かす人」になるために知っておくべきこと」第2章より
          ~ジョン・C・マクスウェル(著)より(P39~54)

「有無を言わさぬ存在感」はあるか
・・・・自分の中の「カリスマ性」を目覚めさせる法

1.ここでのカリスマというのは、
   「人々の特別な忠誠心や情熱を喚起する、指導者の抗しがたい資質」
   と定義をしている。

2.圧倒的に人を惹きつける「7つの出発点」

(1)まず相手に良い気分にさせる。

  ①カリスマ性のある人は、「相手が興味を持っていること」に関心を示す。

  ②カリスマ性を身につけるには、
   「自分がいい気分になるより、人をいい気分にさせることに気を遣う人」
   にならなければならない。

  ③言い換えれば、自分を売り込むのではなく、
   相手に売り込ませるということである。

  ④相手が何を必要としているか、今、どんなことに関心や興味を持っているのか、
   相手が話しやすような「場」を自分が熟成していくことである。

(2)「品性」がなければ所詮”二流止まり”

  ①そもそもカリスマとは、ギリシャ語で「天賦の品性」を意味する言葉である。
   天から与えられた能力は、自分以外の人のために使ってこそ意味がある。

  ②人は誰しも、さまざまな問題を抱えている。
   そして、他者の問題を解決するのが得意な人のところには、
   自然と人が集まってくる。

(3)月並みで終わらない「表現」「やり方」を目指せ

  ①カリスマ性のある人のまわりでは、
   いつもワクワクするようなことが起こっている。

  ②人を惹きつける秘訣、それは
   「自分に火をつけること。見物人がわんさか集まってきます」
    (キリスト教メソジスト派創始者ジョン・ウェスレー)

  ③少しの「遊び心」が人に強い印象を与えるスパイスとなる。

  ④人への影響力を強めたければ、「ウィット」と「自信」という
   2つの資質を身につけること。
   カリスマ性のある人には、この両方が備わっている。

   ウィットのある人は「月並みでない表現」に長け、
   自身のある人は「月並みでないやり方」を実行に移していく。

  ⑤1日ひとつ、心に活力が湧くような言動をすることで、
   あなた自身の印象は180度転換するのだ。


(4)徹底的に”勝ち”にこだわれ

  ①カリスマ性のある人は、「人生の勝者になりたい」と強く願っている。
   そして勝者のところには、「自分も勝ち組になりたい」という人が
   集まってくる。

  ②カリスマ性のある人は、自分の強みを生かして他者をいい気分に
   させるのがうまい。つまり、彼らは他人を中心に考えているのだ。


(5)不動の「自制心」を養え

  ①リーダーシップとは、「影響力」である。
   影響力を行使させるためには、「自分の心」と「身のまわりに起こること」を
   コントロールする必要がある。

  ②自分に起こる出来事も感情も、自分自身のありようが
   鏡のごとく映し出されている。

  ③影響力のある人物になるためには、次の5要素に立ち返ること。

   自分が誰か、
   自分はどこにいるか、
   自分が誰を知っているか、

   自分は何を知っているか、
   自分は何をしているか。


(6)”時代の気分”を読み、操れ

  ①カリスマ性のある人は状況の変化に敏感で、
   さまざまなきぶんひゃムードを巧みに活用していく。

  ②カリスマ性のある人は、
   ”大義”を見つける「鋭い感覚」を持っている。
   問題をはっきり口にする「度胸」がある。
   そして、ただその場にいるだけで人々を魅了してしまう。

  ③カリスマ性のある人は積極的にリスクを負い、
   他者への影響力を発揮していく。


(7)「希望」を感じさせよ

  ①モチベーションを高める鍵は、「希望」を与えることである。

  ②誰でも、「自分の成果を肯定してもらいたい」という気持ちをもっている。
   カリスマ性のある人は、こうした欲求を満たしていくのがうまし。

  ③人は、「自分にとって大切な存在だ」と感じている人の期待に
   応えようとするものだ。

   相手の可能性に最大限、目を向け、相手を信じて、その思いを伝えること。
   それによって相手の能力が向上し、ひいては自分自身の評価が上がることになる。

   そのためにはまず、自分自身が「自尊心」を高めること。
   その上で、他人の可能性を信じて励まし、期待に応えてくれるのを見守るのだ。

  ④私たちが頼りにできる唯一の財産は「人」である。
   他者を肯定するのは、私たちの「義務」と言ってよい。

   互いに励まし合うことで、より高みを目指すことができるのだ。


3.カリスマ性が曇る「6つの障害」

(1)プライドが高い。
(2)心配性。
(3)むら気。

(4)完璧主義。
(5)感傷。
(6)マイナス思考。

            <感謝合掌 平成30年1月11日 頓首再拝>

「自信」+「ヴィジョン」=「人を動かす力」 - 伝統

2018/01/14 (Sun) 18:01:07


        *「「人を動かす人」になるために知っておくべきこと」第3章より
          ~ジョン・C・マクスウェル(著)より(P55~69)


「自信」+「ヴィジョン」=「人を動かす力」
~「影響のある人」と「その他大勢」の違いは



1.影響力のある人の「資質」として、「自信」という資質がある。

(1)人のモチベーションを高めたり、他者を巻き込んでいくのに欠かせない
   資質があるとすれば、それは自信である。

(2)この自信に、ヴィジョン、統率力、過去の実績よいった要素が加わると、
   人々のモチベーションに作用して強烈なるパワーが生み出される。

(3)どんなにすばらしい能力を秘めていても、「自信」が伴わない限り、
   人の心を動かすことは難しいのだ。

2.立ちはだかる問題は”自分を大きくして”乗り越えよ

(1)人は、自己認識と異なる行動を続けることはできない。
   そして、世間が与えるあなたの評価は、あなたが自分自身に与えた評価が、
   ほぼそのまま反映される。

(2)大きなことをなす第一歩は、大きな自信を身につけること。

  ①大きな自信を身につけるには、最初に「自分の存在を肯定すること」である。
   どんな人も、この世界で「果たすべき役目」を持った、尊い存在だ。

  ②今置かれている状況ではなく、
   自分にはもともと力強い生命力が備わっているという
   根本的な事実に意識を集中させれば、
   自信を高めるにに役立つはずだ。

  ③問題に直面したときには
   「出口のないトンネルはない」と言う言葉を繰りすといい。

(3)”自信”は「経験値の大きさ」比例する。

  ①自分を信頼できる人は、精神的な強さが備わっていく。
   一方、自分を信頼できない人はリスクを嫌い、
   経験のない分野は敬遠しがちだ。

  ②ヘレンケラーは言っている。
   「安全などというのは多くの場合、迷信にすぎません。
   《人生は冒険するか、空虚に過ごすかの2つにひとつなのです》」

  ③自分を信じて行動範囲を広げ、経験値を積み上げ、
   成長する努力をしない人に影響力など生まれるはずはない。

  ④自分を信頼しているリーダーは、他者をも信じられる。

   一方、自身のないリーダーは自分も他人も信用しない。
   そんなリーダーの率いる組織では、やる気も成果も上がるはずがない。

  ⑤人はほめられ、認められないと、優れた結果を出し続けられない。
   否定したり批判したりしないこと以上に大事なのが、ほめて励ますことなのだ。
   そして、それができるのは、自己肯定感を持っている人間だけである。

(4)「悲観的な人間」を相手にするな。

  ①自信を身につけ、人を説得できる人間になるもうひとつの方法は、
   自分や他人を信頼している人たちと親交を深めることである。

   「類は友を呼ぶ」ということわざの通り、
   器が大きい人のそばにいると、自分の器も大きくなった気がしてくるものだ。

  ②私たちは誰もが試練を与えられる。

   そんなとき、人は心が揺れ、不安にかられてしまう。
   悲観的な人の後ろ向きな言葉で、自分の能力に対する
   疑念がふつふつと芽生えてしまう。

   その疑念に負けてしまえば、その先に待っているのは挫折と失意の闇だ。

  ③自分の周りには、「自信を高めたくれる人」を置くことだ。
   いつも一緒にいる人からの影響力は、はかりしれない。

   間違っても「悪い面」にばかりフォーカスする人とつき合ってはならない。

(5)「小さな成功体験」が”前進の原動力”になる

  ①小さな成功体験を積み重ねることも自信につながる。
   小さな成功体験が積み上がっていくと、前進の原動力になる。
   さらに大きなことに挑戦していく意欲も湧く。

   成功が続けば、可能性が無限にあるようにも感じられていく。

  ②健全な自信を養う一番の近道は、失敗した後も立ち上がり、
   新たな挑戦によって成功体験を重ねることである。
   により、自身が深まる

   自分を憐れんでいるヒマがあったら、次の勝負に向けて努力を始めることだ。

  ③過去に積み重ねた成功や実績を覚えておくと、自身を高めるのに大いに役立つ。
   自信は自分に”勢い”を与えてくれる。立ちはだかる高い障害も克服できるだろう

   ただし、注意するべきは、天狗にならないことだ。
   成功体験はあくまで、「自信を高める」ために活用してほしい。

(6)「得意なこと」に心血を注げ。

  ①自信を高めたければ、自分と他人を比べるのもやめること。
   人と比べて劣等感に苦しむことは、百害あって一利なしだ。

  ②自分の「得意なこと」を見つけて、その分野のプロフェッソナルになる
   ことも自信につながる。

  ③リーダーは、まず自らが範を示す必要がある。
   リーダーが自信に満ちていれば、組織の中にも自信が増殖し、
   自然に向上心とやる気に満ちた組織になる。

(7)自信という”勢い”ほど心強いものはない

  ①自信は自分に”勢い”を与えてくれる。

  ②知識や技能に「自信という勢い」が加われば、
   その影響力ははかりしれない。

  ③「無理だ」とつぶやいて停滞したまま生きるか、
   「できる! 」と言いながら「勢い」を以って生きるか、
   その「差」はあまりにも大きい。

  ④技術や才能を高める祖力を惜しまず、自分を信じる気持ちを持てば、
   立ちはだかる高い障害も克服できる。

   自信という勢いがあれば、立ち止まることなく前進し続けられるのである。

            <感謝合掌 平成30年1月14日 頓首再拝>

あなたの「行動」はいつも見られている - 伝統

2018/01/17 (Wed) 18:17:07

        *「「人を動かす人」になるために知っておくべきこと」第4章より
          ~ジョン・C・マクスウェル(著)より(P71~97)

あなたの「行動」はいつも見られている
~「自律心」なき人間は即刻退場だ


1.「人の上に立つ人」の5つの行動規範

(1)やるしかないという覚悟・使命感を持て。

  ①人を動かし組織を引っ張っていくことが自分の使命だと自覚する。

  ②勝利を確信し、リーダーとしての役目を果たせる存在だという確信を抱いている。

  ③「やるしかない」という覚悟に燃えている人には、
   必ずその人の能力や才覚が必要とされる舞台が用意されている。

  ④”天命”を自覚した人は強い。

(2)ヴィジョンを明確にして、問題解決に当たれ。

  ①優れた指導者は、「伝えたいこと」を「わかりやすく」伝えることができる。

  ②高いコミュニケーション能力の持ち主は、相手に対して
   「厚い信頼を寄せられている」という気持ちを抱かせることができる。

  ③強力なリーダーシップを発揮している人々は、
   統率の鍵とは「人の価値を高めていくことだ」と知っている。

  ④優れたリーダーはヴィジョンを持っているだけでなく、
   「人に知恵を借りる」ことの重要性を知っているのだ。

  ⑤大切なのは「問題解決」にフォーカスしたコミュニケーションに
   意識を集中することだ。
   明確になったヴィジョンを「周囲が理解できる言葉」で伝えていく
   ことである。

(3)「逆境」でもアイデアを出し続ける知的体力を養え。

(4)自分を捨て「大局的」に考えよ。

  ①本物のリーダーは、人に与えられるものを持っていて、
   それを出し惜しみしない。

  ②「賢い人間は自分を滅して大義に尽くし
   自分の権利ではなく責任を
   足りないものではなく与えられているものを
   おのれの業績ではなく感謝すべきことを
   特権ではなく義務を己の心に刻んでいる

   ナイチンゲール、シュバイツァー、リンカーンの範にならい、
   大義に尽くせ

   マッカーサーは言った
   『地上に安心など存在しない、機会があるだけだ』

   安穏無事を求めるのはやめ、奉仕の精神を育むことに努めよ
   功名心を捨て、達成への意欲を心を砕き
   怠惰な心に負けず、独創を追求せよ」

    (ウィリアム・ウォード<テキサスウェスレヤン大学前学長>)

  ③大局的な視点を身につけ、より大きな使命に目覚めてこそ
   真のリーダーとなれる。

(5)「言葉」と「行動」を首尾一貫させよ

  ①言動がころころ変わる人、裏表のある人と思われた瞬間から、
   リーダーと見なされなくなる。

  ②ひとつの大きなヴィジョンや人格を貫けられない人物に、
   リーダーの資格はない。

  ③一貫性を測る3つの柱
   「人」
   「信念」
   「達成目標」

  ④リーダーになれるか否かは、厳しい「規範」を日々自分に課することが
   できるかという、ただその一点にかかっている。

2.責任の大きさ」と「生き方の選択」は、反比例する

   頂点に立つ者には、集団に奉仕する以外の選択肢はない。
   責任に反比例して、生き方の選択肢は減っていくのである。

3.生き方の「軸」がブレないための「自省ポイント」

  ①一人静かに内省する時間を確保しているか。

  ②動機・手段・時期は正しいか。

  ③責任意識はあるか。

  ④「他者の意見」に耳を傾けているか。

  ⑤自分の弱みを自覚・自戒しているか。

            <感謝合掌 平成30年1月17日 頓首再拝>

リーダーの条件、育て方 - 伝統

2018/01/18 (Thu) 22:22:49

        *Web:リーダーのマネジメント論(2018/01/09)より
             ~アサヒグループホールディングス泉谷直木会長

1.「リーダーの条件」

(1)3つの条件

  ①1つは人間性、2つは資質、3つは能力だ。

  ②人間性とは、強い責任感と当事者意識を持っているかどうかだ。
   リーダーは大きな物事を決める覚悟を求められたり、泥をかぶったりするのだから。

  ③「資質は『精神力』『自律』『譲れない一線を持つ』この3要素だ。
   経営者は、自分で決めなければならないので、とても孤独だし、
   ぶれない経営をしなければならない。

   だから、自分が譲れない一線を持たないといけないね。

  ④「能力とは『戦略構築力』『目標達成能力』『リーダーシップ』の3つだ。
   外部環境がどんな状況でも、部下が誰であっても、勝てる戦略を組み立て、
   さらにその目標を達成する力が必要だ。

(2)『リーダーシップ』とは、現場のモチベーションを上げ、
   全員に1つの目標に向かわせる力のことだ。

   最初は全員の足並みがそろわなくてもいい。
   1~2割のメンバーでスタートしたとしても、ゴールは全員でやる。
   これがリーダーシップだと思う。

   ゴールが一緒なら思いを共有できるので、次のチャレンジに向かえる。

2.尊敬するリーダー像

(1)山本五十六がのこした、有名な
   『やってみせ、言って聞かせて、させてみて、ほめてやらねば、人は動かじ』
   という言葉がある。ここまでなら多くの人が知っている。

(2)しかし、実は、育成という視点では、この続きが重要だと思う。
   『話し合い、耳を傾け、承認し、まかせてやらねば人は育たず』
   『やっている姿を、感謝で見守って、信頼せねば人は実らず』。

(3)つまり、ただ動かすだけでは『ボス』でしかない。
   本当のリーダーは導き、育て、将来のことを部下に任せていく人のことだ。

   勘違いされがちだが、ボスとリーダーは違う。
   権力で圧力をかけて部下に仕事を強いるのがボスで、
   リーダーとは部下を導く責任や仕事の役割のことだ。

   日本はボスは多いけど、リーダーは少ないね。

3.育成は10年かかる

(1)育成は簡単ではない。
   私は9つのマスでできた表で説明するのだが、

   横軸に『戦略構築力』『目標達成能力』『リーダーシップ』、
   縦軸に『学習して得られるもの』『経験して得られるもの』
   『突然変異を起こさないと得られないもの』

   この3つをおいて、一人ひとりの育成を考えている。

(2)研修で身につくのは、『学習して得られるもの』までだ。

   しかし、対人能力は違う。
   異動、出向、海外転勤など、様々な修羅場を経験し、失敗しなければ、
   次に起きるリスクを予想して動けるようにはなれない。

   とはいえ、そういった環境を用意することはできる。

(3)しかし、3つ目の『突然変異』は難しい。
   いわば『カリスマ性』で、いくら勉強しようが経験しようが得られない。

   周囲の人間が急に『あの人は絶対に負けない、あの人に任せたら間違いない』
   と評価するようになる。

   これは、タクシーメーターのように突然ポンっと上がる能力だ。

(4)私は、トップにふさわしい人材を育てるには10年かかると思っている。
   今は変化が激しいから、私もことあるごとにスピード、スピードというんだけど、
   人の育成は別。10年かけるべきだ」

  (https://campus.nikkei.co.jp/article/154704309.html?n_cid=WGT00001

            <感謝合掌 平成30年1月18日 頓首再拝>

【批判されやすい人】 - 伝統

2018/01/20 (Sat) 17:47:25


       *メルマガ「人の心に灯をともす(2013年6月10日)」より

   (ジョン・C・マクスウェル氏の心に響く言葉より…)

   批判の対象になりやすいタイプが二つある。

   1つは「人の上に立つ人」、もう1つは「社会に変化をもたらす人」である。


   アリストテレスはこんな言葉を残している。

   「批判はその気になれば容易に避けられる。
   何も言わず、何もせず、何者にもならないことだ」

   部下を持ったり、責任のある地位についたりしたら、
   「批判はつきもの」だと思ったほうがいい。

   集団から抜け出せば、当然、注目が集まり、やっかむ者が必ず出てくる。

   ある程度の批判は避けられないと肝に銘じることだ。
   つまり、「出る杭は打たれる」ことを覚悟しなければならないのである。

   「社会に変化をもらたそうとする人」も、批判の対象になりやすい。

   彼らは世の中にプラスの変化をもたらす場合が多いが、
   人々は新奇なものや変革を嫌う傾向があるため、批判されるのである。

   アメリカで南北戦争が起こる以前に、イギリスで奴隷解放に尽力した
   ウィリアム・ウィルバーフォースという人がいる。

   彼は、奴隷商人など、奴隷制の恩恵を受けていた既得権益者から、
   さまざまな誹謗(ひぼう)中傷を受けた。

   彼が妻に暴力をふるっているという噂も流されたりして、
   人格や品性を20年にわたって攻撃されたが、それでも彼は意志を貫いた。


   また、リンカーンはおそらく、アメリカで最も愛された大統領と言っていいだろう。
   その一方で、最も批判された大統領でもあった。

   「人民の、人民による、人民のための政治」という一節で
   アメリカ史に特別な位置を占めるゲティスバーグ演説の翌日、
   『シカゴ・タイムズ』はこんな批判を展開している。

   「海外の有識者にアメリカ大統領として知られている人物の口から、
   あのように単調でくだらない言葉が出てきたことに、
   国民全員が恥じ入ったのではないか」

   だが、この批判が間違っていたことは、歴史が証明している。

         <『「人を動かす人」になるために知っておくべきこと』三笠書房>

               ・・・

ハリウッドスターとなったコメディアン、ウィル・ロジャースは、こう語っている。

「批判するのはたやすい。間違いを見つけるのは簡単だが、
解決法を見い出すにはそれなりの見識がいる」 (同書より)


何の解決策も示さずに、簡単に批判を繰り返す人は、ただの評論家だ。

行動するリーダーや何かを変革しようとしている人は、批判されやすい。

そこに既得権益者がいるからだ。


世の中には2つの姿勢の人しかいない。

1つは現状維持の姿勢の人であり、もう1つは現状打破の姿勢の人。

しかし、歴史が証明するように、
現状維持の姿勢の人はいつか必ず、世の流れから置いていかれる。

時代は変化し続けるからだ。


逆にいうなら、批判されやすい人は、
真のリーダーか、世を変革しようとしている人、だということ。

批判を恐れずに、自ら変化し続ける人でありたい。

            <感謝合掌 平成30年1月20日 頓首再拝>

言葉に「説得力」がある人はここが違う! - 伝統

2018/01/22 (Mon) 19:02:26


        *「「人を動かす人」になるために知っておくべきこと」第5章より
          ~ジョン・C・マクスウェル(著)より(P99~121)

言葉に「説得力」がある人はここが違う!
~相手の心にズバリ届く「コミュニケーションの極意」

1.説得力

(1)リーダーの言葉に「説得力」がなければ、
   人を動かし、率いていくことは難しい。

(2)リーダーに求められるのが、「自分の主張、方向性は正しい、間違っていない」
   と相手に納得させる能力である。

2.コントロールせずに相手を”狙い通りに”動かす法

(1)「コントロールする」ことではなく、「伝える」ことにある。
   そのためには、心に届かなければならない。

(2)正しいことだと納得させることができれば、相手の意欲を向上させることに
   つながり、その人は喜んであなたの言うことに従うことになる。

3.”上昇の敏腕弁護士”の「説得テクニック」に学べ
  ~”世界で最もタフな連中”の心を動かした「7つのポイント」

(1)目的とそのための代償を明確にせよ

   何を実現したいのかをはっきりさせる。
   その上で、どんな犠牲が払えるかを考え、その目標に向かって努力をする。

   目標とは「期限付きの夢」に他ならない。

(2)相手の立場・利害関係・願望に注目せよ

  ①相手の「価値観」を知る。
  ②相手の「利益」を考える。
  ③相手の「願望・欲求」を探る。

(3)弱みは隠すな、あえて公言する

   後で問題になりそうなことは、あらかじめオープンにしておくことだ。

(4)「損して得とる」戦略も必要

  ①成功をはばむ最大の要因は「不安」である。

   リスクを承知ですべてをさらけ出し、堂々としていることができれば、
   成功が向こうからやってくることも多い。

  ②「目標は正しい」と確信し、「他者の協力を得てこそ、そこに到達できる」
   と信じることが大切だ。

   それができれば、リーダーシップにおいてリスクを負っていくのは、
   さほぞ恐れるべきことでも、難しいことでもない。

(5)大局的な視点から良心に訴えよ

  ①世の人々の大半は良識的で、「正しいことをしたい」という良心を持っている。
   
   リーダーの務めは、そんな人たちに、目指していることに共感してもらい、
   「これなら間違いない、自分も協力しよう」という気持ちにさせるのだ。

  ②「大局的な視点」を示すことにより、人々の潜在的な願望を掘り起こして、
   実現に導くことができる。

  ③「表に出てこないで役目を果たすのが最も優れた指導者で、
   それに次ぐのが敬愛されたり畏(おそ)れられたりする指導者、
   最もまずいのは侮(あなど)られる指導者である。

