伝統板・第二

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人の上に立つ者に求められること⑦ - 夕刻版

2016/12/19 (Mon) 17:33:44

指導者の条件73(努力する)


            *「指導者の条件」松下幸之助・著より

指導者は徹底した努力こそ成功の要諦であることを知らねばならない。

発明王エジソンは、ある時その天才を讃えられたのに対してこう言ったという。
「天才とは、1%の霊感と99%の汗のことである」と。

白熱電球、蓄音機、活動写真その他数々の画期的な発明を成し遂げた
エジソンを天才と呼ぶことに躊躇する人は誰もいないだろう。

そうした発明は我々の目から見れば
天才的頭脳の所産としか思えない素晴らしいものばかりである。

しかし、エジソン自身は、それは決して先天的なものでなく、
汗すなわち努力の所産だと言っているのである。

実際彼がいかに努力家、勉強家であったかを示す話は枚挙にいとまがないくらいである。
ひとたび実験に取りかかれば、文字通り寝食を忘れ、時間を超越してそれに没頭した。
「成功の秘訣は」と聞かれて、「時計を見ないことだ」と言ったとも伝えられている。

だからまた、夜が来て暗くなり実験に支障が出るのを非常に嫌い、
それが電灯を発明する大きな原因になったとも言われている。

知恵遅れの子と思われ、小学校を退学させられたエジソンが
発明王と言われるまでになったのは、
やはりそうした努力に継ぐ努力の結果だろう。

我々は、ともすれば自分の才能の不足を嘆いて、
事の成就しないのをそのせいにしたりする。
確かに素質とか才能といったものは一面非常に大事であろう。

例えば相撲などでも、やはり横綱になるほどの人は
それなりに恵まれた素質を持っているように思われる。

しかし同時に、あたら立派な素質を持ち、将来の横綱と期待されながら、
それほどの成績を上げ得ずに終わる人も少なくない。

そしてその原因は往々にして十分な稽古をしないこと
、言い換えれば努力の不足にあることが指摘されている。

だから個人としてももちろんだが、特に指導者は、素質、才能の不足を言う前に、
どれだけの努力をしたかをまず自らに問うことが大事だと思う。

エジソンの言うように、霊感すなわち、
ひらめきというか発想ということも極めて大事であろう。
そういう発想なくしては何ものも生まれてこない。

しかしどんな優れた発想をしても、
ただ座して待っていたのではそれは生きてこない。
その発想を生かすものは、徹底した努力に継ぐ努力である。

エジソンは科学者であるが、その徹底した努力については、
指導者たる人は大いに学ばなくてはならないと思う。


・・・

<関連Web>

(1)光明掲示板・伝統・第一「人の上に立つ者に求められること」
   → http://bbs6.sekkaku.net/bbs/?id=wonderful&mode=res&log=46

(2)スレッド「人の上に立つ者に求められること①」
   → http://dentou.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=6456974

(3)スレッド「人の上に立つ者に求められること②」
   → http://dentou.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=6518568

(4)スレッド「人の上に立つ者に求められること③」
   → http://dentou.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=6565311

(5)スレッド「人の上に立つ者に求められること④」
   → http://dentou.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=6611149

(6)スレッド「人の上に立つ者に求められること⑤」
   → http://dentou.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=6747214

(7)スレッド「人の上に立つ者に求められること⑥」
   → http://dentou.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=6931505


         <感謝合掌 平成28年12月19日 頓首再拝>

リーダーはかっこいいとは限らない - 伝統

2016/12/22 (Thu) 19:10:15


      *「”ついていきたい”と思われるリーダーになる51の言葉」
        第1章  岩田松雄・著より

(1)「どうして自分がリーダーに? 」でまったくかまわない

  ①見てくれている人は必ずいる。
  ②頑張っていれば、周りの人が自分を押し上げてくれる。

(2)リーダーシップは生まれつきのものじゃない

  ①リーダーシップは生まれつきのものなどではない、ということ。
   誰でもリーダーになれる素質を持っている。

  ②「リーダーシップ」のイメージを変える。
   カリスマ的な力でぐいぐい引っ張る「第四水準」の上に、
   謙虚な姿勢を持ち、人格的にも優れた「第五水準」のリーダーがある。

(3)人を動かすより、まず自分を動かせ

  ①「努力をすれば、必ず報われる」と自分を信じる強い気持を持つ。
  ②人を治める前に、まず自分を修める必要がある。
   自分を修められないのに、人を治めることなどできない。

   自分で自分を修めようと努力し、自分でコツコツ頑張って自分を高めると、
   周りから推されてリーダーになっていくのです。

(4)部下は、上司の人間性をこそ見ている

  ①部下は上司をよく見ている。そして見ているのは仕事ぶりだけではない。
  ②偉い人が謙虚でいるのはかっこいい。
  ③威厳を振りかざすよりも、何よりもありのままの自然体を見せたほうがいい。

(5)挫折の経験が人の痛みを想像できる人にする

  ①苦い経験、挫折経験が意識や目線を大きく変える。
  ②人の痛みが想像でき、それを理解したうえで行動できる。

(6)現場、そして弱い人を大事にする

  ①リーダーに問われるのはいかに動いてもらえるか、ということ。
   より強く目を向けなければいけないのは、部下なのである。

  ②偉い人や上司の顔色を気にする以上に、部下や後輩への態度を見直しておく。
   強くない立場の人たちに、しっかり目を向ける意識を持つ。

(7)権力の恐ろしさを理解しておく

  ①地位を持つのと同時に、責任も背負う。
  ②人間を磨いておくことこそ、実はリーダーの最低条件なのである。

(8)リーダーが発するべきは「ミッション」である

  ①みんなが納得する、頑張れるミッションをつくる。
   それは大きなパワーになる。

  ②「情熱を持って取り組めるもの」
   「自社が世界一になれる部分」
   「経済的原動力になるもの」

   の3つの円が重なる部分を会社として目指す。
            (針鼠の概念「ビジョナリ-カンパニー2」)

