伝統板・第二 2532565

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人の上に立つ者に求められること⑧

1:夕刻版 :

2017/08/06 (Sun) 19:56:59

      *伝統板・第二「人の上に立つ者に求められること⑦」からの継続です。
        → http://dentou.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=7130595


[ 指導者となるための指標 ]『生長の家』昭和25年6月号・巻頭言 より

(1)汝のもてるすべてのものを以って強力に前進すべし。
   今の瞬間に汝の凡ゆる未来がかかってあるかの如く
   今手近にある所の仕事に集中せよ

(2)進歩発達は責任の加はる毎に増加するのである。
   自から求めて責任を負うべし。
   これを避けるべからず、人生を一大冒険と考えよ。

(3)明日希望する所の仕事のために、今日を用意せよ。
   そのために常に受けるよりも一層多くを与うべし。
   これが成功に到る大道である。

(4)常に静かなる自信をもちて行動し、常に次のことをモットーとせよ。
   「常識を逸脱せず周囲と調和し而も勇敢に行動せよ」
   大いなる成功は常に「敢えてなす勇気」を要するのである。

(5)「行き届く」という良習慣を発達せしめよ。
   すべての細部にわたりて行きとどく習慣こそ成功の生きた要素である。

(6)凡ゆる材料をあつめて沈思熟考したる後、断乎と決意せよ。

(7)誰が世間の名声を獲得するかについては思ひ煩うこと勿れ。

(8)何事もどんな忠言にもよき聴き手たるべし

(9)命令を与えたり対決を表明する前に他の人の意見を悉くきけ。
   それ迄は自からを表す勿れ。

(10)これはほめる値打ちがあると気がついたならば速かに賞賛せよ。
   非難すべきことが必要ならばひそかにその人のみに語れ。

(11)人の犠牲に於いて自からも利せざる様注意せよ。
   一時の個人的な利益よりも友人同僚の協力こそ永遠に尊き価値があるのである。
   汝の好まざる人をよく深切に導け。
   而して彼らの美点をほめることを試みよ。

(12)決して不平の心をおこすべからず。
   心の曇りを毎日きれいに拭い去るべし。
   寛容雄大の精神を教養せよ。

(13)自分を悲しみの心を以て汚すな。
   必勝の態度を常に保て。
   クロムウェルのモットー「思いを深くして感謝せよ」に従うべし。

(14)今日一日の生命と思いて生きるべし。
   取越苦労はいらぬのである。

(15)仕事の合間、ほっとした時に2、3回深呼吸を行いて精気を新たならしむべし。

 (米国の光明思想実践運動D・I・Aの標語より)

   (http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/study/11346/1322022766/68 より転写)

・・・

<関連Web>

(1)光明掲示板・伝統・第一「人の上に立つ者に求められること」
   → http://bbs6.sekkaku.net/bbs/?id=wonderful&mode=res&log=46

(2)スレッド「人の上に立つ者に求められること①」
   → http://dentou.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=6456974

(3)スレッド「人の上に立つ者に求められること②」
   → http://dentou.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=6518568

(4)スレッド「人の上に立つ者に求められること③」
   → http://dentou.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=6565311

(5)スレッド「人の上に立つ者に求められること④」
   → http://dentou.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=6611149

(6)スレッド「人の上に立つ者に求められること⑤」
   → http://dentou.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=6747214

(7)スレッド「人の上に立つ者に求められること⑥」
   → http://dentou.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=6931505

(8)スレッド「人の上に立つ者に求められること⑦」
   → http://dentou.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=7130595

            <感謝合掌 平成29年8月6日 頓首再拝>
2:伝統 :

2017/08/08 (Tue) 19:18:16

すべて「経営者」次第~経営者の知識(=知恵)

         *メルマガ「戦略経営の「よもやま話」」(2017年07月20日)より

松下幸之助さんは「経営の神様」と称されているのですが、
松下さんの「知識」は、困難と苦境のなかで「血の小便」が出るまで「素直」に
考え抜かれ  た独創のもので近代マネジメントを先駆けるものとさえ言えます。

その松下さんの「知識」の特筆すべきことは、最大の経営の資源であり『知識』の
源泉たる『人』をつくることと、その『人』の活力を活性させる「価値観(水道哲学)」
の意味を真に理解されたことだと見受けられます。

  
企業の存亡を握る「絶対存在」は「経営者」です。
よい従業員が「いない」「育たない」のは「経営者」の責任で、
短期は別として趨勢として業績が悪いのも「経営者」の責任です。
  
こう言ってしまえば身も蓋もないのですが、時折お会いする「知識力(知恵胆力)」
のある経営者の業績には目を見張るものがあります。
  
そう言う意味からいうと「ニッサン」をV字回復させた「カルロス・ゴーンさん」の
年収が10億3500万円であるのも納得させられます。

経営者の基本とする役割は

(1)「価値観を浸透させる」

(2)「人を育てる」

(3)「環境を整えること」

(4)「決断(意思決定)する」

の4つとなるでしょう。

  
ソニーの盛田昭夫さんが「ウォークマン」を"創ろう"としたとき、
ほとんどの社員・役員が異を唱えました。
何故か少し解釈を加えますが、技術集団であるソニーの社員・役員の
「価値観」は「先端の技術」だったからでしょう。

経営者が持たなければならない「価値観」は
「顧客(効用)の創造」つまり「マーケティング」であり、
「先端技術」は「満たされざる『効用』」を適えるための核心であるものの
一要素だからです。
  
「ウォークマン」には画期的な技術開発などはなく、
無いどころか録音装置さえ取り外すのだから後退だとさえ見えそうです。
  
トランジスタ・ラジオの開発時には「小型でどこにでも持ち運べるラジオ」
という『効用』のために「トランジスタ技術」の開発を行いました。
  
「最先端のトランジスタ技術」は必須の要素であるとはいえ
「マーケティング」を実現させるための一要素であります。
されど、ソニーが強力な「強み」を形成させるための要素ではありますが。

盛田さんは経営者として「マーケティング」の「意思決定」を行いました。
「夏休み前の発売で、価格は33周年にちなんで3万3千円ででいこうじゃないか」
ということになりました。
  
後に「アップル」が「iPod」を開発するのですが、
本来ソニーが開発して大ヒットさせ得るものだったはずで、経営者の「意思決定」が
何故なかったのか、ここに「経営者」の存在の重要性をつくづく感じられるのです。

  
サントリーは何故「ビール」に参入したのか。
  
佐治敬三さんは「洋酒が絶好調で作れば何ぼでも売れる状態。そんなことでは
(努力しなくても売れることに慣れれば)会社がやがて傾く。
だからビールに再進出した。」と「意思決定」の理由を述べられています。
  
サントリーの「価値観」は「やってみなはれ。やらなわからしまへんで。」で、
63年4月に再参入してから45年間赤字が続け、2008年になってようやく
悲願の黒字化を達成しています。

この間の経営者である佐治さんは半被を着て業務店回りの先頭に立っての売り込み、
その率先垂範は社内に緊張感をもたらして「人材の育成」と「企業の活性化」という
優良企業の「強み」構築がなされたと言えます。
  
仕掛けなければならない苦労は何か、
社長室から出て現場を駆け回ることが必要だからそれを行う、
これがトップ・マネジメントの「決断」です。
  
松下幸之助さんをまた引き合いに出します。
松下さんは「人材の育成」と「社内の活性化」づくりの名人で、昭和40年
週休2日制を日本で最初に採用して前向きな緊張を醸成しています。
  
そのときに「週に2日休むとそれだけコストが上がる。会社の成績が上がらなければ
世の模範にはならない。週休2日になってさらに発展するよう努力願いたい。」
と述べています。

「前向きな危機感、緊張感」の状況づくりは、
今の「リスク」を創って「未来のリスク」を回避させるという
トップ・マネジメントの「意思決定」です。

  
続けてトップ・マネジメントのもう一つの「仕事」の話に移ります。
それはやはり「人」についての話になります。 
  
「松下電器は人をつくるところです。併せて電気器具もつくっております。」 
と言われた松下さんが、
  
「ひとつだけ指導者に必要な条件を挙げよと。」と問いかけられて、
しばらく考えて答えたのが「それは、自分より優れた人を使えるということですな。
そう、これだけで十分ですわ。」と言われたそうです。
  
これは、アメリカの鉄鋼王アンドリュー・カーネギーの
「己より賢明なる人物を身辺に集める術を修めし者ここに眠る。」
の墓碑銘と通じそうです。

経営者の「仕事」として、ここで申し上げたいのは

「成すべきこと」を明らかにして
『価値観』と「危機感」のもとに「人の才能を見分けて」
そして「育て」「その人の才能を最高に活性化させ」
『効用』づくりのために活用するということです。

        <感謝合掌 平成29年8月8日 頓首再拝>
3:伝統 :

2017/08/11 (Fri) 18:43:27


            *「指導者の条件」松下幸之助・著より

指導者は自分より優れた才能の人を使うことが大事である。

漢の帝国を開いた高祖劉邦がある時部下の名将韓信とこんな話をしたという。

「私はどれくらいの兵の将になれるか」
「陛下ならせいぜい10万人の軍隊の将でございます」

「それなら君はどうだ」
「私は多いほどよろしゅうございます」

「それだけ有能な君が、何故わしの部下になっているのだ」
「陛下は兵の将ではございませんが、将の将となれる方だからです」

つまり、大軍を指揮して勝利を収めるという才能では、
韓信の方がずっと上手だが、高祖はその韓信を使いこなせる人だというわけである。

そのことは高祖自身が部下に次のように語っている。
「自分は謀をめぐらすという点では軍師の張良に及ばない。
また、行政といった面では宰相の蕭何(しょうか)に及ばない。
さらに軍隊を指揮して、戦えば必ず勝つということでも将軍の韓信にはかなわない。
この3人はいずれも非常な傑物である。
ただ自分は、この3人をよく用いることが出来る。それが天下を取れた理由だ」

これは非常に面白い所だと思う。

個々の才能をとってみれば、高祖はそれほど優れたものを持っていない。
むしろずっと立派な人がたくさんいる。
にもかかわらず、一介の庶民から身を起こした高祖が、
前後数百年に及ぶ帝国の基礎を開いた。

そうした偉大な事業を成し遂げた秘訣は、
自分より優れた才能を持つ部下を十分に用いたからだというわけである。

高祖と最期まで覇権を争った項羽という人は
”力山を抜き、気世を覆う”という希代の英雄であった。
個人としての才能力量においては、一面項羽の方が上であった。

しかし「項羽は軍師の范増(はんぞう)一人さえよく用いることが出来なかった」と、
高祖は相手の敗因を指摘している。

いかに優れた人でも自分一人で出来ることはわずかに過ぎない。
だから人を使うことの出来ない人は、所詮は指導者として大事をなせない人である。

人を用い、人の言に耳を傾けてこそ、
初めて自分の力を超えた大きな事が出来る道が開けてくる。

力ある者ほどとかく自己の力を過信しやすく、人が使えない場合が少なくない。
心したいことである。

        <感謝合掌 平成29年8月11日 頓首再拝>
4:伝統 :

2017/08/21 (Mon) 17:58:08


        *Web:DIAMOND onlin( 2016年2月24日)より要点の抜粋

リーダーが決めることのほとんどのことに正解はない、という藤沢氏。
正解かどうか分からない決断をどう伝え、浸透させればいいのか。
メンバーが納得する「説明」の仕方とは?


《正解がない世界では、「納得感」がすべて》

最も重要なのは、リーダーが決断しなくてはいけないことのほとんどに
「正解」がないということです。

成功するかしないかは誰にもわからないからこそ、リーダーとしては
現場が納得できる「説明」をしなければなりません。

決断に至ったプロセスを論理化して伝え、迷わず走り出せるように
メンバーの心を整えることが必要です。


《リーダーに求められる「説明能力」》

いまリーダーに求められるのは、「説明能力の高さ」です。

人を動かすのは、「誰でも読めばわかるマニュアル」ではなく、
個々のメンバーの納得感・共感を生み出すリーダーの言葉です。

世代間も含め価値観の多様性が進むいま、
リーダーが説明能力を軽視していては、
チームの力を最大化することはできないでしょう。


《ビジョンは「耳」から浸透する》

お手軽にビジョンを浸透させるテクニックというものはありません。
ただ、最も有効と思われる方法をあえてあげるとすれば、
それは「リーダーが自らの声で語ること」です。

リーダーが自分の声で(口頭で)、メンバーに直接、
何度も何度も語りかけることです。


《ただの「きれいごと」で終わらせないために》

ビジョンに対して最も強い「思い入れ」を持てるのは、リーダー自身です。
だからこそ、本人が自分の声を使って直接伝えようとしない限り、
メンバーにはなかなか伝わりません。

ビジョンを表す言葉にしっかりとした「奥行き」を与えられるのは、
リーダーだけです。

ちょっとした紙を配ったり、ミーティングで一度話したぐらいでは、
リーダーの思いはまず理解されないと思ったほうがいいでしょう。

     (http://diamond.jp/articles/-/85513

        <感謝合掌 平成29年8月21日 頓首再拝>
5:伝統 :

2017/08/29 (Tue) 17:37:13


        *Web:DIAMOND onlin( 2016年2月26日)より要点の抜粋

《吉田茂元総理のエピソード》

かつて吉田茂元総理が「一流と言われる某ホテル」を訪れたときの話です。

吉田総理はホテルのトイレで手を洗ったあと、
なんと洗面台のまわりにはねた水を自分のハンカチで拭こうとされたそうです。

それを目にしたホテルの従業員は、慌ててトイレの清掃担当者を呼ぼうとしました。

すると、吉田総理がこんなふうに仰ったといいます。

「洗面台の水はねを拭くために、いちいち担当者を呼んでいては仕事にならないでしょう。
一流ホテルが一流である証は、従業員の手によって、
トイレがいつもきれいであることではありませんよ。

手を洗ったあとに、洗面台を自分で拭くのが当たり前だと思うお客様が常連であることが、
本当の一流ホテルの証なのではないでしょうか」

              ・・・

お客様もホテルで働く人たちも、互いにプライドを持ち、
互いに高め合える両者の関係こそが、一流を一流たらしめる秘密なのかもしれない。

    (http://diamond.jp/articles/-/86962

        <感謝合掌 平成29年8月29日 頓首再拝>
6:伝統 :

2017/09/06 (Wed) 19:28:26


      *Web:WOMAN SMART(2017/8/30)より抜粋
           ~出口治明氏(ライフネット生命保険創業者)

(1)中国の古典「貞観政要」にも、
   「上に立つ人間は、ポケットに鏡を入れておかなければならない」
   と書いてあります。

   カッとなったり、腹が立ったりしたら、鏡で自分の顔を見なさい、と。

(2)上に立つ人間は、元気で明るく楽しい顔をしていなければなりませんし、
   それができない人は、上司になってはいけないという考えなんですね。

   上司が元気で明るく楽しそうにしていたら、職場は楽しくなるんですよ。
   楽しくなれば、みんな頑張るんです。

   生産性を上げる一番の起爆剤は、「楽しい」ということです。
   楽しかったら、みんな、もっと楽しくしようとか、
   面白くしようとか、考えるでしょう。

   暗い顔や怖い顔をしている上司は、どんどんクビにしていけばいいんです。

(3)上司の役割とは何かというと、
   部下の能力を上手に発揮させて、成果を出すことです。

   上司というのは偉いわけではなくて、部下に好きなことをさせて、
   足らないところをフォローするのが本来の仕事です。

(4)飲みニュケーションは失格。

   そもそも、コミュニケーションは退社後ではなく、労働時間内にやるべきです。

   (https://style.nikkei.com/article/DGXMZO19998430V10C17A8000000

        <感謝合掌 平成29年9月6日 頓首再拝>
7:伝統 :

2017/09/09 (Sat) 19:33:06


            *「指導者の条件」松下幸之助・著より

指導者は同じ事でも相手により説き方を変えることが大事である。

三国志の中に有名な赤壁の大戦というのがある。
魏の曹操百万の大軍が呉を攻め、呉の国内は戦うか和を乞うかで大きく二つに割れた。

この時、劉備玄徳を主君といただく諸葛孔明は、
ここで呉が降れば天下はこのまま曹操のものになってしまう。
なんとか合戦に持ち込ませようと、自ら呉王孫権説得のため、呉に乗り込んだ。

すると呉の主戦論者である魯粛は、孔明に、
「主君に戦いを決意させるためには、魏の戦力を実際より少なめに言って下さい」
と頼んだ。

ところが、孔明は孫権に魏の兵力を尋ねられると、
「百万といっていますが、本当はもっと多く、しかも精鋭揃いです。
だからこの際和を求められた方が賢明でしょう」と答えた。

孫権も驚いて、

「それならなぜ玄徳は呉よりも弱体なのに、あえて曹操と戦おうとするのだ」

と反問した。

すると孔明は、

「私の主君は漢の皇室を復興するため、逆臣である曹操と戦うのです。
いわば大義の戦いで、勝敗は二の次です。
しかし呉が自国の安泰を中心に考えるのでしたら、和睦をお勧めします」