   本当によい指導者はあまり口を出さず、目的が達成されたときには、
   民衆に『自力でやり遂げた』という達成感を味わわせる」  (老子)

  ④「ボス」ではなく「リーダー」に

   ボスは人を追い立てる。リーダーは人を導く。
   ボスは権威を笠に着る。リーダーは志を訴える。
   ボスは「私」と言う。リーダーは「われわれ」と言う。

   ボスは失敗を叱責する。リーダーは失敗を克服させる。
   ボスはノウハウを自分の胸に秘めておく。リーダーはノウハウを伝える。
   ボスは「やれ」と言う。リーダーは「やろう」と言う。

     (英国、高級百貨店「セルフリッジ」創業者ゴードン・セルフリッジ)

(6)「短く簡潔な」言葉を選べ

  ①「ムダのない言葉」こそが説得力を生むのだ。
  ②理屈を押せば相手は辟易する。伝えるべきことは短く、簡潔に。

(7)引いてもダメならとにかく押してみよ

   情熱が説得の決め手になることもある。

            <感謝合掌 平成30年1月22日 頓首再拝>

未来に向かってアンテナを立てる - 伝統

2018/01/25 (Thu) 17:43:54


        *メルマガ「人の心に灯をともす」(2017-09-23)より

   (信和義塾大学校、中野博氏の心に響く言葉より…)

   未来が見えていない経営者の会社は倒産します。
   大企業であっても、今の時代は倒産します。

   実際、この20年間で30を超える大企業が倒産しています。

   中小・零細企業に至っては、毎年1万~1万5000件以上、
   データが取れない夜逃げや休眠会社を含めると3万件が倒産していると分析できます。

   これらは、計画倒産を除けば未来が見えていなかったために起きたことです。

   未来を考え、未来を指し示し、それを実践していくことが指導者の条件ですが、
   ここで、あなたに考えて欲しいことがあります。

   未来を指し示す指導者の見極め方です。

   例えば、アメリカの大統領選挙や世界の通貨の為替変動、
   株式相場の予想や地元の商店の浮き沈み、さらにはあなたの生活に至るまで、
   「帝王学」を学ぶまでもなく、ある程度未来を予測する方法があります。

   それは、「あなた自身が未来志向か否か?」ということにかかっています。

   つまり、あなた次第なのです。

   もし、あなたが未来志向なら、あなたは未来を予測するためにアンテナを立て
   (関心を持ち、興味を抱くこと)、未来を考えるのに必要十分な情報を収集して、
   それを分析し続ける思考トレーニングができているはずです。

   常に未来を意識して思考トレーニングができているか否かで、
   未来はまるで違ったものとなります。

   簡単に未来を悲観したり、現在を嘆いたり、過去を悔やんだりしてはいけません。
   それは、すべて、あなたの自身の内面にある心がつくり出していることだからです。

   「心」というと分かりにくい方は、あなたの思考や口癖と理解してください。
   あなたの口癖には、あなたの心のあり方が反映されてしまっています。

   なぜなら、どこに行っても、何をやっても、誰とつき合っても、結婚しても、
   あなたは永遠にあなた自身の心からは逃げられないからです。

   あなたのことを一番知っているのは、あなた自身なのです。


   では、あなたの未来を考える上で必要な指導者についてさらに考えていきましょう。
   
   「指導者」(リーダー)として人の上に立つからには、
   自我(自分だけの都合を考えること)や自我欲(自分だけが得する欲望)をなくし、
   《利他の精神》(他人の利益を考えて配慮でき、実践しようとする
   美しい愛の大きな精神)を持って、未来を見つめ、未来のあるべき方向性を
   考え抜いて判断し、未来志向で行動することが必要なのです。

   これができる人間こそが、真の指導者と呼べます。

   もし、今あなたがついている指導者が未来を見ることができず、
   自我欲が強い場合には、早めに離れることをすすめます。

        <『成功者はなぜ、帝王學を学ぶのか (信和義塾シリーズ)』現代書林>

               ・・・

未来志向とは、未来に目標を定め、楽観的で、前向きで、ポジティブに思考すること。

うれしい、楽しい、愉快だ、幸せ、ついてる、ありがとうという言葉で満ちあふれている。

その反対は、過去志向。
過去を振り返って、いつも悲観的で、ネガティブに思考すること。
愚痴や、不平不満、泣き言、悪口のオンパレード。


未来に向かってアンテナを立てれば、未来が見える。
具体的にいうなら、それは、IT、AI、ロボット、といった
先端の情報を常にとり続けることであり、それに少しでも触(ふ)れること。

それを長く続けるには、好奇心や、遊び心があるといい。

また、自我欲が強い人は、指導者には向いていない。

公平無私の利他の精神が必要だ。

未来に向かってアンテナを立てたい。

            <感謝合掌 平成30年1月25日 頓首再拝>

【人の心を動かすのは人の気くばり】 - 伝統

2018/01/26 (Fri) 18:41:25


        *メルマガ「人の心に灯をともす」(2016-05-04)より

   (ホイチョイ・プロダクションズの心に響く言葉より…)

   どんなに優れた政策を掲げた政治家でも、選挙に当選しなければ腕の振るいようがない。

   そして、選挙に強い政治家とは、必ずしも、
   優れた政策を実現する能力に長(た)けていたり、
   時勢を正しく見極めることができる政治家ではない。

   選挙に強い政治家とは、ドジャ降りの日に傘もささずに
   ビール箱の上に立ってズブ濡れで街頭演説をつづける、
   真夏に長靴をはいて田んぼに入って農家のお年寄りの作業を手伝う、

   あるいは、村祭りの盆踊りの輪でわざとみんなと逆回りに踊り、
   すれ違う選挙民にニッコリ微笑みかけて顔を覚えてもらう…そういった、
   人に媚びるための泥臭いおべっかのノウハウを持った政治家である。

   ビジネスも同じだ。

   どんなに優れたクリエイティブ力やメディア・プランニング力を持っていても、
   まず得意先に気に入られ、使ってもらわなければ、腕の振るいようがない。

   企業のトップに立つような有能な人間は、その能力が高ければ高いほど、
   即効性のあるリアルな気くばりを求めている。

   彼らは、自分が購入を決断する高額商品は、それがクルマであれ、
   マンションであれ、生命保険であれ、会社の広告キャンペーンであれ、
   すべて、自分に対してどれだけ有効な気くばりがなされたのかで購入先を選ぶ傾向にある。

   結局のところ、人の心を動かすのは、人の気くばりなのだ。

   例えば…

   《お詫びやお礼をメールだけで済まさない》

   文字だけで伝わる情報量は、会話で伝わる情報量のわずか30%に過ぎない。
   どんな美辞麗句を連ねても、本気の謝意は正確には伝わらない。

   大事なのは表情と声のトーン。

   お詫びやお礼など、
   感情を伴うコミュニケーションにはメールは向かないものと心得られよ。

   従がって、上司や得意先との打ち合わせへの遅刻は、メールではなく、電話で詫びるべきだ。

   また、前の晩にごちそうになった上司へのお礼もメールで済ませない方がいい。

   「佐藤錦」のパックを持って相手のデスクまで行き
   (こういうときのお礼は昔からサクランボの佐藤錦と決まっている)、
   直接、お礼を言うべきである。


   《常に面白い話題を持っている》

   ある日、広告マンのM君は、先輩が運転する車で番組収録の立ち会いに行った帰り、
   レインボーブリッジ上で渋滞にハマり、
   退屈した先輩から「最近、何か面白い話はないか?」と訊かれた。

   M君が「特にありません」と答えると、先輩は血相を変え、
   「今すぐこのクルマを降りろ」と言って、橋の上でM君を降ろしてしまった。

   M君は後から来たトラックに乗せてもらい事なきを得たが、
   それ以後、得意先から飲みの席で「何か面白い話はない?」と訊かれると、
   この話で大受けをとることができた。

   そこで初めてM君は、先輩が自分に「面白い話」を与えてくれたのだと気づいたそうである。

       <『電通マン36人に教わった36通りの「鬼」気くばり』講談社+α文庫>

              ・・・

人は「情」で動くが、「理」では動かない。

それがどんなに理路整然としていて、正しかろうと、
その人が嫌いだったり、馬が合わなかったら、「理」で説得されることはない。

情とは、感じて動く感情のことであり、他人への思いやりの心や、誠意のことでもある。

「なさけ」、とも言う。

「真(まこと)があるなら、今月今宵(こよい)。あけて正月、だれも来る」

これは、高杉晋作が、死を決して挙兵した奇兵隊に対し、
傍観を決め込む陣営を訪ねて唄った歌とされている。

それを、幻冬舎社長、見城徹氏は翻案してこう言った。

「情けあるなら今宵来い。明日の朝なら誰も来る」

人が本当に困っているときこそ、この情のあるなしがわかる。

「気くばり」も、「思いやり」も、「誠意」も理くつではない。

まさに、「情」と同じで、「人の心を動かすのは人の気くばり」。

気くばり上手な人でありたい。

            <感謝合掌 平成30年1月26日 頓首再拝>

「対立点」に”成長のきっかけ”がある - 伝統

2018/01/30 (Tue) 18:57:25


        *「「人を動かす人」になるために知っておくべきこと」第6章より
          ~ジョン・C・マクスウェル(著)より(P123~167)

「対立点」に”成長のきっかけ”がある
~批判を恐れず前進する法

(1)組織のリーダーとして人を率いていくとき、
   「批判」や耳に痛い言葉が聞こえてくるものだ。

  ①批判は、受け止め方によって成長や飛躍のきっかけにもなれば、
   自信を打ち砕く原因にもなる。

  ②どんなにがんばっても、批判的な者は必ず出てくる。
   そのことを覚えておけば、批判もある程度、
   余裕を持って受け止められるようになるだろう。


(2)やっかみ負けずに次の行動に移ろう。

   批判的でネガティブな態度の人間にはつらい人生が待っており、
   楽観的でポジティブな態度の人は楽しい人生を謳歌できるのだ。


(3)何もしなければ「批判」もされないが「成長」もない。

  ①集団から抜け出せば、当然、注目が集まり、やっかむ者が必ず出てくる。
   ある程度の批判は避けられないと肝に銘じることだ。

  ②リーダーには、「批判はつきもの」だと思ったほうがいい。


(4)自分の「意志の強さ」が試されるとき

  ①「社会に変化をもたらそうとする人」も、批判の対象になりやすい。

  ②批判されることを恐れてはいけない。
   むしろ、批判や障害にどう立ち向かい
   「糧(かて)」にしていくかを考えることだ。


(5)批判を「最良の糧」に変える10カ条

  ①「建設的な批判」と「単なる中傷」を見極める。
   ~「思い」「状況」「動機」の3つのポイントで判断する。

  ②深刻に受けとめすぎない。
  ③”尊敬に値する人の批判”は尊”敬に値しない人の称賛”に勝る。

  ④感情的になったら負け。
  ⑤「志」のない人は、批判もされない。

  ⑥肉体的・精神的に「休む時間」をとる。
  ⑦一人の批判を全体の意見と受け取らない。

  ⑧時が「解決・証明」してくれるのを待つ。
  ⑨”同じ土俵”で戦わない。

  ⑩「敗北」から学び、新たな一歩を踏み出せ。


(6)「言うべきこと」を上手に伝える9つの技術

  ①批判の目的は正当か。

   ・「個人的な利害」がかんらんでいなくても同じ批判をするか。
   ・批判することで「自分の株」が上がるか。

   ・批判することで「いい気分」になるか、それとも「心が痛む」か。
    自分もつらくなるような批判は、口にする価値があると考えていいだろう。

  ②批判の主旨は明確か。

  ③相手のプライドは尊重する。

   ・ほめるべき点を一つぐらいみつけておいて、
    本題に入る前にその気持ちを伝えておくこと。

   ・「いつも」「一度も」のように、完全否定につながる言葉は
    使うべきではない。

   ・能力や人間性を認めていることを相手に伝えた上で、
    言うべきことを言っていくことが大切だ。

  ④他者と比べない。
  ⑤解決策を示せないなら黙っていろ。

  ⑥人格を否定しない。

   ・問題になっていることを指摘するのは構わないが、
    相手の人格を否定するようなことは言うべきではない。

   ・批判するのは、あくまでも「問題を相手に認識させ、
    状況を改善するチャンスを与えるため」だと心得よう。

  ⑦「タイミング」を逃さない。

  ⑧「自分ならできたか」どうかシュミレーションする。

  ⑨「批判」はプラスの言葉で挟む込む。

   ・「言葉のサンドイッチ」
    最初にほめてから、言うべきことを言い、最後に励ましの言葉をかける。

   ・間違いを指摘するのは効果があるが、励ますほうがより効果がある。
    批判の後の励ましは、にわか雨の後に射す太陽のようなものだ。
  

(7)やっかいな7つの性格タイプ、相手のペースに乗らない方法

  ①独裁者型:いざというときは「正面対決」が一番効果的。

  ②宇宙人型:「正攻法」は通用しない。独創性の発揮できる場を与える。

  ③火山型:熱が冷めるまで「冷静な態度」に徹する。

  ④だだっこ型:必要以上に構わない。

  ⑤悲観型:どんより落ち込んだ人に「共感」は禁物。
       優しい言葉で、かつはっきり伝えることである。

       リスクを承知で前向きに行動し、責任を負っていく態度を、
       自分の意志で選ばせることが重要だ。

  ⑥メソメソ型:ちょっとした荒療治を加える。

  ⑦使役型:どこまで手を貸すか、あらかじめ決めておく。


(8)人間関係のいざこざを賢く乗り切る7つのポイント

  ①欠席裁判をしない。
  ②事実を明らかにする。

  ③怒りにまかせて批判しない。
  ④主張を明確にする。

  ⑤相手の言い分を聞く。
  ⑥事実を記録しておく。

  ⑦マイナス感情を引きずらない。

            <感謝合掌 平成30年1月30日 頓首再拝>

【相手の自負心を満たす】 - 伝統

2018/01/31 (Wed) 17:23:52


         *メルマガ「人の心に灯をともす」(2018年01月23日)より

   (カート・モーテンセン氏の心に響く言葉より…)

   自負心とは、人々から尊敬されることを求め、認められたいと思う気持ちのことだ。

   すべての人の心の奥底に、自分は重要な人間であり、
   他人に認められたいという欲求が秘められている。


   自負心は非論理的で破壊的な行動をとらせる一方で、高貴で勇敢な行動をとらせる。

   自負心が満たされないとき、人々はいかなる方法を使ってでもそれを満たそうとする。
   したがって、人々の満たされていない自負心を満たすのを助ければ、
   大きな説得力を持つことができる。

   人々は自負心をいつも満たしてほしいと思っている。
   だから、自分の価値を認めてもらい、大切にされていることを確認したがるものだ。


   心理学者のJ・C・スタール博士は多くの調査を分析し、
   組織に勤める人たちの不満の主な原因が上司の態度にあることを発見した。

   それを重要度の順にリストアップしよう。


   ●アイデアや提案をしても功績を認めてくれない

   ●問題の改善を申し出ても実行してもらえない

   ●励ましてくれない

   ●意見を言わせてもらえない

   ●作業の進捗状況を知らせてくれない

   ●えこひいきをする


   以上の原因はすべて、自負心を傷つけられることによるものだ。

   これはたいへん残念なことである。

   というのは、複数の研究で、従業員が効率よく働くのは
   自分の努力を認められたときであることが確認されているからだ。

   工事現場の監督と作業員の関係を調査したミシガン大学の心理学者のチームによると、
   作業員を働かせようとして威張り散らすタイプよりも、
   作業員から慕われるタイプのほうが、作業員が効率よく働くことがわかった。

   あなたが人々の心をつかみたいのなら、
   なんらかの方法で相手の自負心を満たすことが不可欠になる。

   しかし残念ながら、あまりにも多くの場合、
   相手を脅したり、あせらせたり、嫉妬心や不信感を抱かせたりして
   説得しようとしているのが実情だ。

           <『心をつかむ技術』ディスカヴァー>

               ・・・

「自負する」とは、自分の才能や仕事、業績などに対して自信と誇りを持つこと。

「この分野では誰よりも知識があると自負している」というような使い方。


「自分は価値ある存在である」「自分は特別で重要な存在である」
「人から大切にされている」そして、「人から尊敬されている」と
いうようなことを実感することを「自己重要感」という。

この自己重要感を高めれば、自負心は満たされる。


そのために必要なことは…

■相手を肯定し認める

■相手の話をよく聞く

■褒める

■共感する


相手の自負心を満たす人でありたい。

            <感謝合掌 平成30年1月31日 頓首再拝>

危機を乗り越える知恵(8)チャーチルが有事にとった組織運用 - 伝統

2018/02/06 (Tue) 19:35:51


          *Web:宇惠一郎の「歴史に学ぶリーダー論」(2014.08.05)より

平時のリーダーシップと有事のそれとは根本的に異なる。 
有事に求められるのは、

  ①素早い決断とその実行のための組織づくり

  ②決断を組織末端まで徹底させるコミュニケーション術

  ③大局を俯瞰(ふかん)して判断する戦略眼

の3点に集約できる。

組織づくり。
平時においては、まず不動の組織があって、
各組織が決められた役割を分担することですむ。

有事にあっては、膨大で緊急を要する実務を見極め、
それに見合った組織を生み出す大胆さが肝要だ。

「その権限はうちの組織にはありません」。
どこにでもありがちな硬直した組織運用では有事には無責任体制となる。

組織が実務を縛るのではなく、必要な実務が組織を生み出さなければならない。

 
チャーチルは内閣を組織するにあたって
まず国防省を置き、首相自らが国防相を兼任した。
戦争指揮系統を簡素化し①と②を可能にした。

さらに必要に応じて柔軟に、軍事生産委員会、戦車評議会、航空機生産省、
英米合同原材料庁、英米船舶輸送調整庁などを組織し、
膨大な行政需要に効果的に対応していった。

ある意味、ヒットラー、スターリンと同じく戦時独裁的体制を敷いたのだが、
チャーチルは大いに違う点があった。

議会を重視し、議会に説明し議会の議論を経て、ものごとを民主的に決定していった。

指示、指令も上から下への一方的なものではない。
各組織から情報を上げさせ、迅速に処理した。
彼の行く所、決裁書類が大きな箱に詰められ付いて回ったとされる。

「情報は必ず文書で上げろ」は当然としても、
「すべてペーパー1枚に要約するように」と指示した。

目を通した膨大な書類のうち、緊急を要するものには、
「即日実行」の付箋がつけられ戻された。

決断と実行は速度が決め手となる。

こうして英国が「ブリテンの戦い」という孤独な防衛戦を継続する中で、
ヒットラーは英国本土上陸を断念し、1941年6月に突如、
独ソ不可侵条約を破ってモスクワ攻略に向かった。

あわてふためき必死で持ちこたえるスターリンからチャーチルに要請が届く。
「英国はフランスに再上陸して第二戦線を開くべきだ」

「時ではない」

チャーチルは勝利のためのさらに大きな戦略を思い描いていた。

  (http://www.jmca.jp/column/leader/leade%EF%BD%9229.html

            <感謝合掌 平成30年2月6日 頓首再拝>

危機を乗り越える知恵(9)チャーチルの大戦略 - 伝統

2018/02/10 (Sat) 19:43:13


          *Web:宇惠一郎の「歴史に学ぶリーダー論」(2014.08.12)より

1940年5月、ナチス・ドイツ軍の電撃的な独仏国境突破でフランスは降伏し、
英国は孤独な本土防衛戦を強いられることになる。

英首相チャーチルは、国民を激励しつつ大きな戦略図を描いていた。

「独ソ不可侵条約は永続しない」という冷静な目と、
「大陸への上陸反攻には米国の参戦が不可欠だ」という
世界地図を見据えた大局観に基づく。

 
チャーチルは若き日に、騎兵将校として赴任したインドで、
寝る間を惜しみギボンの『ローマ帝国衰亡史』などの歴史書、哲学書を読みふけったという。

さらに、19世紀初頭の欧州を覆ったナポレオン戦争の教訓を踏まえ、
「いかに強大な軍をもってしても、戦線を過大に拡大すれば国は滅びる」
「敵と味方は固定的なものではない」という歴史に裏付けられた事実を
信念として学びとっていた。

 
歴史に学ぶ重要さとはそういうことである。教養としての読書ではない。

 
先に触れた、「ブリテンの戦い」の決意を表明した演説はこう結ばれている。

「神のご都合の良い時に、新大陸がその力をもって
旧大陸の救出と解放に乗り出してくる時まで」。

戦争に巻き込まれることをためらう「新大陸」米国の参戦を見据え、促している。

一方のヒットラーも、欧州大陸を席巻し、
英国をブリテン島に押し込んだ大戦初期のこの段階で、
「英国が勝てるのは、米ソが参戦した場合だけである」と周辺に語っている。