(9)トイレに行く姿まで常に見られていると意識する

  ①大事にしなければならないのは、
   常に「長期的には、何とかなる」と楽観的であること。

   部下の前では「1%でも可能性があるのであれば、絶対にいけるぞ、大丈夫!」
   という気持ちを持ち続ける。

  ②いくら虚勢を張ったところで、できることには限界がある。
   それよりもみんな支えてくれ、というスタンスを大事にすること。

         <感謝合掌 平成28年12月22日 頓首再拝>

リーダーは饒舌でなくてもかまわない - 伝統

2016/12/25 (Sun) 18:18:15


      *「”ついていきたい”と思われるリーダーになる51の言葉」
        第2章  岩田松雄・著より

(1)日々の言動が信頼関係を作る

  ①部下は3日で上司を見極める。、
   リーダーの日々の言動、さらには仕事ぶりそのものが
   コミュニケーションになっている。

  ②時には先輩を立て、救ってやることも必要になる。
   そういうことを部下に教える、という意味合いに置いても、
   リーダーが果たすべき役割は小さくない。


(2)言葉ひとつで部下のやる気は変わる

  ①たった一つの上司の言葉が、
   委縮することなく、伸び伸び仕事をすることを可能にする。
   それだけの言葉をリーダーは発することができる。

  ②会議をするにしても、モノを運ぶにしても、書類を作成するにしても、
   火花が散る瞬間はいつかを意識する。

  ③「火花」が散る瞬間とは、ビジネスの、あるいは仕事の本質を考えることである。


(3)リーダーの方から部下の意見を積極的に聞く

  ①部下は、一緒に目標に向かっていく仲間。
   ならば、一緒にミッションから考えればいい。
   一緒にどうすればいいか、考えればいい。

   話を聞いてみるべきだ。

  ②自分の意見を言う前に、必ず先に部下から意見を聞くようにする。
   すると、部下独自の意見が出てくる。
   出来る限り年次の低い社員から聞いていく。

   リーダーが指名してあげる。
   そして、リーダーは最後にしゃべる。

(4)2つの就任演説から学んだ、聞く人をイメージして話すこと

   著者(岩田松雄氏)がアトラスという会社で、
   社長に初めて就任された時のエピソードです。

  ①ビジネススクール用語が連発の就任演説
   社長に就任するにあたり、就任演説を社員の前でする機会がありました。

   ここは最初の頑張りどころだ、今までと違った自分の考え方をしっかり見せないと、
   と私は思いました。そこで出てきたのが、ビジネススクールで学んだ知識や言葉でした。

   これからは企業価値経営が求められている。キャッシュフロー経営が重要だ・・・・。

   ところが、目の前で立って聞いてくれている100人ほどの社員から、
   まるで反応がありません。
   身体はそこにあるけれど、魂はここにはない、といった状態。

   私は、一生懸命に半紙を続けたのですが、途中でハッと気づきました。

  ②女性社員が涙を流しながら聞いてくれた就任演説

   手応えを感じたのは、発表している最中に何人かの女性社員が
   涙を流して聞いてくれていたことです。

   自分たちがしてほしい、さらには、したいと思っていたことを
   聞くことができたからでないかと思います。

   この心からの一生懸命な言葉、生身のコミュニケーションが、
   会社を大きく変えるきっかけとなったのだと思います。


(5)意識するのは、とにかく「わかりやすさ」である

  ①リーダーとして部下に話をするとき、
   最も重視しなければいけないのが、「わかりやすさ」である。

  ②リーダーが部下に愛情を持っていれば、自然に何をすればいいかが見えてくる。

  ③シンプルでキャッチーなフレーズを作る。
   それは、チームや組織にやろうとしている事を浸透させ、
   勢いをつけられることである。


(6)思いは文字にすると伝わる

  ①できることなら直に言葉で伝える方がいいに決まっている。
   しかし、それができないとなれば、他の方法を考える必要がある。

   身近でリーダーの言葉を聞ける人は別だが、
   そうでない人もリーダーの言葉は聞きたいのではないか。

  ②覚えたり、習慣にすることは、極めて難しい。
   だから、何度も何度も語りかける必要がある。
   そこに書く意味が出てくる。

  ③何十回も出てくる言葉こそ、最も本質的なこと。
   過去に言ったかどうかなど気にせず口にする。


(7)「あなたらしくない」「あなたでさえ」という叱り方をする

  ①部下を叱るときに注意すべきこと、
   自尊心を傷つけない叱り方をする、ということ。

  ②絶対にしてはいけないことには、リーダーは声を荒げても怒りを表すべきである。

  ③何か指摘をする、という場面もリーダーには少なくありません。
   ただ、指摘というのがくせもので、叱られているととる部下もいる。
   また、直接、指摘をするとヘソを曲げてしまうようなこともあります。

   ですから、何か指摘をするときには、何かを肯定し、褒めた上で、
   「こうしてほしい」という言い方を心がていました。
   何か指摘をしたいと思ったときも、まずは肯定してからにする、褒めてからにする、
   ということです。


(8)大勢の前でうまく話すには、とにかく準備をすること

  ①うなずいてくれる誰かを何人か早く見つける。
   そして、その人たちに向かって話しかける。

  ②「コンテンツ」と「熱意」があれば何とかなるさ、と開き直ること。

  ③原稿は用意するものの、読もうとはしないこと。

  ④虚勢を張る必要はない。庶民派リーダーでよい。
   本当の自分は、そこにこそあるのだから。

         <感謝合掌 平成28年12月25日 頓首再拝>

リーダーは、部下と飲みにいかない - 伝統

2016/12/27 (Tue) 19:37:11


      *「”ついていきたい”と思われるリーダーになる51の言葉」
        第3章  岩田松雄・著より

(1)ピッチャーとサード、どちらが偉いか

  ①リーダーは偉いわけではない。
   単なる役割の違いである。

  ②「みんなを幸せにしたい」という思い。
   これこそが、リーダーの最大の原動力でなければならない。

(2)部下に関心を持つことから始めなさい

  ①興味を持たれていない、関心を持たれていない、
   というのが、部下としては一番つらいことなのです。

  ②ちゃんと見てくれている。
   自分たちのことに関心を向けてくれている。
   それを感じるだけでスタッフのモチベーションは圧倒的に変わってくる。

  ③飲みに行かなくても本音が聞けるような関係を
   日ごろから作っていく力こそが求められるのです。

(3)常に味方になり、重視すべきは現場である

  ①現場と等距離に接したいのなら、近づく意識を強く持っておかないと、
   どんどん遠くなってしまう。現場の味方をするくらいがちょうどいい。

  ②実際に現場に行かなければ、現場を重視しなければ、
   現場の見方をしなければ見えてこないことがある。

(4)仕事を頼む時は「Why」から始めなさい

  ①使命感が持てるような頼み方をする。
   「What」(何を)ではなく、「Why」(なぜ)をきちんと伝えてあげる。

  ②なにか指摘したいと思った時も、まずは肯定してからにする、
   褒めてからにする。
   このワンクッションで、頼まれた仕事への部下のやる気や使命感は大きく変わっていく。