と答えたので、孫権も大いに発憤して、一戦を決意し、
両者力を合わせて史上に残る大勝利を収めたのである。

孫権も一世の英雄であるから、敵の兵力を少なめに言うという程度の小細工では
容易に動かないと見た孔明の思い切った説き方が成功したわけだが、
これはいわゆる”人を見て法を説け”ということを地でいったものであろう。

どんな良い考え、優れた方策を持っていても、
それが他の人によって受け入れられ、実行されなければ、それは価値無きに等しい。
そして人は必ずしも常に最善の考え、最善の方策を受け入れてくれるとは限らない。

やはり、そこに説得力というものが必要であり、
その説得力を生む一つの大きな要素は、その相手相手にふさわしい説き方をする、
いわゆる人を見て法を説くということであろう。

誰彼かまわず同じ事を言っていたのでは、決してうまくいくものではない。
人により相手によって、あるいは大義を説き、あるいは利を説き、
時に情に訴え、時に理に訴えるというように、適切に説いていくことが大切である。

ただ相手により説き方を変えるには、
やはりそれだけの知識なり体験を持っていなくてはならない。

だからそういうことのためにも、指導者は常々、色々と経験を積み、
知識を養い高めていくことが極めて大切だと思う。

        <感謝合掌 平成29年9月9日 頓首再拝>
8:伝統 :

2017/09/16 (Sat) 18:50:33


        *Web:DIAMOND onlin( 2016年2月29日)より要点の抜粋

《腑に落ちるまで「質問」をぶつけてもらう》

ビジョンを浸透させるために、メンバーからの質問を徹底的に受ける
という方法をとった企業リーダーがいます。

インターネットを使った市場調査などで知られる株式会社マクロミル(本社 東京都)の
創業者の杉本哲哉さん。

ビジョンや会社の方針について質問を受け続けるというのは、想像以上に大変なことです。

徹底的に質疑応答を繰り返していれば、感情的な応酬に発展することもあるでしょうし、
時には語気を荒げるような場面も出てくるかもしれません。

しかし、それが互いの心の奥深くで触れ合う機会となり、
ビジョンへの共感度が高まることも十分あるのです。


《本当の仲間を「選別」する》

いくら同じ会社で働くメンバーだとしても、生まれも育った環境も違う人間同士が、
理解し合うのは簡単ではありません。しかし、それを乗り越えて1つになることもまた、
チームで仕事をする喜びでもあります。

そんなチームをつくるために、時として、メンバーの選別が必要な場面もあります。

リーダーにとって、メンバーの能力の有無は、2番目3番目の問題なのです。
重要なのは、ビジョンに共感できるかどうか。
さもなくば、能力があっても必要なメンバーとは言えません。

冷酷に思えるかもしれませんが、そうした「選別」も
ビジョン型リーダーシップには必要なのです。

「選別」の尺度として、多くのリーダーに共通する答えは、「素直さ」でした。


《「同じ釜の飯」でビジョンを浸透》

合宿の機会は、リーダーのビジョンをチームで共有するうえで、とても効果的です。
海外の企業などは、こうした取り組みを「オフサイトミーティング」と称し、
世界各地のリゾート地などリラックスできる場所で終日語り合ったり、
グループワークをしたりするのがあたり前になっています。


《リーダー同士も「寝食を共にする」》

中間管理職というのはビジョン伝達の障害となりがちです。

中間管理職にあるリーダーたちは、社長と共にする時間がさほど多くないうえ、
目標などを受け止める立場ですから、どうしてもビジョンの共有よりも、
ノルマや数字の下達に重きを置きがちになってしまう。

そこで、あえて「社長と管理職の合宿」をするようにしている会社があるのです。

「同じ釜の飯を喰う」―古い言葉ではありますが、
その価値を見直し、実践している組織が増えています。

    (http://diamond.jp/articles/-/85514

        <感謝合掌 平成29年9月16日 頓首再拝>
9:伝統 :

2017/09/23 (Sat) 17:41:25


        *メルマガ「人の心に灯をともす(2017年09月23日)」より

   (信和義塾大学校、中野博氏の心に響く言葉より…)

   未来が見えていない経営者の会社は倒産します。
   大企業であっても、今の時代は倒産します。
   実際、この20年間で30を超える大企業が倒産しています。

   中小・零細企業に至っては、毎年1万~1万5000件以上、
   データが取れない夜逃げや休眠会社を含めると3万件が倒産している
   と分析できます。

   これらは、計画倒産を除けば未来が見えていなかったために起きたことです。

   未来を考え、未来を指し示し、それを実践していくことが指導者の条件ですが、
   ここで、あなたに考えて欲しいことがあります。

   未来を指し示す指導者の見極め方です。

   例えば、アメリカの大統領選挙や世界の通貨の為替変動、株式相場の予想や
   地元の商店の浮き沈み、さらにはあなたの生活に至るまで、
   「帝王学」を学ぶまでもなく、ある程度未来を予測する方法があります。

   それは、「あなた自身が未来志向か否か? 」ということにかかっています。

   つまり、あなた次第なのです。

   もし、あなたが未来志向なら、あなたは未来を予測するために
   アンテナを立て(関心を持ち、興味を抱くこと)、
   未来を考えるのに必要十分な情報を収集して、
   それを分析し続ける思考トレーニングができているはずです。


   常に未来を意識して思考トレーニングができているか否かで、
   未来はまるで違ったものとなります。

   簡単に未来を悲観したり、現在を嘆いたり、過去を悔やんだりしてはいけません。

   それは、すべて、あなたの自身の内面にある心がつくり出していることだからです。

   「心」というと分かりにくい方は、あなたの思考や口癖と理解してください。

   あなたの口癖には、あなたの心のあり方が反映されてしまっています。

   なぜなら、どこに行っても、何をやっても、誰とつき合っても、結婚しても、
   あなたは永遠にあなた自身の心からは逃げられないからです。

   あなたのことを一番知っているのは、あなた自身なのです。


   では、あなたの未来を考える上で
   必要な指導者についてさらに考えていきましょう。

   「指導者」(リーダー)として人の上に立つからには、
   自我(自分だけの都合を考えること)や
   自我欲(自分だけが得する欲望)をなくし、

   《利他の精神》(他人の利益を考えて配慮でき、実践しようとする
   美しい愛の大きな精神)を持って、

   未来を見つめ、未来のあるべき方向性を考え抜いて判断し、
   未来志向で行動することが必要なのです。

   これができる人間こそが、真の指導者と呼べます。

   もし、今あなたがついている指導者が未来を見ることができず、
   自我欲が強い場合には、早めに離れることをすすめます。

       <『成功者はなぜ、帝王学を学ぶのか』現代書林>

              ・・・

未来志向とは、
未来に目標を定め、楽観的で、前向きで、ポジティブに思考すること。

うれしい、楽しい、愉快だ、幸せ、ついてる、ありがとう
という言葉で満ちあふれている。


その反対は、過去志向。

過去を振り返って、いつも悲観的で、ネガティブに思考すること。

愚痴や、不平不満、泣き言、悪口のオンパレード。


未来に向かってアンテナを立てれば、未来が見える。

具体的にいうなら、それは、IT、AI、ロボット、といった
先端の情報を常にとり続けることであり、それに少しでも触(ふ)れること。

それを長く続けるには、好奇心や、遊び心があるといい。


また、自我欲が強い人は、指導者には向いていない。

公平無私の利他の精神が必要だ。


未来に向かってアンテナを立てたい。

        <感謝合掌 平成29年9月23日 頓首再拝>
10:伝統 :

2017/09/25 (Mon) 19:48:07


         *メルマガ「戦略経営の「よもやま話」」(2017年09月24日)より

《リーダーの第一の“責任”は実情を正確に把握すること 》

カルロス・ゴーンさんが「メール、電話、手紙とコミュニケーションの手段が
ありますが、どれが最良の手段だと思いますか。」と問われた時に、答えたのが

「個人的には直接対面がいいですね。実際に会うのが一番ですが、
時間がなければテレビ会議でもいい。」と言い、

何故なら「心構え、姿勢、共感能力などはメールではわからない。」

からだとしており、ここにマネジメントの「コツ」が垣間見えます。

これは、GEのジャックウェルチが研修センター「クロトンビル」において、
従業員に直接対話を通じて「自分の思い」を伝えようとしたことに
一 脈通じるものがあります。
 
さらに「伝える」ことだけでなく、重要なこととして
「知る」ことや「教わる」ことの重要性を充分に承知していたからです。

  
「知る」こと「教わる」ことについて、松下幸之助さんは徹底しており、
新入社員であろうと誰であろうと「君、これについてどう思う。」と
問いかけるのを日常としていたそうです。
  
そのことを「衆知を集める」として、
自身が物事を判断するための重要な「智恵の源泉」にしていました。
ただし、最後の「意思決定」は誰に頼ることなく、独裁で行いますが。


カルロス・ゴーンさんに戻りますが、1999年に起死回生の切り札として
ニッサンに来た時に、まずしたことは

「予断を持たずに“ありのまま”の現状を把握することと」と
「衆知を集める」と
「人材探し」でした。

最初の数か月は日産をあらゆる角度から研究するとして、
あらゆる現場を訪れて1千以上の人に会い情報収集・交換を行いました。
  
その時に

「どこがうまくいっていると思うか。」
「何がうまくいっていないか。」
「どうしたらもっとうまくいくか。」

を尋ねて回りました。
  
そのような情報収集を経て、当時の状況を理解したうえで
練り上げられたのが「日産リバイバルプラン」です。

「正しく判断する経営者は、こうあれかしという希望をもたず、
感情を混ぜずに現状を把握します。」

なぜならこれなくして「あるべき地点」に至らしめる方策「ビジョン」を
構築する基盤ができないからだとしています。
 
ここまで書いて行くと、読んでいただいている方たちが
疑問に持たれるのではないかと思われる一点があります。
  
それは「経営者自らが、何故悠長に情報収集しなければならないのだ」と
いうことで、前任者に聞けばいいのではないかということです。

  
ここがいつの時も重要なのですが、
経営者自らが自身の感性でいつも“ありのまま”を管掌できなければ
「打つ手が妄想」になってしまうからです。

判断は他の人に委ねられないのだから、その基礎になる「現状の把握」を
自分自身の五感を通して客観的につかまなければ「事は始まらない」。
  
経営者の「仕事」は現状の基づいて判断し、あるべき理念、
価値観(バリュー)を浸透させ、希望であるビジョンにより奮い立たせて、
適材を抜擢し動機付けして強力に実行させることとなります。
  
正しく勇気を持って意思決定するのが経営者の「仕事」で、
これを他人に委ねたら企業は漂流し沈没します。  
  
“リーダーシップ”について、ゴーンさんはこのように言っています。
  
「“リーダーシップ”は『実践する』ことで学ぶのです。
状況が困難であればあるほど学ぶものが多い」。

「リーダーであるということは、基本的な“責任”を負うということでもあります」。
  
「第一の“責任”は実情を正確に把握することです。」と言っています。

「日産リバイバルプラン」は、多くの現場を巡り多くの人から聞いた現実を
元として、社内の若手・中堅幹部を中心としたクロスファンクショルナル
(部門横断的)チームを発足させ委ねてまとめたものです。
  
それは「新しき葡萄酒を古いき革袋に入るることは為じ、
新しき葡萄酒は新しき革袋に入れ」の故です。

(中略)

また、松下幸之助さんの言葉を引き出しますが、このように言っています。
  
「部下に大いに働いてもらうコツの一つは、部下が働こうとするのを、
邪魔しないようにするということだ。」と。  

        <感謝合掌 平成29年9月25日 頓首再拝>
11:伝統 :

2017/09/27 (Wed) 17:19:46


         *メルマガ「戦略経営の「よもやま話」」(2017年09月24日)より

ゴーンさんは著書「ゴーン道場」のなかで「共感能力」「モチベーション」
の2つのワードをマネジメントのエッセンスとして語っています。

人は、命ぜられたからと言って情熱的に仕事をすることなどはありません。

人が、情熱的に仕事をしようとするのは自身の「欲求(ニーズ)が
満たされているか、満たされる機会だと確信した」その時のみです。
  
ゴーンさんの強みは、天性の性格と若くして奮い立てる経験を
多く持てたことで、その時の気概と自信が「知恵の基盤」と為さしめています。
  
 
悩みや苦しい中にあって“共感”を持って理解され、
道を示され機会を与えられて動かない人などは稀でしょう。
  
自ら歩み寄り「どうして、入社したの」「将来どうしたいの」と問いかけ、
特に「素直で、向上心がある」若い人達の考えや思いに寄り添って、
危機の中にあって運命を逆転させる機会を与えるとともに支援を行うのです。

企業が指針とすべき価値観を示し、その価値観に共感を求めます。
価値観と指針と行動規範を立てて示すのは、経営者の専権責任です。

経営者のなすべき仕事の手順は「魅力的なビジョンを描き、組織の末端まで
根気よくもれなく伝える。」ことです。
  
ビジョンは共有されていなければ動けない、
目標を理解しなければ動けない、
それは魅力的なものでなければ実行しようとは思わない。

信頼できる計画をつくりあげて、具体的な解決策については優先順位をつけて
シンプルかつ明確で説得力があるようにまとめあげて行きます。
何故なら、最も重要なことがらに対応して限りある経営資源でもって
効果的に実行されなけれならないからです。

さらに、成功への評価指標、判断基準をはっきりさせること。
実績を振り返る指標があれば、どういう面で成果が出ているのか、
どのあたりで不足があるのかが示されて、その指標が明確で
かつ時間が区切られていたならば自分の貢献度が分かるはずです。

メンバーを選ぶときは、まず「信頼しているから選んだ。」と伝え、
なぜ信頼しているかを説明し、そのうえで
「君に達成してほしい目標はこれだよ」と伝えるのです。

これら提言は、まったく「ドラッガー基準」のそのもので、
ただ継続学習の項目が述べられていないだけで、
  
<働きがいを与えるためのドラッガー基準>
仕事はそのものに責任を持たせなければならない。
そのための条件は、
   1.生産的な仕事
   2.フィードバック情報
   3.継続学習 
    
  
ここまで話をすすめると、気がかりを持たれるのではないでしょうか。
  
こんな細部まで行わなければ、経営できないのかということです。
  
そうなのです。

そこまでしなければ完全な企業活動とは言えないのです。

ただ、経営者のしなければならないのは基本をつくることで、
細部は委ねた現場の人材に大きく権限を委譲しともに知恵と知識を交換します。
  
あとは目標基準に基づいて評価して、目標に達していなければ
その原因を明らかにしてしかるべき対策をともに考えて実行します。

評価基準の目標は、ストレッチ(背伸び)します。
それを達成できるように協働するチームを構築し、
あらゆる支援を行って、成果を確実に達成できるようにします。
  
その困難の経験の中からこそ、企業文化とネットワークが構築され、
人材の育成がはかられて行きます。

ゴーンさんが言います。
マネジメントとは人々にやる気を起こさせ、サポートし、
企業がどこに向かっているのかを理解させることで。

優秀な管理職とは、コーチのようなものだとしています。
ルールを知りメンバーと相談もするし、判断を下したり、
困っていたら人員交代の指示をしたりするのだとしています。

リーダーの資質とはモチベーションを喚起すること、信頼を得ること、
成果を示すことであって。

そして、リーダーシップの本質とは、チャンスを与えること、
人の持つ可能性を解放してその人の可能だと思えるそれ以上のものを達成させること、
そのことについて手伝いをすることだとしています。  
  
ゴーンさんがなした「仕事」とは、崩壊の危機にあって行き場も分からず
困惑している優秀な能力と膨大なエネルギーを、再生の道筋を示し
かつ活用することで一気に再生を確信させ解き放ったことでした。

ゴーンさんは、

「日産リバイバルプランを成功させるためには、どれだけ多くの努力や
犠牲、痛みが必要になるか、私にも痛いほどわかっています。
でも信じてください。ほかに選択肢はありません。
そしてこの計画は挑戦するに十分に価値あるものです。」

とメッセージを送りました。
  
そして「リバイバルプラン」においては達成がコミットメント(必達目標)
されいて、達成できなければ役員全員が退陣すると公約もされました。
この時のコミットメントは、それ以上の業績で達成されました。 

        <感謝合掌 平成29年9月27日 頓首再拝>
12:伝統 :

2017/09/30 (Sat) 21:12:50


          *「リーダーの易経」竹村 亞希子・著からの要点の紹介です。

(1)この書では、真のリーダーはどうあるべきか。
   部下に一目置かれるリーダーになるには、どう行動するべきか。
   易経が教える「リーダー像」を龍の成長過程を通して、まるごと一冊で紹介しています。

(2)リーダーとして一番重要なことは、大自然の原理原則にならって、
   社会に恵みの雨を降らせ、物事を通じさせ、社会に一大循環を起こすことです。

   つまり、時流を追って、もっともっとと利益を追うことだけを考えるのは、
   リーダーとして失格である。

   真のリーダーは、時流に流されるのではなく、
   時中、そのときにぴったりのことを行なうべきなのです。

(3)易経は占いの書であると同時に、帝王学の書として、
   儒教の経典「四書五経」にあげられており、
   古代の王様は、常日頃、易経を手元に置いて学んでいました。