情勢を読み取る「勘」はあったが、背反する行動をヒットラーは取る。

空爆に耐える英国への上陸をあきらめた彼は反転して“同盟国”のソ連に攻め込む。

さらに1941年12月に日本が真珠湾奇襲に成功するや米国に宣戦布告し、
「欧州の戦争」から距離を置く米国を自ら戦場に引き込むことになる。

 
チャーチルは、第一次世界大戦の経験から陸軍同士の正面戦は
ただただ無駄に膨大な犠牲を生む消耗戦に陥ることを熟知していた。

英国軍のフランス上陸による第二戦線構築をせっつくソ連のスターリンに対して、
欧州を占拠したドイツを巨大なワニにたとえて説得した。

その口が牙をむくフランスへの上陸を避け、
「柔らかな腹部を攻撃する」の基本戦略を示し、北アフリカに兵を送り、
地中海の制海権を掌握する迂回作戦に全力を注ぐ。

そして、兵の消耗を防ぎながら、来るべきノルマンディー上陸の
「Dデイ」に向けて戦備を整えることを忘れなかった。      

(この項、次に続く)

      (http://www.jmca.jp/column/leader/leade%EF%BD%9230.html
                   
            <感謝合掌 平成30年2月10日 頓首再拝>

危機を乗り越える知恵(10)チャーチルの準備された楽天主義 - 伝統

2018/02/12 (Mon) 17:40:22


          *Web:宇惠一郎の「歴史に学ぶリーダー論」(2014.08.19)より

ナチスドイツとの戦いを勝利に導いた英国首相、チャーチルは楽天的な準備の人である。

英仏海峡を越えての上陸反攻を「時にあらず」として自重しつつ、
北アフリカ、中東に軍を進める迂回作戦を取ったが、
ノルマンディー上陸の「Dデイ」に向け着々と手を打つ。

かつて海軍大臣を努めた第一次大戦でのトルコ上陸作戦の失敗から、
大規模な上陸には上陸用舟艇、水陸両用戦車が必要であるとして
その斬新な軍備の増産を命じる。

さらに近代戦に不可欠の空軍力の強化も空前の速度で進めた。

 
最大のカギは、米国の本格参戦だった。
1941年8月、参戦を逡巡していた米大統領・ルーズベルトを説得するため
米国沖に赴いたチャーチルは大統領の頑なな言葉に愕然とする。

「合衆国はファシズムを憎むのと同じく、英国の帝国(植民地)主義も認められない」
というのだ。

この会談の際、チャーチルが風呂から上がるとルーズベルトがいきなりドアを開けた。
裸のチャーチルがすかさず振り返って言う。

「大英帝国首相は、合衆国大統領の前に隠すべきものは何ひとつない」

この危機にも忘れぬウィットに、険悪だった二人は打ち解けた。
米英両国はともにファシズムと戦うことを誓う「大西洋憲章」を結ぶことになったのだ。

1943年6月6日、米英軍を主力とする連合軍17万6千の将兵が
北フランスのノルマンディの海岸に上陸する。追いつめられたヒットラーは
一年後に自殺し、ドイツは降伏する。

ヒットラーは遺書に敗因を書き記した。

「あの大酒飲みの半アメリカ人(チャーチルの母は米国人)さえいなければ、
老化した動脈硬化の英国なんか…」。

ヒットラーとは、欧州に襲いかかった一つの狂気であった。
しかも戦いに関して天賦の勘を備えている。

勘をそなえた戦い上手な狂気にだれしも手こずる。経営者なら思い当たるだろう。

しかし案ずることはない。
歴史に学んだ正気が、こうした狂気に敗れることなど、これまでも、これからもないのだ。

 
チャーチルがのこした言葉から、危機を乗り切るための金言をふたつ紹介しておこう。

「危機が迫ったとき、決して逃げてはいけない。危機が倍になる。
ひるむことなく決然と立ち向かえば、危機は半分となる」

 
「人生ではしばしば最初に直面する試練が最も厳しい。
一度その困難を乗り越えれば、道は比較的容易になる」

   (http://www.jmca.jp/column/leader/leade%EF%BD%9231.html

・・・

<参考映画:ウィンストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男
      → http://www.churchill-movie.jp/  >

            <感謝合掌 平成30年2月12日 頓首再拝>

【努力家で才能のある人が犯す過ち】 - 伝統

2018/02/14 (Wed) 17:44:12


        *メルマガ「人の心に灯をともす」(2018年02月12日)より

   (斎藤一人さんの心に響く言葉より…)

   努力家で才能のある人は、同じように努力家で才能のある人を好みます。
   そして、才能もなくて努力もしない人を見ると腹を立てるんです。
   そういう人って、他人も自分と同じだと考える傾向があります。

   他人の行動が自分と同じくらいにできないと、
   特に我慢できなくなる人が多いんだよね。

   だから、ついつい「なぜ、言ったことができないの? 」とか
   「なぜ、そんなことができないの? 」と言ってしまうんです。


   リーダーや上に立つ人には、必ずそれを支える人がいます。
   けっして1人だけでやっているわけではないんだよね。

   誰かを支えている人って、例えるなら櫓の土台みたいなものなの。

   注目されるのは乗っている人だけど、
   支える人がいるからこそ、安全が保障されています。

   だから、上の人が下の人の悪口を言ったり、
   欠点ばかりを指摘したりしていると、

   その人たちが逃げていってしまって土台がなくなり、
   悪口を言った人は櫓の高いところから落ちてしまうことになるでしょう。


   カリスマ美容師みたいな人も、才能があって、努力もしたんです。
   だから、それが当たり前だと思ってしまいます。
   すると、それができない人に怒ったり、腹を立てたりしてしまうんです。

   でも、そんなことを続けていると、ある日お店に行ったら
   「誰もいなくなってた」ということになってしまいますよ。

   美容室って予約を取ってくれる人がいて、
   髪の毛を洗ってくれる人がいて、
   片づけたりしてくれる人がいるからこそ、
   いろんなことが仕事として回っていくんだよ。

   上ばっかり見ていると、そんな簡単なことがわからなくなるからね。


   だから、「給料を払ってるんだから当たり前」とか
   「こんなことぐらい、言わなくてもやれて当たり前」じゃなくて、
   「ごくろうさま」とか「ありがとうね」とか「偉いね」って言って
   感謝をするの。

   そうすると働いている人も
   「あのカリスマ美容師がこんな私にも感謝してくれた」って
   喜んでくれるんです。


   どんな人でも自分のことを尊重されないと腹を立てます。

   そして、尊重されると誰だって嬉しいんです。

   自分の仕事がどうやって回っているのか。

   上に立つ人間であればあるほど、ちゃんと考えなよ。

   <『大丈夫だよ、すべてはうまくいっているからね。』サンマーク出版>

              ・・・

「箱根山、駕籠(かご)に乗る人、担(かつ)ぐ人、そのまた草鞋(わらじ)を作る人」

という落語に登場する短歌がある。

「駕籠に乗る」という目立つ人がいるが、
それを担ぐ人や、その担ぐ人の草鞋を作る人もいて、世の中は成り立っている。


世の中のことは、どんなに才能があろうが、
自分一人でまわっているなどということはない。

必ず誰かに支えられている。

だからこそ、謙虚な気持ちで支えてくれている人たちに感謝しなければならない。

だが、それを忘れてしまって増上慢(ぞうじょうまん)になって
しまっている人がいかに多いか。


誰に対しても謙虚な気持ちで、感謝を忘れない人でありたい。

            <感謝合掌 平成30年2月14日 頓首再拝>

指導者の条件88(不可能はない) - 伝統

2018/02/17 (Sat) 18:10:52


        *「指導者の条件」松下幸之助・著より

指導者は天地自然の理にかなった事は全て可能だと考えたい

ナポレオンの有名な言葉に”余の辞書には不可能という言葉はない”
というのがあることは誰でも知っている。

これは一見まことに不遜な言葉のように思われる。

早い話が、人間、自分がいつか死んでいくのをどうすることも出来ない。

不可能なことはいくらでもあるし、
見方によっては人間に可能なことの方が少ないとも言える。

実際、そういったナポレオン自らが、ロシアに遠征して散々な目に遭い、
さらに連合軍に敗れ、絶海の孤島に幽囚の身となって悲運の内に死んでいるのである。

だから、不可能はない、などというのは、
単なる自惚れの言葉に過ぎないというのも一つの見方だと思う。

しかし、考えようによっては、
これはやはり一つの真理をついた言葉だと言えるのではないだろうか。

なるほど、人間には不可能なことがたくさんある。

それではどういうことが不可能かと言えば、
いわゆる天地自然の理に反したことが出来ないのである。

例えば人間いつかは必ず死ぬというのが天地自然の理である。

だから、それに反して不死をいくら願ったところでそれは絶対にかなえられない。

けれども、そのことは逆に言えば、天地自然の理にかなったものならば、
全て可能だということである。

例えば、事業というものは天地自然の理に従って行えば必ず成功するものだと思う。

良いものを創って、適正な値段で売り、売った代金はきちっと回収する、
まあ簡単に言えばそれが天地自然の理にかなった事業経営の姿である。

そしてその通りにやれば100%成功するものである。

成功しないとすれば、それは品物が悪いか、値段が高いか、
集金をおろそかにしているか、必ずどこかに天地自然の理に反した姿があるからである。

孫子は、「彼を知り己を知らば、百戦してあやうからず」と言っているが、
それが天地自然の理にかなった戦の仕方だからだろう。

そのように考えてみれば、不可能はない、という言葉は、一面正しいと言える。

天地自然の理に従い、志を持って、成すべき事を成している限り、
人間には不可能はないのである。

不可能が有りとすれば、それは自分で不可能にしているのだろう。

もっとも先にも述べたが、ナポレオン自身がそう言いつつも、失敗を招いているのである。

それだけによくよく心してこの言葉を味わわなくてはいけないと思う。

            <感謝合掌 平成30年2月17日 頓首再拝>

部下の「やる気」に火をつけろ! - 伝統

2018/02/22 (Thu) 21:37:20


        *「「人を動かす人」になるために知っておくべきこと」第7章より
          ~ジョン・C・マクスウェル(著)より(P169~192)

部下の「やる気」に火をつけろ!
~「人」が育つ、「成果」が上がる”黄金法則”

(1)励まし

  ①励ましは、草花にやる水に似ている。
   忘れずに与えれば、着実に成長を促してくれるのである。

  ②「鉄鋼王」アンドリュー・カーネギーは、
   「人を育てる達人」だった。

   カーネギーの「人材育成の秘訣」は
   「欠点をあげつらわず、ひたすらよいところをほめる」にあった。

(2)”細かい指摘”よりも大事なこと

  ①よかれと思ってミスを指摘し続けると、結果的に自信を失わせ、
   本来の魅力をも奪ってしまう。

  ②よいところだけをほめて励ますと、自信をとりもどし、
   本来の魅力を発揮させることができるのです。

(3)相手の”現状”よりも「可能性」に目を向けろ

  ①最高の結果を出せるはずだと信じることで、
   ごく自然に励ましの言葉が出てくる。

   実際、大きな期待をかけるほど、成果も大きくなる傾向がある。

  ②ポール・ベア・ブライアント(アメリカンフットボール指導者)の名言

   「俺はアーカンソーの農夫だったが、今ではチームをまとめられる。
   選手を励まし、冷静にさせて、結束させていく自信がある。
   私の言葉には3つのパターンしかない。

   ダメだったときは自分のせい。
   そこそこだったときはみんなの成果。
   結果が出たときは選手の功績。

   フットボールで勝つのに必要なのは、この3つの言葉だけだ」

(4)なぜ”期待のハードル”は高めがいいのか

  ①人は期待をかけられると、その期待に応えようとする。
   だからこそ、「現状」ではなく、
   「可能性」に目を向けることが大切なのだ。

  ②実際は、「期待のハードル」を低く設定してしまう人が圧倒的に多い。

   成否の鍵を握るのは、相手の理想の姿を思い描き、
   それを伝えていけるかどうかだ。

   相手の秘められた可能性は、あなたのかける期待によって
   引き出されるのである。


(5)「勝ち負け」は関係ない。
   ~負け組が言えば”負け惜しみ”でしかない

  ①「勝利」を体験すれば、やる気と自尊心が高まり、
   人生にも希望が出てきて、理想も高まり、
   「次も成功できる」という自信も湧いてくる。

  ②「勝つ組織」をつくるには、
   適材適所の仕事を与えればよい。

   一人ひとりの才能や希望を見極めて、その才能を開花させる
   チャンスを与えていくことである。

   精神的に成熟した人は、他の人にそのような場所を用意していく
   ことができる。

(6)魚を与えるより「釣り方」を教えよ

  ①一匹の魚よりも、釣り竿のほうがはるかに価値があるということだ。

  ②才能はあくまで本人の努力や試行錯誤によって伸びていくものだからだ。

  ③上に立つ者の務めは、励まして意欲を持たせ、
   ノウハウを教えて行くことだ。

   部下が成功すれば、その成功は自分にも返ってくる。
   自分が育てた人物の勝利は、自分自身の勝利でもあるのだ。

(7)「メリットがある」とわかれば、人は動く

  ①励ますという簡単な行為を実践すれば、
   人の気持ちを変え、人生も大きく変えていくことができる。

  ②人は、自分に「最大のメリット」をもたらしてくれることに力を注ぐ。
   たとえ価値のあることであっても、自分に何のメリットもなければ
   真剣に取り組む気にならないのが人情だ。

   人を励ます達人になるには、「どんなことが相手のメリットとなるか、
   やる気を高めるか、行動につながるか」を知っておく必要がある。

  ③大切なのは、一人ひとりに行動する「動機」を与え、
   やる気を引き出すことである。
   それができれば、望んでいる結果は自然につきてくる。

  ④自分にとってメリットがあるとわかっていることでは、
   誰でも頑張るものである。

   「これをすれば、メリットがある」とわかっていると、
   行動は持続する。

  ⑤長期的成功のために最も重要なポイントがわかったら、
   それをチームに伝えて行くこと。

   これが組織全体のやる気を高め、活性化させることにつながるのである。

(8)「報酬に値する人物」の条件

  ①「前向きな心」と「向上心」があるか。

  ②「リスク」をとって挑戦しているか。

  ③”独創性のあるアイデア”を出しているか。

  ④”変革の声”を上げ「具体的行動」をとっているか。

  ⑤”時間当たりの成果”を意識しているか。
   
(9)「意欲」と「成果」をさらに向上させる法

  ①金銭を与える。

  ②ねがいの言葉をかける。

  ③休みを与える。

  ④分け前を与える。

  ⑤好きな仕事につかせる。

  ⑥昇進させる。

  ⑦裁量権を与える。

  ⑧「成長の機会」を与える。


   このうち特に効果が高いのは、①と②である。

   励ますことで、人は伸びていく。
   人を励ましていくときに大切なのは、「理屈」よりも「行動」だ。

            <感謝合掌 平成30年2月22日 頓首再拝>

「常勝チーム」をつくる法則 - 伝統

2018/02/25 (Sun) 19:44:59


        *「「人を動かす人」になるために知っておくべきこと」第8章より
          ~ジョン・C・マクスウェル(著)より(P193~217)

「常勝チーム」をつくる法則
~力を結集すれば「見える世界」が変わる!

(1)個人プレーは”チームワーク”を超えられない。

  ①ほとんどの人が、人とともに働き、人の力をありて成果をあげる。
   したがって、成果をあげるには、人との関係に責任をもたなければならない。

             <ドラッカー>

  ②「何かを成したい」と思ったら、自分のスキルや才能に目を向けるだけでなく、
   自分の成果を育むような人とのつながり、チームワークを築いて
   いかなくてはいけない。

  ③集団がひとつになったとき、驚くような力が発揮される。
   チームワークの価値や意義をどれだけ認識しているかで、
   実現できる夢のスケールが決まるのだ。


(2)「共通の目的」を目指すから”仲間意識”が生まれる。
   優れたチームワークを実現するには、最初にすべきことが2つある。

  ①「共通の目的」を打ち立てること。
  
  ②その目的をチームに浸透させること。


(3)チームに「勝利」をもたらす4つの法則

  ①「絶対勝利」を”旗印”にせよ。
   「勝つためにプレーする」という意識を徹底させること。

  ②「リスク」よりも「停滞」を恐れよ。

   リスクを積極的に負っていくということ。
   リスクをおそれずに挑戦する姿勢が不可欠だ。

               ・・・

   <アン・ランダースの詩>

   笑えばバカだと思うかもしれない。
   泣けば軟弱だと思われるかもしれない。

   人に手をさしのべれば、
   最後まで面倒を見なければならないかもしれない。

   本音を言えば、反発されるかもしれない。
   夢を語れば、嘲笑されるかもしれない。
   人を好きになれば、傷つくかもしれない。

   危ない橋を渡れば、失敗することもあろう。
   けれども橋は渡らなければならない。
   渡らないことこそが、人生で最も危険なことだからだ。

   安全なことしかしない人間は、何も達成できない。
   何も得られないし、何者にもなれない。

   落ち込んだりつらい思いをしない代わりに、
   学ぶことも、感じることもできない。
   変わることも、成長することも、愛を知ることもできない。

   安全という鎖につながれた奴隷だ。
   鎖から解き放たれることを恐れない人こそが、真に自由なのである。

               ・・・

   今度は逆に、失敗することを恐れる人の話をしよう。

 
   ぼろぼろの身なりであばら屋に住んでいる、年老いた農夫がいた。

   草を噛んでヒマをつぶしている農夫の前を、ひとりの男が通りかかった。

   男は水を飲ませてもらおうと思ったが、
   いきなり水をせがむのはぶしつけな気がして、
   まずは世間話をすることにした。


   「今年は綿花はどうですか」

   「ここにはねえよ」

   「栽培しなかったんですか」

   「まあな、ゾウリムシがつくと面倒だからな」

   「じゃあ、トオモロコシは」

   「植えとらん。雨が足りんかもしれんからな」

   「だったら何を植えたんです」

   「なんにも植えんかった。心配するのが嫌でよ」

         ・・・

   世間には、この農夫のような考え方の人は多い。
   失敗する恐れのあることをとにかく避けたがるのである。

   こういう人は、勝利の興奮を経験することはできない。
   安全ばかり追求していると、成功は逃げていくのだ。

   一方、世界を変えていく人たちの中には、
   あえて危険に身を投じていく人が少なくない。

   真の目的意識がある人というのは、リスクを恐れないのである。


  ③「1%の成長」にも貪欲であれ。

   「向上の努力」を怠らないということだ。
   努力をやめれば「勝ちの流れ」も止まるのだ。

               ・・・

   <アメリカの番組司会者アート・リンクレターの詩>

   なりたい自分に
   なりたくはない
   その先がきっとあるはずだから

   人生を楽しんでいはいる
   けれども人生の達人になったと思う日が
   来て欲しいとは思わない

   登り切っても
   もっと高い場所が必ずある
   もっと眺めにいい場所が
   知らないことが
   私を待っている

   この命が果てるその日まで
   安住はしたくない

   登り続けよう
   どこまでも

               ・・・

   向上するのは、何かを得るためではなく、
   自分が成長するためである。

   なぜ努力をするのか?
   それは、自分をよりよい人間としていくことこそが、
   本来の目的のはずである。


  ④「仲間の成功」の延長に「自分の成功」があると考えよ。

   チーム一人ひとりがお互いの成功を願っているということだ。
   互恵の精神が行き渡っているということである。

   「人に協力してもらったほうが一人でやるより優れたものを
   生み出せると気づくことが、成長の一歩だ」
 
               (アンドリュー・カーネギー)


(4)「集団の質」は”個人の質の総和”である。

  ①組織で最も重要なのは、「スタッフの質」である。

  ②人事の失敗は致命的な損失につながる。


(5)「組織に必要な人材」を見極める方程式

   大切なのは、将来の夢を共有し、
   それに参加したいという気にさせることだ。

   (対人能力+性格)×(能力+期待)=パフォーマンス

  ①対人能力~仕事の失敗原因の約9割は「人間関係」

   相手に敬意を示すこと、胸襟を開いて話し合う姿勢を見せること。

   人とユーモアを交えながら気さくに話をしたり、じっくり話を聴く。

   不本意なことを言われたときに落ち込んだり反発したりせず、
   笑って受け流す余裕を持つ。

   人に対して身がなえず、温かく接する。

  ②性格~能力が同じなら「前向き」な人間を採れ。

   ネガティブな性格の人間はチームの足を引っ張る存在となる。

   能力は引き上げていくことができるが、
   性格は本人がその気にならない限り変わらないからだ。

  ③能力~「力」があっても「価値観」が合わなければ結果は出ない。

   人が「能力」をどのように使うか、どれだけ本気で使うかは、
   「関心」と「価値観」によって決まる。

  ④期待~「期待」を読み取り、それに応える力があるか。

            <感謝合掌 平成30年2月25日 頓首再拝>

危機を乗り越える知恵(15) 核戦争の瀬戸際、キューバ危機 - 伝統

2018/03/01 (Thu) 19:50:34


          *Web:宇惠一郎の「歴史に学ぶリーダー論」(2014.09.23)より

「大統領、これを見てください」。
1962年10月14日朝、ホワイトハウスの大統領執務室に、
スパイ偵察機がキューバ上空から撮影した数百枚の写真が持ち込まれた。

それは若き大統領、ジョン・F・ケネディに衝撃的な事実を告げていた。
フロリダから目と鼻の先にあるキューバに米本土への核攻撃が可能な
弾道ミサイル基地が建設中であることを示していたのだ。

核兵器搭載可能なソ連製の爆撃機21機も写っていた。

東西冷戦まっただ中の1959年、フィデル・カストロに率いられたキューバ革命軍が
親米バチスタ政権を倒し、社会主義政権を樹立していた。

ミサイル基地建設が発覚した前月の2日に、
ソ連のフルシチョフ書記長はカストロとの間で「帝国主義の脅威に対抗するため」の
対キューバ軍備支援を明確に打ち出していた。