(5)評価は「上・中・下」の全範囲から見て下す

  ①上に対しては謙虚な姿勢を見せ、下に対しては偉そうにする。
   そうした二重人格者は少なくない。

  ②リーダーは評価については、できるだけ情報を広範囲から得るべきである。

  ③この会社はどんな人材を登用し、出世させるのか。
   それは実はトップからの、究極のメッセージでもある。
   「やっぱり、あの人なら」なのか、「なんで、あいつが」なのか。

(6)大きな方針は「直感」で作っていい

  ①いつも創業の原点に立ち戻ってみる。

  ②大きな方針は、確たる裏付けやロジックがなくてもよい。
   直感、もっといえば感覚的なものでよい。

(7)リーダーは結果責任がすべてである

  ①リーダーとして異動したら、3か月でおおよその概要を掴むこと。
   そして、一つのアプトプットを出す。
   レポートでもいいし、新たな戦略の構想でもよい。

   そして次の3か月で実践に移す。

  ②部下の場合は結果以上にプロセスを評価する。
   それは部下のモチベーションを大きく高めることになる。

(8)「to do good」よりも「to be good」になりなさい

  ①組織では、ポジションが上に行けばいくほど、求められる能力は
   「スキル系」の能力よりも「人格系(徳)」の能力が大きくなっていく。

  ②重要なことは、スキル系だけいくら高めても、
   いずれ限界がやってくる、ということ。
   高めるべきは人間性であり、人間の徳とでもいうべきもの。

(9)そりが合わない部下、上司と上手く付き合う方法

  ①思い切ってこちらから本心をさらけ出すこと。
   そうすれば、必ず何かの変化が現れる。

  ②部下と競うのではなく、長所を認めて積極的に話を聞いてみる。
   そして、その部下がおそらく持っていない視点で意識的に発言する。

(10)まとめ

   部下との関係を円滑にするために、お酒を飲みに行くことが大切だ、と
   思っている上司、マネージャー・リーダーも少なくないようです。

   お酒の場であれば、くだけて、リラックスして話もできて、
   本音も聞くことができるのではないか、と。

   でも、私はそれでいいのかな?と思っています。

   大事な話だからこそ、お酒の場ではなく、
   素面の場でしっかり聞き、あるいは話し合うべきです。

   もっといえば、お酒など飲まなくても、
   本音が聞けるような関係を作ることこそが大事です。

   ましてや、大勢の部下を引き連れて飲み歩くなど、ありえないことでした。
   仕事の場は仕事の場、プライベートの場はプライベートの場なのですから。

   お酒が飲めなくても、お酒を飲みに行かなくても、
   部下に『ついていきたい』と思われるマネージャー・リーダーはいます。

   むしろ、お酒に頼らない人間関係
   を作ろうとする意識こそ、必要だと私は思っています。

         <感謝合掌 平成28年12月27日 頓首再拝>

リーダーは、人のすることは信じてはいけない - 伝統

2016/12/30 (Fri) 17:15:27

      *「”ついていきたい”と思われるリーダーになる51の言葉」
        第4章  岩田松雄・著より

(1)判断は必ずしもスピーディでなくていい

  ①自信を持って意思決定できないときは、決定のタイミングを先延ばしする。
   つまり「今決定しない」ということを決定する。
   そして、どうしてもこの時点までに決めなければいけない、という時期を確認する。

  ②朝令暮改をしてもいいし、最終決定までに判断が揺れ動いてもいい。


(2)「事実」と「判断」を混同しない

  ①事実を重視する。正しい事実を集める努力をする。

  ②大切なのは、「人を信じてもいいけれど、人のすることを信じてはいけない」
   ということ。

  ③まずは、事実を聞く。
   その上で部下はどう思ったのか、を聞く。

   これをやらないと、判断だけを聞いて終わってしまいかねない。
   事実がきけない。


(3)前向きなチャレンジは、迷った時には、やってみる

  ①やらなかった後悔と、やった上での後悔であったら、
   やった上の後悔の方がずっといい。

  ②どれだけの損失が出るかをイメージし、どこまでの損失に耐えることができるか、
   それを判断した上で、決断する。

  ③ひとつは、チャレンジしろ、とはっぱをかけること。
   そしてもう一つは、万が一、失敗した場合は、責任はリーダーがとる、
   と明言すること。


(4)いつでも「何とかなる」という感覚を持つ

  ①「この会社にいなければ自分はおしまいだ」などと思わない。

  ②自分にできる最大限のことをやれば、神様は悪いようにはしない。


(5)部下の意思決定力を鍛える

  ①意思決定の瞬間は、実は部下を育成できる絶好のチャンスでもある。
   なぜなら、リーダーにとって一番求められるのは何かを「決める」ことだからである。

   だから部下に判断させ、理由を聞いてみる。

  ②売り手の場合も買い手の場合も、最終的にどう折り合いをつけるのか。
   相手側の立場に立った交渉技術や考え方についても、
   リーダーはしっかり部下に見せてあげるべきである。


(6)リーダーは逃げてはいけない

  ①「上が決めたから」は絶対言ってはいけない。
   大切なのはどうしてそうなったのか、を
   しっかり部下に語れなくてはならないということである。

  ②「決断力」を日ごろから強く意識する。
   怒られても恨みを買っても、決めなければならないことがある。

   リーダーは恨みに任ずる覚悟が必要である。

  ③逃げないとはつまり、決断すること。
   だからこそ決断する力を磨いておかなければならない。

         <感謝合掌 平成28年12月30日 頓首再拝>

長い目で見る - 伝統

2017/01/03 (Tue) 17:56:49

指導者の条件74(長い目で見る)

