伝統板・第二
Pot with the Hole 穴のあいた桶 ② - 土曜版
2017/07/22 (Sat) 12:05:17
*伝統板・第二「Pot with the Hole 穴のあいた桶」からの継続です。
→ http://dentou.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=7082715
(今回から、土曜版としてお届け致します)
Seeds ~ その1
どんなものごとも
あなたがまいた種から始まります。
あなたがまきたいのは、
どんな種ですか?
36
私たちがこの世に生まれたとき、たくさんの種が与えられました。
その種のひとつは、やさしさの種でした。
ほかにも、怒りの種や愛の種、理解の種、疑いの種、混乱の種もありました。
それらの種を、人生という大地にまいたら
その結果、生えてきた木の下で休むことになります。
美しい花が咲く木もありますが、
ベトベトした樹液を出す木もあります。
最初は一粒の種ですが、芽を出して、木に育ち
さまざまな性質、可能性をもった枝を伸ばすのです。
それはあなたが好きな木かもしれないし、嫌いな木かもしれません。
手のなかのどんな種をまくのかは、あなた次第です。
<感謝合掌 平成29年7月22日 頓首再拝>
Seeds ~ その2 - 伝統
2017/07/29 (Sat) 12:39:05
37 弓の名人と油売り
昔、ひとりの弓の名人がいました。
彼は村々を回り、弓の腕前を見せていました。
矢を取り、弓を引き、的の真んなかに命中させ、
次の矢で前の矢を裂いてしまうほどでした。
みんな、彼を弓の名人とほめたたえ、
彼も”俺が一番だ”と得意になっていました。
ある村で、彼がいつもどおり弓の技を見せていると
後ろのほうで声がします。
「練習すれば誰でもうまくなるさ」
それを聞いて、弓の名人は腹が立ちました。
ものすごく練習を重ねて、やっとうまくなったのに、
弓を射るたび、「練習しただけだ」と言うのですから。
名人は技を見せたあと、後ろの声の主のところに行きました。
そこにいたのは油売りの男でした。
竹ざおと2つの大きな瓶(かめ)と、
そして、たくさんのビンをもっていました。
弓の名人は、こういいました。
「いったいどういうことだ。
俺が弓を射るたび『単に練習しただけさ』と言うなんて。
折れの技のすごさがわからないのか? 」
それを聞いた油売りは
「じゃ見せよう」と言って、ビンを1つ取り上げました。
そして、穴のあいた硬貨をビンの口に置き、
大きな瓶をもち上げ、油を注ぎ始めたのです。
すると、油は硬貨の穴の真んなかを通り
一滴もこぼれず、ビンに流れ込みました。
油売りは、名人のほうに向き直り、
「さあ、今度はあんたがやってごらん」 と言いました。
これを見て、名人には自分にはとてもできそうにないと思いました。
「そういうことさ、つまりは練習の問題だ。
あんたは毎日弓を射て、私は毎日油を注いている。
だから、あんたは弓がうまくなり、私は油を注ぐのがうまくなったのさ」
それを聞いて、名人が納得したのでした。
・・・
部下が失敗ばかりする。
上司が嫌味ばかり言う。
子どもがわがままばかり言う。
夫と口げんかばかりしている。
だから毎日、イライラ イライラ。
そんな人がいるかもしれません。
でもこんなふうに考えたことはありませんか?
毎日イライラしてばかりいるから、イライラすることが上手になっていると。
どんなことも毎日やっていれば、必ずそれがうまくなります。
毎日怒っていれば、怒るのが上手になります。
一日中、何事にも無関心でどうでもいいと言い続ければ、それが上手になります。
毎日やさしくしていれば、やさしくするのが上手になります。
毎日理解しようとしていれば、理解するのが上手になります。
いつもやっていることが上手になるのです。
あなたが上手になりたいことは何ですか?
<感謝合掌 平成29年7月29日 頓首再拝>