しかし、米国の情報当局は、「ソ連の軍事支援はあくまで防衛軍備に限られている」と
繰り返し大統領に伝えていた。

 
チャーチルの項でも触れた「思い込みによる錯誤」だ。

キューバに攻撃用武器を持ち込むことは、米ソ戦争を引き起こす。
しかも核兵器の配備は核戦争につながることは必至だ。

「いくらソ連でも、米国の庭先でそんな馬鹿なまねはしないだろう」という
思い込みが米側にあった。しかし、それは裏切られた。

「何ということだ」と、ケネディは怒りに震えながらも、決断していた。

キューバでの攻撃用ミサイルの存在は認められない。
すべてのミサイルを撤去させる。そのための交渉を行うが、武力は使わない。

「武力行使は核戦争を招く」。それだけは避けたかった。それは地球の破滅を意味した。

ケネディは、報告内容を極秘とした上で、情報の精査を命じた。
核ミサイル持ち込みが間違いないとなった二日後の16日、
ホワイトハウスに国防省、国務省の両長官、CIA長官、統合参謀本部議長ら
危機管理のトップメンバーを集めて「最高執行会議」(EXCOM)を立ち上げ、
「核ミサイル持ち込みの理由とミサイル撤去の方法の検討」を指示した。

初日の会議では、軍関係者らが「武力攻撃」を強く主張し、
「平和的解決」を献策する国務省との間で意見は激しく対立する。

軍部の強硬論には複雑な理由があった。

1961年の就任以来、ケネディがとってきた微温的な対キューバ政策への反発だ。

手のうちが読めないソ連だけでなく、身内にも見えない“敵”を抱えていた。

この日から、人類を破滅から救うための13日間の戦いが始まる。 

(次に続く)

  (http://www.jmca.jp/column/leader/leade%EF%BD%9236.html

            <感謝合掌 平成30年3月1日 頓首再拝>

危機を乗り越える知恵(16) 「弱腰批判」に悩むケネディ - 伝統

2018/03/03 (Sat) 19:05:42


          *Web:宇惠一郎の「歴史に学ぶリーダー論」(2014.09.30)より

ソ連が米国の庭先にあるキューバに核ミサイルを持ち込むという危機を目の前にして、
米国大統領ケネディは、人類の存亡をかけた重大な判断を問われた。

「武力行使は行わず外交的にミサイルを撤去させる」との意思を固めていたが、
軍部と国民の納得を得るためには慎重な作業が必要だった。

話は遡ってアイゼンハワー政権末期の1960年6月、キューバのカストロは、
国内の米英系の石油精製所を国有化し社会主義化を進める。
放置すれば周辺諸国に社会主義が蔓延する。

アイゼンハワーは、亡命キューバ人と共同での侵攻作戦を立案して極秘に準備を進める。

翌年1月、政権を引き継いだケネディは就任早々、中央情報局(CIA)と統合参謀本部から、
侵攻作戦の許可を求められた。

ケネディ自身、前年の大統領選挙の過程で、軍事侵攻を「好ましい選択」として
容認の姿勢を見せていただけに対応に苦慮した。

考慮の末に、米軍は直接に関与しないという条件で許可した。
結果的に同年4月、米軍の支援なしにピッグス湾に上陸した約1,500人の
亡命キューバ人部隊は撃退される。

CIAは米空母からの空爆支援を要請するがケネディは言下に拒否し、作戦は失敗した。

この時の煮え切らない態度が広く米国民の中に「弱腰大統領」のイメージを定着させた。

翌月には、二年間のケネディ政権が評価される議会の中間選挙を控えていた。

その中で迎えたキューバ危機だ。
「あの時、キューバを叩いていれば」の世論を巻き起こし与党の民主党の惨敗はまぬがれない。

悩むケネディは、司法長官に任命し政策立案の中枢を任せていた弟のロバートを呼んで、
「国民に情報を伝える前に、方策をまとめ上げてほしい」と託した。

ロバートは、自ら取り仕切る「最高執行会議」(EXCOM)三日目の10月18日の会議で
五つの選択肢を示した。

  ①同盟国とラテンアメリカ諸国の指導者に通告したあとミサイル施設を爆撃する。

  ②フルシチョフ(ソ連首相)に警告したあとでミサイル施設を爆撃する。

  ③キューバ侵攻の決意をソ連に通告する。

  ④米ソで政治的予備会談を開き、
   ミサイル撤去の合意に失敗すれば大規模空爆と軍事侵攻を実施する。

  ⑤予備会談なしに大規模空爆と軍事侵攻を実施する。


もしあなたが弱腰批判と核戦争回避のはざまで揺れる大統領なら、どれを選ぶだろうか。 

   (次に続く)

    (http://www.jmca.jp/column/leader/leade%EF%BD%9237.html

            <感謝合掌 平成30年3月3日 頓首再拝>

議論を尽くし収斂させる - 伝統

2018/03/06 (Tue) 18:21:26

危機を乗り越える知恵(17) 議論を尽くし収斂させる

          *Web:宇惠一郎の「歴史に学ぶリーダー論」(2014.10.07)より

核戦争の瀬戸際に至ったキューバ危機に際して、
米国大統領ケネディが最高執行会議(EXCOM)での議論をリードし、
決断した方法は意外なものだった。

ケネディは議論の場に加わらなかったのだ。無責任なのではない。

絶大な権限を持つ大統領が出席すれば、だれもがその顔色をうかがい、
普段は個性の強い独自の意見を持つものでさえ、
保身のために大統領の耳に心地がよい意見を披瀝する。

「それを避けるためだ」と、大統領への献策をまとめあげた弟の司法長官、ロバートは、
のちに振り返っている。

「案は一つでなくてもいい、議論を尽くして、即時軍事侵攻案であれ、外交交渉案であれ、
互いに対立案の長所、問題点を洗い出せ」というのが大統領の指示だ。

当初から、大統領の頭には、軍事力行使のオプションはない。しかしそれは示さない。

議論を経て、二案に煮詰まってきた。

キューバへこれ以上のミサイルを持ち込ませないための
「海上封鎖案」と、「即時軍事行動案」だ。

それぞれに対立派からの精密な批判を受けることによって、具体的に肉付けされてきた。

封鎖案は、法的根拠と効果、船舶停止と臨検のための軍事的手続き、
軍事行動への転換のタイミングが、即時軍事行動案は、効果的な攻撃地域の選定、
国連の反発への対応、中南米諸国の説得策が、それぞれ詳細に具体化してくる。

極秘のうちの議論が始まって五日目。
詳細な二案の提出を受けた大統領は、決断を下した。

「まず海上を封鎖し、それでもソ連が強硬姿勢を示せば、
武力行使も辞さない米国の強い意思をフルシチョフに伝える」

安易な折衷案か。違う。議論を尽くした上で組み立てられた精緻な総合案なのだ。

対立を尊重した上で信頼する部下に将来を踏まえた手順を作成させる。
そして全責任を取って決断する。

それがリーダーの使命であり、求められる資質なのだ。

強力なトップにへつらって議論を尽くさず、曖昧な方針で見切り発車して陥穽にはまる、
そんな危機管理の失敗例は枚挙に暇がない。

最近では、誤報問題の処理をめぐって、謝罪と強硬突破の間で揺れ、
いつまでも社会から指弾を浴び続ける某新聞社の対応。
ケネディの決断と比べれば、何が違うかが分かる。

1962年10月22日夜、ケネディはテレビ演説を通じて国民に危機の発生と、
海上封鎖の実施を知らせ、「国民の団結」を呼びかける。

そして、海上封鎖のための海軍艦艇をカリブ海に集結させた。
望まないシナリオであっても武力行使の可能性に備えて、
陸、空軍部隊をキューバに近い南東部に移動させることも指示した。

あとは、ソ連首相フルシチョフの出方にかかっていた。 

   (次に続く) 

   (http://www.jmca.jp/column/leader/leade%EF%BD%9238.html

            <感謝合掌 平成30年3月6日 頓首再拝>

五分の勝利(引き分け)が道を開く - 伝統

2018/03/08 (Thu) 18:16:50

危機を乗り越える知恵(18) 五分の勝利(引き分け)が道を開く

          *Web:宇惠一郎の「歴史に学ぶリーダー論」(2014.10.14)より

キューバ危機打開に向けて、米国大統領ケネディが、
海上封鎖でソ連の出方を探るという方針を国民に示して2日後の1962年10月24日朝、
ホワイトハウスは緊張に包まれていた。

複数のソ連の船舶が海上封鎖をあざ笑うかのように、封鎖線突破の動きを見せていた。
フルシチョフに警告は通じないのか。判断は間違っていたのか。危機は最高潮に達する。

数分後、6隻のソ連船が封鎖線直前で停止し、引き返し始めたとの情報が入った。
とりあえずの危機は回避されたのだ。

この前後、ソ連首相のフルシチョフとケネディは、
弟ロバート(司法長官)と駐米ソ連大使を通じて、
精力的に書簡を往復させ意見交換を していた。

「われわれは、ミサイルは搬入したが、米国攻撃の意図はない」と、フルシチョフ。

「米国こそ(ビッグス湾事件のような)キューバ侵攻を繰り返さないと約束すべきだ」

さらに、ソ連は、米国がモスクワ牽制のためにトルコに配備したミサイルの撤去を要求し、
ケネディは国民には極秘で合意した。

フルシチョフは、「トルコのミサイルに関する合意の秘密は守る」
とケネディの憂慮を解いた上で、10月27日朝、キューバからのミサイル撤去を通告してきた。
米軍部の反発を考慮しての裏取引だった。

大統領の意を受けて奔走したロバートは、
「相手の立場に立って考えることが重要だった」と危機の13日間を振り返っている。

ケネディは、必ずしも一枚岩ではないソ連指導部内でのフルシチョフの立場を気遣い、
秘密合意で面子を立てる。

一方のフルシチョフは、ロバートから、状況が長引けば
大統領が軍部を制御できなくなると訴えられ、
「私はその危険を見落とさなかった」(『回想録』)と、決断の背景を打ち明けている。

危機回避後、両首脳間にホットラインが設けられ、
翌年8月には、部分的核実験停止条約が調印されることになる。

「戦いは、五分の勝利をもって上とし、七分を中とし、十分をもって下とす」(武田信玄)

軍部が主張した空爆、上陸侵攻による十分の勝利ではなく、
妥協による五分の勝利が、平和共存への道を開いた。

しかし、やがてケネディ兄弟は相次いで国内不満分子の手で暗殺され、
フルシチョフは、政争に敗れ幽閉されて生涯を閉じる。

相手を配慮する危機回避の知恵は皮肉にも、
「五分の勝利」を受け入れられない互いの国内の不満から力によって踏みにじられ、
冷戦下の体制競争と対立は、それから約30年、ソ連崩壊まで続くことになる。


   (http://www.jmca.jp/column/leader/leade%EF%BD%9239.html

            <感謝合掌 平成30年3月8日 頓首再拝>

家康の"作り馬鹿" - 伝統

2018/03/10 (Sat) 18:21:24


          *Web:宇惠一郎の「歴史に学ぶリーダー論」(2014.11.04)より

あるとき、豊臣秀吉が聚楽第に諸将を集めて演能の会を開いた。

戦国の世は落ち着きを取り戻し、演能の才も書道、和歌も武士のたしなみでもあった。
秀吉はそれぞれの才を見ようとした。

織田信雄(のぶかつ・信長の弟)は、舞に自信があった。
龍田舞いを一部のすきもなく見事に演じた。

徳川家康は、船弁慶で義経を演じることになったが、
若武者には似つかわしくない太鼓腹でよたよたと舞台を動き回り失笑を買った。

家康をなじる声を聞いて、
秀吉は「信雄は不必要なことに達人で、家康は不必要なことに下手なだけだ」と見抜いた。

あえて馬鹿を装う家康の“作り馬鹿”の才に、そら恐ろしさを感じていたかもしれない。

 
また、秀吉が小田原に北条氏を攻めたときの逸話がある。
家康は先手の将としてある小川にさしかかった。
細い木橋がかかっている。

家康は馬の名人として知られていたから、豊臣勢の武将たちは、
「いい場面に出くわした。家康殿の馬術の才を見ようじゃないか」
と固唾を飲んで見守っていると、家康は木橋の際まで来ると馬を下り、
従者に背負われてぶざまな格好で橋を渡った。

見守っていた丹羽長重らは、
「馬の名人ながら達者ぶらず、いくさを前に慎んでいる。大将たるものかくありたいものだ」
と感心したという。

「あの古狸め」と、家康を嫌う秀吉の近臣の一人が秀吉に進言した。

「腹が出ていて、自分一人では下帯も結べず、用便もできぬとか。
家康はぼんやりの鈍物でありましょう」

秀吉は言った。

「わしが知っている利口者というのは、武に優れ、
広大な領国をうまく経営し、財力を持つものをいう。
この三つが整えば、ほかのことは馬鹿でもかまわぬ、
家康の作り馬鹿は、お前たちが真似をしても一生できぬことよ」

 
人は人前で才を誇りたくなるものである。
接待ゴルフのラウンドで見事なクラブさばきを誇る手合いは多い。
しかし、プロでもあるまいにその能力を評価するものはいない。

あえて才気を見せず、作り馬鹿を装う才こそ、人を怖れさせる。

天下統一の創業者である秀吉は、
やがて、作り馬鹿の家康が、豊臣の世の後、天下人となることに気づいていたに違いない。

http://www.jmca.jp/column/leader/leade%EF%BD%9242.html

            <感謝合掌 平成30年3月10日 頓首再拝>

人を惹きつける人間力の磨き方  - 伝統

2018/03/13 (Tue) 19:02:16


     *『この人についていきたい、と思わせる21の法則』より
       ~ジョン・C・マクスウェル・著

(1)法則1人格 ~ 岩のように強固な人格を築く。

(2)法則2カリスマ性 ~ この人についていきたい、と思わせる。

(3)法則3不屈の精神 ~ 夢想する者ではなく、実行する者になる。

(4)法則4コミュニケーション ~ 孤立無援では何もできない。

(5)法則5能力 ~ 自分を高めれば、人はついてくる。

(6)法則6勇気 ~ 勇気があれば、百人力である。

(7)法則7洞察力 ~ 本質を見抜く力が、問題を解決する。

(8)法則8集中力 ~ 的を絞れば、鋭くなる。

(9)法則9与える心 ~ 火を分け与えても、ロウソクは減らない。

(10)法則10独創性 ~ 始めなければ、何も変わらない。

(11)法則11聞くこと ~ 相手の心に触れたければ、耳を傾ける。

(12)法則12情熱 ~ 自分の人生を愛する。

(13)法則13前向きな姿勢 ~ できると思えば、あなたはできる。

(14)法則14問題解決力 ~ 問題をそのまま放っておかない。

(15)法則15人間関係能力 ~ 相手とうまくやれれば、相手もあなたとうまくやれる。

(16)法則16責任感 ~ 責任を取らずに、上に立つことはできない。

(17)法則17心の安定 ~ 自分に不安なリーダーに、人はついてこない。

(18)法則18自己規律 ~ まず自分自身のリーダーになる。

(19)法則19奉仕の精神 ~ 前進したければ、人を先に行かせる。

(20)法則20学ぶ心 ~ 人を指導したければ、勉強を続ける。

(21)法則21ビジョン ~見えないものは、手に入れることができない。

            <感謝合掌 平成30年3月13日 頓首再拝>

聴き入ること~人を虜にする秘訣 - 伝統

2018/03/15 (Thu) 18:38:20


       *メルマガ「成功への道しるべ(2018年3月14日)」より     

     どんな誉め言葉にも惑わされない人間を虜にする。

(1)「士は己を知るもののためには死す」という中国の故事があります。

  ①自分は重要な人間だと認められたい。
   これは単なる願望とか欲望のレベルをはるかに超える
   人間の心を絶えず揺さぶっている焼けつくような渇望です。

  ②ところが現実には、その望みはほとんど叶えられません。
   このため精神的な病に侵されたり、なかには凶悪犯罪まで犯して
   自分の存在を満たせようとする人間までいるのです。

   人間のこれほど飢え渇き望んでいる欲望を満たしてあげることができれば
   その人を完全に虜にしてしまうことになるでしょう。

  ③完全に満たしてあげることは出来ないとしても、
   平均的な私達でも出来る方法が一つあります。

   それは聴くことです。

   単に聴くのではありません。
   感情移入し全身全霊をもって相手の話を聴くことです。
   これは私達が相手に与えることが出来る最高の贈り物です。

   大勢の前で話すときに、大きく頷きながら聴いてくれる人がいれば、
   それだけで、どれほど勇気づけられ自信をもって話せるかわかりません。
   話し手にとっては、もう神様のようにありがたい存在です。


(2)松下幸之助氏は聴くことの達人だったといわれます。

  ①人の話を聞くときは、1時間でも2時間でも、姿勢を正して、
   じっと前を向いてうなずきながら、
   足を組んで聴くなどと云うことは絶対になかったそうです。

   それがどんな若僧の話に対してもです。

  ②話の内容によっては、

   いい意見やな!
   その話面白い!、
   大いに参考になるわ!

   などと相槌を打ち聴かれたそうで、
   話し手は誰だって、この人のためならと虜にされてしまいます。


(3)私達が持っている夢や目標の中で、
   他の人と全く関りなしに達成されるものはまずありません。

  ①それ以前に、私達は一人で真空地帯にすむことは出来ません。
   生活そのものが複雑に他の人達と絡み合っています。

   ですから効果的なコミニュケーション能力は生きていく上での最優先項目です。

  ②そして人間関係で最もよく起こる失敗は、よく聴かないことから起こります。

   その主たる原因は、“話すスピード”と、“考えるスピード” の違いにあります。

   人間は一般的に話すスピードの4倍~6倍の速さで
   考えることが出来るといわれます。 
   従って、他のことを考えながら、相手の話を聞いてしまうのです。

   そして核心に部分を聞き逃したりして、
   段々前後の関係が分からなくなってしまいます。

  ③こうならないように感情移入して、真に相手に聞き入ることです。
   
   相手の話していることの背後にある考えは何か? 
   相手は次に何を言うだろうかと連想しながら聴くこと。

   相手の言わんとすることから
   何かを絶対に学び取ろうというような姿勢で聴くのです。
   小さく頷きながらでなく、大きく頷きながら全身で聴くのです。

  ④よく聴くことで相手が何を考えているかが分かります。
   メッセージが理解され受け入れられたかも分かります。

   聴くこと以外には得られなかった貴重な情報を得ることも出来ます。

  ⑤それは人を引き寄せます。人々はあなたが払ってくれる注意には、
   いつも感謝し、あなたの聴く努力に対して、協力という形で報いてくれるのです。

  ⑥私達の目的が何であれ、一人では、重要な事は何も出来ません。

   コミュニケーションの目的は、自分が偉いという事を、
   証明することではなく相手からの協力とそれへの行動を取り付けることです。

   ですから効果的なコミュニケーションの達人になることにによって、
   私達は自分の欲する事を、何でも達成できるともいえるのです。

   『どんな誉め言葉にも惑わされない人間も、自分の話に心を奪われたように
   聴き入ってくれる聞き手には惑わされる』といわれます。

   どんな成功している人でも褒められることより認められたいのです。
   その人達を虜にしてしまう秘訣が聴くことにあります。

            <感謝合掌 平成30年3月15日 頓首再拝>

祈る思い - 伝統

2018/03/19 (Mon) 19:13:24


        *「指導者の条件」松下幸之助・著より

江戸時代、いわゆる寛政の改革を行なった松平定信は、
老中に就任した翌年の正月二日、吉祥院の歓喜天に次のような趣旨の願文を納めたという。

「今年は米の出まわりがよく、高値にならず、庶民が難儀をせずにおだやかに暮らせるよう、
私はもちろん、妻子の一命にもかけて必死に心願します。もしこの心願が筋ちがいで、
庶民が困窮するというのであれば、今のうちに私が死ぬようにお願いします」

さらに彼は、日々7、8度東照宮を念じてこの重責を全うできるよう祈ったと、
自分の伝記に書いているという。

定信の前のいわゆる田沼時代には、天災と放漫財政、わいろ政治が重なり、
綱紀も乱れ、物価も上がるという状態になっていた。

彼はこれを正すために、政治の抜本的改革を行なうべく心に期するわけだが、
それについては、このように身命を賭して神仏に祈るというほどの、
きわめて強い決意をもって臨んだのである。

その結果、いわば時の勢いとして独り定信の力をもってしてはいかんともしがたい
面はあったものの、一面非常な成果もあがり、徳川後期に一つの光輝をそえること
になったのである。

みずから何もせずして、ただ神仏にご利益を願うというようなことは、
人間としてとるべき態度ではないと思う。
また、そんな都合のよいご利益というものはあり得ないだろう。

しかし、人間がほんとうに真剣に何かに取り組み、
ぜひともこれを成功させたい、成功させねばならないと思う時、
そこにおのずと何ものかに祈るというような気持ちが湧き起こってくるのではないだろうか。

それは神仏に祈念するというかたちをとる場合もあろうし、
自分なりにそれに準ずるものを設定して願うということもあると思う。

そういうことは、一つの真剣さのあらわれであり、
またそのことによってみずからの決意を高めるという意味からも、
大いにあっていいことだと思う。

まして、指導者の場合は、それが単に自分個人のためでなく、
定信の場合のように、天下万民のため、多くの人びとの幸せのための祈りであり、
それはまことに尊いことであるといえよう。

指導者は何ごとにもほんとうに真剣にあたることが大切であるが、
その際に、祈るほどの思いになっているかどうか、
一度自問自答してみることも必要ではないかと思うのである。

   (https://shuchi.php.co.jp/article/533

            <感謝合掌 平成30年3月19日 頓首再拝>

リーダーにとって最も大事なことはなにか - 伝統

2018/03/21 (Wed) 18:45:00


       *Web:PHP研究所 より

経営者・指導者・リーダーにとって最も大事なことはなにか
――それは「最高の熱意」であると、松下幸之助はよく述べていました。

「熱意こそものごとをなしとげるいちばんの要諦」
「なんとなくやりたい、という程度では事はなるものではない。
なんとしてもこれをやりとげようという熱意があってはじめて知恵も湧き、
工夫も生まれてくるのである」