   変化をいち早く察知して、先々を判断できることが
   リーダーの条件とされていたからです。

(3)乾為天 ~6段階の成長過程

   乾(けん)は、元(おお)いに亨(とお)りて貞(ただ)しきに利(よ)ろし

   第一段階:潜龍(せんりゅう)
   第二段階:見龍(けんりゅう)
   第三段階:乾惕(けんてき) 

   第四段階:躍龍(やくりゅう)
   第五段階:飛龍(ひりゅう) 
   第六段階:亢龍(こうりゅう)


   地に潜み隠れていた龍が、ある過程を経て、大空に昇って飛龍になり、
   やがて衰退していくまでの物語が書かれています。

   ここには物事の成功条件と失敗条件が書かれています。

   「ここに書かれているある変化の法則をしれば、占わなくても、
   将来を見極めて自分で出処進退が判断でき、さらには問題が起こる前に、
   その兆しを察知できるようになる」


  ①潜龍時代に最も大切なことは、しっかりとして、
   抜きがたい、ぐらつかない志を打ち立てることです。

   「確乎不抜(かっこふばつ)」とは、すべては志から始まるのだから、
   しっかりとした志がなくては何も始まらないということを教えています。

   厳しくいえば、志がなければ、この後の成長はありません。


  ②見龍の段階で最も重要な課題は、「基本の型」をつくることです。
   見て、真似る、受け容れる、聞き従う、これが見龍の時にすべきことです。
   それ以上のことをする必要はありません。

   師が教えることをひたすら繰り返し真似て覚える。
   そうやって、見龍はまず社会での立ち方、歩み方の基本を学ぶ必要があるのです。


  ③「乾惕は反復の道なり」と易経は教えています。

   毎日毎日、反復することでプロとしての自覚が芽生えてきます。
   そして、引き受けたことをきちんとやり遂げていく中で、
   問題意識や、問題を発見する能力が高まります。
   そして、次にはより確かな仕組みをさらに工夫するようになります。

   繰り返し反復することで、必ず技の創出へと到達することができると教えています。
   ここでようやくプロとしての水準に達するのです。


  ④躍龍は飛龍になるためのシミュレーションをしながら、機が熟すのを待つ時です。
   シミュレーションとはいっても、リハーサルではありません。

   乾惕の段階では失敗に学ぶことができましたが、ここでは失敗は許されないのです。ま
   ちがいなく成し遂げるための機を観る、本番さながらの真剣な訓練ですから、
   集中力と緊張感がともないます。


  ⑤飛龍は雲を引き連れて、社会を潤し、
   人々が喜び、成長していくような働きをしていきます。

   雲とは、リーダーに従う人々、会社組織でいうと従業員です。
   飛龍がその時の機を捉えると、雲が雨を降らせて、社会を循環させていきます。


   飛龍の時代は勢いのある華やかな時代です。
   いわば飛龍は台風の目のような存在で必要なものが吸い寄せられるように集まってきます。

   飛龍のもとには、必要な時に最適なものが向こうから飛び込んできて、
   自分が気付かないことまで揃ってくるのです。


  ⑥亢龍の「亢」は、高ぶるという意味で、驕り高ぶった龍ということです。

   龍の顎の下には逆鱗がありますから、
   リーダーが権力を誇示して、人の意見に耳を傾けなくなると、
   従う人たちは逆鱗に触れたくなくて、本当のことをいわず、近付いてこなくなります。


(4)リーダーが学ぶべき原理原則とは、大自然の変化の法則です。

  ①それは春夏秋冬、朝昼晩のめぐりであり、
   火は上に燃え上がり、水は下に向かって流れるという、
   誰もが知っている当たり前のことです。

   しかし、ここに人としての生き方、社会の道理の根本があると教えています。

   易経はこの原理原則に学び、それに則る者しか龍にはなれないといいます。


  ②それが良い変化であれ、悪い変化であれ、変化こそが私たちの成長の糧

   「型がある人間が型を破ると型破り、型がない人間が型を破ったら形無しだ」(無着成恭)


  ③兆しを観るのは、霊感、直感ではなく、「直観」


  ④幸福を全部、享受しない、むさぼらない。あとに残して取り尽くさない。
   また、人に分け与え、譲り、たまには損をしたり、負けたりするということです。

   そして順風満帆な時ほど、わざと不足をつくり出すよう、
   「惜福(せきふく)の工夫」をしなさい。

  ⑤春夏秋冬、必ず始まりと終わりがあります。
   易経は、この終わりがあるということが、何とありがたいことかと教えています。

   飛龍になると、自分がいなくなった組織を想像することや、
   地位を失った自分のことなど、考えたくもありません。

   しかし、人生の終わりを受け容れた時、はじめて自分の役割を本気で認識できるのです。
   そして龍の滞空時間も、終わりを知ると、さらに長ずることができるのです。

        <感謝合掌 平成29年9月30日 頓首再拝>
13:伝統 :

2017/10/02 (Mon) 18:28:18


         *座右の書『貞観政要』 中国古典に学ぶ「世界最高のリーダー論」
          出口 治明 (著)  より

(1)「権限の感覚」を持っていたこと

   臣下にいったん権限を与えたら、その権限は臣下のものです。
   皇帝といえども口出しすることはできません。
   それが、仕事を任せるときのルールです。

   いやなら、その部下を更迭すればいい。
   それをせずに口出しすれば、「組織」が「個人商店」になってしまいます。

   皇帝は絶対的な権力を持っています。

   ですが、「ここからここまでは、自分で決めていい」と権限を与えて
   部下に仕事を任せたのなら、たとえ皇帝であっても、
   部下の決定に従わなければなりません。


   皇帝が自分勝手に権力を行使すれば、
   人民や臣下を疲弊させ、やがて裸の王様になってしまう。
   太宗には、そのことがよくわかっていました。

   高い地位に就いた人間が、裸の王様になれば、
   君主の一言一句に組織が振り回されるようになり、同質化します。

   そして同質化した組織は、やがて時代の変化から取り残されてしまいます。


(2)臣下の「諫言(かんげん)」を得たこと

   太宗は、諫言する部下を積極的に登用していました。
   諫言とは、上司の過失を遠慮なく指摘して忠告することです。

   『貞観政要』に登場する太宗の側近は、魏徴(ぎちょう)をはじめとして、
   太宗を数えきれないほど諫(いさ)めています。

   太宗は、自分を殺そうとした人物さえ、その能力を認め、側近として任用しています。
   臣下の忌憚(きたん)のない諫言を聞き入れることで、
   裸の王様にならないように努めたのです。

   太宗は、臣下の諫言を積極的に受け入れ、彼らの批判に耐えることで、
   自らを鍛え上げていきました。

        <感謝合掌 平成29年10月2日 頓首再拝>
14:伝統 :

2017/10/03 (Tue) 21:17:50


         *座右の書『貞観政要』 中国古典に学ぶ「世界最高のリーダー論」
          出口 治明 (著) より

『貞観政要』の中には、正しい意思決定をするために、
次の「三鏡」を持つべきという教えがあります。


   「太宗(たいそう)、嘗(かつ)て侍臣(じしん)に謂(い)ひて曰く、
   夫(そ)れ銅を以て鏡と為(な)せば、以て衣冠(いかん)を正す可(べ)し。

   古(いにしえ)を以て鏡と為せば、以て興替(こうたい)を知る可し。

   人を以て鏡と為せば、以て得失を明(あきら)かにす可し。

   朕(ちん)常に此(こ)の三鏡を保ち、以て己(おの)が過(あやまち)を防ぐ」

                    (『貞観政要』巻第二 任賢第三 第三章)


三鏡とは、銅・歴史・人の3つの鏡です。

(1)銅の鏡で、自分を映し、部下が自然についてくる
   「いい表情」をしているかをチェックする。

   鏡に自分を映し、元気で明るく楽しい顔をしているかチェックする。

(2)歴史の鏡で、過去に照らして将来に備える。

   過去の出来事しか将来を予想する教材がないので、歴史を学ぶ。

(3)人の鏡で、厳しい直言や諫言をしてくれる部下を大切にする。


これらの3つの鏡、つまり、今の自分の表情(状況)、歴史、
第三者の厳しい意見を知ることがリーダーには不可欠である、ということです。

        <感謝合掌 平成29年10月3日 頓首再拝>
15:伝統 :

2017/10/04 (Wed) 18:08:29


         *座右の書『貞観政要』 中国古典に学ぶ「世界最高のリーダー論」
          出口 治明 (著)  より

(1)組織はリーダーの器以上のことは何一つできない。

   そうであれば、有限の「器」の大きさしか持てない
   生身の人間(リーダー)にできることは、
   自らの器を捨てる、あるいは必死に消すことしかない。

(2)リーダーは、情実や好き嫌いで話を聞く相手を選んではいけません。

  ①リーダーは、自分にとって都合の悪いことを言ってくれる部下をそばに置くべき。

   部下の諫言(苦言)を受け入れる努力を常に怠らないようにしないと、
   裸の王様となり、自分の本当の姿が見えなくなってしまう。


  ②部下は、茶坊主になってはいけない。
   上司におもねってはならない。

   他人は知るまいと思っても、悪事(ウソ)は必ずいつかは露見する。
   だから部下は、自分の信念に従い、勇気を持って正しいと思うことを
   上司に諫言すべきである。

(3)“清潔すぎる人”は他人を息苦しくする。

(4)ベンチャー企業を創業するには、「天の時、地の利、人の和」が必要です。

(5)リーダーが舟で、部下が水。
   舟は水次第で、安定もすれば転覆もする。

(6)リーダーは常に勉強し続けなければいけない。

(7)何もしないのが理想のリーダーである。
   熟慮した上で人材配置を決めたら、後はいったん部下を信頼して任せる。
   余計な干渉や口出しをせずに部下を放し飼いにできるリーダーこそ、理想のリーダー。

(8)上司は部下の権限を代行できない。
   これが、権限を付与するときの基本的な考え方。

   ひとたび権限を委譲したら、その権限は部下の固有のものであり、
   上司といえども、口を挟んではいけない。

(9)人事権をちらつかせて、半ば強制的に部下を動かすのと、
   部下に権限を委譲し、仕事を任せ、動いてもらうのとでは、
   天と地ほどの差がある。

   人間は平気で面従腹背できる動物。
   リーダーは、熟考を重ねた上で、水(部下)を正しい器に入れる必要がある。

(10)本当に大事なことだけを覚え、本当に大事なことだけを話す。
   上に立つ人には、自分がやるべき仕事の範囲を把握する能力が必要。
   これも重要な権限の感覚、秩序の感覚のひとつ。

   自分の職務(機能)に関係があるものとないものの範囲を正しく理解して、
   関係がないことは聞かない、見ない、そして口に出さない。
   それが、部下を伸び伸びと働かせ、かつリーダーが心身の健康を保つ最善策である。

(11)物事は見る角度によって善にもなり、悪にもなる。
   したがって、物事を公平に、客観的に評価するためには、
   さまざまな視点からの意見を集める必要がある。

(12)リーダーは「話を聞く相手」を選んではいけない。
   リーダーには、相性の悪い人、嫌いな人、厳しいことを言う人の
   意見にこそ耳を傾け、それを正面から受け止める姿勢が求められる。

(13)リーダーは部下が「瓦タイプ」か「鉄タイプ」かをよく見極めたうえで、
   相手に適した磨き方をする必要がある。

   瓦タイプは、じっくり育てた方が伸びるタイプ。
   瓦タイプをたたいてしまうと割れてしまう。

   一方、鉄タイプは叩いた方が伸びるタイプ。
   重い仕事で負荷をかけると、鉄よりも強い鋼に変わる。
   ただし、鉄タイプであっても叩きすぎると壊れてしまう。
   鉄タイプの人を叩くときのコツは、その人の逃げ道を作っておくこと。

(14)部下は上司の表情を観察している。
   上司が不機嫌な表情をしていると部下は寄ってこないので、
   情報が入ってこなくなる。

   情報が入ってこなければ、正しい判断はできない。
   だから上司は、部下が話しかけやすいように、
   いつも元気で、明るく、楽しそうに、ニコニコ笑っていなければならないのだ。

(15)部下が上司に進言するときは、
   「逆鱗に触れない工夫」と「逆鱗を恐れない気概」の2つが必要。

(16)(出口さんの)以前の職場の上司から、
   「書類に少しくらいのミスがあっても訂正するな」と言われた。

   理由を尋ねると、
   「言葉というものは、そう簡単に取り消せるほど、軽いものではない。
   だから、すぐに訂正すれば、軽く見られてしまう。
   今出したばかりの文書をすぐ直せば、今後、企画部が出す文書に対して、
   まだ訂正があるのではないか、とみんなが疑うようになる。

   もちろん根本が間違っていたのならすぐに訂正しなければいけない。
   けれど、大勢に影響のない小さなミスなら、直してはいけない。
   一度出した以上は、これが正しいと、突っぱねろ。

   そのかわり、同じ間違いを2度したらクビにするからな(笑)」

(16)ころころと意見が変わるリーダーは決して部下から信用されない。
   口に出す前に、集中して深く考える。

   自分の言葉によって引き起こされる事態を想定して、
   その準備や覚悟ができているかを自分に問う。

   一度口にしたことには徹底して責任を持つ。
   そして、あとから意見を変えない。

(17)時間軸を正しく設定するのもリーダーの重要な役割。
   この案件は1年で判断するのか、5年で判断するのか、10年かかる案件なのか、
   それを決めるのはリーダーである。

   上に立つ人は時間軸を自由に使える権限を持っている。
   だからこそ、その事象をどのくらいの年次で判断すべきなのかを冷静に考え、
   正しく時間軸を設定する必要がある。

(18)感情が振れたときには、工夫して心をフラットな状態に戻すこと。
   工夫とは「寝る」ことと「寝かせる」こと。
   つまり、睡眠をとることと、時間をおくこと。

(19)人間がどんな動物でどんな知恵をもっているか、
   どんな構成要素で社会が成り立っているかを知り、
   人を使うことに関するケーススタディをたくさん勉強する。

   優れた小説を読み、歴史を学び、社会を学ぶ。

(20)上司が本心から「これをやりたい」と思い、
   自分の信念から発した指示であれば、部下には必ず伝わる。

   一方で、上司が思いつきで、信や誠のない指示を乱発していたら、
   部下が言うことを聞くはずがない。

(21)好き嫌いを隠すよりも、好き嫌いに関係なく部下には
   平等(フェア)に接することの方が大切。

   いくら好き嫌いを隠しても、
   上司の感情は部下には筒抜けになってしまうもの。

(22)部下が自分のことを信頼してくれているから、
   自分も部下を信頼するのではない。順番が逆。

   上司が部下を信頼するから、部下は上司を信頼してくれるのだ。
   この秩序の感覚はリーダーにとって、とても大切なセンス。

(23)何か物事を決めるときは、感情をベースにしてはいけない。
   数字・ファクト・ロジックで正しいと思うことを、
   嫌われようが文句をいわれようが、きちんと主張すべき。

(24)遊牧民の十進法=ひとりの人間が管理できる部下の数は10人が限度。

(25)国の法律も、会社のマニフェストも、シンプルで、わかりやすく、
   簡単で、煩雑でないようにすべき。
   そうでないと解釈に幅が生じ、組織の規範たり得ない。

   そして、一度つくったら、何度も作り変えてはいけない。

(26)太宗が「天下を以て心と為し」と第一に天下のことを考えたように、
   職員は、「組織を以て心と為し」と考える。

   派閥や組織内の利害ばかりを気にするのではなく、
   組織を良くするためにこそ自分の能力を使うべき。

(27)これからのリーダーに必要なのは4つの力。

  ①強く思う力、
  ②共感する力、
  ③統率する力、
  ④正しく決断する力。

        <感謝合掌 平成29年10月4日 頓首再拝>
16:伝統 :

2017/10/05 (Thu) 20:11:32


            *「指導者の条件」松下幸之助・著より

指導者は人を得るためにはまず強く人を求めることである。

三国志に出てくる劉備玄徳は、漢の皇室の末とはいえ、家は落ちぶれて貧しく、
むしろを織り、それを売って糊口をしのぐという姿であった。

そうした彼が漢室再興の志を立て、ついに蜀帝となるに至ったのは、
一つには多くの人材がその元に集まったからであろうが、
その中でも諸葛孔明を得たことが一番大きいとされている。

孔明は若くしてその才が高く評価されていたが、大志を抱きつつも
自らは主君を求めず、草深い地に住み、いわゆる孤高を保っていた。

その草廬を劉備は三度訪れ、礼を尽くし、
誠を訴えて自分に力を貸してくれることを頼んだのである。
その劉備の熱意と誠意に孔明も感激して、ついにその元にはせ参じた。

劉備は「自分が孔明を得たのは、魚が水を得たようなものである」と言って喜んだ。
劉備があまり孔明を優遇するので、武勇に秀でた部下達は最初は不満を抱いたが、
孔明の優れた軍略が次々と勝利をもたらすのを見て心服し、
孔明を得て、劉備の事業は急速に進んだのである。

何も劉備の場合に限らず、”国を興すも人にあり、国を倒すも人にあり”とか
”事業は人なり”と言われるごとく、事を成すに当たって、
人を得るかどうかは極めて大事なことである。

それによって事の成否は決まると言っても良いほどである。

それではその”人”はどうしたら得られるのだろうか。

これは大きく言えば、運とか縁ということが考えられるが、
やはり求めのある所に人は集まってくるのだと思う。
ただなんとなく優れた人材が集まってくるというようなことはまずあり得ない。

全てのものは要求のある所に生まれてくるものであって、
だから指導者に強く人を求める心があってこそ、人材も集まってくると言えよう。

劉備はそういう求める心の強い人だったのだろう。
だから、他の家臣が「それほどまでにしなくとも良いではないか」と言うのに、
あえて自ら草深い茅屋を三度訪れ、孔明を誘ったのだと思う。

そうした劉備の人を求める心が孔明を動かし、
またその他あまたの勇将、賢臣をして彼の元にはせ参じたのだと言えよう。

世上、人材の不足を嘆く指導者も少なくないようだが、
その前に自らどれほど強く人を求めているかを
自問自答してみる必要もあるのではなかろうか。

        <感謝合掌 平成29年10月5日 頓首再拝>
17:伝統 :

2017/10/07 (Sat) 20:32:30


        *Web:DIAMOND onlin( 2016年3月2日)より要点の抜粋

リーダーの「唯一・最強」の仕事道具とは?