            *「指導者の条件」松下幸之助・著より

指導者は目先の利害にとらわれず長期的にものを考えることが大事である。

本能寺で信長が明智光秀に討たれた時、秀吉は備中高松城を囲んでいたが、
その報が入るや、すぐさま毛利と和睦し、とって返した。

この和睦の後で、本能寺の変を知った毛利方では、これを絶好の機会として、
和睦を破棄して、秀吉の軍を追撃すべきだという主張が強かった。
その時、毛利方の副将小早川隆景は、それに反対してこう主張した。

「戦乱の時代が百年も続いたが、それもだんだんおさまりつつある。
そうした時代ということを考えて、秀吉を見ると、まことに立派な人物で、
信長亡き後の天下は自然この人に帰すると思われる。

もしここで、和睦の誓いにそむいて秀吉の恨みを買えば、後日当家の滅亡は免れない。
だから、むしろ和睦の心をますます厚くし、
この人と将来ともに栄えていくことを考えるべきだ」

そう言って、自分の甥であり、主君でもある毛利輝元や、兄の吉川元春を大いに説き、
ついに和睦の方針を堅持することにした。

はたせるかな、秀吉は光秀を破り、天下統一への道を進んだが、
このことを深く感謝し、毛利家にも、隆景にも厚く報いたという。


人間は、ともすれば目先の利害とか損得にとらわれて、
長い目での利害、損得というものを見失ってしまいがちである。

もちろん、当面どうするということは刻々に起こってくるわけで、
それを的確に行っていくことが極めて大事なのは言うまでもない。

しかし、それを的確に誤り少なく行っていくためには、
やはりいわゆる長い目で、ものを見、ものを考えたその上で、
当面どうするかを決定することが大事だと思う。

一時的には得するようでも、長期的に見れば失う所が大きいということもあろうし、
反対に、今は損失になるが、先ではプラスになってかえってくるということもあろう。

そのようなことは、分かり切っているようではあるが、
実際になると、とかく目先だけでものを決してしまいがちなものである。

現に、隆景はこのように毛利家の長き安泰を考え、遺言までしているのだが、
毛利輝元はそれを聞かず、関ヶ原の合戦に西軍の大将にまつりあげられ、
封地を大きく失うといった結果を招来しているのである。

だから、指導者は常日頃から、長い目でものを見ることを考え、
長期的な観点から、物事を判断し、行っていくということに
徹しなくてはならないと思うのである。

         <感謝合掌 平成29年1月3日 頓首再拝>

ビジョンを示し、共有する - 伝統

2017/01/06 (Fri) 19:40:38


        *Web:DIAMOND onlin( 2016年2月5日)より

《「何もしないリーダーシップ」が浸透している職場》

何人かと一緒に、ある居酒屋で食事をしていたときのことです。
注文したものはほとんど食べ終えていたのですが、
炭火焼の地鶏が食べきれずに少し残ってしまいました。

そこに若い女性の店員さんがやってきて、こう言いました。

「こちら、別の味に変えてお持ちしましょうか?」

半信半疑ながらお願いしてみると、ポン酢で和えられた地鶏の炭火焼が、
小鉢に盛りつけられて運ばれてきます。これがとてもさっぱりとしておいしくて、
あっと言うまに平らげてしまいました。

再びやってきた店員さんに「おいしかったです!」と告げると、
今度は、先ほど下げた炭火焼の鉄板に何かを盛りつけて運んできてくれました。

「鉄板に残っていた鶏の脂でつくったガーリックチャーハンです」

こちらもいただいてみると、たしかにおいしい。
しかも、どちらも無料のサービスなのです。

「社員さんですか?」―あまりに見事な対応に感動して、こちらが思わず尋ねると、

なんと彼女はアルバイトだとのこと。「ウチって、ヘンなお店なんです……」―
照れ臭そうに笑ってから彼女は言いました。

「生産者さんに感謝しながら働いているので、
 お客様にはなるべく残さず食べていただきたいんです」

そのあともいろいろとお話を聞いてわかったのですが、
このアルバイトさんの対応は、マニュアルや店長からの指示に基づいたものではなく、
お客様の表情や注文状況を見ながら、彼女の判断で自由にやっていることなのだとか……。

そして、最後に確認したのが、お店を経営している会社の名前。
「エー・ピーカンパニー」という会社でした。


《リーダーの最も大切な仕事は「目的」をつくること》

株式会社エー・ピーカンパニー(本社 東京都)は、
「塚田農場」「四十八漁場」などの居酒屋チェーンを全国に展開する会社です。
偶然にもその数ヵ月前、同社の創業者で代表取締役社長の米山久さんには、
「社長トーク」に出演いただいていました。

アルバイトの女性から「エー・ピーカンパニー」の名前を聞いたとき、
私は「なるほど!」と思わず膝を打ちました。

彼女の振る舞いや「生産者さんに感謝しながら働いている」といった言葉が、
米山さんから伺っていたお話と、見事に符合していたからです。

エー・ピーカンパニーの特徴は、食品の生産(一次産業)から流通・加工(二次産業)、
販売(三次産業)までを一貫して手がけるビジネスモデルにあります。

同社ではこれを「生販直結モデル」「六次産業化」などと呼んでいます。

宮崎県の地鶏農家さんと出会った米山さんが、
「日本の食文化を支える生産者さんたちのために、自分にできることは何か?」
と自問自答するなかから、このビジネスモデルは生まれました。

実際、「一次産業の方々の生活をもっとよくしたい」「後継者に困らない環境をつくりたい」
「地方の活性化を目指したい」という米山さんの思いが、お店の隅々にまで行きわたっています。