というのが、幸之助の体験から生まれた信念でした。

そして、とくに指導者は

「熱意に関してはだれにも負けないものを持たなくてはならない。
知識なり、才能なりにおいては人に劣ってもよいが、
熱意については最高でなければならない。

指導者に、ぜひともこれをやりたいという強い熱意があれば、
それは必ず人を動かすだろう。そしてその熱意に感じて、
知恵ある人は知恵を、才能ある人は才能をといったように、
それぞれの人が自分の持てるものを提供してくれるだろう。

指導者は才能なきことを憂うる必要はないが、
熱意なきことを恐れなくてはならない」

と説いています。

幸之助の人生哲学は、「素直な心」「自己観照」「対立と調和」「衆知を集める」
といった独特のキーワードによって「骨格」が形成されますが、
この「熱意」という使い古された言葉も、
いわば「血肉」を形成するようなものであり、同様に重視すべきものといえます。

しかも幸之助の特徴として、「時」と「場合」と「場所」と「相手」によって、
話すポイントやキーワードが変わるため、「血肉」の部分は
異なった表現をすることがままあります。

たとえば冒頭でとりあげたリーダーにとって最も大事なことについても、
自著『指導者の条件』では「熱意」とはまた違う条件を挙げ、
その重要性を強調しています。

「私が最近お会いする機会があった人びとの中にも、
指導者としてすぐれた成果をあげておられる人が何人かおられた。
その中には企業の経営者もあれば、団体の指導者の立場にある人もある。

いずれも、その業績も立派であり、
また人柄もまことに好もしいという人ばかりである。

(中略)

その人びとが指導者として―――共通して強く感じられることがある。
それは、どの人もまことに謙虚であるということである。
そして、きわめて感謝の念にあつい人でもある」

そしてさらに、そうしたすぐれた経営者はその会社なり団体の最高指導者でありながら、
「いちばん謙虚で、だれよりも感謝の心が強いように思われる」と書き記しています。

なぜ経営者・リーダーに「謙虚さ」と「感謝の心」が必要なのか。
それは、その人が好感を持たれ、ひいては「衆知を集めることができる」
=「多く人びとの知恵を集めることができる」からだと、幸之助はいいます。

リーダーの条件とは、考えようによっては、「無限」にあるものなのかもしれません。

   (https://shuchi.php.co.jp/article/533?p=1

            <感謝合掌 平成30年3月21日 頓首再拝>

客観的に自分や自分の会社を見ることができる能力 - 伝統

2018/03/23 (Fri) 19:03:13


         *Web:リーダーズアカデミー(2018/03/22)より

先週、リーダーの力量に関係なく
「環境」によって売上や利益が上がってしまうことがある。

だから「数字は嘘をつく」ときがあるから
気を付けてください、というお話をしましたが、
今日はその事例をご紹介します。


【130億の会社をつぶした男】

私の友人の経営者で、
時のころ西暦2000年、ITバブルと言われるころ、
IT企業を経営し、売上130億くらいまで伸ばしました。

ところが、ご存知の通りITバブルが崩壊をして、
その会社は音を立てて崩れていき、つぶれかけて、
最後には二束三文で某一部上場企業に引き取ってもらったという社長がいます。

その社長が、非常に印象深いことを言っていました。


「僕は経営者として優秀だと思っていた。
社員も優秀だと思っていた。
だから会社が伸びていると思っていた。

でも、それは間違っていた。
たまたま伸びる業界に会社の身を置いていた。
ただそれだけだったということに、会社をつぶして気が付いた。

もっと、早くから、人づくり、組織づくりにしっかり取り組んでいたら
バブルが崩壊をした後でも、他のIT企業のように、
みんなで踏ん張って会社を復活させられたのではないかと思うと、
今でも後悔している」


まさしく、この社長は、
自分の力量ではなく、たまたまいた業界の勢いで伸びていた、
嘘をついた数字に踊らせてしまったパターンです。

この社長は、社員教育などやった事がなく、現場任せだったそうです。


もし、会社の業績が好調でも、
その数字の中身を本当に冷静に見れていますか?

経営者にとって客観的に自分や自分の会社を見ることができるのは、
非常に大切な能力です。

   (https://www.leaders.ac/lesson602/

            <感謝合掌 平成30年3月23日 頓首再拝>

【異端の人】 - 伝統

2018/03/25 (Sun) 17:17:52


         *メルマガ「人の心に灯をともす」(2018年03月18日)より

   (エリック・バーカー氏の心に響く言葉より…)

   ウィンストン・チャーチルはイギリスの首相になるはずがない男だった。

   “すべて完璧にこなす”政治家とほど遠い彼が首相に選ばれたことは、
   衝撃的な出来事だった。

   たしかに切れ者ではあるが、その一方で偏執的で、
   何をしでかすかわからない危険人物というのがもっぱらの世評だったからだ。

   チャーチルは26歳で英国議会議員になり、政界で順調に頭角を現したが、
   次第に国家の要職には適さない人物だと見られるようになった。

   60代を迎えた1930年代ともなると、その政治的キャリアは事実上終わっていた。

   いろいろな意味で、チャーチルは
   前任者のネヴィル・チェンバレンの引き立て役に甘んじていた。

   チェンバレンといえばすべてを完璧にこなす、
   まさに典型的なイギリス首相だったからだ。


   イギリス人は、首相をうかつに選んだりはしない。

   たとえばアメリカの大統領と比べて、歴代の首相は概して年長で、
   適正を厳しく吟味されて選ばれるのが通例だ。

   異例の早さで権力の座に上りつめたジョン・メジャーでさえ、
   アメリカ大統領の多くに比べ、首相職への備えができていた。


   チャーチルは、異端の政治家だった。

   愛国心に満ち溢れ、イギリスへの潜在脅威に対してパラノイア的な防衛意識を貫いた。
   ガンジーさえも危険視し、インドの自治を求める平和的な運動にも猛反対した。

   チャーチルは自国を脅かすあらゆる脅威に声高に騒ぎたてる
   チキン・リトル(臆病者)だったが、まさにその難点ゆえに、
   歴史上最も尊敬される指導者の一人となった。


   チャーチルはただ独り、早い段階から
   ヒトラーの本質を見抜き、脅威と認識していた。

   一方チェンバレンは、
   ヒトラーは「約束をしたら、それを守ると信じられる男」という考えで
   凝り固まっていたので、宥和政策こそナチスの台頭を抑える方策だと確信していた。


   ここぞという重大な局面で、チャーチルのパラノイアが本領を発揮したといえる。

   いじめっ子に弁当代を渡したら最後、もっと巻き上げられるだけだ、
   奴の鼻を一発ぶん殴らなければならない、と見抜いていたのだから。

   チャーチルの熱狂的な国防意識…危く彼の政治生命を滅ぼしかけた…は、
   第二次世界大戦前夜のイギリスになくてはならないものだった。

   そして幸運にも国民は、手遅れになる前にそのことに気づいた。


   偉大なリーダーの条件は何だろうか。

   ハーバード大学ビジネススクールのムクンダは、
   それまでの研究結果に一貫性がなかった理由が、
   リーダーが根本的に異なる二つのタイプに分かれるからだと分析した。

   第一のタイプは、チェンバレンのように
   政治家になる正規のコースで昇進を重ね、定石を踏んでものごとに対応し、
   周囲の期待に応える「ふるいにかけられた」リーダーだ。


   第二のタイプは、正規のコースを経ずに指導者になった
   「ふるいにかけられていない」リーダーで、たとえば、
   会社員を経ずに起業した起業家、前大統領の辞任や暗殺により
   突然大統領職に就いた元副大統領、

   あるいはリンカーンのように予想外の状況下でリーダーになった者などを指す。


   「ふるいにかけられた」リーダーはトップの座に就くまでに
   十分に審査されてきているので、常識的で、伝統的に承認されてきた決定をくだす。

   手法が常套(じょうとう)的なので、個々のリーダー間に大きな差異は見られない。


   しかし、「ふるいにかけられていない」リーダーは、
   システムによる審査を経てきていなので、
   過去に“承認済みの”決定をくだすとは限らない…
   多くの者は、そもそも過去に承認された決定すら知らない。

   “バックウラウンド”が異なるので、予測不可能なことをする場合もある。

   その反面、彼らは変化や変革をもたらす。

   ルールを度外視して行動するので、自ら率いる組織自体を壊す場合もある。

   だがなかには、少数派だが、組織の悪しき信念体系や硬直性を打破し、
   大改革を成し遂げる偉大なリーダーもいる。



   「ふるいにかけられた」リーダーはことを荒立てずに済まそうとする。

   「ふるいにかけられていない」リーダーは逆で、ことを荒立てずにはいられない。

   システムや制度を破壊することもしばしばしばだ。


   「ふるいにかけられていない」リーダーはなぜインパクトが大きいのか?

   それはほかのリーダーと決定的に異なるユニークな資質を持つからだ。
   ユニークな資質とは、日ごろはネガティブな性質、欠点だと
   捉えられていながら、ある特殊な状況下で強みになるものだ。

   そうした資質は、たとえばチャーチルの偏執的な国防意識のように、
   本来は毒でありながら、ある状況下では本人の仕事ぶりを
   飛躍的に高めてくれるカンフル剤になる。

   ムクンダはそれを「増強装置(インテンシファイア)」と名づけた。

   この概念こそが、あなたの最大の弱点を最大の強みに変えてくれる秘訣なのだ。

        <『残酷すぎる成功法則』飛鳥新社>

             ・・・

古来よりの歴史をひもとくと、
世の中が引っくり返るような大変化のときには、
通常の指導者やリーダーでは対応できない。

ある種の狂気や、パラノイア(偏執症)を持った人が危機を救っている。

もちろん、その資質ゆえに、状況を悪化させたり、ダメにしてしまっている人もいる。


閑吟集に次のような言葉がある。


「 くすむ人は見られぬ 
夢の夢の夢の世を
うつつ顔して  
何せうぞくすんで

一期は夢よただ狂へ」


「まじめくさった人なんて見られたもんじゃない。
まるで夢のようにはかないこの世を、
さも悟(さと)ったような顔をしたところでどうなるものか。

我々の一生は夢のようなもの。
ただ面白おかしく狂えばよい」


世の中が引っくり返るような大変化のときとは、狂気の時代。

狂気に対しては狂気で向かうしかない。


現代は、ITによる超大変革の時。

通常の対応では、ほとんどの会社も、組織も生き残れない。

政治も同じだ。

いまこそ、異端の人を認めなければならない時が来たのかもしれない。

・・・

<参考:閑吟集
    → https://koten.sk46.com/sakuhin/kangin.html >

            <感謝合掌 平成30年3月25日 頓首再拝>

「ありがとう」と言わない人は - 伝統

2018/04/10 (Tue) 18:22:59

         *Web:プレジデントオンライン(2018年4月9日)より
              ~コリン・パウエル氏(元米国務長官)

《米国務長官が駐車場係と談笑して気づいたこと》

私は国務長官をしていたとき、警備担当者の目を盗み、
きれいに磨かれたオフィスをあとにして駐車場まで下りてみたことがある。

駐車場の運営は外注で、働いているのはだいたいが移民か少数民族。
給与は最低賃金に近いレベルだ。

駐車場は、職員の人数に対して小さすぎた。
だから、毎朝、ものすごい苦労をして車を詰め込むことになる。
キーを預かった係員たちが、隙間がほとんどないほどきっちり縦に並べて駐車するのだ。

国務長官が駐車場をぶらついたことなどなかったからだろう、
係員は私が道に迷ったと思い
(そういう面もないではなかったのだが、私は迷ったと認めなかった)、
「帰り道」を教えましょうかとたずねてきた。

「いや、いいよ。君たちとちょっと話ができたらと思っただけだから」

そう言うと、彼らはびっくりしながらも喜んでくれた。
私は、仕事はどうか、どこから来たのか、一酸化炭素は大丈夫かなど、
いろいろとたずねた。なにも問題はないとのことだった。

しばらく雑談したあと、不思議に思っていたことを聞いてみた。

「毎朝、車が次々に到着するとき、最初に出られる位置にどの車を停めるのか、
2番目、3番目にどの車を停めるのか、どうやって決めるんだい?」


係員は顔を見合わせて薄く笑い、そのひとりがこう教えてくれた。

「国務長官殿、ま、どういうふうかってぇとですね……
ここに着いたとき、車の窓をあけてにっこり笑いかけ、オレらの名前を呼んだり
『おはよう。元気にやってるかい?』などと声をかけてくれる人は
最初に出られるところっすね。

前をじっと見てオレらが何かをしてあげていると気づきもしない人、
オレらがいることにも気づいてくれないような人とかは、ま、最後に回されますね」

このあたりで、私はにっこりと笑って礼を言い、
私を探しているSPのところへ戻ることにした。


《偉い人が「下々」にありがとうと言わないツケ》

次の会議で、私は、この話を幹部たちに話して聞かせた。

「この建物で働く人に対し、敬意や思いやり、
優しい一言をもって接して悪いということはありえない。
どの職員も欠くことのできない人だ。
どの職員も、そういうふうに見られたいと思っている」

脳外科手術のように難しい話ではない。
組織に属する人は一人ひとりに価値があり、
その価値を認められたいと思っている──それだけのことだ。

人間というのは、承認と励ましを必要とする。

毎晩、私の執務室を掃除してくれる人は、
大統領や将軍、政府閣僚と同じ人間である。

だから私はありがとうと一声かける。

それだけのことをしていると思うからだ。

自分のことを単なる掃除人だなどと思ってほしくない。
彼らがいなければ私は自分の仕事を全うできない。
国務省全体が彼らの肩にかかっていると言っても過言ではない。

組織が成功するとき、その仕事にくだらないものなどない。
ただ、これほどわかりやすく、簡単に実行できる原理を理解できない、
くだらないリーダーが多すぎるだけだ。

   (https://news.infoseek.co.jp/article/president_24808/

            <感謝合掌 平成30年4月10日 頓首再拝>

チャーチル - 伝統

2018/04/24 (Tue) 18:05:27


         *『雄弁家・チャーチル』松本正:著 より

(1)20世紀最高の雄弁家の一人と謳われるチャーチルは、
   第二次世界大戦勃発から8カ月後の1940年5月10日、
   自らが所属する保守党の党員から冷たい視線を浴びながら
   首相に就任した。

(2)チャーチルは5月13日、
   首相として初めて議会下院の演壇に登ったのを皮切りに
   19日に首相就任後初の国民向けのラジオ演説をした。

   ドイツ軍の猛攻で英仏軍将兵ら30万人以上が
   ダンケルクから英国に全面撤退した6月4日にも下院に登壇した。

(3)英国政治史上不朽の6月4日の演説で、
   チャーチルは英仏軍の敗走を正直に国民に知らせた。

   どうすれば難局を切り抜けることができるかを説明。
   英国の人々に希望を与えて激励した。


(4)22歳のチャーチルは、1897年、大英帝国のインド軍将校として
   ロンドン南西の古都バースを訪れ、
   生まれて初めて公衆の前で演壇に立った。

   その日から、1965年に90歳で永眠するまで
   約3千の演説原稿を書いた。
   どんなに忙しくても仕事の合間を縫ってペンを走らせた。

(5)名演説は生涯に読破した5千冊以上の本から生まれ、
   その書籍は、ウィリアム・グラッドストーンら19世紀の
   名宰相の議会議事録から歴史や漫画、詩文、文学、科学など多岐にわたる。

(6)チャーチルは並外れた記憶力の持ち主で、
   一般人の平均語彙数より2倍半以上多い約6万5千語を
   駆使して雄弁に語った。

   だが生まれつきの優れた演説家ではない。
   吃音障害に苦しんだ。

(7)初当選後の1901年、
   下院議員として初めて登壇したとき、
   空気が抜ける、擦れる発音を繰り返した。
  
   1904年の下院での演説途中、
   暗唱していた原稿内容を思い出せなくなり、
   頭を抱えて壇上を去った。

(8)政治生活初期の大失態を機に、
   チャーチルは文筆・演説力を磨いていく。

   難解な官僚用語や意味不明な婉曲表現を嫌った。
   易しい言葉を重視した。

(9)短い、パンチのきいた単語や句を選び、簡潔な文章を好んだ。

   古典文学を意識しながら文章にリズムをつけ、
   散文より詩的文章を書いた。

(10)「才気煥発で、精力的で、頑固な人物」と
   記すなど名詞に形容詞3~4語をかぶせ、聴衆の頭に残るようにした。

   歴史上の人物の名言をファイルしておき、
   もっとも相応しい演説に使用。

(11)チャーチルは、
   聴衆は事実と数字だけの演説に退屈する、と話す。

   話し手が歴史の小話や比喩、隠喩を演説文に挿入すれば、
   聞き手の理解がいっそう深まるようになると力説する。

   そうでなければ、
   聴衆が演説会場から帰宅したころには
   話し手の内容をきれいさっぱり忘れ去る、 と語る。

(12)頭の中で練った草稿を、
   チャーチルは秘書にタイプで口述筆記させた。

   言い回しや字句などを修正・校閲し、原稿を完成。

   演説のリハーサル後、1904年の失敗を踏まえ、
   原稿を携えて演壇に向かった。
   40分の演説の準備に6~8時間かかった。

(13)登壇したチャーチルは演説のクライマックスで、
   次々と生々しい事実を浴びせ、
   聞き手に説得力のある結論を想起させていった。

   また聴衆の感性ではなく理性に訴えた。
   一時的な興奮を呼び起こすのではなく、
   数か月たっても記憶に残る演説を心掛けた。

   台本のナレーターやアナウンサーのように話した。

(14)チャーチルの1940年5月~6月の名演説は、
   長年にわたって蓄積された学識の集大成だ。
   付け焼刃の知識から生まれたのではない。

   鋭い文章力によって躍動した演説が、
   議員や国民に感動と勇気を与え、不退転の決意を固めさせた。

(15)一方、政敵は6月4日のチャーチルの演説で、
   17世紀以来、先人が守ってきた英国の遺産「自由と民主主義」を
   暴君ヒトラーから守り抜かなければならないと気づき、
   首相のリーダーシップを初めて認めた。

            <感謝合掌 平成30年4月24日 頓首再拝>

覚醒促す「誕生日メール」 - 伝統

2018/04/26 (Thu) 19:09:40

       *Web:出世ナビ(2018/4/26)より抜粋
        ~育てなくても社員は育つ 覚醒促す「誕生日メール」
          ユニ・チャームの高原豪久社長(上)

《文面は一人ひとりオリジナル「成長のきっかけになれば」》

(1)

「文面は一人ひとり違います。異動歴などのキャリアはもちろん、
これまでに直接交わした会話やメールの内容などを思い返し、
その人のことを思い浮かべながら書くんです。

1人あたり10分くらい。
誕生日の社員は一日平均4人ぐらいなので、最低40分はかかります」

 
(2)

「受け取った社員の9割は返事をくれますが、中には返してこない人もいます。
だいたい同じ人なので、今回も返事は来ないだろうなと思いつつ、
こちらは毎年出します。

すると、思いが通じるのか、ある年から突然返信してくる人もいます。
そんなときはやっぱりうれしいですね」


(3)

「私自身が望んでいるのは、やりとりを通じて社員が何かしら気づいたり、
触発されたりすること。平たく言えば『成長のきっかけ』になることです。
よく『普通の教師は教える。良い教師は諭す。最高の教師は心に灯をつける』
と言いますが、リーダーとして大事なのは、2番目と3番目。

つまり、『気づかせる』ことじゃないでしょうか」


《人は「育てる」のではなく自ら「育つ」 教える側の責任重大》


(1)

「誕生日メールなんて社員からは喜ばれないのではないかと言われることも
ありますが、誕生日という大義名分があるおかげで、変に身構えることなく
ダイレクトにコミュニケーションができる。

互いに気づかされることもある、
という意味ではこれは非常に貴重な機会なのです。

だって、なんでもない日に突然社長からメールが来たら、
『まずいことでもしたかな』とびっくりするでしょう」


(2)

「私は、人を育てるなんて、できないというのが持論です。
育つのは本人なんですから。

それと、『人は、自分が育てられたようにしか(人を)育てられない』
とも思っています。

親子関係でもそうだし、会社の上司と部下の関係もそう。
自分が子どもの頃、親にされて嫌だったことは、自分の子にはしない、とか、
してほしかったことをしてやろうとか、いろいろ考えるものですが、
結局、親になってみると、育てられたようにしか育てられないものです。

だからこそ、育てる側・教える側の責任は非常に重い」


https://style.nikkei.com/article/DGXMZO29593320Z10C18A4000000?channel=DF041220173308

            <感謝合掌 平成30年4月26日 頓首再拝>

アレクサンドロス大王 - 伝統

2018/04/30 (Mon) 18:20:45


        *『アレクサンドロス大王、その戦略と戦術』パーサ・ボース(著)より

(1)自分たちの決断が道徳にどうかかわるかを考えさせるため、
   アリストテレスはアレクサンドロスと学友たちに何度も自問させ、
   帝国建設者や将軍や政治的指導者としての役割をかたちづくる
   道徳的目的を教えた。