《何度もビジョンを「振り返る習慣」をつくる》

(1)メンバーに新人教育を担当してもらい、ビジョンを意識する機会をつくる。

(2)ビジョンを浸透させる方法として、クレドがあります。
   ただし、クレドをつくったり配ったりするだけでは、
   ビジョンが浸透することはまずありません。

   クレドはビジョンを思い出すための補助ツールでしかなく、
   これを配りさえすればビジョンが共有されるというほど簡単なものではないのです。

(3)ある企業では、「現場レベルで何らかの決断を下すときには、
   必ずクレドカードを見る」というルールが設けられていました。


《「社外の人」の言葉の力を借りる》

(1)ビジョンや会社の方向性を伝える際の一種のテクニックとして、
   外部の人間の力を借りるという方法も考えられます。

   外部の人に「あなたたちの仕事って、こんな社会的な意味があるんですよ」
   と伝えてもらう。

(2)組織やチームのビジョンに共感するのは、内部のメンバーだけではありません。
   外部の人間もビジョンに共感します。

   ですから、自分たちのビジョンに共感してくれる外部の人がいたならば、
   積極的にメンバーと交流してもらうといいでしょう。


《リーダーにとって唯一の仕事道具は「言葉」》

(1)ビジョン伝達力の本質とは「言葉の力」です。
   リーダーの唯一かつ最強の仕事道具は「言葉」なのです。

(2)リーダーは「リーダー自身の言葉が持つ力」に自覚を持つことです。
   リーダーは、誰よりも言葉に敏感でなければなりません。

(3)つねに誠実かつ正しい言葉を使うことは、
   リーダーが心がけるべき最重要事項です。

   また、広く共感を呼ぶようなビジョンを言語化するには、
   研ぎ澄まされた言葉の力が必要です。

   言葉こそがリーダーの力の源泉であり、言葉の修練はリーダーに不可欠なのです。
   
   (http://diamond.jp/articles/-/85515 より抜粋)

        <感謝合掌 平成29年10月7日 頓首再拝>
18:伝統 :

2017/10/10 (Tue) 19:06:39

          *Web:宇惠一郎の「歴史に学ぶリーダー論」(2014.07.15)より

15世紀後半のイタリア・フィレンツェにロレンツィオ・デ・メディチという男がいた。

各地に国が乱立割拠する当時のイタリアで、共和国フィレンツェは
ヨーロッパの金融を取り仕切るメディチ家を中心にして、
多くの芸術家たちを保護しルネッサンスの華として繁栄を誇っていた。

ロレンツィオは20歳でメディチ家の家督を継ぎ国政を取り仕切ることになった。
9年後、そのフィレンツェを危機が襲う。

ロレンツィオを宗教的権威にたてつく法敵と見たローマ法王が、
ナポリ、ミラノ、ベネチア、ジェノバの四都市の軍で包囲したのだ。

フィレンツェは1年半の間よく抵抗したが、法王庁は宗教的権威で締め付け、
4か国軍の攻撃で、もはやこれまでかと思われた。

 
そこでロレンツィオは意外な手にうって出る。
市評議会にも諮らず、商人姿に身をやつし従者を連れて秘かに市を抜け出した。

向かった先は反フィレンツェの急先鋒のナポリ。

突然、王城の城門に現れた宿敵の姿にナポリ王のフェランテは度肝を抜かれる。

残虐で知られるフェランテに、ロレンツィオは「話がある」と切り出した。

「異教徒のトルコはコンスタンチノープルを落とし、イタリアに迫っている。
われわれが仲たがいしている場合ではない」

「さらに」とロレンツィオは言葉を継ぐ。

「法王庁を増長させれば、次は国境を接するナポリを攻めるに違いない」。
お分かりか、とまで言わなくとも、フェランテには思い当たる節がある。

実際にトルコ軍はイタリアに向けて動き出していた。
「この剛胆な男を使わぬ手はない。ここは恩を売って味方にしておけば、
メディチ家の財も役に立つ」とフェランテは考えた。

いったんは投獄したロレンツィオを解放し急ぎ講和を結ぶ。

法王を説得して四か国軍は包囲を解いた。

ロレンツィオは、どちらかというと醜悪な面相の男だったと伝えられる。
しかしその人柄は、一度会うと相手を虜にしてしまう
不思議な魅力にあふれていたという。
対面した暗殺者が剣を納めたこともあった。


子供のころから哲学と文学に秀で、雄弁術にたけていた。
「人たらし」の才に満ちていたからこそ、窮余の策が人を動かした。

敵地に飛び込んで虎の子を得るか、
ただの蛮勇(※向う見ずの勇気)に終わってしまうかは紙一重。

剛勇が必ず好結果を呼ぶとは限らない。

それを分けるのは、智謀のあるなしではなく、「人間力」なのだ。

http://www.jmca.jp/column/leader/leade%EF%BD%9226.html

        <感謝合掌 平成29年10月10日 頓首再拝>
19:伝統 :

2017/10/14 (Sat) 20:10:05


        *メルマガ「人の心に灯をともす(2017年10月14日)」より

   (伊藤肇氏の心に響く言葉より…)

   《出処進退の爽やかさ》

   住友軽金属社長の小川義男が社内改革を目的とした大人事異動をやろうとして、
   いろいろ思案している最中にふと思いたって、朱子が編纂した
   『宋名臣言行録』を開いて読み進んでいくうちに「うーん」とうなった。

   こんな一節にぶつかったからだ。


   北宋の革新官僚、王安石がいわゆる「王安石の新法」を施行するにあたり、
   妙に才気走った小器用な奴ばかりを要職につけるので、
   心配した司馬光がその理由を問うと、

   「最初は才力ある人物を使って、しゃにむに新法を推進させ、
   ある程度、目鼻がついたところで老成の者に交替させて、これを守らしめる。
   いわゆる智者はこれを行い、仁者はこれを守るなり」

   と胸を張った。

   ところがそれをきいた司馬光は途端に
   「ああ、安石誤れり…」と叫び、痛切な忠告をする。

   「君子は顕職(けんしょく)につけようとしても、遠慮して、
   なかなかこれを受けないものである。だが、そのポストを辞めろ
   といわれたときには、さっさと身をひき、出処進退が実にきれいだ。

   これにくらべて、いかに才智があっても小人はその反対で、
   一度得た地位はトコトン執着して放さない。

   もし、そいつを無理やりに辞めさせでもしたら、
   必ず恨みをふくみ、仇をなす。
   だから、今のような人事をやったら、他日、お前は臍(ほぞ)をかむことになるぞ」

   しかし、功にはやる王安石は馬耳東風ときき流した。


   結果は馘首(かくしゅ)した小人に讒言(ざんげん)されて失脚、
   せっかくの「新法」も潰れてしまう。


   自らも爽やかな出処進退をやってのけた興銀相談役の中山素平は

   「責任者は、その出処進退に特に厳しさを要するというより、
   出処進退に厳しさを存するほどの人が責任者になるべきである」

   と規定しているが、

   特に「退」には、のっぴきならなぬ二つの「人間くさい作業」を
   やらねばならぬから、そこのところを見極めてさえおれば、
   最も正確な人物評価ができるのである。


   一つは「退いて後継者を選ぶ」である。

   これは企業において、自分がいなくても、
   仕事がまわっていくようにすることである。

   いわば「己を無にする」ことからはじめなければならない。

   住友総理事だった伊庭貞剛(いばさだたけ)は

   「人の仕事のうちで一番大切なことは、後継者を得ることと、
   後継者に仕事をひきつがせる時期を選ぶことである。
   後継者が若いといって譲ることを躊躇するのは、
   おのれが死ぬことを知らぬものである」

   と、痛烈な言葉を残している。


   二つは「仕事に対する執着を断ちきる作業」である。

   仕事を離れてみると、はじめて仕事が自分の人生に
   どんなウェートをもっていたががよくわかる。

   そして、いかにも沢山の仕事をしてきたようにみえても、
   それがそのまま、自分の生きたあかしとはなり得ないことに気がつき、
   あげくのはては自分ひとりだけがとり残されたような、
   穴の底深く落ち込んでしまったような空爆感にさいなまれる。

   これを克服するのは、口でいうほど、生やさしいことではない。

          <『現代の帝王学』プレジデント社>

             ・・・

国や地方の政治家や、会社の社長、あるいは地域の各種団体のリーダーや、
自治会の会長にいたるまで、およそリーダーと名の付く人にとって、
出処進退、とりわけ「退」という辞め時は本当に難しい。

ともすると、他にやる人がいないからと、
何十年と居座っている人は少なくない。

本人はそれを変だと思っていないからだが、
まわりから見ると滑稽(こっけい)で異常だ。


勲章欲しさに、業界団体の役職をなかなか退かない人もいる。

反対に、力を残したまま、ひっそりと人知れず、無名のまま退く人もいる。

無名有力の人だ。


人間の真価は、その引き際にあらわれる。

退くことは、己を虚(むな)しくしなければならないからだ。

それは、「認めてほしい」という、
人の持つ基本的な承認欲求を自ら断ち切ること。


出処進退の爽やかな人でありたい。

        <感謝合掌 平成29年10月14日 頓首再拝>
20:伝統 :

2017/10/16 (Mon) 20:21:12


        *メルマガ「人の心に灯をともす(2014年02月06日)」より


   (小林正観さんの心に響く言葉より…)

   一般社会の中で、一般的に、上下関係が存在すると認められている
   人間関係が、三種類あるように思います。

   一つは親子、一つは上司と部下、もう一つは先生と生徒、の関係です。


   いずれの関係も、「ある概念」があれば、
   行きづまることなく、スムーズに流れていきますが、
   それがかけている時、人間関係は、うまくいかなくなる、
   との「ある概念」があるようです。

   その、ある「概念」とは「尊敬」というものです。

   基本的に、親は子に、上司は部下に、そして先生は生徒に対して、
   指導的で優位な立場にあり、それを社会全体が認めています。

   しかし、それだけでは、人間関係はスムーズに流れていきません。

   そこに(上下関係の)上に立つ方の人間が、下の人間から
   「尊敬される」という概念が存在すれば、
   その人間関係は、非常にスムーズに進んでいくのです。

   しかし、上に立つ人が、尊敬されるような人格を持っていない場合、
   その人間関係は、かなりの確率で行きづまって行きます。


   例えば親は、親というだけで、子供に対して威張ってはいないでしょうか。
   上司は、上司というだけで、部下に対して偉そうにしていないでしょうか。
   先生は、生徒に対してむやみに威張ったり怒鳴ったりしていないでしょうか。


   上司と部下のことで言うならば、仕事ができる上司であるのはもちろんですが、
   部下の失敗に対してもなじったり(感情的になったり、威張ったり)しない、
   そういう人格上の忍耐強さや柔らかさ、寛容さ、というものが
   「尊敬」の対象になります。

   怒鳴ったり、怒ったり、声を荒げたりすることで、
   「尊敬」を勝ち得ることは、絶対と言って良いほどありません。


   忍耐強く、いつもにこやかで、誰に対しても同じ態度で接する
   (例えば、出入りの業者に対しても、上司や部下、男子社員や女子社員に対しても、
   区別することなく同じ柔らかさ、優しさで接する)、
   そういう人格を身につけている人は、尊敬されるのです。

   尊敬される上司の部下は、よく働いてくれます。


   これまで述べてきたのは、上下関係の「上」の立場の人についてですが、
   同じことが「下」の立場の人にも言えます。

   ある大学生が私に相談をしてきました。

   自分のやることに、親が常に口出しをしてきてやりきれないので、
   家を出て、アパート住まいをしたい、ということでした。

   私は、

   「独り暮らしをすること自体は、独立心や責任感を養う、
   という意味で、プラスになると思います。
   が、あなたよりも人生経験が豊かな親御さんが、
   いつまでも細かいことを言い続けるというのは、必ず訳があるのです」

   と言いました。


   その大学生に、私はいくつか質問しました。

   「大学時代に、何か資格を取りましたか」、
   「親御さんが及ばないようなジャンルの勉強を、何かしていますか」、
   「自分の分野で『これには私はとても詳しい』というものがありますか」…と。

   その答えは全て「NO」でした。


   私は苦笑いをして、
   「それでは親御さんが心配するのも当然でしょうね」と言いました。

   「親が子供に対して口うるさい」というのは、もちろん、
   親の方に(口出しする、という人格上の)問題があるかもしれません。

   しかし、それと同時に「親からそのように言われてしまう自分」という存在も、
   やはり考えてなくてはいけないものではないでしょうか。


   何か一つでも、親には及ばないようなジャンルを持つこと。

   そういう勉強や研究を続けている“姿”を見せることで、
   いつか親はわかってくれるでしょう。

   そうすれば「口うるさい言葉」も、次第に少なくなっていくはずです。


   「上下関係」の間に、「お互いに尊敬する気持ち」があれば、
   あるいは、互いに「尊敬される存在になろう」との気持ちがあれば、
   多くの問題が解決して行くような気がします。

           <『心の遊歩道』弘園社>

             ・・・

「リーダーは尊敬されるが、必ずしも好かれるとは限らない」(ピーター・ドラッカー)

ただ人から好かれようとする人は、決して尊敬されることはない。

尊敬されるリーダーは、時に、耳に痛いことも、厳しいことも言うからだ。


尊敬されない人に限って、
自分の地位や年齢の高さを勘違いして、威張ったりする。

尊敬とは、にじみ出るものであり、
別れてからまた会いたいと思わせる余韻(よいん)や魅力を持っていること。


また逆に言うと、子どもや生徒や、部下の立場にある人にとっても、
親や先生や上司に好かれる努力をすることが必要だ。

まわりが悪いと、人のせいにし、文句ばかり言っていては成長はない。


尊敬に値(あたい)する人間でありたい。

        <感謝合掌 平成29年10月16日 頓首再拝>
21:伝統 :

2017/10/18 (Wed) 20:16:45


            *「指導者の条件」松下幸之助・著より

指導者は常に日に新たな思いを持たねばならない。

古代の殷王朝を開いたと言われる湯王は、仁慈の心をもって善政をしき、
孔子も代表的な名君としてその徳をたたえているほどの人である。

その湯王が使った盤に、
「まことに日に新たにせば、日々に新た、また日に新たなり」
という言葉が彫ってあったという。

難しい意味は別として、要は日に新たということを心がけ実践していくことが大切で、
本当にそれを行えば次々と自分が新しくなっていくということだと思う。

そういうことを自分自身への戒めとして、日々使う盤に彫ったのであろう。

湯王というのは、実在したとすれば今から3000年余りも昔の人だそうである。
その頃であれば時代の変化というものは極めて緩やかで、
文字通り十年一日のごとしという状態だったと考えられる。

そうしたテンポの遅い時代に、王たる自分は日に新たでなければならない
と考えた湯王は実に偉大な指導者だと言わなくてはならない。

この世の中は早い遅いの差はあっても、やはり刻々に変化している。
だから、昨日は是であったことが、そのまま今日も是とされるかどうかは分からない。
それを十年一日のごとく同じ事を繰り返していたのでは、到底成功はおぼつかない。

だから、指導者はそうした世の動きというものを敏感に察知し、
刻々に新しい指導理念を生み出し、またそれに基づいた
適切な方策を講じていくことが大切である。

そのためには、やはり自ら、日に新たであるよう心がけなくてはならないだろう。
過去の考え方、これまでのやり方にとらわれることなく、
日に日に新たな観点に立ってものを考え、事を成していく、
それが指導者として欠かすことのできない大切な要件である。

湯王より時代は下がるが、今から2500年前に、
お釈迦様は、諸行無常ということを説いておられる。

また時を同じくしてギリシャのヘラクレイトスという哲学者は、
「万物は全て流転している。
太陽ですらも日に新たで今日の太陽はもはや昨日の太陽ではない」
と喝破しているということである。

そのように洋の東西を問わず、古の聖人、賢人が等しく
日に新たということの大切さを説いているのである。

まして今日のような日進月歩の時代にあって、
指導者たる者が旧態依然というような姿にあることは許されないと言って良いと思う。

        <感謝合掌 平成29年10月18日 頓首再拝>
22:伝統 :