エー・ピーカンパニーには、この記事が主題とする
リーダーシップの典型を見てとることができます。

現場で働く人たちの「マニュアルに収まりきらないアクション」の根本にあるのは、
米山さんというリーダーが打ち出した「ビジョン」です。

ビジョンとは、ひと言で言えば「働く目的」です。

ビジョンがそれぞれのメンバーに浸透しているからこそ、
それが現場での行動となって現れる。

【リーダーの最も大切な仕事は、ビジョンをつくり、
それをメンバーに浸透させることなのです。】


《リーダーのビジョンは「マニュアル」を超える》

同社では、実際の生産現場を見学した社員が、
アルバイトの方々に現場を疑似体験させる研修を行っています。
もちろんこれは、「一次産業の方々の現状を知り、何ができるか考えてほしい」
という米山さんの思いをメンバーに伝えるためです。

たとえば、養鶏場で生まれたかわいらしいヒヨコが次第に成長して鶏になり、
屠殺されて解体される―そんな過程をすべて見てもらうといいます。

ショックを受けるスタッフもいるそうですが、
鶏たちの命を自分たちがいただいていること、
そして鶏を精魂込めて育ててくれている養鶏農家の方々の仕事ぶりを知ることで、
スタッフたちは大切な気づきを得ます。


《なぜ「指示しない職場」で業績が上がっているのか? 》

特筆すべきは、リーダーとしての米山さんの究極の仕事が
「ビジョンの共有」だということです。

「お客様に残さずに食べきっていただくためにどうすればいいか?」について、
何か具体的な指示があるわけではなく、そこは各メンバーに委ねられています。

事実、「塚田農場」の各店舗には、自由予算枠が与えられています。
その範囲内であれば、現場の判断でさまざまなサービスを提供できるのです。

具体的なアクションは、現場のスタッフによって異なりますが、
それぞれが根本に持っている目的は同じです。

「お客様に満足してもらって、リピーターになってもらえれば、
 原材料を安定的に仕入れることができる。そうすれば生産者さんたちの生活も安定する」

―そんな同じ目的に基づいたストーリーが見えているからこそ、
細かなマニュアルで指示されなくても、メンバーそれぞれが自発的に
お客様の満足度を高めようと工夫できるのです。

これが実際の業績にもつながっており、
同社のリピート率は居酒屋業界平均の倍以上だというから驚きです。

まさに、ビジョンを共有した現場の工夫がなせる技だと言えるでしょう。

   (http://diamond.jp/articles/-/85502 )

         <感謝合掌 平成29年1月6日 頓首再拝>

『イヤな上司、尊敬される上司』 - 伝統

2017/01/08 (Sun) 19:43:51


        *人と組織を動かす
        (日本経営合理化教会「国際ビジネスブレイン代表・新将命氏」コラム)より

ある調査によると、イヤな上司のトップは「気分屋」とのこと。

続いて、「優柔不断」「細かいことに気を遣いすぎる」「自分の都合が最優先」
「無神経」「すぐキレる」の順で嫌われている。

さらには、「服装やプライバシーに干渉したがる」「休暇をとるとムッとする」
「時間にルーズ」「清潔感がない」「家庭の自慢をしたがる」「お金にルーズ」
…も、嫌われる上司であった。

いちいちもっともで、思い当たる管理職も多いはずだが、
その反面、この種のアンケート調査には落とし穴もある。

「近代的なゴミ焼却場建設に賛成ですか」との設問には、ほとんどの人が
賛成と答えるはずであるが、

では、
「あなたの家の隣接地に建設するのには、賛成ですか反対ですか」となると、
たちまち怪しくなる。

おそらく、賛成は激減するに違いない。

このように、アンケート調査というものは、設問の仕方によっても
回答の選択肢によっても、かなりニュアンスが違ってくるものだ。


管理職を擁護するわけではないが、
たとえば、優柔不断な上司が尊敬されないことは
理解できるとして、

前もってわかっている繁忙期に突然休暇をとるなど、
ムッとせざるえないケースもご理解いただけるはずだ。

本当は細かいことまでに気を遣いたくはないし、
服装やプライバシーにまで干渉したくもないが、
あまりの常識はずれのため注意ことは当然である。

仕事の段取りがマズいことから指導しようとしたばかりに、
自分に都合を優先させている、と思われることもある。


つまるところ、この種の調査には、

≪参考にすべし、さりとてあまり気にするのもいかがなものか≫

といったスタンスであればいいと考えている。


同じように、「いい上司のタイプは」といったアンケートをとったとしよう。
いろいろな答えが返ってくるだろうが、
おおよそ2通りのタイプに分けられるはずだ。

ひとつは、部下を誘って飲みに行く人、いわゆる面倒見のいいタイプ。
もうひとつは、「あの人を見習って仕事をしよう、あの人のようになりたい」と
尊敬を受けるタイプである。

人気より人望・・・。

私は、人気はなくても人望があれば、上司としては合格であると評価している。
したがって、部下から「いい上司」と思われるにしても、後者のように
尊敬を受けるタイプうを目指すべしとアドバイスしている。


中間管理職に対して、「360度評価制度」を取り入れる企業が増えている。
上司の評価だけでなく、同僚や部下の評価も加えようというものだ。
しかし、だからといって、部下や同僚の人気取りに走るのは本末転倒である。

あくまで人望を得るように努力することが本道だ。

とはいえ、前者のタイプにしても、どうせ面倒を見るからには、
部下が最大限感謝するぐらい面倒を見ることだ。

時間をやりくりしてまで、落ち込んでいる自分を飲みに誘ってくれた、
親身にアドバイスをしてくれた…、となれば、
部下にしても感謝こそすれ、煙たい存在とは思わないはずだ。

その意味で、ベストセラーの「驕るな上司」ではないが、「奢れ上司」といいたい。

http://www.jmca.jp/column/hito/hito113.html

         <感謝合掌 平成29年1月8日 頓首再拝>

指導者の条件75(成すべきを成す) - 伝統

2017/01/22 (Sun) 19:01:11


            *「指導者の条件」松下幸之助・著より

指導者はどんな事態にあっても成すべきを成さねばならない。

明治の先覚者福沢諭吉は、彰義隊の戦いのあったその当日も、騒然たる世間をよそに、
上野からほど遠からぬ自分の塾で、英書で経済の講義を続けていたと言われる。
そして当時、こういうことを学生達に語って励ましたという。