(2)すみやかに自分流の支配スタイルを確立する。

   トップの交代が成功する場合はつねに、
   リーダーが間髪をいれずに新しいビジョンや
   自分の任期の目標を定めていることがわかる。

   アレクサンドロス大王だけでなく、
   エリザベス一世とキャサリン・グレアムの場合も、
   就任後すぐに自分のスタイルを確立したことが成功につながった。

(3)トップに就任して「最初の100日」に毅然とした意思表明をする。

(4)圧倒的な力で相手にせまり、本気であることをわからせる。

   テーバイの崩壊は、ギリシャの他のすべての都市国家に、
   マケドニアに対して反乱を企てれば、
   どんな報復を覚悟すべきかを如実に示した。

   圧倒的な力を見せれば、
   地政学上の要となるところに敵が居座るのを防ぐことになる。

(5)アレクサンドロスには将兵を鼓舞する超人的な能力があった。

   彼は過去の戦いや勝利について思い出させ、
   目前の戦いに勝つこと以上に崇高な目的を追っているのだと語り、
   最も困難な状況でも成功をおさめた過去の英雄伝説を語って彼らを勇気付けた。

(6)戦いの前にはいつも、彼は前線を行き来し、兵士に直接話しかけ、
   覚えのある顔があれば名前で呼びかけ、過去の手柄を思い出させた。

   それは士気を高めるためではなく、
   兵士に彼らの貢献を認めていることを知らしめるためでもあった。

(7)現地の人材を登用する。

   エジプトでは、上下エジプトを支配していた2人のエジプト人総督に、
   その仕事を継続してもらった。

   テュロスでは、船の設計技師、デザイナー、
   および船大工ら全員と契約を交わし、
   マケドニア軍のために働かせることにした。

(8)マケドニア軍は人類史上で最も効率よく兵站業務をこなす軍隊であり、
   ナポレオンをはじめとして、2度の世界大戦における近代的な軍隊の
   後方支援でも手本とされた。

(9)アレクサンドロスの兵站作戦における重要なポイントの一つは、
   高度な情報収集にあった。

   アレクサンドロスは、ペルシャ軍のようにスパイ網をはりめぐらして
   誤った情報を流し、役人を買収して反乱を起こさせる方法は避けた。

   そのかわり、彼は2つの主な情報源から情報を集めた。

   植物学者、動物学者、気象学者、測量技師、地図作成者、歴史学者などの
   専門家グループと、現地で出会った人々や征服した国々の民から得られる
   知識である。

   アレクサンドロスは明らかに、こうした多様な情報を総合して、
   その土地でどれくらいの戦力が維持できるかを
   見積もる優れた能力をもっていた。

(10)ナポレオンは軍事遠征が迫るといつも、
   その地域に関連したあらゆる本を集めさせ、
   できるだけ多様な多くの角度から、可能な限り丹念に学ぶようにした。
   それは、歴史、地勢図、植物学、動物学、地理学などの書籍である。

(11)アレクサンドロス大王の兵站システムの根底にある原則は、
   シンプルということだった。

(12)アレクサンドロス大王は後方支援に関して多くの決断を下した。

   しかし総じて、兵站関連の問題はパルメニオンなどの
   上級司令官の一人に判断させ、その人物に計画から実行までをゆだねた。

   兵站に関することであれば、
   誰が全責任を負っているのか、全員が知っていたのである。

・・・

<参考情報>

アレキサンダー大王は史上最も多くを獲得した一人だ。


その彼が死ぬとき、棺桶の中から自分の腕を垂らしておくように告げたという。

アレキサンダーは、自分が死んだあと、
自分が何一つ手に入れられなかったことを、空っぽの手を見せることで
民衆に示したかったのだそうだ。

これはとても象徴的な話だ。



この世のすべてを手に入れたからこそ、彼は知っていた。

実際には何一つ得られなかったことを。


世界の大半を手に入れた彼でさえ何も得られなかったとしたら、
いわゆる偉い人達は何を得ているというのだろう。


この人生で得られるものはたった一つ。

それは自分自身の実存だ。

何に依ることもなく自分が誰であるかを知り、その中心に根付いた人達。

彼らは自分が全体であることを知ったがゆえに、世界全体を手に入れている。


その富は、決して奪われることはない。

それは内なる富だから。

彼は世界の王だ。

  (http://abetoshiro.ti-da.net/e10383359.html

            <感謝合掌 平成30年4月30日 頓首再拝>

相手を感動させ、一緒に感動する - 伝統

2018/05/07 (Mon) 19:09:36


「人が動き出す」にはたった一つの要素があればいい
 ~相手を感動させ、一緒に感動する

      *「リーダーになる人の たった1つの習慣」福島正伸・著 より

(1)成功者から学ぶべきことは 
   うまくいかないことを なぜあきらめなかったのかということである(p8)

(2)「上司、部下の関係で言えば、上司には、人を動かす権限があると思うのですが」

   「上司が持っている権限とは、部下よりも先に困難に挑むことができる、
   という権限だよ」

   「人は、権限で動くことはない。もし動いているようなら、
   動いているふりをしているだけだ。見てなきゃサボるね」(p53?54)

(3)部下が動いてくれなくても 
   上司は部下を信じ、そして自分を信じて 行動し続ける(p68)

(4)「人を育てるというのはね、人をやる気にさせることだ」(p76)

(5)厳しい言い方になるかもしれないけれど、
   君は自分で勝手に限界を決めることで、
   初めから疲れる準備をしてたんじゃないかい。

   あきらめない限り、人生には成功しかないんだよ(p101)

(6)「自分のことしか考えていない人間なんて、いないんだよ。
   相手がそう見えるのは、自分がそう見ようとしているからだよ。
   悪意があるように見える人間はいても、悪意しかない人間なんていない」(p116)

(7)人を変えたければ、その人を感動 させればいい(p117)

(8)満足感しか 知らない人は 変われない。 
   感動を知って、自分が変われば すべてが変わる(p119)

(9)”店が信頼されるということは、スタッフ一人ひとりが、
   信頼されることに他ならない。
   店が信頼されるのは、その結果に過ぎない。”(p124)

(10)「仕事において、最高の報酬とは、まさしく感動だよ。
   私はこれまで、君達にたくさんのことを伝えてきたけれど、
   リーダーになる人に、たった一つ、習慣にしてほしいことがある。
   それは、人を変えたければ、相手を感動させ、一緒に感動する、ということだ。」
                             (p160)

(11)「人は罰によって、行動するふりをし、信頼によって、自ら行動します」
   「信頼とは、自分を変えることによって、相手を変えることに他なりません」
                               (p164)

(12)すべての企業の崩壊は環境の変化によって起こるのではなく、
   変化する環境に対応できなかった内部の問題によって起こっているのです。
                               (p168)

(13)人を育てるノウハウを「メンタリング」と言います。

  ①第一は、まず、自分が見本になること。
   相手がどうかではなく、まず自分が相手の見本になっているかどうか
   ということです。(p169)

  ②第二は、相手を信頼すること。
   信頼とは、相手がどうかではなく、自分が相手をそのまま受け入れる覚悟が
   できているかどうかということです。(p170)

  ③第三は、相手を支援すること。
   支援とは、相手を楽にすることではなく、相手をやる気にさせることです。
   困っている人がいたとしても、ただ楽にするために助けるのではなく、
   困っている人がやる気になって、困難に挑んでいく勇気を与えるのが支援です。
                                (p172)

(14)感動はテクニックだけで生み出せるものではありません。
   人と人との関係の中で生まれる感動は、そこにいる人の思いの強さによって
   もたらされるものだからです。(p174)

            <感謝合掌 平成30年5月7日 頓首再拝>

【周囲を笑顔にする力】 - 伝統

2018/05/10 (Thu) 20:05:11


         *メルマガ「人の心に灯をともす」(2018年05月10日)より

   (黒川伊保子氏の心に響く言葉より…)

   リーダーの条件とは、周囲を笑顔にする力。
   つきつめると、案外、それしかないかもしれない。

   かつて、写真家の白川由紀さんが、そんなことを私に教えてくれた。


   アフリカ大陸を単身歩き、見たこともないような
   鮮やかな色の空や大地を撮り続けていた白川さんは、
   そこでたくさんの集落を訪れた。

   東洋人の若い女の子は珍しいらしく、
   どの集落でも親切にされ、晩餐に招待されたという。

   ある集落では若いリーダーが、
   別の集落では長老のリーダーが彼女を迎えてくれた。

   華美な装飾を身に付けたリーダーもいれば、
   誰よりも質素な服装のリーダーもいた。

   豊かな声量の雄弁なリーダーもいれば、寡黙なリーダーもいた。

   記号論的な条件で言えば、
   「リーダーたるもの」に類型などないかのように見えたが、
   実際には、紹介される前に、誰がリーダーなのか、
   白川さんには必ず分かったという。


   それはね、と、彼女は微笑んだ。

   「その人がその場に入ってきたとき、
   そこにいる全員が、嬉しそうな顔になるから」


   私は、企業コンサルタントという立場上、日々、多くのリーダーに会う。

   率先して先頭を走るタイプもいれば、おっとりと構えて周囲に
   「この人をなんとかしてあげたい」と思わせるがために、
   部下の潜在力をじっくり引きだすタイプもいる。

   緻密さ、つかみのよさ、臨機応変さ、バランスの良さ、
   あるいは、突出した何か…

   リーダーのリーダーたるゆえんは、リーダーによってさまざまに違い、
   ふたりとして「同じタイプ」と確信するリーダーに会ったことはない。


   しかし、どの“名将”にも共通なのは、
   周囲を嬉しそうな顔にする力の持ち主であることだ。

   しかも、その力は、彼の肩書きを知らない人にも及ぶのだ。

   一見(いちげん)のレストランに入っても、“名将”は必ず大切にされる。

   店の人の表情が、接待用の笑みから、嬉しそうな笑顔に変わるのがわかる。


   周囲を笑顔にする力。

   これは、ときに奇跡を作りだす。

   運がいいと言われる人に、必ず備わった力でもある。


   周囲を笑顔にするのは、実は、簡単なことなのだ。
   自分が、嬉しい気持ちでそこにいればいいのである。
   あらゆることに好奇心を働かせ、そこにいることを楽しむ。

   ただ、それだけだ。

   しかしながら、きっと、「常に、そこにいることを楽しむ」こと自体が、
   一般には難しいのに違いない。

       <『運がいいと言われる人の脳科学』新潮文庫>

            ・・・

「周囲を笑顔にする力」の反対は「周囲を不機嫌にさせる力」

ゲーテは、「人間の最大の罪は不機嫌である」と言った。

ということは、「人間の最大の功績は周囲を笑顔にする力」があること。


一人、その人が入っていくだけで、その集まりがパッと明るくなり、笑顔になる。

まさに、リーダーそのものだ。


周囲を笑顔にする力を身につけたい。

            <感謝合掌 平成30年5月10日 頓首再拝>

【完璧なリーダーはもういらない】 - 伝統

2018/05/24 (Thu) 19:07:03


         *メルマガ「人の心に灯をともす」(2018年05月21日)より

   (組織開発ファシリテーター、長尾彰氏の心に響く言葉より…)

   「今日から、あなたがチームのリーダーです」

   職場や学校で、ある日突然そう言われたら、あなたはどうしますか?

   「望むところだ! 」と気合を入れる?
   自信はなくても、「頑張ります」と、挑戦してみる?
   「私には務めあげる自信がありません」と、辞退する?

   リアクションは人それぞれに違うと思いますが、
   「自分はリーダーに向いているのだろうか。リーダーの素質はあるのだろうか」
   などと、悩む必要はありません。


   大丈夫、あなたはリーダーになれます。

   なぜ僕がそう言い切れるのか。

   じつは、リーダーに必要とされる「リーダーシップ」は、
   あなたがすでに持っているものだからです。

   現在、会社や組織の中でリーダー的な役職・ポジションについている人はもちろん、
   1度もリーダーを経験したことがないという人まで、
   すべての人たちに備わっているので、個々の能力や素質は関係ありません。

   あるとすれば、リーダーシップを「発揮するか、しないか」の違いだけ。

   日本社会における組織の形は、
   これまではトップダウンによるヒエラルキー型が一般的でした。

   リーダーとは「長」という肩書を持つ人や、
   組織をまとめるポジションを意味することが多く、
   課長・部長・社長といったマネジメント層の人たちを指している場合がほとんどです。

   学校ならば学級委員長・生徒会長などですね。

   リーダーたるもの、行き先や生き方を迷うことなく先頭で示し続け、
   人々はその背中に憧れ、尊敬しながらついていく…。


   このようなカリスマ的なリーダーが企業や組織を牽引することで、
   日本の経済産業はめまぐるしい発展を遂(と)げてきたのです。

   確かに、これまでの社会はそれで安泰でした。

   でも、時代は大きく変化しています。

   その変化のスピードはどんどん速くなり、
   物事の結果がすぐに出てしまうにもかかわらず、
   予測の不確実性が高く、誰も「正解」がわからない…。

   自信満々で有無を言わさずに「こっちへ行くぞ!」と、
   みんなを牽引するようなカリスマ的リーダーは減少し、
   個々が自分の行き先を考え、自己責任を負うようになりました。

   率先垂範・不動不惑のリーダーは通用しなくなりつつあり、
   「総リーダー時代」に突入しているのです。

   それなのに、「リーダーたるもの、優秀でなければならない」という呪縛が、
   未だにどれほど多くの人たちを苦しめていることか!

   こうした固定観念に囚われて自信がない人ほど、
   「私はリーダーに向いていないのでは?」と悩んだり、
   リーダーであることに精神的負担を感じたりしてしまうのです。

   また、「正解」にこだわり、柔軟な思考や大胆な発想ができなくなる人もいます。

   優秀なリーダーが悪いわけではありません。
   ただ、優秀でなくてもいいのです。
   
   リーダーシップは、チームや組織を束ねるポジションにいるかどうかに関係なく、
   組織に所属するすべての人たちが発揮できます。

   もちろん、あなたも。

   ではどうやってリーダーシップを磨くのかと言うと、方法は至ってシンプル。

   「~したい(Want)」という自分の意思を、周囲に発信することです。

   たとえば会議中に、1人の男性が「ちょっと休憩にしませんか?」と、
   提案したとします。

   このとき、彼はこの場におけるリーダーの役割を果たしています。

   さらに、別のメンバーが「だったら私、コーヒー買ってきたいな」
   「では、15分ほど休憩にしましょうか」などと提案すれば、
   その人たちもまたリーダーになるのです。

   メンバーそれぞれが「~したい」という意志を発信することによって、
   チームの合意形成や意思決定が成されるので、これらすべてが、
   立派なリーダーシップと呼べるのです。

   従来の「リーダーは常に固定された人物」という考え方ではなく、
   チーム全員がリーダーであり、状況に応じて誰かがリーダーシップを発揮する。

   リーダーというバトンを、メンバーのあいだでクルクルと回している状況を
   イメージしてもらうとわかりやすいかもしれません。

       <『「完璧なリーダー」は、もういらない』Gakken>

                ・・・

脳力開発の城野宏氏は、「リーダー」についてこう語っている。

『形式上のリーダーの地位にある人が、必ずしも真のリーダーというわけではない。
その人の地位や権限が何であろうとも、周囲に対し本質的な影響を与えるだけの
「変化の土台づくり」を地道に確実に進め得る人物こそ、
人間としての本物のリーダーである』


変化の激しい現代は、経験豊かな熟練のリーダーだけが問題を解決できるとは限らない。

むしろ、その分野に関して、全く知らない素人や、新人の方が
リーダーシップを発揮できることがある。

「知らない」ということを自分で自覚しているから、多くの人の意見を聞くことができる。

反対に、経験豊かなリーダーは、過去の経験があるために、
他人の意見を聞かず、自分や側近だけで判断を下しやすい。


ITやAIの急速な進化により、思いもよらない新技術や大変革が起こる現代は、
なまじっかな知識や経験があると、逆に対応できないことは多い。

知識や経験があるとそれにとらわれ、新しい技術や考えを受け入れられないからだ。


「完璧なリーダーはもういらない」

新しい形のリーダーが今、求められている。

            <感謝合掌 平成30年5月24日 頓首再拝>

【すぐれたリーダーとは】 - 伝統

2018/07/25 (Wed) 19:57:22


        *メルマガ「人の心に灯をともす」(2018年07月11日 )より

   (ジョン・C・マクスウェル氏の心に響く言葉より…)

   精神的に不安定なリーダーは、本人はもとより、
   部下にとっても組織にとっても危険な存在である。

   リーダーという立場が、人格的な弱点を増長するからだ。

   人生において抱えているマイナス要因が何であれ、
   それは人びとを導こうとするときに耐え難いほど大きくなる。

   精神的に不安定なリーダーには、いくつかの共通点がある。

   列挙しよう。


   1. 人びとに安心感を提供しない

     古い格言に「自分が持っていないものを人に与えることはできない」とある。

     技術を身につけていない人が他人に技術を教えることができないのと
     同じように、精神的に不安定な人は他人に安心感を提供することができない。

     人びとから「この人についていきたい」と思われるようなリーダーに
     なるためには、彼らに安心感を提供する必要がある。


   2. 与えるよりも受け取るほうが多い

     精神的に不安定な人は、人びとの承認と愛を絶えず探し求める。

     そのため、自分の安心感を見つけることばかり考えて、
     人びとに安心感を与えることができなくなる。

     与えるのではなく、受け取るタイプだ。

     このタイプの人はすぐれたリーダーにはなれない。


   3. すぐれた部下を牽制(けんせい)する

     精神的に不安定なリーダーは、部下の功績を心から承認することができない。

     残念ながら、これは真実だ。

     部下が功績をあげないように画策したり、
     チームの功績を自分の手柄のように振る舞ったりすることすらある。

     精神的に安定したリーダーは、人びとに力を与えることができる。

     これが「エンパワーメントの法則」だ。

     それに対し、精神的に不安定なリーダーは、力をため込もうとする。

     実際、そういうリーダーは部下がすぐれていればいるほど、
     自分の地位がおびやかされると感じ、部下が功績をあげないよう躍起になる。


   4. 組織の足を引っ張る

     部下は功績を認められなくてがっかりすると、
     その能力を存分に発揮できなくなる。

     そうなると、組織全体が損害をこうむる。

     それとは対照的に、精神的に安定したリーダーは
     自分に自信があるから、部下を信頼することができる。

     傲慢になることがない。

     自分の長所と短所を知り、自尊心をしっかり持っている。

     部下がいい仕事をしても、自分の地位がおびやかされるとは感じない。

     優秀な人材を集め、その能力を存分に発揮して仕事ができるように配慮する。

     チームが成功を収めれば、素直に喜び、
     それを自分のリーダーシップに対する最大の評価だと考える。



   あなたはどれくらい自分を理解し自尊心を持っているだろうか。
   自分の長所を知り、それについて自信を持っているだろうか。
   自分の短所を知り、自分では変えることのできない短所を受け入れているだろうか。

   自分を含めて人はみな、それぞれに独自の性格と特有の才能を
   持っていることを認識すれば、他人の長所と成功を評価することが
   よりスムーズにできるようになる。


   あなたはリーダーとしてどれくらい精神的に安定しているだろうか。

   部下がすぐれたアイデアを提案したら、
   あなたはそれを祝福するだろうか、あるいは抑圧するだろうか。

   人びとの勝利を祝福するだろうか。

   チームが成功を収めたら、あなたはメンバーたちの功績を認めるだろうか。

   もしそうでないなら、あなたは精神的に不安定なのかもしれない。

   精神的に不安定だと、あなた自身だけでなく、
   チームや組織全体を抑圧してしまうおそれがある。

       <『「人の上に立つ」ために本当に大切なこと』ダイヤモンド社>

             ・・・

目の前のことで、いつもいっぱいいっぱいの人は、精神が安定していない。

他人のことまで気が配れないし、ましてや人に何かを与えることなどできない。

自分のことばかり考えている利己の人だ。


我々がこの世に生を受けた大きな目的の一つは、「人に喜んでもらうこと」。

多くの人に喜びを与え、役に立つこと。

それが、利他の人。


精神的に安定したリーダーとは、余裕のある人のことだ。

利他の人は余裕がある。


すぐれたリーダーを目指したい。

            <感謝合掌 平成30年7月25日 頓首再拝>

【重要なのは、相手を思う心】 - 伝統

2018/08/10 (Fri) 19:38:45


       *メルマガ「人の心に灯をともす」(2018年08月04日)より

   (赤根祥道氏の心に響く言葉より…)

   人間の行動は、心によって大きく左右される。

   新車を購入しようとディーラーに足を運んでも、
   販売員がなかなか出てこないで、散々待たされたあげく、
   無愛想な表情で応対されたら、購買意欲も薄らいでしまう。

   逆に、それほど買う気持ちはなくても、
   接客してくれた人が明るく礼儀正しく、丁寧に説明してくれると、
   買いたい気持ちになってっくる。

   今すぐというわけではなくとも、買うときには
   ぜひこの人からという気にさせられるのである。


   藤堂高虎は、人は俸禄だけで動くものではないとこう教えている。

   「およそ臣僕を使うに、禄のみを以てせば、
   人いまだ必ず深く感戴(かんたい)せず、
   その禄仕する者、もとよりまさに受くべきところのみ。

   ゆえに人を使うに必ず情を以てす。
   人生意気に感ず、義ここにおいてか合し、命を棄て以て恩に酬(むく)ゆ。
   いやしくも情を以てせずんば、すなわち禄またいたづらに損(す)つるのみ」