2017/10/20 (Fri) 18:00:49


    *『これからのリーダーが「志すべきこと」』第1章
       ~ ジョン・C・マクスウェル(著)より

(1)リーダーとしての「器」の大きさがあるか。

  ①リーダーの器が組織の運命を決定する。
  ②リーダーの限界が組織の限界。

(2)成果と業績は、「リーダーシップ力」と「やる気・献身度」のかけ算で表されます。

   実力を向上させるには二つの方法がある。

  ①一つは、「やる気・献身度」を10点満点にするべく一生懸命に努力することだ。
   しかし、最後の2点分を引き上げるには、
   それまでの8点分を獲得するために要したよりも
   多くのエネルギーが必要になるだろう。

   死ぬほど頑張ったとしても、
   あなたの実力が目をみはるほど向上することは望めない。

  ②もう一つの方法は、頑張って周囲の力を自分の力に変えることだ。

   たとえば、あなたの持って生まれたリーダーシップ力は、
   平均よりやや劣る4点だったとする。
   しかし、神様が与えてくださったこの4点の力を発揮するだけで、
   あなたの実力は300%アップする。
 
   さらに努力を重ねて、リーダーシップ力を7にまで高めることができたとしたら、
   あなたの実力はなんと最初の600%増しになるのだ。
 
   つまり、「人を動かす力」がつくほど、
   あなたの実力も成果も驚くほどに高まっていく。
   この目を見張るほどの効果を、私はこれまでいくつもの企業や組織で見てきた。

(3)「限界」を打ち破るための実践ワーク

  ①今すぐ、自分が目指すべき「主要なゴール」をリストアップする。
   達成に1、2年かかるテーマに焦点を当て、5~10個ほど挙げること。
   また、周囲の協力を必要とするテーマを選ぶこと。

  ②あなたのリーダーシップカを、
   (1)対人スキル、(2)企画力、戦略力、(3)ビジョン、(4)成果、
   以上の4つの観点から10点満点で自己評価し、また周囲の人にも評価してもらう。
   周囲の人につけてもらった点数の平均を出し、
   自分自身がつけた点数と比較してみること。

        <感謝合掌 平成29年10月20日 頓首再拝>
23:伝統 :

2017/10/24 (Tue) 19:11:39

    *『これからのリーダーが「志すべきこと」』第2章
       ~ ジョン・C・マクスウェル(著)より

(1)力強いカリスマ性を目覚めさせる方法

  ①リーダーシップとは影響力にほかならない。
   それ以上でもそれ以下でもない。

  ②地位がリーダーを作るのではなく、リーダーが地位を作るのである。

  ③知識が有るだけではリーダーになれないが、知識がないのは問題外。


(2)5つの神話

  ①マネジメント神話――”リーダー”と”マネジャー”の大きな違い
             変革でのフォロワーへの影響の有無で違いがある。

  ②起業家神話――「有能な起業家=優れたリーダー」とは限らない

  ③ナレッジ神話――学歴やIQだけでは、人はついてこない

  ④パイオニア神話――「先頭にいること」と「チームを率いること」は全く別物

  ⑤ポジション神話――「地位・肩書き」だけでは人はついてこない

   の中で、気にかかるものがあるか。
   あるなら、なぜ、それが気になるのかを考える。

   今後、自身の向上のために、変えるべき考え方はあるか。

(3)人を説得して動かしたいとき、自分のどんな部分を一番重視するか。

   以下の7つのポイントについて、十段階で評価すること
   (重要視しないのが1、~常に重要視するのが10)。

  ①人柄 ―― 自分はどんな人物か
         「人徳」ほど説得力のあるものはない。

  ②人間関係 ―― 誰とつき合いがあるか
           「適切な人たち」と「適切な関係」を築ければ、
           真のリーダーになれる。
           
  ③知識 ―― 何を知っているか
         ”情報”を持たずに戦争はできない。
 
  ④直感 ―― 何を感じているか
         ”数値化できないこと”を察知できるか。

  ⑤経験 ―― 今までどんな課題と格闘してきたか

  ⑥成功体験 ―― どんな実績があるか
           実績によって”発言”に重みが出る
 
  ⑦能カ―― 何ができるか
         ”勝利が望めない人”の話は誰も聞かない

(4)”相手を巻き込む力”を磨き上げよ

  ①人に影響を与えられなければ、誰もついてこない。(=影響力の法則)

  ②リーダーシップとは「影響力」のことで、それ以上でも、以下でもないのだ。

        <感謝合掌 平成29年10月24日 頓首再拝>
24:伝統 :

2017/10/26 (Thu) 19:02:56

優れたリーダーになるための「成長の法則」
~「挑戦意欲」を失っていないか

    *『これからのリーダーが「志すべきこと」』第3章
       ~ ジョン・C・マクスウェル(著)より

(1)常に努力を続け、向上心を失わない精神を持つ
   ―― これが「成長の法則」だ。

(2)この「5つの関門」をいくつ突破できるか。

  ①レベル1 「自分が何をしらないか」、知らない。
  ②レベル2 「何をするべきか」を知っている。
  ③レベル3 「自分が何をしらないか」を知っている。

  ④レベル4 知るべきことを知り、成長し、それが表に表われる。
  ⑤レベル5 無意識のうちに人を導ける。

(3)「成長し続ける」ための実践ワーク

  ①自分の成長プランを紙に書き出す。
   月に一冊は本を読み、年に一度はセミナーに参加する。

   本やセミナーは事前に選んでおき、
   カレンダーに「成長のための予定」を書き込んでおく。
   今すぐ、始めること。

  ②自分の成長プランと同様に、
   自分のために働いてくれる人たちのためにも成長プランが必要だ。

   本で学んだことを聞かせるなり、講師を呼ぶなりして、
   部下の能力向上を図ること。

   部下に成長のチャンスを与えるのだ。

  ③会社、団体、部署のリーダーの立場にあるなら、
   「成長しやすい文化」を作ること。

   「個人的な成長やリーダーシップを身につけることに価値があり、
   報奨が得られる」と部下やチームのメンバーが理解すれば、
   彼らの成長に拍車がかかる。

   そうした環境には、優秀で、才能あふれる人材が集まってくるはすだ。

        <感謝合掌 平成29年10月26日 頓首再拝>
25:伝統 :

2017/11/05 (Sun) 20:36:47

優れたリーダーになるための「方針決定の法則」
~「進むべき道」をどう決断するか

    *『これからのリーダーが「志すべきこと」』第4章
       ~ ジョン・C・マクスウェル(著)より

(1)船の操縦は他の誰かでもできるが、針路を決められるのはリーダーだけだ。
   それが「針路決定の法則」である。

(2)リーダーとは、「他の人より多くのものが見え、他の人より遠くが見え、
   他の人よりも先に物事が見える人」のことなのだ。

(3)”実践”と”自省”の両輪が大切。

(4)”情報源”は多いほどいい。

(5)「信念」は熱く、「判断」は冷静に

  ①最後には勝つという確信を持ち続けると同時に、
   自分が置かれている現実の中で最も厳しい事実を直視しなければならない。

  ②的確な針路を決めるための9つのポイント

   事前に行動計画を立てる。
   目標を定める。
   優先順位を決める。

   キーパーソンに知らせる。
   時間をかけて浸透させる。
   行動を起こす。

   問題を予測する。
   常に成功を視野に入れておく。
   毎日、計画を見直す。

  ③プロジェクトが受け入れられ、支持を得て、
   成功するかどうかは、リーダーの器の大きさによる。

(6)「針路を決定する」ための実践ワーク

  ①自介の有意義な経験や不愉快な経験について、自省する時間を持つこと。
   週に一度、考える時間を作り、カレンダーや日記を見返しながら、記憶を呼び起こす。

   また、何かに成功したとき、失敗したときは、その直後に考える時間をとり、
   そのときの経験から学んだことを書き留める。

  ②現在、責任者として取り組んでいることを成功に導くために、
   専門家やチームのメンバーと会話するときには気を抜かす、
   多くの情報を引き出し、現状をよく把握すること。

  ③「事実」と「信念」と、どちらに重点を置くのか。
   ちなみに私は信念を重視する人間で、明確なビジョンを持って努力すれば、
   何事も実現できると信じている。

   リーダーは「現実を冷徹に見つめる目」と「信念」の両方が必要だ。
   どちらか一方が欠けていると思うなら、
   チームに自分とは違う傾向を持つ人物を入れること。

        <感謝合掌 平成29年11月5日 頓首再拝>
26:伝統 :

2017/11/08 (Wed) 20:06:36

優れたリーダーになるための「奉仕の法則」
~「利他心」は必ず自分に返ってくる


    *『これからのリーダーが「志すべきこと」』第5章
       ~ ジョン・C・マクスウェル(著)より

(1)”お山の大将”では人はついてこない。

(2)自分の”安全圏”から踏み出してこと一流。

   人を率いる立場にある人は、いつでも「自分の安全圏」から一歩踏み出して、
   他の人の価値を高めるにはどうすればいいかを考えなければならない。

(3)部下の忠誠心が目に見えて変わる「3つの戦略」

  ①「自分から」相手に歩み寄る。

  ②自分自身も「価値ある人間」になる。

  ③「傾聴力」を高め、「思い」を共有する。

(4)「奉仕の精神」を養うための実践ワーク

  ①あなたには「奉仕の姿勢」があるだろうか。

   たとえば、他の人のために何かをすべきとき、
   イライラしたり、腹立たしく感じたりしないだろうか。

   自分にふさわしくない、あるいは自分のような地位の人間がやる仕事ではない
   と思うことがあるだろうか。

   以上の質間に一つでも「はい」と答えた人は、
   リーダーとしての姿勢について考え直すべきだ。

   感謝されなくても、小さな努力を積み重ね、
   人のために努力するやり方に違和感を覚えなくなるまでそれを続けること。


  ②自分の最も身近にいる人 ―― 家族、同僚、趣味の集まりで一緒になる人 ――
   の名前を挙げ、一人ひとりについて、その人にとって何が一番大切か、書き出してみる。

   そして、その人たちと自分との関係の強さを十段階で評価する
   (最も関係が薄いのが1、濃いのが10)。

   何が一番大切なのかが、はっきりわからなかったり、
   評価が8以下だったりする場合は、
   その人と過ごす時間を増やして、理解を深める。

        <感謝合掌 平成29年11月8日 頓首再拝>
27:伝統 :

2017/11/10 (Fri) 18:55:21

優れたリーダーになるための「信頼の法則」
~あなたの「後ろ姿」はいつも見られている
  

    *『これからのリーダーが「志すべきこと」』第6章
       ~ ジョン・C・マクスウェル(著)より

(1)リーダーにとって、「信頼は」は何よりも重要だ。

  ①組織を接着剤のようにまとめているのも信頼だ。
   信頼なくして、人々を導くことはできない。
   これが「信頼の法則」だ。

  ②信頼はリーダーシップの基礎である。


(2)なぜ決定は”正しい手順”を踏むべきなのか

  ①信頼は、リーダーのポケットの中の小銭のようなものだ。
   リーダーとしてすばらしい判断をすれば小銭は増え、
   まずい判断をすれば減る。

  ②次から次へと間違った決定をしていくと、小銭は減る一方だ。
   そして、小銭がなくなった時点で、リーダーとしての資格を失う。

   逆に、すばらしい判断をし続け、組織の発展に寄与すれば、小銭は貯まっていく。
   1回ぐらい大ポカをしでかしたとしても、小銭はまだたっぷり残っているので
   心配ない。


(3)”上司の目”はごまかせても、”部下の目”はごまかせない

  ①リーダーが周囲から信頼を得るには、能力、人脈、人間性の3つの面で、
   常に人より優れていることを示さなければならない。

  ②リーダーとして修行中の身であれば、能力不足を考慮してもらえるだろう。
   そして、人脈を活かした軌道修正の時間を与えてもらえる。

   だが、人間性に問題があれば致命的で信頼を失うだろう。

  ③「リーダーシップは、戦略と人間性とがあいまって、効力を発揮するものである。
   しかし、どちらか一つを選べと言われれば、戦略を手放すべきだ」
        (湾岸戦争時中央軍司令官ノーマン・シュワルツコフ将軍)

   人間性とリーダーに対する信頼は、切っても切り離せないものなのだ。


(4)リーダーの資質の9割は「人間性」で決まる

  ①「一貫性」はあるか。

  ②「人間性」はきちんとしているか。

  ③「尊敬」されているか。

   リーダーの優れた人間性が、リーダーにつき従う人々の間に信頼を築いていく。
   しかし、信頼を裏切れば、人を率いていく力を失ってします。
   当然、人に影響を与えることはできない。


(5)「信頼」を築くための実践ワーク

  ①同りの自分への「信頼の度合い」を測るには、
   彼らがどの程度、心を開いているかを見ればよい。

   ざっくばらんに意見交換をしているか。
   担当部門の状況をきちんと報告しているか。

   一つでも「いいえ」があれば、信頼されていないということだ。

  ②人格や品性を作る3つの重要な要素は、「一貫性、信頼性、自制心」だ。

  ☆「一貫性」を身につけるには、絶対に嘘をつかないと自分に誓うこと。
   事実をねじ曲げたり、たわいない嘘をついたり、数字をごまかしたりしないこと。
   言いにくいことでも、本当のことを言うこと。

  ☆「信頼性」を身につけるには、誰に対しても裏表なく接すること。
   策を弄したり、本来の自分とは違う人物を演じたりしないこと。

  ☆「自制心」を高めるには、自分がどう感じるかはさておき、
   毎日正しいことだけをすること。

  ③週去に、信頼を裏切ったことがある人は、裏切った相手との関係修復をする。
   まず、自分から相手に謝罪をし、埋め合わせができるなら、そうすること。
   信頼の回復に全力を尽くしてほしい。

   傷が深ければ深いほど、回復には時間がかかる。
   そして、信頼を回復する責任は自分にあると肝に銘じること
   (家庭でも信頼を裏切ったことがある場合は、
   仕事以前に、家庭内の信頼をまず回復させること)。

        <感謝合掌 平成29年11月10日 頓首再拝>
28:伝統 :

2017/11/13 (Mon) 19:07:34

優れたリーダーになるための「尊敬の法則」
~部下を「その気」にさせる特効薬


    *『これからのリーダーが「志すべきこと」』第7章
       ~ ジョン・C・マクスウェル(著)より

(1)リーダーは”選ばれるべくして”選ばれる

   人々がリーダーについていくのは、偶然ではない。
   尊敬できるリーダーだからこそ、ついていくのだ。
   それが「尊敬の法則」だ。


(2)「尊敬を勝ち取る」6つの条件

  ①天与のリーダーシップ力

  ②人に対する敬意

   真のリーダーは人に敬意を払いながら人を動かす。
   常に人に対する敬意を失わず、一貫して正しい道を示すことだ。

  ③勇気

   優れたリーダーは、失敗する可能性があっても、大きな危険が目の前に
   立ちはだかっても、情け容赦ない批判の嵐にさらされても、
   正しいことを実行するものだ。

   リーダーの示す勇気は、後からついていく人たちにとって、
   希望の光となる。

  ④成功体験

   自力で成功を手にした人は、みなから尊敬される。
   そういう人物についていきたいと思うのは、
   将来、自分も共に成功を経験したからだ。

  ⑤忠誠心

   変化、転職が当たり前の文化では、忠誠心は財産になる。

   (プロジェクトの仕事が終わるまで)苦難の連続でも組織に対する
   忠誠心を失わず、苦しいときにもメンバーに気を配るような人物であれば、
   ついてくる人々はあなたの言動を尊敬するだろう。

  ⑥フォローワーの「価値」を高める

   リーダーに対する最大の敬意は、恐らく、リーダーがフォローワーの価値を
   高めるために努力する姿勢から生まれる。

   相手の「価値」を高めるために力を尽くす人は、
   リーダーとして高く評価される。


(3)「人動かす人」は常に前進を止めない

  ①尊敬する人物から協力を求められれば、多くの人は、進んで手をあげるだろう。

  ②リーダーとして尊敬されたければ、成長するしか道はない。

  ③成長に終わりはない。そして、成長するにつれ、より優秀な人材が
   周囲に集まってくるようになる。


(4)「尊敬を得る」ための実践ワーク

  ①従業員や部下に何かを依頼したとき、もしくはやり方を変えるよう指示したとき、
   どのような反応が返ってくるか。相手はこちらの要望に敏感に応えてくれるか。

   それこそが、自分がどれくらい尊敬されているかを測るよい指標になる。

  ②尊敬されるリーダーになるために必要な次の条件(天与のリーダーシップカ、
   人に対する敬意、勇気、成功体験、忠誠心、フォロワーの「価値」を高める)
   について自分自身を十段階(1 [低い]から10[高い])で評価する。

   その上で、それぞれの項目について、点数を上げるのに役立つ練習法、習慣、目標を
   考えて書き留め、1ヶ月月間実行する。

        <感謝合掌 平成29年11月13日 頓首再拝>
29:伝統 :