「かつてオランダがナポレオン戦争で領地を占領された時、
世界でわずか長崎の出島のオランダ人居留地だけにオランダ国旗が翻っていた。
それをもってオランダ人は、自分の国はかつて滅びたことがないと誇っている。

それと同じように、我々も世の中にいかなる騒動があっても、変乱があっても、
日本の洋学の命脈を絶やしたことがない。
だからこの塾ある限り、大日本は世界の文明国だ。世間に頓着するな」

治にいて乱を忘れずということがある。

太平の時でも、乱に備えて物心ともの準備を怠ってはいけないということで、
指導者として極めて大切な心構えである。

と同時に、乱にいて治を忘れずというか、
混乱の中にあって、それに巻き込まれることなく心静かに成すべきを成す
ということも極めて大事だと言えよう。

福沢諭吉は自ら外国へも行き、時代の方向というものを見定めていた。
そして、これからは大いに西洋の学問を取り入れ、実地に役に立つ人を育て、
それによって日本を興していかなくてはならない、それこそ自分がやるべきことだ
と考えたのだと思う。

だから、上野で戦いがあろうと、各地で風雲急をつげるものがあろうと、
寸刻を惜しんで、洋学に励み、子弟の教育に打ち込んだのであろう。

人間というものは、とかく周囲の情勢に流されやすい。

治にあれば治に溺れ、乱に会えば乱に巻き込まれて
自分を見失ってしまいがちなものである。

そういうことなしに、常に信念を持って主体的に生きるためには、
やはり、我何を成すべきかを考え、その成すべき事をひたすらに成していく
ということが大切だと思う。

そして、そうしたことは個人の生き方でも大切ではあるが、
やはり指導者がしっかりとそれをつかまなくてはならない。

いかなる事態にあっても、指導者がそれに惑わされることなく、
淡々として成すべき事を成していくという態度を持てば、皆もそれについてくる。

指導者の要諦とは、見方によっては、
この”成すべきを成す”ということに尽きるとも言えよう。

         <感謝合掌 平成29年1月22日 頓首再拝>

「指示しない職場」で業績が伸びている - 伝統

2017/01/25 (Wed) 19:45:42


        *Web:DIAMOND onlin( 2016年2月8日)より

私がお伝えしようとしている新しいリーダーの典型的なあり方として、
エー・ピーカンパニーの事例を紹介させていただきました。
(2017/01/06投稿「ビジョンを示し、共有する」)

今回は、なぜこうしたリーダーシップが生まれてきているのかを、
社会の変化と合わせて整理しておきましょう。

21世紀にかけて急速に進んだ情報通信革命が、ビジネスのあり方を大きく変えました。
かつては、一定の枠組みの下で、ゆっくりと小さな改善をしながら仕事をしていれば、
会社や組織は安泰でした。

むしろ、ルールやマニュアルからはみ出ようとするメンバーがいないか
注意しながらチームを統率する、軍隊の隊長のようなリーダーシップが求められていたのです。

しかし、いまではこうしたリーダーシップはうまく機能しません。
従来の「強いリーダーシップ」が機能不全に陥った原因は、大きく2つあります。

1つは、消費者の価値観やニーズの多様化です。
インターネットをはじめとした情報通信の発展によって、かつて知りようがなかった
「小さな価値観・ニーズ」が顕在化し、それがダイレクトに企業や組織に
伝わるようになりました。

同時に、モノやサービスが充実したことで、量から質へ、
「納得できる価値があるもの」へと人々の嗜好(しこう)が移ってきました。

大量生産された商品や画一的なサービスではなく、精神的充足が得られる商品、
特別感のあるサービスを求める傾向が強くなってきたのです。


もう1つは、変化のスピードです。
各人の嗜好が多様であるだけでなく、その嗜好自体が大変なスピードで移ろいます。
「先週喜ばれたものが、今週には陳腐化している」ということも起こる時代になりました。

こうした状況下で、リーダーが自社の商品・サービスのすべてを把握し、
それぞれに対して意思決定をしていくのは不可能です。

また、現場がマニュアルだけに頼っていたり、
個別のケースごとにリーダーの指示を仰いだりしていると、柔軟かつ素早い対応ができずに、
お客様のニーズとのあいだにズレが生じることになります。

つまり、従来のトップダウン型リーダーシップだけでは「遅すぎる」のです。

めまぐるしく移り変わる複雑なニーズに対応していくには、
現場にいるメンバーたちが自律的に動き、個別に対応するほかありません。


《理想的なリーダーは「2つのスタイル」を併せ持つ》

そして、それを実現するための最適解が、「働く目的」をメンバー全員に
明確に伝えていくビジョン型リーダーシップです。

これからのリーダーの仕事は、ビジョンをつくることであり、
それをメンバーに浸透させることなのです。

ですから、その先の具体的なアクションは、メンバー個人に委ねることになります。
現場に命令を出したり、メンバーの動きを細かく管理したりするといった
「管理職的な口出し」は、もはや不要になりつつあります。

しかし、経営者ならまだしも、現場のリーダーをしていると、現場が見えるがゆえに、
細かな指示を出したくなるものです。
メンバーと同じ目線で動きすぎて、忙しくなってしまっているリーダーも散見されます。

「命令や指示をしないなんて、現場のプレイングマネジャーには無理ですよ!」
という反論も聞こえてきそうですが、そこは程度の問題です。

まったく指示をしないという選択肢はないかもしれませんが、
日ごろの指示を、一度冷静に見つめ直してみると、言わなくてもよかったことや、
メンバーの自主性を阻害しているものが見えてくるはずです。

リーダー(Leader)とは、「リード(Lead)する人」ですから、
私たちはどうしても「みんなを力強く引っぱっていく役割」をイメージしがちです。

しかし、そうではないリードの仕方もあるのです。
かつてのように、昇級・昇進やその他の信賞必罰によってメンバーの行動を
制限していくのではなく、メンバーがワクワクして自ら動き出すような目的を提示し、
現場に任せるのが新しいリーダーシップのかたちです。

もちろん、組織やチームが危機に直面し、メンバーが右往左往している局面では、
全権を担って矢面に立ち、時には剛腕をふるって組織を守り、時には敵をつくりながらも
力強くチームを牽引していく、そんなリーダーが求められます。