   さらに、高虎は、次のような興味深い言葉を残している。

   「妻に薄き者、おそらくは薄からざるところなし。
   以て恃(たの)みとなすに足らず」

   人生のパートナーである妻に対して、冷たい人間というのは、
   本質的に冷たい人間であって頼りにはならないというのである。


   社会生活においても家庭生活においても、重要なのは、相手を思う心である。
   心ない人間は、心ある人間によって駆逐されてしまうのである。

   人は金や命令によって動くのではない。
   相手の心に感動して動くのである。
   自分が孤立するような状況をつくる姿勢は今すぐ改めるべきだ。

   そして、人の和の中に積極的に飛び込んでいき、
   偽りのない心で接することを心がけるべきである。

         <『この“心がけ”ができる人できない人』三笠書房>

               ・・・

「人生意気に感ず」とは、 唐時代の詩選集から引用された言葉。

その後に続くのが、「功名(こうみょう)誰れか復た(また)論ぜん」。

人は時として、相手の心意気に感動すると、金や名誉とかではなく、
利害をこえて、助けてくれたり動いてくれるものだ。


感動という言葉は、感じて動くと書く。

感じるから動くのであって、理屈で何時間説明されたとしても、
感じなければテコでも動かない。


理論や理屈は、相手の心を揺さぶることはない。

なぜなら、理屈には、相手の気持ちを察したり、
気持ちをくむという「情」がないからだ。

情のない人は、「冷たい人間」「心ない人間」「相手を思うことのできない人間」。


フォードの創業者のヘンリー・フォードは、

「成功に秘訣があるとすれば、それは、他人の立場を理解し、
自分の立場と同時に、他人の立場からも物事を見ることの出来る能力である」

と言っている。

相手を思う心は、人を動かす。

            <感謝合掌 平成30年8月10日 頓首再拝>

神の心、太陽の心、親分の心 - 伝統

2018/12/30 (Sun) 17:32:54


        *「生命の實相」幸福篇下巻(12月30日)より

健康が心の中にあるのみではなく、財福もその人の心の中にあるのである。

親分の心になることが、自分自身の運命を親分にまで推し進める。
いつまでも子分の根性で功(こう)を同僚の間で争い、眼を偸(ぬす)んで安らかさを
希(こいねが)っているようなことでは、その人の運命はいつまでも子分であるのであろう。

親分の心の最大なるものは、神の心である。

すべてを赦し、すべてのものを太陽のごとく照り、温(あたた)め、
みずからは光線と温熱と生命(せいめい)を投げ出すのみで、
敢(あ)えてみずからは求めぬのが神心(かみごころ)。

太陽の心。太陽の心。これが親分の心である。
かくのごとき人はよく衆(しゅう)を率(ひき)い大いに伸びるのである。

            <感謝合掌 平成30年12月30日 頓首再拝>

リーダーの決断力 - 伝統

2019/02/23 (Sat) 18:46:41


        *『30代が覇権を握る・日本経済』冨山和彦・著より

(1)決断とは一部に犠牲を強いることだ。
   できない人にリーダーの資格はない。
   有事に判断を先送りする人間が、平時に決断できるわけがない。

(2)少なくともかなりの決心、覚悟を持って勉強し、
   かつ実戦で挫折を繰り返さなければ、本当の力はつかない。

   若い人たちは、とりあえず身近な問題から、
   骨惜しみせず、小さな修羅場に身を置いてほしい。

(3)「抜けている」リーダーの決断力。
   リーダーは少し「抜けている」くらいがいいのである。
   妙に頭が切れすぎていたり、知的に精緻すぎると、たいてい決断できない。

(4)イノベーションとか規制緩和の話をするときは、
   頭の中を少し雑にして、深く考えすぎないほうがうまくいく。

   リーダー自身が細かなところにこだわり出すと、キリがないからだ。

(5)政治家でも、非常に頭が切れて、知性も高くて人格者という人は、
   なかなか大胆な制度改革に踏み切れない。
   優等生的な知力というのは、えてして決断の妨げになる。

(6)もしかすると、
   「小泉純一郎元首相がバカに見えた」という人がいるかもしれない。

   産業再生機構時代、小泉さんの部下の一人として働いた実感として、
   そういう人には、
   「小泉さんはバカのふりができたから改革できたのだ」
   と答えておこう。

(7)小泉さんに細かい話をごちゃごちゃしていると、
   面倒くさそうに「たいしたことはない」という答えが返ってくる。

  ①面倒くさいと思っているということは、
   それは重要ではないと分かっているということだ。

  ②その裏返しで、重要と感じている問題については、
   じつに簡潔で明快な指示がパッと出てくる。
   ほとんど彼の本能的な直感が言わせているとしか思えないスピード感で。

  ③ある種の問題、特に権力を使いこなす技術、
   マキアベリスティックな感性が関わる問題については、
   じつに繊細でシャープなセンスに感服することが、少なくなかった。

  ④その一方で政策マターに関しては、
   あえて鈍感に振る舞っているがごとく、大胆で大雑把な決断が下りてくる。
   このコントラストが、ある種、痛快でさえあった。

(8)とにかくリーダーには、
   ある種、大雑把な部分がないと、物事はうまくいかない。
   リーダーがいちいち細かく手当てをしたら、物事はそこで止まってしまう。

   いまどき本当の改革をやろうとすると、
   必ず不利益の再分配をやらざるを得ない。

   それをやり切れるかどうかは、
   いわゆる頭の良い悪いよりも、もっと根本的な人間的器量、
   性格のほうが本質的な意味を持ってくるということだ。

(9)変革期こそ、大雑把に、乱暴に。
   リーダーの大胆な決断はそこから生まれる。

(10)文系の学生には、必ず簿記を学ばせるべきだ。
   仕訳ができて、エクセルで複雑な演算を計算するとか。

   経営の数字が読めて、電卓をブラインドで素早く打つ。

   さらにはビジネス文書が書けて、
   ネットで必要な情報にアクセスして、
   パワーポイントでプレゼンができるように。

(11)パソコンや最新ITデバイスを使いこなし、
   ネットのリテラシーを高め、コミュニケーション能力を磨き、
   英文メールを読み書きし、正しい契約の知識を身につけよ。

            <感謝合掌 平成31年2月23日 頓首再拝>

【どうすれば人は動くのか】 - 伝統

2019/02/26 (Tue) 19:02:58


       *メルマガ「人の心に灯をともす」(2018年06月15日)より

   (樺旦純氏の心に響く言葉より…)

   運は誰のもとにも訪れる。

   しかし、どんな人にも、同じだけの運がめぐってくるわけではない。
   その人の素養、能力、人柄によって、訪れる運も違う。

   大きな運をつかむには、
   それをつかむだけのものを身につけていなければならないのである。


   一つの目標を達成するためには、他人の協力も必要になってくる。

   その場合、相手にも何かメリットがあれば、協力を得やすい。

   具体的に、どうすれば人は動くのか。

   一般に、人が持つ影響力は、次の6つのパワーに分類される。

   このうち、どれか一つでも持っていれば、
   相手が自分のために動いてくれる可能性は高い。


   1.正当性パワー

     相手を従わせる役割や地位、権限などを持つ。
     父母と子供、教師と生徒、上司と部下といった関係。

     部下が従うのは、相手が自分の上司で、
     命令を与える権限を持っているからである。


   2.情報性パワー

     相手の求める情報を持っている。
     いわゆる情報通の人は、あちこちで重宝がられる。

     人々にとっての価値のある情報を入手できる能力を持つ人は、
     それだけでも一つの影響力となる。

   3.報酬性パワー

     一方が他方に、報酬(金銭的・心理的)を与える権限を持つ。
     経営者と社員の関係など。

     報酬には賞与、高い評価、ほめることなども含まれる。


   4.懲罰性パワー

     相手が指示や命令に従わない時は叱責したり、
     懲罰を与える権限を持つ。
     軍隊でいう教官(教師)と隊員(生徒)の関係など。

   5.専門性パワー

     専門的な知識や技能、経験を持つ。

   6.準拠性パワー

     人間的魅力、人柄のいい人や周囲から好かれている人は、
     いざという時、人々の協力を得られる。


   急速に変化する時代では、やはり新しい情報に詳しい人は何かと便利だ。

   また、専門的な知識や技能、経験を持っていれば、
   周囲から一目置かれる存在となり、尊敬・信頼を寄せられる。

   人柄については言うまでもないだろう。


   人を動かすには、相手に対して何らかの影響力を持つこと。

   すなわち、相手にとっても、協力することで
   何かプラスになるようなものを身につけていることが必要なのだ。

       <『運のいい人の習慣』KKロングセラーズ>

             ・・・

稲盛和夫氏はこう語る。

『企業経営において、長く繁栄を続ける企業をつくりあげていこうとするなら、
「徳」で治めていくしか道はないと私は考えています。

欧米の多くの企業では一般に、覇道つまり「力」による企業統治を進めています。

例えば、資本の論理をもって人事権や任命権をふりかざしたり、
または金銭的なインセンティブ(誘因)をもって、
従業員をコントロールしようとしたりするのです。

しかし、権力によって人間を管理し、
または金銭によって人間の欲望をそそるような経営が、
長続きするはずはありません。

一時的に成功を収めることができたとしても、
いつか人心の離反を招き、必ず破滅に至るはずです』

               (「成功」と「失敗」の法則)より


つまり、会社のトップや上司、親や教師ならみな持っている、
「正当性パワー」や「報酬性パワー」や「懲罰性パワー」には封印をして、
「準拠性パワー」で勝負した方がいいというのだ。

準拠性パワーは「徳」という東洋学的にいう、人間的魅力。

パワーがありながらも、それを使わずに治めていく何らかの影響力のことだ。


徳とは、相対したとき、自然と頭が下がるような人のことをいう。

利他の心を持ち、けっして偉ぶらず、
謙虚で、明るくて、人から好かれる人のことだ。

昨今では、その「徳」に「情報性パワー」や「専門性パワー」があると、
さらに影響力が増す。


それが…

他人の協力を結集できる人であり、影響力のある人。


人間的魅力を身につけたい。

            <感謝合掌 平成31年2月26日 頓首再拝>

【人間学とは】~ 人の上に立つ者の5つの条件 - 伝統

2019/03/19 (Tue) 18:21:53

       *メルマガ「人の心に灯をともす」(2019年03月02日)より

   (伊藤肇氏の心に響く言葉より…)

   《宰相の五つの条件とは》(李克)

   『居てはこの親しむところをみ、
    冨みてはその与うるところをみ、
    達してはその挙ぐるところをみ、
    窮してはその為さざるところをみ、
    貧にしてはその取らざるところをみる。

    五つのものもってこれを定るに足る』


   第一の「居てはその親しむところをみる」というのは、
   官をひいて家にいる時、つまり浪人している時に、
   いかなる連中とつき合っていたかを観察する。

   浪人というのは、地位、肩書、名誉といった
   虚飾を全部はずした裸の人間である。

   だから浪人中の交友は「裸のつきあい」であり、
   アリストレスの「友達は第二の自己である」という箴言(しんげん)が
   最も適格に適用できるのである。

   つまり、浪人中に低俗でくだらぬ連中とすきあっていたら、
   その人間自体がお粗末だと判断して間違いないし、
   すばらしい人物、一流の人物ばかりがそのまわりをとりまいていたら、
   まさしくそれはほんものである。


   第二の「冨みてはその与うるところをみる」というのは、
   財を成した時に、その金を何に使ったかをみるのである。

   金の使い方くらい難しいものはない。

   それは人格がそっくりそのまま反映するからだ。

   金ができたら、まっさきに女を囲ってみたり、
   書画骨董にうきみをやつすようでは、とても宰相たる資格はない。

   天皇の師傅(しふ)で『倫理御進講草案』を遺した杉浦重剛は
   「一年の計は田を耕すにあり。十年の計は樹を植えるにあり。
   百年の計は人を養うにあり」(菅子)を引用して

   「人材養成のために巧みに時と金を使うことが、経済の極意である」
   と喝破している。

   「経済」とはもちろん「経世済民」(世を治め、人を救う)の意味であるが、
   最高の金の使い方は人を養うことである。


   第三の「達してはその挙ぐるところをみる」というのは、
   高位高官にのぼった時、いかなる人物を登用し、
   いかなる本を推せんしたかを観察する。


   第四の「窮してはその為さざるところをみる」というのは、
   困窮したときにいかなる態度をとったかを観察するのである。

   いかなる人も、単調だがやすらかで牧場の牝牛のように
   のんびりした人生を命の終わりまで続けられるなどということはあり得ない。

   どんな人生も、晴れる日もあれば、曇る日もある。

   雨のあれば風もある。

   しかし、大きくわけてみると
   「焔(ほのお)の時」と「灰の時」との二つである。

   「焔の時」というのは、燃えさかる焔の如く、勢いがさかんで、
   この時は少々無理をしても、大体のことがうまく運ぶ。

   ところが、いったん「灰の時」に入ると、何をやってもうまくいかない。

   やることなすこと、裏目、裏目とでる。

   そんな時は、静かに「灰の時」に没入し、
   自己に沈潜(ちんせん)して、実力を養成する時期なのである。

   事実、何をやってもうまくいかぬ時には何もやらぬのが一番いい。

   ところが小心者に限って、そういう時はやたらに何事かをやらかして失敗する。

   何事かをやっていないと不安でしようがないからだ。


   第五の「貧にしてはその取らざるところをみる」というのは、
   貧乏に対する処しかたである。

   万事好調で懐具合もいい時には、
   人間はあまりオタオタしないし、ボロも出さない。

   だが、その同じ人間が、いったん貧乏して尾羽(おは)うち枯らすと、
   一変してダメになる。

   背に腹はかえられぬとばかりに、みすみす、
   邪(よこしま)な金とわかっていても、ついポケットに入れたくなる。

   それを歯をくいしばっても我慢するか、どうかが、
   人物評価のわかれ道となる。

   貧乏であろうと、あわてることはない。

   目的をもって生きる。

   信じるところに生きる。

   修養につとめる。

   そこにおのずから積極的な人生の楽しみが生まれてくるのである。


   十六世紀のはじめ、日本を訪れたザビエルが驚きと感激の文字を綴っている。

   「日本人には、キリスト教国民のもっていない一つの特質がある。
   これは武士がいかに貧しくとも、その貧しい武士が富裕な人々から
   富豪と同様に尊敬されていることだ。
   彼らは武士、平民を問わず、貧しさを恥と思う者は一人もいない」

         <『人間学』PHP文庫 >

           ・・・

これは宰相の条件ではあるが、人物になるための条件でもある。

それは、うまくいっている時と、まずくなった時の生き様の問題だ。


調子のいい時、威勢がいい時は、とかく有頂天になりがちだ。

すると、偉そうになったり、人を見下したりと、卑しくなる。

逆に、勢いがなくなったり、落ちぶれてしまったときは、
心に余裕がなくなり、愚痴や不平不満も多くなり、
お金にも汚くなり、これまた、卑しくなる。


『粗(そ)にして野(や)だが卑(ひ)ではない』

と言ったのは元国鉄総裁の石田礼助。

言動が粗野であっても、決して卑しい行いや態度はとらない、という気骨の人。


人間学を修め、卑ではない気骨の人になりたい。

            <感謝合掌 平成31年3月19日 頓首再拝>

松下幸之助が実践し続けたリーダーの務め - 伝統

2019/03/29 (Fri) 18:49:53


       *メルマガ「人間力」( 2019.3.28)より

リーダーの役目とはいったい何なのか。

その一つの答えを、松下幸之助さんは自らの経営を通じて実践されてきました。

かつて松下電器産業の3代目社長を務め、
松下さんを間近で見てきた山下さんがリーダーの務めについて語っています。

───────────────────
山下 俊彦(松下電器産業相談役)

※『致知』1996年3月号
※連載「巻頭の言葉」P2
───────────────────

松下幸之助が9歳で小学校を辞め、故郷の和歌山から大阪に奉公に出てきて、
やがて電燈会社の見習工になり、二股ソケットを考えたことはよく知られています。

そして、22歳のときに体をこわして勤めを辞め、
二股ソケットを作る仕事を始める。これもよく知られた話です。

二股ソケットはよく売れ、小学校を出た13~14歳の子供たちを雇います。
従業員が2年後には10人、4年後には50人になりました。

自分が生活するために始めた仕事が、気がつくと、
人を使う身になっていたわけです。

松下幸之助は自分が大阪に出てきたころと引き比べ、
この子供たちは満足しているだろうかと考えました。

電燈会社に勤めたとき、自分は非常に嬉しく思い、
よい気持ちで働くことができた。
それは会社が安定していて、安心できたからです。

だが、工場の主人である自分は小学校だけで、しかも病弱。
これでは従業員が安心できるわけがありません。


従業員が気持ちよく働けるようにするにはどうしたらいいか。

松下幸之助は一生懸命考えて、一人ひとりに声をかけ、
長所をつかみ、それを褒めて伸ばしてやるように心がけました。

すると、従業員が生き生きとして、目の色が違ってきました。
しかし、これは難しいことです、人の欠点はいくらでも
目につきますが、長所はともすれば埋もれていて、
それを見つけ、掘り起こしするのはなかなかできないものです。

10年後、従業員は300人になりました。

自転車のランプや電気アイロンも作るようになり、
どれもよく売れ、生産が追いつかないほどでした。

しかしその間、松下幸之助がもっとも意を注いで集中したのは
利益向上でも増産でもなく、全従業員の長所を引き出して褒めることでした。

すると期せずして、それが従業員にやる気を起こさせ、
利益や能率の向上につながっていったのです。

さらにその10年後、従業員数は4,500人になりました。
こうなると、全員の性格をつかむなどは不可能です。

それでも松下幸之助は目の届く限り、
褒めて長所を伸ばす心がけを怠りませんでした。

リーダーとして松下幸之助がもっとも専心したのは
このことだった、といっても過言ではありません。

「従業員を幸福にし、仕事に生き甲斐が感じられるようにする。
 これが経営者の何よりの務めだ」

松下幸之助は繰り返しそういっていましたが、
自分自身がまさに経営者がなすべき基本を貫き、実践したのでした。

リーダーは何をなすべきか。

私が松下幸之助に学んだのはこの一事に尽きる、といえるほどです。

            <感謝合掌 平成31年3月29日 頓首再拝>

【決断を先送りしない】 - 伝統

2019/06/26 (Wed) 19:15:24


      *メルマガ「人の心に灯をともす」( 2019年06月25日)より

   (経営共創基盤、冨山和彦氏の心に響く言葉より…)

   人間は、見たい現実を見たい生き物です。

   これは、まさにカエサルの言う通りでしょう。

   人間の本性。

   放っておいたら、見たいものしか見なくなる。

   だから、そう思って経営者は経営をしないといけないし、
   社員は仕事をしないといけない。


   みんな変わりたくないのです。

   例えば、テニスひとすじで生きてきたとする。

   ところが、20年もやってきて、急にテニスが廃れるとわかった。
   このままでは食えない。

   そういえば、子供の時はサッカーだった。
   じゃあ、サッカーに転向しよう…と思えるかどう。


   それこそテニスなら、世界ランキング100位だけど、
   サッカーでは小学校でちょっとうまかったくらい。

   同級生はもう代表選手になっている。

   そこでサッカーに転向することを考えられるかどうか。

   「すぐにテニスは復活する」と思いたくなるものなのです。

   転向は、大きなストレスだから。


   これはビジネスも同じです。

   なんとなく衰退しているとは思っている。

   気づいている。

   大事なことは、変化が起きているという認識から、
   それに合わせて自分の行動に落とし込めるかどうか。


   「テニスは廃れる」と思っていても、「じゃあサッカーをやろう」と思えるか。

   実際にはそんなに簡単ではないでしょう。

   しかも、高年俸を捨ててまで。

   それを捨てて、明日からサッカーの練習を始められるか。

   とりあえずテニスで引っ張ろうとするでしょう。

   テレビでやってきた人が、今さらネットビジネスに移れないのも同じことです。


   見たい現実を見るというのは、もっと正確にいうと、
   見たい現実に従ってしか人間は行動できない、ということです。

   だから、世の中の変化についていくというのは、簡単ではないのです。

   ましてや組織になると、もっと不器用になる。


   しかし、長きにわたってうまくいく人は、自分を変えていく。

   ストレスに対する耐性が高いから。

   「サッカーやっちゃおうかなぁ」と考えて、実際にやってしまう。

   もしくは、「サッカーは無理そうだけど、これから流行りそうなやつとか、
   まだ競争がないやつとか、探してみよう」とフェンシングを始めたりする。

   これができる人がいるのです。


   日本人は変化耐性が弱い、というのは事実だと思います。

   基本的には農耕型で共同体をつくって生きてきた。

   だから余計に難しい。

   狩猟型であれば、自分ひとりの判断、自分の行動だけで済むけれど、
   農耕型だとそうもいかない。

   しかも、扶養家族もぶら下がっている。


   共同体には、新卒で入ったばかりの赤ん坊もいます。

   ぶら下がって食べている人もいます。

   そこで「もうこれからはいっさい、モノはつくりません。
   ファブレスカンパニーになります」と言った瞬間に、
   「去年入った生産分野の若手社員はどうするんだ。仕事がなくなる」
   などということになる。

   それで、「とりあえず続けるしかないな」となってしまう。

   この“とりあえず”を10年、20年放置すると危ない。

   なぜなら、世の中は変わっているから。

   決断を先送りにしたばかりに、もっとメガな悲劇が起きかねないのです。


   だから重要なのは、リーダーの先見性です。

   放っておいたら、20年後に総玉砕してしまいかねないのが、現代なのです。

   このまま行ったら危ないと判断し、
   「しょうがない。ここは耐えがたきを耐え、忍びがたきを忍んで、
   今のうちから違うスポーツをやろう」と言えるかどうか。

   そのストレス耐性が問われるのです。


   もちろん難しさは別のところにもあります。

   あまり言いすぎるとリーダー自身が追い落とされてしまう、ということです。

   抵抗勢力に滅ぼされてしまう。

   ただ、そうなったとしても結局、20年後に待っているのは悲劇です。

         <『有名企業からの脱出』幻冬舎>

              ・・・

「見たい現実を見たい生き物」とは、
見たいように都合よく現実の世界を変換してしまうということ。

つまり、嫌な現実は見ないでフタをしてしまい、
見たいと思う現実、そうあって欲しいという現実しかみない。

それは、人間は基本的には変化を好まない生き物だから。


しかし今、世の中は大きく激しく変わっている。

そして、すぐ先にある分かり切った現実があるにも関わらず、
それを見ようとしないで先送りしてしまう。


それは例えば…

自動運転に対する、タクシー業界、物流・運送業界…。

ネット情報化社会に対する、新聞、テレビ、マスコミ…。

電子マネーや仮想通貨に対する、銀行や金融機関…。

アマゾンや通販業界に対する、コンビニ、スーパー、流通業界、家電業界…。

そのほかにも、シェアリングエコノミーや、サブスクリプションといった
新たなビジネスモデルの台頭に対する、既存の業界の対応…。


「とりあえず続けよう、と10年、20年放置する」

変化への対応を怠ったとき、大きな悲劇が待っている。

「決断を先送りしない」を肝に銘じたい。

            <感謝合掌 令和元年6月26日 頓首再拝>

リーダーの仕事は2つだけ 「決める」と「導く」 - 伝統

2019/07/12 (Fri) 18:25:04


        *Web:日本経済新聞(2019/7/11)より
             ~キユーピー 長南収社長(上)