2017/11/16 (Thu) 19:49:00

優れたリーダ優れたリーダーになるための「直感の法則」
~時流を察知する力"をつける法

    *『これからのリーダーが「志すべきこと」』第8章
       ~ ジョン・C・マクスウェル(著)より

(1)リーダーは他の人とは違ったものの見方をする。

  ①リーダーは独自の関心、興味によってあらゆることを見極め、評価するのだ。

  ②リーダーにはリーダー特有の直感があり、
   「やるべきこと」は全て直感が教えてくれる。
   直感とリーダーシップは不可分のものだ。

  ③リーダーシップの法則は常に変わることはないが、
   それをどう活用するかは、人によっても、状況によっても違う。
   だからこそ直感が必要になるのだ。

  ④リーダーとして長期間にわたって人をよい方向に導き、
   他の人よりも一歩先を行きたいと思うなら、
   「直感の法則」に従わなければならない。


(2)5つの「読む力」で直観力を磨く。

  ①リーダーは「状況」を読む~組織の中で起こっていることを「嗅ぎ取る」力。

  ②リーダーは「時流」を読む~進むべき方向性を見極める。

  ③リーダーは「リソース(人材、資材、技術、情報等々)」を読む
   ~リーダーが目指すのは、人を動かし、持てるものを最大限に活用して
    目標を達成することだ。

  ④リーダーは「人」を読む
   ~リーダーにとって最も大切なのは、恐らく人の心を直感できることだろう。

  ⑤リーダーは「自分自身」を読む
   ~リーダーは自分自身の長所や短所、盲点、スキル、弱点、精神状態を
    知っていなければならない。


(3)「直感」を磨くための実践ワーク

  ①持って生まれた才能のうち、最も優れているものは何か。
   得意なことをしているときの感覚、本能、直感に注意を集中させてみる。
   根拠はないのに、「これほ正しい」とわかる瞬間があるはずだ。

   リーダーシップの分野における直感を発揮する前に、
   「得意な分野で直感を働かせる」とはどういうものかを経験しておくこと。

  ②リーダーシツプで最も重要なのは「人を読む力」だ。
   あなたには「人を読む力」がどれくらいあるだろうか。

   人を読むのがあまり得意でないと思ったら、次のことを心がけてほしい。

   ☆ 人間関係に関する本を読む。
   ☆ もっと人と会話をする。
   ☆ 人をよく観察する。

        <感謝合掌 平成29年11月16日 頓首再拝>
30:伝統 :

2017/11/18 (Sat) 20:02:09

優れたリーダーになるための「磁力の法則」
~「有能な人材」を確実に引き寄せる
 

    *『これからのリーダーが「志すべきこと」』第9章
       ~ ジョン・C・マクスウェル(著)より

(1)あなたの周りに集まってくる人たちは、あなたの希望によって決まるのではなく、
   あなたがどんな人物かによって決まるのである。

(2)部下は自分を映す「鏡」である。

   あなたに引き寄せられて来る人は、あなたとの相違点よりも
   共通点の方が多いはずである。

(3)”逸材”がほしいなら、まず自分を磨け。

(4)「望む人材」を集めるための実践ワーク

  ①自分が望む人材に求められている資質をリストアップしたら、
   自分の資質と見比べてほしい。
   もし、そこに「食い違い」があるなら、望む人材は集まらない。

   同僚や友人の助けを借りて「食い違い」を明確にすること。

  ②自分がどういう人たちを惹きつけているかを見て、
   人間性やリーダーシップの部分で自分には成長が必要だと感じるかもしれない。

   その場合、成長を助けてくれるメンターを探すこと。
   同じ仕事をしている先輩に教えを請えれば理想的だ。

  ③すでに望み通りの人材が集まっている人は、
   リーダーシップを次の段階へと推し進めるべきだ。

   弱点を補うための人員配置を考え、
   リーダーシップが不足している分野を補強するために人を採用すること。

   そのために、自分が得意とする分野と苦手とする分野を
   5つずつリストアップしておくこと。

        <感謝合掌 平成29年11月18日 頓首再拝>
31:伝統 :

2017/11/20 (Mon) 19:22:30


        *メルマガ「人の心に灯をともす(2017年11月20日)」より

   (稲盛和夫氏の心に響く言葉より…)

   もう1つ、リーダーの条件を申し上げます。

   部下からの申し出、意見をただ、
   「いいわ、いいわ」と認めていたのでは会社は決してうまくいきません。

   優しい情愛に満ちた人であると同時に、
   すさまじい厳しさを兼ね備えた人でなかったら、
   社長なんて器は務まりはしません。

   どんな小さい会社でもそうです。


   つまり、同一人物が両極端の考え方をあわせもち、
   そしてそれが同時に正常に機能できる能力を持った人でなければ
   経営者は務まらないと思います。

   ただ優しいばかりの社長では、経営になりませんし、
   厳しい一方の人では誰もついてきやしません。

   その両方が綾織りのように出てくる人でなければ、経営者なんてできやしません。


   私は、いつも善の大切さを説いています。

   だからみなさんもそれに引かれて話を聞きに来られる。

   人間らしい優しい、いい生き方をしなきゃいけませんよと、
   いつも私が説く考え方に、みなさんは賛同しておられ、
   それを自ら実践されているはずです。


   そのような優しい、すばらしい経営者の方が、
   この不況で会社が赤字に転落をしそうなとき、「経費を減らせ」と言って、
   もう鬼みたいになってやり出すことがあります。

   そうすると周りは、「いつもあの優しかった社長とは違うやないか。
   二重人格みたいなものやないか」と言い出す。

   でも、私はそれでいいと思います。

   会社が厳しい状況になったら、鬼みたいな形相で、
   厳しいことを一直線になさねばならないのです。

   反対するような敵は千万いても、我ひとりその敵に向かおうという、
   そういう気概を持って、自らを鼓舞して進んでいってもらいたいですね。


   逆に問題なのは、嫌われるのがいやで耐えられないから、
   お茶を濁し、妥協し出すことです。

   善を説き、人の優しさを説き、それで人の喜びが自分の喜びに、
   人の悲しみが自分の悲しみに感じられるような人こそが、
   経営者にふさわしいということと、
   私が必要だと思う厳しさとは、考え方のベースが一緒なのです。


   これは仏教の教えである、
   「小善は大悪に似たり」「大善は非情に似たり」ということから説明ができます。

   「ええわ、ええわ」といって、猫なで声で従業員をかわいがるという小善は、
   みんなを甘やかし、経費は増大し、不況にひとたまりもないぐらいに
   脆弱な企業体質をつくってしまいます。

   そして実際に不況になり、
   会社をつぶして100人の従業員を路頭に迷わしてしまうのです。

   確かに従業員に対して人がいいという小善、
   小さな善はしたかもしれないが、大悪をなしたのではないか。

   私はそういう小善はしない。

   「ええわ、ええわ」というわけにはいかんのやと。



   次に大善。

   大きな善というのは、非常に似て厳しいのです。

   獅子は我が子を千尋(せんじん)の谷に突き落とす。
   かわいい子には旅をさせよとも言います。

   あのかわいい子を旅へ出して、「なんて厳しい非情な親や」とみんな考える。

   しかしじつはそれが、子どもの成長には大いに役立つ大善、大きな善なのです。


   だからつい、そういう意味があると知らなければ、自信がぐらつくわけです。

   「俺が今やっているこの厳しさは、大善をなす行為だ」と自信を持つようにする。

   「それは凡人から見たら非情に見えるかもしれないが、
   これは大きな善なのだ」と思えば、ひるまないわけです。

   そして改革は、ズバッと本音でものが言える状態をつくらなければ、
   前に進まないのです。


   例えば古い法律を変える際、誰に聞いても
   「そんな古い、明治時代にできた法律が今のこの時代に合うはずがない。
   それは廃止すべきです」と言うはずです。

   しかし廃止すれば、路頭に迷う人がものすごく出る。

   そういう「人でなし」なことはできないと考える人も多くいて、
   つまり人に嫌われることをしたくないものですから、
   改革が進んでいかないのです。


   根底にはみんなから信頼をされ、慕われる社長でなければならないけれども、
   たまには、厳しくて嫌われるようなことも言う。

   あえて嫌われることも必要です。


   社員のみなさんを路頭に迷わせないためにも、
   私は経営者のみなさんに厳しいことを言います。

   つまり、ただ人がいいだけで会社をつぶして、全員を路頭に迷わす、
   そいう悲惨な目には遭わせたくない。

   私はみなさんを救うために、あえて厳しいことを言います。

   それこそが大善というものです。

            <『心と生き方』PHP>

             ・・・

この「小善は大悪に似たり」「大善は非情に似たり」ということは、
何も会社経営だけに通じる考えではない。

子育てや、教育、あるいは、あらゆる組織の運営などにも同じことが言える。

子どもの教育においても、おもちゃなどを子どもの言うがままに買い与えたり、
テレビやアニメやゲームを子守がわりに見せたりやらせたり、
小遣いを際限なく与えたりする。

そうやって甘やかし放題に甘やかすなら、我慢のできない、
わがまま放題な子どもになるのは目に見えている。


躾(しつけ)やルールを守らせるということは、
真の大人になるための最も大切なことだ。

そのためには、ときには厳しいことを言ったり、叱責することも必要だ。

大事なことは人に対する、「愛」や「思いやり」や「情」、と同時に
「厳しさ」や「非情さ」も併せ持つこと。

そして、その相反することを何の躊躇(ちゅうちょ)もなく、
同時に行うことができる人を名経営者といい、偉大な教育者という。


「大善は非情に似たり」を実践できる人でありたい。

        <感謝合掌 平成29年11月20日 頓首再拝>
32:伝統 :

2017/11/22 (Wed) 18:50:27

優れたリーダーになるための「連帯の法則」
~人は「感情」で動く
 

    *『これからのリーダーが「志すべきこと」』第10章
       ~ ジョン・C・マクスウェル(著)より

(1)「人」を動かしたいなら、まず「心」を動かせ。

  ①「俺についてこい」と言う前に、まず人々との心のつながりを築き、
   人間関係を構築することの重要性を過小評価してはならない。

  ②リーダーが本気でメンバーとのつながりを築いたときの効果は絶大だ。

  ③昔からよく「自分自身を導くなら頭を使え、他人を導くなら心を使え」
   と言うが、まさにその通りで、それが「連帯の法則」の特徴だ。

   相手の手を引く前に、必ずその人の心に触れなければならない。

(2)部下の”野心”をかきたてる法

  ①まずは「自分自身」とつながる。
  ②率直かつ誠意を持って語る。
  ③相手のことを知る。
 
  ④「有言実行」を徹底する。
  ⑤「同じ土俵」に立つ。
  ⑥自分でなく、相手に集中する。

  ⑦相手を信じる。
  ⑧進むべき方向と希望を示す。

(3)「地位」に伴う”責任”を恐れるな

(4)「連帯感」を深めるための実践ワーク

  ①)従業員や部下、同僚たちと一緒にいるときは、よい関係を築き、
   連帯感を育てることを最優先すること。

   そのために一日数分を費やすだけで、将来、大きな見返りが期待できるし、
   職場がより明るく前向きな雰囲気になるだろう。

  ②優れたリーダーは、優れた伝達者だ。
   自分自身の人前で話をする能力を、10点満点で自己評価してほしい。
   もし8点以下の評価なら、人前で話すスキルを伸ばさなければならない。

   コミュニケーションについての本を読んだり、講習を受けたりすること。
   仕事で人前で話すチャンスがない場合は、個人的に努力すること。

        <感謝合掌 平成29年11月22日 頓首再拝>
33:伝統 :

2017/11/25 (Sat) 20:52:17

優れたリーダーになるための「側近の法則」
~「誰を側に置くか」に細心の注意を払え
 

    *『これからのリーダーが「志すべきこと」』第11章
       ~ ジョン・C・マクスウェル(著)より

(1)リーダーの潜在能力は、最も近くにいる顔ぶれで決まる。

  ①リーダーの能力は、手足となってくれる部下がいてこそ発揮できる。

  ②リーダーにはチームが必要なのだ。

  ③”切れ者の右腕”がいれば可能性は無限大!

(2)戦略的な人材配置「5つの視点」

  ①他のメンバーに対して影響力はあるか。
  ②情報交換ができているか。
  ③組織内で戦略的な位置にいるか。

  ④リーダーと組織に「価値」を与えているか。

   身近に置く人は、
   あなた自身の成長を促進してくれる人材を選ぶべきである。

  ⑤「腹心のメンバー同士」は高め合う関係にあるか

(3)「有能な側近」を手に入れるための実践ワーク

  ①側近の名簿を作り、それぞれの名前の横に、
   彼らがどんな貢献をしているかを書き込む。
   どこかに穴がないか、ダブっているところがないかを確認する。

  ②たえず部下の進歩を心がけること。

   助言を与え、お互いの関係がより深いものになるようにする。
   特別に仕事を与え、大きな期待を持って見守る。
   うまくいっているときは部下を誉め、うまくいかないときは責任を取らせる。

  ③スタッフが多い部署では、全員が自分の側近というわけではない。
   部署の中に、側近を集めたグループを作るタイミングは、
   次のようなときである。

  ・直属のスタッフが7人以上になったとき。
  ・全員に直接指示を出すことができなくなったとき。

        <感謝合掌 平成29年11月25日 頓首再拝>
34:伝統 :

2017/11/27 (Mon) 21:12:24

優れたリーダーになるための「権限移譲の法則」
~「仕事を任せ、背伸びさせる」と人は育つ

    *『これからのリーダーが「志すべきこと」』第12章
       ~ ジョン・C・マクスウェル(著)より

(1)人を抑えつければ自分も沈む

  ①ヘンリーフォードは、「権限移譲の法則」に従わず、
   会社を凋落さえてしまった。

   リーダーが周囲を押さえつけようとすると、
   自分も低い次元に落ちて行く。

  ②成功したいと願うリーダーは、
   自ら進んで権限を人に委ねなければならない。

   「最高の重役とは、仕事を遂行してくれる優秀な部下を見つけるだけの
   分別があり、部下の決断に干渉しないだけの自制心を持っている
   人物だ」<セオドア・ルーズベルト大統領>

  ③よいリーダーは、部下の立場を理解し、激励し、
   権限を与え、成功できるように応援する。

(2)効果的に「仕事を任せる」ための実践ワーク

  ①まず、自分の部下の名簿を作る。
   人数が多すぎるときは、側近だけでかまわない。
   そして、現在の能力ではなく、各自の潜在的能力を十点満点で評価する。

   点数が低ければ、部下をあまり信用していないことになる。
   その状況が変わらない限り、人に仕事を任せられないだろう。

   各自の長所にもっと注目し、長所をどう活かせば、
   よい結果に結びつくかを考えること。

  ②あなたが地位や権力に固執する性格なら、
   価値観を根底から覆さねばならない。

   まずは自分の部下に対し、成功できるように手助けすることから始める。
   その際、相応の権限と責任を与えること。

   最初は失敗するかもしれないが、成功するまで諦めないように支えること。
   権限を与えることによる組織の効率向上を経験すれば、
   自分で権限を抱え込むのが馬鹿らしくなるだろう。

        <感謝合掌 平成29年11月27日 頓首再拝>
35:伝統 :

2017/11/29 (Wed) 17:08:07

優れたリーダーになるための「可視化の法則」
~「やってみせる」と、人も結果もついてくる
 

    *『これからのリーダーが「志すべきこと」』第13章
       ~ ジョン・C・マクスウェル(著)より

(1)可視化された手本があれば、人はそれに従う。
   リーダーが身をもって模範を示せば、
   部下はそれを真似て、成功できる。

(2)”高い理想”を掲げながら「現実的」であれ。

  ①リーダーは、ビジョンを明快に、創造的に。

  ②リーダーは、ビジョンを継続的に周囲に伝えること。
   効果的なコミュニケーションによってビジョンを伝えれば、
   未来図は明確になる。

  ③さらに、リーダーは、ビジョンを実践しなければならない。
   リーダーが手本になってビジョンを可視化すれば、
   未来図は生き生きと浮かび上がる。

(3)好むと好まざるとにかかわらず、他の人たちはリーダーの真似をする。
   だから、リーダーの行動が改善されれば、
   グループのメンバーの行動も改善される。

(4)”率先垂範”するための4つの心得

  ①リーダーは常に背中を見られている。

   命令するのではなく、相手を納得させる。

  ②口では「立派なこと」はいくらでも言える。

   部下は、上司が実際に最善を尽くして、自ら模範を示し、
   組織をリードしていく姿を自分の目で見たいのだ。

  ③自分が変われば、周りも変わる。

   リーダーは、誰よりも先に自己変革に取り組み、誰よりも努力し、
   誰よりも長く続けなければならない。

(5)「考え」と「行動」を常に一致させる。

  ①リーダーシップは、教えられるものではなく、つかむものだ。

  ②身をもって示すことがリーダーシップである。

(6)「最高の手本」となるための実践ワーク

  ①まず、自分の理想とする人柄、
   たとえば誠実、勤勉、正直等を紙に書き出してほしい。

   次に、それを先月のあなたの行動と照らし合わせる。
   自分の理想に反する行動があったら、
   できるだけたくさん思い出して、リストにすること。

   このリストで、どういう部分で努力が必要かがわかるだろう。

  ②信頼できる友人や同僚に、自分の行動を長期間(最低でも1週間)にわたって
   注意深く観察してもらうとよい。

   その際、あなたが常日頃言っていることと
   食い違うところがあったら記録してもらう。
   観察期間が終わったら、結果について話し合うこと。

   価値観と行動が食い違っていた場合は、改善が必要だ。

        <感謝合掌 平成29年11月29日 頓首再拝>
36:伝統 :