たとえば大災害のときには、強烈なリーダーがいて初めて
多くの人の命が救われるということを、多くの日本人が実感したと思います。

つまり、今回の本『最高のリーダーは何もしない』はカリスマ型リーダーを全否定し、
ビジョン型リーダーだけを肯定したいわけではありません。

「強いリーダーシップを発揮できる素地を持ちながらも、平時にはビジョン型に徹する」
というように、状況に応じて両方のリーダーシップを使い分けられる人こそが、
理想的なリーダーです。


《仕事に徹するリーダーほど、「何もしていない」ように見える》

とはいえ、「社長トーク」に出演していただいた経営者の方々を見ていても、
いまは「人をついてこさせる」とか「メンバーを使う」といった、
ある種の「上から目線」を連想させるような言葉遣いをする人はまずいません。

「先頭に立ってグイグイとみんなを引っ張っていく」というよりも、
「そこに座って思いを伝えているうちに、みんなが自然と動いてくれている」
というイメージのリーダーが多いのです。

ビジョンに基づいてメンバーが自律的に動くチームをつくれれば、
リーダーは現場への指示に時間を奪われなくなります。
そこで生まれた時間を使って広く世の中を観察し、次なる展開を考え、
変化に備える―こうした好循環を生み出し、メンバーとともに成長する組織を
つくることこそが、これからのリーダーの仕事です。

組織やチームの誰よりも静かに考え続けること。
未来を見つめ続けること。

そんな「本来の仕事」にリーダーが徹すれば徹するほど、
その姿は「何もしていない」ように見えるのです。

 (http://diamond.jp/articles/-/85503 )

         <感謝合掌 平成29年1月25日 頓首再拝>

『笑顔でわかる平静さ』 - 伝統

2017/02/09 (Thu) 19:35:53


        *人と組織を動かす
        (日本経営合理化教会「国際ビジネスブレイン代表・新将命氏」コラム)より

ものごとが順調な時は、部下は上司の顔をみないで自信をもって前進するが、
局面が悪くなると、必ず上の顔色を伺うものだ。

そんな時、上としては、逆境にあるとはいえ、しかめっ面を見せてはならない。
「ボスの今日のご機嫌は? 」と気を遣わせるのは、とりあえず落第である。

「得意澹然 失意泰然(とくいたんぜん しついたいぜん)」という言葉があるが、
厳しい時こそ、やせ我慢でもいいから、ゆったりと落ち着いていたいものである。

ドストエフスキーも、

「いい時に有頂天になりすぎるな。悪いときに悲観しすぎるな」

と言っている。

洋の東西を問わず、人間は同じなんだなあと、しみじみ思う。


私の場合、若い時分から感情や態度がすぐに顔に出る傾向があったので、
仕事がうまくいかぬ時や二日酔いや寝不足などでフラフラの時でも、
なるべく平然とした態度を崩したくないため、次のような工夫を心掛けてきた。

(1)朝、会社に着くやいなや、トイレの鏡に向かって数回、笑顔を作る練習をする。

(2)どこかの研修会で入手した「スマイルカード」
   (鏡の役目を果たす銀色の紙のカード。端に例のスマイルの絵が描いてある)

   をオフィスに置き、身体や精神がシンドイ時に笑顔作りに努める。
   自分の顔(スマイル)を作ってから、人に会うようにする。

などによって、自制をし続けてきた。

「言うは易く行うは難し」であるが、笑顔で平静にコトにあたった方が、
しかめっ面の時よりも事態は好転していくもののようである。

平静さを保つための手段・方法・・・は様々で、向き・不向きもあるが、
この「スマイル作戦」は、誰でもできる簡単な方法として、
外面が内面を律することのでき得る効果的な例である。

世にいう「笑い性となる」。スマイルを習慣づけるとよい。

   (http://www.jmca.jp/column/hito/hito117.html

         <感謝合掌 平成29年2月9日 頓首再拝>

指導者の条件76(人間観を持つ) - 伝統

2017/02/17 (Fri) 18:22:14


            *「指導者の条件」松下幸之助・著より

指導者は人間について正しい認識を持たねばならない。

秀吉が天下を取っていた時、
秀吉の養女で宇喜多秀家の夫人となっていた女性が病気になった。
いわゆる”狐つき”である。

この時、秀吉は稲荷大明神あてに、次のような朱印状を出したという。

「このように人間に見入ったことはけしからんが、今度だけは許そう。
しかし、もしこの後こうしたことがあれば、日本中で毎年狐狩りをするよう命ずるだろう。
自分はこの天下の有情無情のすべてについて心にかけている。
だから、すみやかに秀家の夫人から立ち退くようにせよ」

為政者として、神社仏閣の神主や住職の人に対して朱印状を出すことは
珍しいことではないが、このように稲荷大明神というような神そのものに
命令したのは秀吉だけだという。

普通であれば、神仏に対しては祈願文といったかたちをとるだろう。
見方によっては、これはまことに不遜な態度である。

しかし、おそらく秀吉はこう考えたのではないだろうか。

すなわち、自分は天皇の命によって、関白の職を奉じ、天下万民を安んじる責任がある。
だからこの国土にある以上、たとえ神といえども人々の幸せに反するような姿があれば、
それを正すのは政治の責任者としての自分の務めである、と。

このようなこと、特にそのやり方の是非についてはいろいろ論もあると思うが、
こういったところに、いわば人間を主座に置いた、
秀吉なりの人間観とでもいうものがうかがわれるようで、まことに興味深い。

お互いが、この会社をよりよいものにし、人間の幸せを高めていくためには、
まず人間が人間自身を知ることが大切だと思う。

言い換えれば、人間とはどういうものであり、どういう歩み方をすべきであるか
という正しい人間観を持つということである。

そうした人間に対する正しい認識を欠いたならば、いかにいろいろ方策を講じ、
努力を重ねても、それは往々にして実り少ないものになってしまい、
時にはかえって人間自身を苦しめることにもなりかねない。