(1)尊敬するリーダー

   松下幸之助、経営学者のピーター・ドラッカー、京セラ創業者の稲盛和夫

(2)経営者に必要なリーダーシップとは

   決めることと、導くこと。この2つしかないと思っています。
   勝ち続けることがリーダーシップです。

(3)企業風土を改めなくては大波にのみ込まれる

  ①会社として向かう方向が明確なら、
   そのためにはつらい判断を下せるのがリーダーの条件です。

  ②価値観や働くということについて、従業員と向き合うことを
   忘れてはならないというのが創始者、中島董一郎の教えです。

(4)社是は「楽業偕悦」

  ①志を同じくする人が、仕事を楽しみ、困難や苦しみを
   分かち合いながら悦びを共にする、という意味です。

  ②多様性を認めたうえで、理念をどう落とし込んでいくかが重要です。

  ③次の世代のリーダーについても、我々の一番の原動力である
   『楽業偕悦』という考え方を継承できるかどうかが前提となります。

   その上で、公明正大で明るい、人の話を素直に聞けるか、反省できるか、
   が次に求められる資質でしょう。

https://style.nikkei.com/article/DGXMZO47080740Y9A700C1000000?channel=DF041220173308&style=1&n_cid=NMAIL007

            <感謝合掌 令和元年7月12日 頓首再拝>

【レジリエンスの高い人】 - 伝統

2019/07/29 (Mon) 19:58:17


      *メルマガ「人の心に灯をともす」(2019.07.30)より

   (久世浩司氏の心に響く言葉より…)

   レジリエンスとは、「逆境や困難、強いストレスに直面したときに、
   適応する精神力と心理的プロセス」(全米心理学会)と定義づけられる、
   最近注目を浴びている考えです。

   NHKの人気番組である「クローズアップ現代」で、
   「折れない心の育て方~『レジリエンス』を知っていますか?」
   という特集が組まれたことが、幅広い層にレジリエンスが知られる
   きっかけとなりました。


   「世界経済フォーラム」(ダボス会議)では、
   2013年のテーマとしてレジリエンスが議論されました。

   世界的な異常気象と地震・津波などの災害、
   そしてリーマンショックにより明らかになった
   金融システムの脆弱さに耐えうる強靭な国家が必要とされたのです。

   「変化や危機は避けられないもの」と捉え、
   「変化に適応できるように自分たちが変わらなくてはいけない」
   という積極的な姿勢がグルーバルの政界・経済界のトップの主流になりつつあります。

   この変化と危機への対応力は、起業でも必要となっています。

   とくにリーダーの要件として
   レジリエンスが加えられる会社がグローバル企業で増えています。


   リーダーにとっては、レジリエンスの重要性は増すばかりです。

   ストレスが多く、多忙さも増すばかり。

   業界の変化も早くなり、組織改革やコンプライアンス関連の
   社内ルールの変更など内部での変化も頻繁です。

   さらに職場の異動や海外の現地法人への転勤、国内の子会社への出向や
   スタッフ業務からライン業務への変更など、
   リーダーは数々の変化にさらされています。

   それらの変化に適応していかなくてはいけません。


   どのような状況でも仕事の能力を発揮できる
   レジリエンスの高い人の特徴としては、次の3つが挙げられます。

   1つ目が「回復力」です。

   逆境や困難に直面しても、すぐに元の状態に戻ることができる、
   しなやかさを持った心の状態です。

   メンタルの強さとも言えるでしょう。


   2つ目が「緩衝(かんしょう)力」です。

   ストレスや予想外のショックなどの外的な圧力に対しても
   耐性がある弾力性のある精神です。

   打たれ強さということもできます。


   3つ目が「適応力」で、予期せぬ変化に抵抗するのではなく、
   それを受け入れて合理的に対応する力です。

   これこそが、変化が頻繁に起きるリーダーにとっては必要不可欠な能力です。

       <『リーダーのための「レジリエンス」入門』PHPビジネス新書>

               ・・・

西郷隆盛は江戸無血開城の立役者、幕臣の山岡鉄舟を評してこう言ったという。

「徳川公は偉い宝をお持ちだ。

山岡さんという人は、どうのこうのと言葉では言い尽くせぬが、
なに分にも腑(ふ)の抜けた人でござる。

金もいらぬ名誉もいらぬ。

命もいらぬといった始末に困る人ですが、あんなに始末に困る人ならでは、
お互いに腹を開けて、共に日本の大事を誓い合うわけにはまいりません。

本当に無我無私、大我大欲の人物とは、山岡さんのごとき人でしょう」(感奮語録より)


腑が抜けた人とは、肝(はら)の据わった人と同義だ。

何かことが起こっても、決して慌てることなく、
どっしりと構えて行動できる、覚悟を決めることができるということ。

まさにレジリエンス力のある人のこと。


それは、失敗耐性を持っているということでもある。

何度失敗しても、立ち上がる力を持ち、めげないで明るく立ち向かう。


レジリエンスを高めたい。

            <感謝合掌 令和元年7月29日 頓首再拝>

「八朔」にある家康の心根 - 伝統

2019/08/12 (Mon) 19:18:25


      *メルマガ「」大和し」(2019.08.11)より)

江戸時代には、正月に並んで重要なお祝いの日は「八朔」です。
それほど江戸時代には、特別な「祝日」というわけです。

実は、8月1日は徳川家康が江戸に入城した日なのです。
天正18年、1590年のことです。

当時の天下人は豊臣秀吉です。
秀吉は小田原征伐に成功し、天下を統一しました。
その時、関東八州を統治するように家康に命じました。

当時の関東は雑草が生い茂る相当な荒地です。
しかも、関東八州と引き換えに、家康の領地は全て取り上げられました。
家康の関東転封はこのように決定されました。

秀吉の意図はわかりませんが、
家康の力を封じ込める意図があったことは想像できます。
天下人・秀吉の命令には簡単には逆らえません。

当然、家臣からは大反対を受けたでしょう。
家康自身も相当なショックを受けたに違いありません。

しかし、家康は決断します。

敢えて苦しく辛い道を進むことを腹に決めました。
愚痴や不平不満も表に出さず、このような移封を堂々と受け入れたのです。
そしてすぐさま、関東の調査をし、開拓の準備を着々と進めていきます。

実は、家康の参謀である天海僧正は、この移封について意見を述べています。
それは、関東八州こそ大きな可能性がある土地であるということです。
天海僧正は、関東のその後の発展の可能性を見極めていたのです。

そして、家康に対して移封をすすめ、
この難題にチャレンジするように進言したのです。
家康は相当心強かったに違いありません。
成功を確信して取り組むことができました。

当時は関東は京の都からは遠いので、
家康の力はこれで減退すると見られていたかもしれません。
荒地を開墾し、整備して都市として作り上げるには相当な労力がかかるからです。

しかし、天海僧正の指揮のもとで、江戸がどんどん開墾されてきます。

家康の家臣である三河武士が大活躍したことは間違いないでしょう。
家康の決断に、家臣団が見事に応えたのです。
それほど、徳川家康のリーダーシップは優れていたのです。

関東を見事に開拓した家康はその後、
関ヶ原の戦いにおいて勝利し、天下人になります。

関東移封という難題に、堂々と立ち向かった結果です。
そして、江戸に幕府を開いた家康は、
以後260年という泰平の時代を築き上げます。

現在の東京をはじめ関東地方の発展は、このようにして成し遂げられました。
2020年の東京五輪もこの歴史の上に存在するのです。

そしてその原点は、1590年の八朔、
腹を決めた家康の江戸入城から始まっているのです。

不利を嘆くのでなく、不利に不満を言うのでなく、
不利を不利のまま大逆転した家康の成功哲学がここにあります。

人生において、逆流はいつでもやってきます。
その時の決断しだいで、大きく展開します。

逆流は避けるのではなく、逆流を昇りきることを決断することで、
大きな力になることをこの八朔の出来事から学ぶのです。

逆流から逃げていては、未来は創造できません。

            <感謝合掌 令和元年8月12日 頓首再拝>

【人に勇気を与えること】 - 伝統

2019/10/24 (Thu) 19:25:56


       *メルマガ「人の心に灯をともす」(2019.10.24)より

   (高野登氏の心に響く言葉より…)

   それは、リーマン・ショックの二ヵ月後のことでした。

   当時の世界中のリッツ・カールトンの支社長をはじめキーパーソン47名が、
   フロリダのホテルに召集されました。

   日本支社はこれで閉鎖だろう、
   フランクフルト・オフィスもしばらく閉鎖に違いない
   …一同、覚悟のうえの暗い表情での参加でした。

   リーマン・ショック直後から、リッツ・カールトンは、
   主要なグローバル・パートナー、
   すなわち大手法人顧客の多くを失っていました。


   会議初日、にこりともせずに座っている我々の前に現れたクーパー社長は、
   君たちが考えていることはわかっているよ、とでも言いたげに
   にやりとしたあと、開口一番言いました。

   ◆みなも知っているとおり、とんでもない時代になってしまった。

   そして、続けます。

   ◆まさかこんなことが起こるとは、だれも想像していなかっただろう。

   もちろん、私もだ。

   厳しい試練だが、
   こういう時代を体験できるのは、むしろ貴重なことかもしれない。

   私は、いろいろな船乗りを知っているが、
   穏やかな海で優秀な船乗りが育つのを見たことがない。

   みな、荒波を乗り越えてきている。
   嵐を乗り切ってきている。

   そのなかで、腕を磨いてきている。


   わたしたちの目をしっかりと見据えながら、そういう話を静かに続けていきます。

   いつまで経っても売り上げやコストカットなどの数字の話が出てこない。

   それから、リッツ・カールトンのリーダー研修で必ず聞かされる話に入っていきます。

   摂氏99度と100度の違いについての話です。


   ◆水を熱していくと、だんだん温度が上がり、やがて99度になる。

   手を入れたら大やけどする熱湯ではあるが、液体であることに変わりはない。

   ところが、これが100度に達すると…沸騰する。

   沸騰した水は蒸気になって、蒸気機関車をも動かす力となる。

   99度と100度、たった一度の違いなのに、その力、働きはまったく違う。

   そして、我々にとって、その1度の違いを生み出す働き方を考えるのに、
   いまほどいいときはない。


   うつむき加減だった私たちの顔は次第に上がり、頬が上気してきます。

   クーパー社長はさらに続けます。


   ◆おそらく来年の我々のビジネスは前年比90%減、
   あるいは、もっと厳しいものになるかもしれない。

   だからこそ、我々自身を磨くこれ以上の好機はない。

   順調な業績のなかで、知らず知らずのうちに
   ブランドに頼っておろそかにしてきたことがあるはずだ。

   お客様との信頼構築はどうか。

   知識とスキルは磨かれているか。

   来年1年は、どうあがいても60%減以上に伸ばすことはできない。

   だったらその間に、これまで忙しくてできなかったことをやろう。

   一人ひとりが摂氏100度で仕事をするための処方箋を書こうではないか。


   閉鎖するオフィスはないのか、と一同安堵のため息がこぼれます。

   そこですかさずクーパー社長が、釘を刺します。


   ◆ここにいるレディス&ジェントルマンのなかで、、
   自分はこれまでもずっと100度の仕事をしてきたと
   自信がある人だけ立ち上がってくれ。


   だれも立てません。


   ◆そうか、でも、少なくとも何回かはあるはずだ、
   摂氏100度で仕事をしたと思える瞬間が。

   そのときのことを思い出して、午後は、それについて
   グループでディスカッションしてほしい。


   いまにして思えば、これこそが圧倒的とも思える
   リーダーの品格を感じた瞬間でした。

   クーパー社長の指導力、人間力そのものでした。

   そして、これこそが、すなわり、「周りに勇気を与える力」です。


   実際、あのときほど、自分の中に力が湧いてくるのを感じたことはありません。
   勇気が湧いてくるのを感じたことはありません。

   絶対にこの状況を打破しよう。

   立ち向かおうという勇気です。

   このチームと一丸となって、成し遂げることができるという勇気です。

           <『品格を磨く』ディスカヴァー>

          ・・・

高野氏は「どうすれば人は動くか」について本書の中でこう語る。


『人の気持ちをA地点からB地点まで導いていくこと、それが指導力です。
そして人の気持ちも組織も、動かすものではなく動くものです。

では、どうすれば人は動くのか?

お金や権力を使って、操作する?

そんなことで、本当に人の気持ちは動きません。

では、何で動くのか?

勇気づけられること以外に何があるでしょうか。』


《分不相応の志を持つ者だと笑われる事を畏れてはならない。
無謀な挑戦をしなくなる己れの老いを畏れよ》


孫正義氏の言葉だ。


そして、イギリスの名宰相、チャーチルはこう言った。

《金を失うのは小さく、名誉を失うのは大きい。
しかし、勇気を失うことはすべてを失う。》


「勇気を失うことはすべてを失うこと」

人に勇気を与えることができる人でありたい。

            <感謝合掌 令和元年10月24日 頓首再拝>

世界のリーダーたちの意外すぎる行動7選 - 伝統

2019/11/06 (Wed) 21:33:48


      *「何もしなくても人がついてくるリーダーの習慣」谷本有香・著より


1、他社の商品をほめる――スターバックスCEO ハワード・シュルツ氏

  スターバックスのCEOとして知られるシュルツ氏。

  谷本氏が「スターバックスのコーヒーは確かに美味しいけれど高い。
  マクドナルドは100円だが味もいいのでは?」と意地悪な質問をしてみると、
  「そうなんだよ、マクドナルドのコーヒーは美味しいよね」と認めてしまったという。

  実はこのシュルツ氏の自然体の姿勢が、
  多くのメディア関係者の心をひきつけているのだという。

  どんな発言をするか分からないという意味では、
  スターバックスの広報担当者からすれば気が気でないのかもしれないが、
  リーダーがコーポレートイメージを作り上げている好例だろう。


2、自分より優秀な人を雇う――スターバックスCEO ハワード・シュルツ氏

  こちらもシュルツ氏のエピソードだ。

  リーダーはどうしてもお山の大将になりたがり、
  自分より優秀な人間を脅威に思うものだ。

  しかし、シュルツ氏はシアトルのコーヒー店にすぎなかった
  スターバックスを全米で展開するために、自分より経験のある
  優秀な経営専門家を採用することにした。

  厳しいことも言われ、価値観の違いから衝突もあったが、
  その結果、コーヒーも顧客も等しく大切にする価値観を育んでいく風土が完成した。

  スターバックスが大きく成長できたのは、彼らあってのものとシュルツ氏は述べている。


3、大ボラを吹く――日本電産創業者 永守重信氏

  嘘をつくのはいけないことだが、
  企業を大きく成長させられるリーダーは大ボラを吹く。

  ホラとは「大げさ」「でたらめ」という意味だが、
  永守氏は「大げさなデタラメのように聞こえることを、
  現実にするのが起業家だ」と言い放つ。

  日本には「ホラ吹き三兄弟」というトップ経営者3人がいるという。

  ソフトバンク社長の孫正義氏、ファーストリテイリング会長の柳井正氏、そして永守氏。

  彼らは人々に希望を与える「大ボラ」を吹き、本気で取り組み、命懸けで実現させる。
  ホラ吹きは信頼されないのではなく、ホラを吹いたあとの行動によって評価は変わるのだ。


4、出しゃばらずに譲る――萩本欽一氏

  コメディアンの萩本欽一さんは「出しゃばらずに譲る」という考え方で
  長寿番組を作ってきたという。

  例えば人気絶頂時に「スター誕生!」司会者のオファーがあったときには、
  「自分は司会ができないから、司会ができる子をつけてほしい」と言い、
  それが「アシスタント」の走りになった。

  萩本さんは「自分が、自分が」と出過ぎると
  運が逃げてしまうこと知っていたのだろう。

  自分のものだけにせず、周囲に譲ることも成功の近道である。


5、ペラペラのエコバッグを持って会食
  ――元ソニー社長 出井伸之氏、東大名誉教授 黒川清氏

  ペラペラのエコバッグは一例であり、
  トップリーダーたちは自身の服装や鞄に対して
  あまりこだわりを持たないことが多いという。

  トップリーダーたちはどこかに「ヌケ」を作っていることが多い。
  「ヌケ」とは、おおよそトップリーダーらしさとは正反対の、一般人に
  「自分たちと同じだ」と思わせてくれる部分である。

  そうした「ヌケ」の部分が魅力になり、人々から語られたり、
  メディアからの反応も良くなるのだという。


6、社員から「社長」と呼ばせない――元エルピーダメモリ社長 坂本幸雄氏

  坂本氏は「半導体業界の救世主」とも言われる、知る人ぞ知る名リーダーだが、
  会社では自分のことを「社長」と呼ばせなかったそうだ。
  「坂本さんでいい!」と。

  肩書きではなく名前で呼ぶことは、親近感を覚えさせる。
  著者によれば、海外の企業では、大企業においても
  社員が社長のことを「ジョン!」などとファーストネームで呼ぶ文化があり、
  闊達に意見を述べられる空気ができているという。

  日本ではあまりファーストネームで呼ぶ文化はないが、
  もしもっと社内を活発にしたいと考えているならば、
  試しにやってみるのもいいのかもしれない。


7、ジョークが上手
  ――経済学者 ポール・クルーグマン氏、哲学者 マイケル・サンデル氏

  この2人に限ったわけではないが、トップリーダーたちに質問を投げかけると、
  ユーモアをもって返答してくれることが多い。

  ノーベル経済学賞を受賞したクルーグマン氏は、
  ジョークを交えて場を和ませながら話をする。

  また、サンデル氏も相手を笑わせながら話をしてくれるそうだ。

  ギャップを演出して笑わせたり、
  その場にいる人たちとの共通点を言ってホッとさせたりする話し方は、
  自分自身を身近に感じてもらうためのイメージ作りとしては最適だ。


  ( https://www.sinkan.jp/pages/leader-custom/ )

            <感謝合掌 令和元年11月6日 頓首再拝>

【鏡に映るのは自分自身】 - 伝統

2020/01/17 (Fri) 21:32:20


      *メルマガ「人の心に灯をともす」(2019年11月08日)より

   (前リッツ・カールトン日本支社長、高野登氏の心に響く言葉より…)

   ホテルのなかには、たくさんの鏡が設置されています。
   お客様の目に触れる部分だけでなく、スタッフのいるバックヤードにも、
   必ず多くの鏡が置かれています。

   身だしなみや笑顔などの表情をチェックするために使うのですが、
   実は、リーダーにとってはもう一つの使い方があるのです。


   自分と対面するために使う、ということです。

   ホテルはトラブル(問題)の宝庫です。

   それは大きく分けて二つ。

   一つは表舞台で、つまりお客様とホテルとの間で起こるトラブル。

   そして二つ目は、裏舞台で起こるトラブル。


   ホテルは人材集約産業ですから社員数も多く、
   人間関係によるトラブルが起きやすいのです。

   リーダーになると、どうも自分のセクションが
   上手く回っていないなと思う時があります。

   指示が伝わらない。

   モチベーションが低い。

   ミスが頻繁に起こる。

   コミュニケーションが悪い。

   特に、上司である自分の言うことをちゃんと聞かない…など。


   そういう時、つい指を相手に向けてしまう。
   部下であるお前たちの責任だ、努力が足りない、と。

   なぜ部下は言うことを聞かないのでしょうか。


   実は聞こえているけれど、聴いていないのです。

   では人は、誰の言葉なら聴いてくれるのか。

   信頼する人、尊敬する人、そして好きな人です。

   これに気づく必要があります。

   部下が言うことを聞いてくれない時は、
   「あなたの言うことは聞きたくない」というメッセージかもしれないのです。


   鏡に映るのは自分自身。

   その自分に向かって指を向ける。

   原因はお前にあるのではないかと謙虚に問いかけてみる。

   リーダーとしての成長のメモリが一つ伸びるのは、
   その勇気が持てた瞬間だと思います。

         <『ホスピタリティノート』かんき出版>

            ・・・

高野氏はアメリカで出会ったボスやメンター(師匠)たちは、
それぞれが使う言葉の達人だったという。

「ひと言で相手の心のスイッチを、正しい方向に入れることができる人」

であったそうだ。

そして、一様に「辛抱強かった」。


例えば、

『指示を部下が間違って受け取り、ミスを犯した場合でも、
単純に責めるようなことはしなかった。

「なるほど、そういう受け取り方ができるのか。
気がつかなかった。

きちんと話し合って説明をしなかった自分にも責任がある。

次のプロジェクトも任そうと思っているので、
今度は細部まできちんと確認し合おう」

部下の立場からすると、そう言われて
「そうだよボス、あんたが悪い!」とはならない。

自分ももっと気をつけなかれば、という反省のスイッチがパチッと入る。』
(以上、本書より)


「自責」と「他責」という言葉がある。

何か問題が起きたとき、その原因は自分にある、と考えるのが「自責」。

その反対に、問題が起きたとき、
その原因は他人やまわりのせいだといって、人のせいにするのが「他責」。


「お前が悪いと指さす三本の指は、自分を指している」

という箴言(しんげん)がある。

三本の指だから、結果、その責めは、三倍になって返ってくる。

あるいは、相手より、自分に三倍非がある、ともいう。


「鏡に映るのは自分自身」

自責の人でありたい。

            <感謝合掌 令和2年1月17日 頓首再拝>

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