2017/12/01 (Fri) 17:15:16

優れたリーダーになるための「人望の法則」
~「同じ道を歩いていきたい」と思われているか 

    *『これからのリーダーが「志すべきこと」』第14章
       ~ ジョン・C・マクスウェル(著)より

(1)「リーダーとして認められる」とはどういうことか。

   リーダーはまず自分の夢を見出し、
   やがて人々が自分についてきていると気づく。

   そして人々はまずリーダーを見出し、
   やがてリーダーの夢が自分の夢だと気づくのだ。

(2)”ビジョンが立派”でも「人柄が貧相」では話にならない。

   人々は、まず人物を受け入れ、
   次にその人物の掲げるビジョンを受け入れるのだ。

(3)”実績”ほど説得力ある指標はない。

(4)「人望を集める」ための実践ワーク

  ①まず、あなたのチーム全員、もしくは主要メンバーの名簿を作ってほしい。
   次に、各人がどれぐらいあなたを受け入れているかを十段階で評価する
    (1は「絶対従わない」、10は「何があっても従う」)。

  ②部下から信頼されるようになるための方法はたくさんあり、
   それぞれ個別に戦略を立てることが重要だ。

  ・部下と良好な関係を築く。
  ・正直かつ誠意ある態度で接し、信頼を育てる。

  ・自分に厳しくし、よい手本になる。
  ・仕事の質を向上させるためのツールを用意する。

  ・各人の個人的目標の達成を手助けする。

        <感謝合掌 平成29年12月1日 頓首再拝>
37:伝統 :

2017/12/03 (Sun) 20:22:43

優れたリーダーになるための「絶対勝利の法則」
~「勝つ」ために戦え 

    *『これからのリーダーが「志すべきこと」』第15章
       ~ ジョン・C・マクスウェル(著)より

(1)勝利を手にするリーダーは常に「勝利するためには何をすべきか」に
   意識を集中させている。

   これが「絶対勝利の法則」だ。

(2)「戦うリーダー」の7つの特質

  ①リーダーシップとは責任である。
  ②敗北は許されない。
  ③情熱の火が消えることはない。

  ④創造性は不可欠である。
  ⑤途中でやめることは考えられない。
  ⑥献身は議論の余地なし。

  ⑦勝利は必ず訪れる。

(3)「絶対勝利の法則」を可能にする3つの秘訣

  ①ビジョンの統一
  ②スキルの多様性
  ③リーダーの的確な采配

   これらをもとに、さらに必要なことは、リーダーが必要だ。

   勝つために必要な「やる気」と「権限」と「方向性」を
   与えるのは、リーダーの役目である。

(4)「勝ちぐせ」をつけるための実践ワーク

  ①リーダーにとって、チームの目標は自分の目標だ。
   メンパーの誰よりも強い責任感と情熱を持ち、
   成功のために全てを捧げなければならない。

   チームの成功・失敗を、自分の責任だと受け止められるか。
   もし答えが「ノー」なら、目標が間違っているか、所属する組織が間違っているか、
   その仕事のリーダーとして適任ではないかである。

  ②適切な人材がいなければ勝利はおぼつかない。
   目標達成に必要なスキルを全てリストアップし、
   チームに欠けているスキルがあれば、新しいメンバーを入れるか、
   誰かを訓練して技術を習得させること。

  ③チームを勝利に導くために欠かせないのが、目標の統一だ。
   各自が目指しているものは何か、ざっくばらんに聞き、
   出てきた答えがバラバラなら、統一目標を明確に伝えていかねばならない。

        <感謝合掌 平成29年12月3日 頓首再拝>
38:伝統 :

2017/12/05 (Tue) 19:04:43

優れたリーダーになるための「勢いの法則」
~「快進撃」を統けるチームの秘密

    *『これからのリーダーが「志すべきこと」』第16章
       ~ ジョン・C・マクスウェル(著)より

(1)「勢い」に乗れば、たいていの障害は撃破できる。

  ①勢いを失った組織は、行き止まりに迷い込んだ列車のようなものだ。
   なかなか動かないし、小さな木製ブロックを線路に置くだけで
   立ち往生する。

  ②勢いに乗っているときは、未来は明るく、障害も取るに足りない
   ものに思える。

(2)勢いがあれば、全てが大きく見える。

  ①勢いは虫メガネのようなもので、全てを実際より大きく見せる。

  ②勢いに乗ったチームは、長所が増幅される。

  ②勢いに乗っているときは、小さな問題は気にならないし、
   大きな問題も、自然と解決の方向に向かってくれる。

(3)勢いがあれば”周囲の目”が変わる。

(4)勢いがあれば、”実力以上の力”を発揮できる。

(5)「勢いに乗る」より「乗った勢いをコントロールする」ほうが簡単。

(6)勢いは最強の”変化誘発剤。

(7)”リーダーの責任”で勢いを生み出せ。

  ①勢いを生み出すのはリーダーの役目だ。

  ②勢いを自分で生みだし、組織を盛り立てていくのがリーダーの責任だ。

(8)”組織の勢い”は、”リーダーのエネルギー量”に比例する。

  ①自分のハートが火のように燃え盛っていなければ、
   人のハートに火を灯すことはできない。

  ②リーダーの最良の友である「勢い」を生み出すことができれば、
   あなたにできないことはほとんどない。
   それが「勢いの法則」だ。

(9)「上昇気流」を生み出すための実践ワーク

  ①)勢いはリーダーの内面から生み出され、周囲に波及していく。
   あなたは自分がリードする分野で、責任を持って勢いを生み出したことが
   あるだろうか。

   自分のビジョンに情熱を持って熱心に取り組んでいるだろうか。
   自分はあまり気が進まないときでも、人にやる気を起こさせるように
   努力をしているだろうか。

  ②勢いを増すためには、「やる気」が重要だ。
   やる気を高めるための第一歩は、組織内のやる気を
   吸い取る要素を排除することだ。

   自分が担当している分野で、メンパーの情熱や集中力を奪うものは何だろうか。
   もし、その全てを排除できないなら、少なくとも影響を最小限に抑える方法は
   あるだろうか。

   次に、何がメンパーのやる気を起こさせるかを見極め、
   それを取り入れていくことだ。

  ③勢いに乗るためには、メンパー一人ひとりが
   「達成したこと」を高く評価すること。

   「チームの前進」に貢献した人を表彰し、努力を認め、
   結果を出した人には報酬を与える。

   成功報酬が大きいほど、成功に向けて努力する人が増えていくだろう。

        <感謝合掌 平成29年12月5日 頓首再拝>
39:伝統 :

2017/12/07 (Thu) 17:06:22

優れたリーダーになるための「優先順位の法則」
~常に「成果」を意識して動け

    *『これからのリーダーが「志すべきこと」』第17章
       ~ ジョン・C・マクスウェル(著)より

(1)”現状維持”で満足しないための3つの問い

  ①何が求められているか。
  ②最大の成果をもたらすものは何か。
  ③最大の報酬をもらすものは何か。


(2)”嫌われること”を恐れるな

  ①リーダーはどんなに出世しても、
   必ず「優先順位」を決めて行動しなければならない。

   優先順位を決めることは、どんな小さなグループのリーダーであっても、
   優れたリーダーなら必ずやらなければならない。

  ②優先順位に従って難しい決断をするのは、リーダーの大切な役目だ。
   しかし、切り捨てる優先順位の低いものがあり、
   それがために嫌われることもある。


(3)「優先順位」を明らかにするための実践ワーク

  ①自分の優先順位に忠実に従って生きるために、現状を打開する気概を持つこと。
   これまで成果が上がらす、やり方を大きく変えなければならないと
   薄々気づいている部分はあるだろうか。

   それはどの部分で、なぜ調子がよくないのだろうか。
   自由な発想で問題を解決し、優先順位をつけ直すこと。

   自分の価値観と優先順位が一致しないのは、
   ゴルフボールを打つ方向を間違えるのと似ている。
   ボールが遠くに飛べば飛ぶほど、コースを大きく外れていくだろう。

   この不一致が長く続けば続くほど、ビジョンの実現は大幅に遠のいていく。

  ②「3つの問い」に関する質問の答えを書くこと。
   1)何が求められているか、
   2)最大の成果をもたらすものは何か、
   3)最大の報酬をもたらすものは何か、

    それぞれ答えを書き終えたら、今あなたがやっていることで、
    この3つに該当しないものをリストアップする。
    これは、他の人に任せるべき項目、または除外するべき項目だ。

        <感謝合掌 平成29年12月7日 頓首再拝>
40:伝統 :

2017/12/09 (Sat) 18:31:14

優れたリーダーになるための「犠牲の法則」
~「火の粉をかぶる覚悟」が人を強くする

    *『これからのリーダーが「志すべきこと」』第18章
       ~ ジョン・C・マクスウェル(著)より

(1)優れたリーダーシップの神髄とは、犠牲的精神である。

(2)”先頭に立つ”とは「矢面に立つ」ということ。

  ①人生は”トレードオフの繰り返し”
   成功する人は誰でも、必ず何らかの犠牲を払っている。

  ②「責任」と「義務」を最優先させる。
   「リーダーになると、自分のことを考える権利を失う」

   責任を負うようになると、できることに制限がかかる。
   責任が大きくなるにつれて、選択肢は減っていくのだ。

  ③”犠牲の1回払い”ではリーダーの地位は守れない。
   犠牲はずっと払い続けるもので、1回払いではない。

   リーダーは犠牲を払うことを躊躇してはならない。

(3)リーダーの格が上がると、払う犠牲も大きくなる。

(4)次の成功のために、過去の成功は捨て去れ。

(5)「犠牲にすべきもの」を知るための実践ワーク

  ①影響力の強いリーダーになるために、犠牲を払う覚悟があるだろうか。
   自分の権利を放棄する覚悟があるだろうか。
   以下の2つのリストを作ってほしい。

   (1)成功するために、喜んで諦められるもの。
   (2)成功するためとはいえ、諦められないもの。

   健康、結婚、子供との関係、経済状態などの項目を
   必すどちらかのリストに入れること。

  ②「犠牲の法則」を実践するとは、「今持っている大切なもの」と、
   「今は持っていないが、もつと価値のあるもの」とを交換することを意味する。

   キング牧師は自分自身を犠牲にして、黒人全体の自由を、
   ライスはスタンフォード大学での名声と影響力を犠牲にして、
   国際的影響力を手に入れた。

   このような「交換」が成立するためには、
   自分自身が何か「価値のあるもの」を持っていなければならない。
   あなたには交換できるものがあるだろうか。

        <感謝合掌 平成29年12月9日 頓首再拝>
41:伝統 :

2017/12/11 (Mon) 21:13:45

優れたリーダーになるための「タイミングの法則」
~"タイムリーな決断と行動"こそ生命線

    *『これからのリーダーが「志すべきこと」』第19章
       ~ ジョン・C・マクスウェル(著)より

(1)優秀なリーダーは、行動と目的と同じくらい「タイミング」が
   大切であることを認識している。
   タイミングが、成否を分けることも多い。


(2)リーダーの行動とタイミング

  ①間違ったタイミング+間違った行動 = 大惨事

  ②正しい行動+間違ったタイミング = 抵抗

  ③間違った行動+正しいタイミング = 失敗

  ④正しい行動+正しいタイミング = 成功


(3)「好機」を逃さないための実践ワーク

  ①)管理職は、物事を「正しい手順」で行なうが、
   一方、本当のリーダーは「正しいこと」を行なう。

   「タイミングの法則」とは、
   さらに「正しいこと」を「正しいタイミング」で行なうことだ。

   行動の正当性だけでなく、タイミングが正しいかどうかも
   重視して戦略を考えているだろうか。

   最近の行動を見直して、タイミングにどれだけ注意を払ったかを見直すこと。

  ②あなたがリードしている組織、部署、またはチームで、
   最近失敗したプロジエクトを分析し、「行動」が間違っていたのか、
   「タイミング」が悪かったのかを見極めておくこと
   (あなた自身のプロジェクトでも、他の人のプロジェクトでもかまわない)。

   評価をするのに有効な質問をいくつか挙げておく。

   ・プロジェクトの目的は何か
   ・プロジェクトの責任者は誰か
   ・戦略を立てる際に、どんな要素を考慮したか

   ・誰の経験に基づいて戦略を立てたか
   ・プロジェクト開始時の組織全体の雰囲気はどのような状況だったか
   ・市場、業界はどのような状況だったか

   ・明らかに逆効果だったものは何か
   ・プロジェクト開始の時期がもっと早ければ、あるいは遅ければ、
    もっと大きな成果を上げられたか
  
   ・最終的にプロジェクトが失敗に終わったのはなぜか

        <感謝合掌 平成29年12月11日 頓首再拝>
42:伝統 :

2017/12/14 (Thu) 18:16:07

優れたリーダーになるための「加速成長の法則」
~「次世代」育成に勝る投資なし

    *『これからのリーダーが「志すべきこと」』第20章
       ~ ジョン・C・マクスウェル(著)より

(1)自分のリーダーシップを最大限に発揮し、
   組織の潜在能力を引き出すには、
   リーダーを養成しなければならない。

   それが加速成長を実現する唯一の方法だ。

(2)「人の投資する」ほど自分も大きく成長できる。

(3)次世代に「有効な投資」をするための実践ワーク

  ①(1)自分の能力開発、(2)側近の能力開発、(3)リーダーの能力開発のうち、
   自分は今、どこにいるか。

   もし、まだ「次世代のリーダー」の能力開発をした経験がなければ、
   その理由を挙げること。

   人から必要と思われたいから、人に投資するほどの余裕がないからなど、
   いくつか考えられる。

   それらを踏まえて、リーダー育成を始めるために何をすべきか、考えること。

  ②リーダーを集め、組織にとどまってもらうために何をしているか。
   リーダーが本領を発揮できる環境を作っているか。
   先頭に立って、革新的なアイデアを出す自由を与えているか。

   面倒な手続きは排除しているか。
   リーダーに十分なリソースと責任を与えているか。
   リスクを冒すことを奨励し、成功すれば報酬を与えているか。

   答えが「ノー」だったものは、すみやかに改善すること。

        <感謝合掌 平成29年12月14日 頓首再拝>
43:伝統 :

2017/12/16 (Sat) 19:10:51

優れたリーダーになるための「継承の法則」
~「成長し続ける組織」を引き継ぐために

    *『これからのリーダーが「志すべきこと」』第21章
       ~ ジョン・C・マクスウェル(著)より

(1)「人生のセンテンス」~”一生の目標”を一文にまとめてみる。

   人生のセンテンスが、あなたの人生の方向性を決めるだけでなく、
   どのような遺産を継承できるかを決定づける。

(2)必要最低条件

  ①「何を継承したいか」を明確にする。

  ②「生き様そのもの」を後進に伝えよ。

  ③「誰に継承させるか」に細心の注意を払え。

  ④「バトン」を確実に渡す。

(3)最高のリーダーは明日を思い描きながら、
   自分の残す遺産を継承してくれるリーダーに
   投資することで人々を導いていく。

(4)リーダーとしての価値が永続するか否かは、
   「受け継がせたい」と思うものが、
   どの程度継承されるかによって決まる。

(5)「価値ある遺産」を残すための実践ワーク

  ①)継承という考え方は、その人の人生の目的と密接に関わっている。
   たとえば、次のような問いに答えてみてほしい。

   自分はなぜ生まれてきたのか。
   可能性を最大限に引き出すために必要な才能やスキルとはどのようなものか。
   周りの環境から考えて、自分にはどのようなチャンスがあるのか。

   生きている間に、誰に影響を与え、どのような業績を残すことができるか。

   具体的に書き出していけば、次世代に残したい遺産が見えてくるはすだ。

  ②遺産を継承するためには、生き方をどのように変えねばならないか、
   書き出してみてほしい。

   行動、性格、働き方、人間関係などを、この章全体を参考にして見直すこと。
   どんな遺産を残せるかは、どんな生き方をするかにかかっている。

  ③遺産を継承するために、投資する部下を選んでほしい。
   理想を言えば、自分より大きな可能性を持っていて、
   より多くのことをなし遂げてくれそうな人を選ぶべきである。

        <感謝合掌 平成29年12月16日 頓首再拝>
44:伝統 :

2017/12/21 (Thu) 18:59:59


        *「指導者の条件」松下幸之助・著より

指導者は視野を広く持つように心がけなくてはならない。

西郷隆盛がまだ若い頃、主君の島津斉彬に
「この頃、殿様は外国かぶれだと皆が噂しております」と言ったところ、
斉彬はこう答えたという。

「今日の日本は国内疲弊し、外国はその隙を狙っており、危急存亡の時期なのだ。
いま西洋の文明は非常に進んでおり、日本のとても及ばぬ実力を持っている。
だから自分は広く世界に目を向け、外国の長をとり、我が短を補いつつ、
日本を世界に冠たる国にしたいと思っている。

第一、今の日本の文化と言っても、もともと外から色々取り入れそれを
我がものとしたのではないか。
だから井の中の蛙のような狭い視野での批評は少しも気にならない。
お前ももっと、視野を広く持たなくてはいけない」


島津斉彬は志半ばで倒れたが、多くの人が彼を幕末第一の名君だとしており、
勝海舟は、「開国の基礎を作ったのは島津公だ」と絶賛しているという。

西郷隆盛が明治維新に大活躍したのも、斉彬の腹心として働き、
その薫陶を受けたことによるところが極めて大きいと言われている。

その斉彬の名君たるゆえんは、自分の藩の治世もさることながら、
その範囲にとどまらず、ここに見るように、当時の世界情勢を見、
その中で日本の将来を考え、また藩のあるべき姿を考えた視野の広さにあると言われる。

そういう見地から、彼は朝廷や幕府にも提言し、他の大名を説き、
藩士を訓育したのであり、先の勝海舟の言葉も、そのようなことを言ったものであろう。


そうした視野の広さというのは、指導者にとって、欠くことのできないものであろう。

自国の範囲だけ、自分の会社、団体の範囲だけの狭い視野で事を考え、成していたのでは、
往々にして過ちを犯すことになってしまうと思う。

特に今日は、世界の一隅に起こったことでも、それが瞬時に全世界に伝わり、
様々な影響を及ぼすようになっている。

その点では幕末、明治維新の頃の比ではない。

だから、指導者は自ら世界全体、日本全体といったように広い範囲で
ものを見るよう常に心がけつつ、一国の運営、会社や団体の経営を
考えなくてはいけないし、

また人々にそうした広い視野を持つことの大切さを訴えていかなくてはならないと思う。

        <感謝合掌 平成29年12月21日 頓首再拝>
45:伝統 :

2017/12/24 (Sun) 19:53:07


       *メルマガ「人の心に灯をともす」(2015年11月15日)より

   (工藤美代子氏の心に響く言葉より…)

   『終戦直後、昭和天皇は行幸の折に罵声を浴びせられても
   帽子を脱いで国民に応えられた。
   被災者を慰問する天皇の姿は、国民に生きる勇気を与えずにはおかなかった。
   それが帝王学というものだ』(笹川良一)


   笹川は日本の皇室が諸外国の王家などと比べて滅亡しなかったのは、
   「帝王学を学び、実践されてきたからだ」と考える。

   「帝王学は天皇、皇帝、国王だけのものだというのは間違いだ」とも述べている。


   関東大震災の折、大正天皇の后、のちの貞明(ていめい)皇后は
   帝都の被災地一帯を慰問して回った。

   被災者はまだ真夏着で着の身着のままだと知って、
   自らも普段着の夏服のままで慰問を続けた。

   9月末から12月末まで同じ夏服で通した、との記録がある。


   帝王学は男子だけのものではなかったのだ。

   明治天皇の后、昭憲(しょうけん)皇太后にも同じような逸話はあるし、
   昭和天皇しかり、今上天皇と美智子皇后におけるさらに直近の例を
   国民はよく見知っている。

   美智子皇后が膝を折り、ビニールシートの上で幾度となく
   被災者の手を両手でくるまれた姿は、日本人の胸を強く打った。


   また、三笠宮家の長男・寛仁(ともひと)殿下は東松山市の航空自衛隊基地で、
   救援にあたった隊員たちを激励した。

   皇族による自衛隊激励は戦後の前例からすれば異例だったろうが、
   勇気ある帝王学の実践だ。

   こうした連綿として続いてきた皇族、とりわけ皇后の役割は大きい。

      <『くじけてなるものか 笹川良一が現代に放つ警句80』幻冬舎>

               ・・・

笹川良一には常にダークなイメージがつきまとった。

金をいくら持っているかわからない、など黒い噂も飛び交った。

しかし、良一が死んだとき、
息子、陽平氏に残されたのは、なんと80億の借金だけだったという。


帝王学とは、なにも皇帝や良家の御曹司だけの話ではない。

国や会社だけでなく、家庭においても、
上にたつリーダーとして心得なければならない学問だ。

「自らの甘えを捨て、我慢できること」、

「危急のとき、まわりを先にし、自分のことを後回しにできること」、

「ピンチにおちいったとき、勇気を見せること」、

「難事に出会ったときほど、にっこり笑って周りを鼓舞できること」。


帝王学を身に付けた人には限りない魅力がある。

・・・

<参考Web>


(1)光明掲示板・第一「昭和の日 (8024)」
     → http://bbs5.sekkaku.net/bbs/?id=koumyou&mode=res&log=1500

(2)光明掲示板・第二「《 昭和の日をお祝いする集い 》 4月29日」
     → http://bbs7.sekkaku.net/bbs/?id=koumyou2&mode=res&log=1551

(3)伝統板・第二「(4月29日)昭和の日」
     → http://dentou.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=6477200

(4)伝統板・第二「昭和の日②」
     → http://dentou.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=7554592


(5)伝統板・第二「昭憲皇太后」
     → http://dentou.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=7197384

(6)光明掲示板・第二「国民のおばばさま、貞明皇后」
    → http://bbs7.sekkaku.net/bbs/?id=koumyou2&mode=res&log=1351

        <感謝合掌 平成29年12月24日 頓首再拝>
46:伝統 :

2017/12/25 (Mon) 18:09:16

危機を乗り越える知恵(6)チャーチルの闘い抜く信念

          *Web:宇惠一郎の「歴史に学ぶリーダー論」(2014.07.22)より

1940年5月10日、チャーチルが英国首相に任命された日に、
ヒットラーは満を持して西部国境を破り、戦車を先頭に機甲部隊が
オランダ、ベルギーから北部フランスになだれ込んだ。

英仏両国は、ナチスドイツがポーランドに侵攻した前年秋、ドイツに宣戦布告し、
第二次世界大戦に突入していたが、この期に及んでも
英国政府内には対独宥和論が消えない。

多大な犠牲を出した第一次世界大戦(1914~1918年)の後、
英国民に蔓延する厭戦気分に政治指導者たちは迎合し、現実が見えなかった。

1930年代前半から保守党の論客であるチャーチルはナチスの台頭について
繰り返し「欧州に遠からず未曾有の危機が襲うだろう」と警告を発していたが、
党内では厄介者の「好戦狂」として遠ざけられてきた。

知識人たちも、第一次大戦後のベルサイユ条約の講和条件は
敗戦国ドイツにとって過酷すぎるという意見が主流でドイツに同情的だ。

「共産主義ソ連の脅威への楯」としてドイツの再軍備も黙認してきた。

1938年、前任の英国首相チェンバレンはミュンヘンに乗り込みヒットラーと会談し、
ドイツの隣国チェコスロバキアの部分併合にわざわざお墨付きを与える愚を犯している。

「ヒットラーの冒険主義の危険」を英国は見抜けなかった。チャーチルを除いて。

「ドイツとソ連は手を結ぶ」というチャーチルの予言も世間から冷笑されたが、
39年には独ソ不可侵条約として現実のものになる。

首相就任の日のことを、チャーチルは「私は絶対に失敗するはずがないと確信していた」
と回顧録に記している。

だが、挙国一致内閣というものの、むしろ保守党内は
「やれるものならやってみろ」と冷ややかで、政権基盤は脆弱だ。

執務の初日からドイツ軍の電撃侵攻に見舞われ、
ライン河方面に送り込んでいた20数万の英国軍はドーヴァー海峡沿いの
ダンケルクに追い込まれ、兵士たちの運命は風前の灯火だった。

戦時閣議では米国を仲介にした対独講和論が台頭する。

「馬鹿な、全員を救い出せ。戦いはこれからだ」。
チャーチルは講和論を打ち消し海軍艦艇を動員して救出に向かわせる。

最高指揮官の強い意志に国民は反応する。
対岸の各港から呼びかけに応じた民間のフェリー、モーターボート、
はしけ、ヨットまでがダンケルクに向かう。

ドイツ軍の包囲網は徐々に狭まっていた。


   (http://www.jmca.jp/column/leader/leade%EF%BD%9227.html


        <感謝合掌 平成29年12月25日 頓首再拝>
47:伝統 :

2017/12/28 (Thu) 19:21:15

危機を乗り越える知恵(7)チャーチルのコミュニケーション術

          *Web:宇惠一郎の「歴史に学ぶリーダー論」(2014.07.29)より

ヒットラーのナチスドイツ軍電撃侵攻で、英仏軍はドーヴァー海峡に面した
フランス北部のダンケルクに追いつめられた。

この間、オランダ、ベルギーは押し寄せるドイツ軍にあっと言う間に降伏し、
圧倒的な陸軍を擁するフランスも弱気になっていた。

チャーチルの度重なる警告にも関わらず、連合国側は“平和ぼけ”していた。

「そうであってほしい」という願望が、「そうである」との事実誤認に化ける。
リーダーたちが避けるべき“希望的錯誤”だ。

この場合、「ヒットラーといえど自滅覚悟で挑戦してくるはずがない」という願望に
ヨーロッパ中が支配されている。

チャーチルだけは、迫る危機への冷静な判断力を保持していた。

ドイツ軍の侵攻17日後から英国連合軍のダンケルク撤退大作戦が始まった。
呼びかけに応じて駆けつけた民間の船を含めて艦艇は860隻。

兵士たちを次々と船に収容してドイツ空軍の猛爆撃の中、往復する。
十日間で英国軍と連合国の兵士33万8千人が対岸英本土の土を踏んだ。

撤退作戦が終了した6月4日、チャーチルは英国議会下院で不敗の決意を訴える。

「われわれはこの救出を、勝利と受け取らないように注意する必要がある。
撤退によって勝利は得られない」
「ヒットラーはイギリス諸島に侵入する計画を持っているようだ」。

そう国民に警告した後、声のトーンを上げた。

「われわれはいかなる犠牲があっても本土を守り抜く。
われわれは海岸で戦い、上陸地点で戦い、野原や市街で戦い、山中で戦う。
われわれは決して降伏しない」

もはやひるむ英国民はいなかった。
これから5年、国民はチャーチルのラジオ演説に希望を求めてかじりついた。
連日の空襲の中で。

6月21日、フランスのペタン政権は降伏。
もはやドイツと戦うのは「ブリテンの戦い(本土防衛戦)」を掲げた英国のみとなった。

彼が国民を一致団結させたのは、
戦いの方向を示し決意をふるい立たせる巧みな演説だけではない。

ロンドン大空襲のさ中でも、国民の前に姿を現しては声をかけ励ました。

チャーチルを「好戦狂」「戦争屋」と罵倒してあれほどに嫌っていた労働者たちも、
「ウィニー爺さん」と呼んで絶大な信頼を寄せた。

演説の名手とされたヒットラーは戦争が始まるや国民の前に姿を見せず、
やがてナチスと対決するソ連のスターリンもクレムリンの奥に籠もり指揮を執ったのと
鮮やかな対照を見せた。 

  (http://www.jmca.jp/column/leader/leade%EF%BD%9228.html

        <感謝合掌 平成29年12月28日 頓首再拝>
48:伝統 :

2017/12/30 (Sat) 18:47:12


        *「生命の實相」幸福篇下巻(12月30日)より

健康が心の中にあるのみではなく、財福もその人の心の中にあるのである。

親分の心になることが、自分自身の運命を親分にまで推し進める。
いつまでも子分の根性で功(こう)を同僚の間で争い、
眼を偸(ぬす)んで安らかさを希(こいねが)っているようなことでは、
その人の運命はいつまでも子分であるのであろう。

親分の心の最大なるものは、神の心である。

すべてを赦し、すべてのものを太陽のごとく照り、温(あたた)め、
みずからは光線と温熱と生命(せいめい)を投げ出すのみで、
敢(あ)えてみずからは求めぬのが神心(かみごころ)。

太陽の心。太陽の心。これが親分の心である。
かくのごとき人はよく衆(しゅう)を率(ひき)い大いに伸びるのである。

            <感謝合掌 平成29年12月30日 頓首再拝>
49:伝統 :

2018/01/02 (Tue) 19:08:28

危機を乗り越える知恵(8)チャーチルが有事にとった組織運用

          *Web:宇惠一郎の「歴史に学ぶリーダー論」(2014.08.05)より

平時のリーダーシップと有事のそれとは根本的に異なる。 有事に求められるのは、

  ①素早い決断とその実行のための組織づくり

  ②決断を組織末端まで徹底させるコミュニケーション術

  ③大局を俯瞰(ふかん)して判断する戦略眼

の3点に集約できる。

組織づくり。

平時においては、まず不動の組織があって、
各組織が決められた役割を分担することですむ。

有事にあっては、膨大で緊急を要する実務を見極め、
それに見合った組織を生み出す大胆さが肝要だ。

「その権限はうちの組織にはありません」。

どこにでもありがちな硬直した組織運用では有事には無責任体制となる。
組織が実務を縛るのではなく、必要な実務が組織を生み出さなければならない。

 
チャーチルは内閣を組織するにあたってまず国防省を置き、首相自らが国防相を兼任した。
戦争指揮系統を簡素化し①と②を可能にした。

さらに必要に応じて柔軟に、軍事生産委員会、戦車評議会、航空機生産省、
英米合同原材料庁、英米船舶輸送調整庁などを組織し、
膨大な行政需要に効果的に対応していった。

ある意味、ヒットラー、スターリンと同じく戦時独裁的体制を敷いたのだが、
チャーチルは大いに違う点があった。

議会を重視し、議会に説明し議会の議論を経て、ものごとを民主的に決定していった。

指示、指令も上から下への一方的なものではない。
各組織から情報を上げさせ、迅速に処理した。
彼の行く所、決裁書類が大きな箱に詰められ付いて回ったとされる。

「情報は必ず文書で上げろ」は当然としても、
「すべてペーパー1枚に要約するように」と指示した。

目を通した膨大な書類のうち、緊急を要するものには、
「即日実行」の付箋がつけられ戻された。

決断と実行は速度が決め手となる。

こうして英国が「ブリテンの戦い」という孤独な防衛戦を継続する中で、
ヒットラーは英国本土上陸を断念し、1941年6月に突如、独ソ不可侵条約を破って
モスクワ攻略に向かった。

あわてふためき必死で持ちこたえるスターリンからチャーチルに要請が届く。
「英国はフランスに再上陸して第二戦線を開くべきだ」

 「時ではない」

チャーチルは勝利のためのさらに大きな戦略を思い描いていた。

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            <感謝合掌 平成30月1月2日 頓首再拝>
50:伝統 :

2018/01/04 (Thu) 16:47:13

危機を乗り越える知恵(9)チャーチルの大戦略

          *Web:宇惠一郎の「歴史に学ぶリーダー論」(2014.08.12)より

1940年5月、ナチス・ドイツ軍の電撃的な独仏国境突破でフランスは降伏し、
英国は孤独な本土防衛戦を強いられることになる。

英首相チャーチルは、国民を激励しつつ大きな戦略図を描いていた。

「独ソ不可侵条約は永続しない」という冷静な目と、
「大陸への上陸反攻には米国の参戦が不可欠だ」という世界地図を見据えた大局観に基づく。

チャーチルは若き日に、騎兵将校として赴任したインドで、
寝る間を惜しみギボンの『ローマ帝国衰亡史』などの歴史書、哲学書を読みふけったという。

さらに、19世紀初頭の欧州を覆ったナポレオン戦争の教訓を踏まえ、
「いかに強大な軍をもってしても、戦線を過大に拡大すれば国は滅びる」
「敵と味方は固定的なものではない」という歴史に裏付けられた事実を
信念として学びとっていた。

歴史に学ぶ重要さとはそういうことである。

教養としての読書ではない。

先に触れた、「ブリテンの戦い」の決意を表明した演説はこう結ばれている。

「神のご都合の良い時に、新大陸がその力をもって
旧大陸の救出と解放に乗り出してくる時まで」。
戦争に巻き込まれることをためらう「新大陸」米国の参戦を見据え、促している。

一方のヒットラーも、欧州大陸を席巻し、英国をブリテン島に押し込んだ大戦初期の
この段階で、「英国が勝てるのは、米ソが参戦した場合だけである」と周辺に語っている。

情勢を読み取る「勘」はあったが、背反する行動をヒットラーは取る。

空爆に耐える英国への上陸をあきらめた彼は反転して“同盟国”のソ連に攻め込む。

さらに1941年12月に日本が真珠湾奇襲に成功するや米国に宣戦布告し、
「欧州の戦争」から距離を置く米国を自ら戦場に引き込むことになる。

チャーチルは、第一次世界大戦の経験から陸軍同士の正面戦は
ただただ無駄に膨大な犠牲を生む消耗戦に陥ることを熟知していた。

英国軍のフランス上陸による第二戦線構築をせっつくソ連のスターリンに対して、
欧州を占拠したドイツを巨大なワニにたとえて説得した。

その口が牙をむくフランスへの上陸を避け、
「柔らかな腹部を攻撃する」の基本戦略を示し、北アフリカに兵を送り、
地中海の制海権を掌握する迂回作戦に全力を注ぐ。

そして、兵の消耗を防ぎながら、来るべきノルマンディー上陸の
「Dデイ」に向けて戦備を整えることを忘れなかった。    

 (http://www.jmca.jp/column/leader/leade%EF%BD%9230.html

            <感謝合掌 平成30月1月4日 頓首再拝>
51:ewrfkpzy:

2020/08/29 (Sat) 16:09:20

伝統板・第二
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