そういう意味において、指導者はまずそのような正しい人間観を求め、
自らそれを持つことが大事だと思う。

そしてそこから一つの人生観、社会観、世界観といったものを生み出し、
それに基づく指導理念を打ち立てていくならば、
それは極めて力強いものになっていくと思うのである。

         <感謝合掌 平成29年2月17日 頓首再拝>

「なんとなく働いている人」のためにリーダーは働く - 伝統

2017/02/20 (Mon) 17:48:56


優秀なリーダーの2つの条件~「戦略性」と「きれいごと」

        *Web:DIAMOND onlin( 2016年2月9日)より


《「命令を遂行する部隊」から「自分で判断する仲間」へ》

(1)企業を成長させるためにメンバー(社員・スタッフ)の力が重要なのは
   言うまでもありません。

   ニーズが多様化、スピード化した時代、「命令を遂行する部隊」ではなく、
   「自分で判断する仲間」が必要です。

(2)サービスもものづくりも、ますます個別対応が必要とされるようになってきたいま、
   それに対応する人・組織の質的向上が求められています。

   リーダーの指示やマニュアルに従って忠実に動く人ではなく、
   リーダーの「ビジョン」に基づき、自ら考え行動できるメンバーが、
   仕事の成否を左右する時代に入ったのです。

(3)消費者のニーズが1分1秒で変わっていくような世界では、
   新たな課題を自分で発見し、その解決策を自ら考え、
   実行できる人材を育てる必要があります。



《リーダーの年齢は問われなくなる》

(1)どんなビジネスであろうと、ビジョン型のリーダーシップを
   取り入れていかなければ、時代に置いていかれかねないのです。

(2)リーダーたちは、未来の大きな流れを現場に指し示したら、
   あとは次の世代を担う若者たちに具体的な未来像を描いてもらう勇気が必要なのです。

   時代の大きな変化は、過去の常識にとらわれない若い世代へと、
   リーダーの年齢を引き下げていくことになるでしょう。

   年齢に関係なくリーダーとして活躍してもらうためにも、
   ビジョンの大切さを知っておくことが重要です。


《「何もしないリーダー」は2つの能力を備えている》

(1)メンバーが共感して自ら動きたくなる、魅力的なビジョンをつくる力。

(2)ビジョンをメンバーにしっかりと伝えて浸透させる力。


《「なんとなく働いている人」をもっと幸せにする役割》

(1)ビジョンをつくるということは、
   組織・チームに所属するメンバーたちの仕事を「定義」することだ
   とも言えるでしょう。

   つまり、「何のために働いているのか?」を考えるための土台を、
   メンバーそれぞれに用意するのです。

(2)働く人たちは、「この会社は『生産者の人たちの暮らしをよくする会社』であり、
   あなたの役割は仕事を通じてそれを実現することだ」といったストーリーを
   必要としています。

   ビジョンが指し示す「仕事の目的」に共感できれば、
   それを実現する喜びを味わうために、人は誰かに指図されなくても、
   自らの腕を磨きはじめます。

(3)そして、働く1人ひとりが、自らの成長を喜べるようになれば、
   それはまさに最高の職場と言えるでしょう。


   (http://diamond.jp/articles/-/85504 )

         <感謝合掌 平成29年2月20日 頓首再拝>

『やるべきことを6つ書き出す』 - 伝統

2017/02/25 (Sat) 18:43:20


        *人と組織を動かす
        (日本経営合理化教会「国際ビジネスブレイン代表・新将命氏」コラム)より

「お目にかかりたい」とアポイントを入れようとする。
このとき返ってきた返事で、だいたいその人を判断できる。

「このところ、忙しくて」とか、
「是非、お会いしたいんですが、ちょっと多忙で」だとか、
「すみません、今月はバタバタしておりまして」・・・などと、

開口一番『忙しいから』という言葉を口にする人はNG。
私の中では、評価は低い。

日本人はとかく、『忙しい』ことはいいことだと思っている。

だが、忙しいということは、
自分のやるべき仕事と自分のキャパシティーを
バランスよく整理する能力に欠けていることを示しているにすぎない。

そんなことをいっても、仕事はあとからあとから押し寄せてくるのだ、
と言いたい人もあるだろう。

会社の人員整理が進み、以前よりいっそう『忙しい』のが現在の
日本のビジネスマンの実情だという声も聞こえてくる。

だが、そうした場合も、自分のキャパを正しく受け止めている人ならば、
できるものはできる、できないものはできないと素早く判断し、
できないものに関しては、それなりの対処法を考える。


C・M・シュワップ氏は、アメリカ有数の鉄鋼王として名を成した人である。
その彼が、まだ小さな会社を経営していたころの話。

経営コンサルタントのI・B・リー氏と会うことになったのだが、
実際はなかなか、アポイントメントが成立しない。
シュワップ氏が忙しすぎたのだ。

リー氏はある日、
「では、まず、忙しくなくなる方法からお教えしよう」と申し出た。

彼が最初に求めたのは、『明日やるべきことを6つ、書き出す』ことだった。
次に、その6つに仕事を、どれから先にやるか、順番をつけることを求めた。

彼は、こう言った
「明日は、この順番に仕事を片付けてください。これを毎日おこなうと、
 そんなに忙しくはなくなりますよ。」

一日の仕事を終えたあとに、明日やるべき仕事を6つ書き出し、それに順番をつける。
この作業に、シュワップ氏は、ほぼ10分の時間を要したという。

そして、この10分の習慣を採り入れただけで、彼は手元の仕事を次々を片付けながら、
リー氏など外部の人とのアポイントもどんどん入れられる、
時間的な余裕を手にしたという。

そして、38歳でUSスチールの社長になり、鉄鋼王の道をひたすら歩みだしたのである。


海外旅行先で、明日は帰国だという日。思いがけずに買い込んだものもあり、
とうていスーツケースに収まりそうもないと、一瞬、途方にくれそうになるときがあるが、
片端からきっちりと整理し納めると、けっこう収まるものだと思った経験はないだろうか。

時間の管理も同じことだ。

やらなければならないことを漠然と、目の前に未整理のまま放置していると、
『忙しい。忙しい』を連発するだけの日々になってしまう。

そこに整理整頓という軸を加えてみると、案外時間の余裕が生まれてくるものだ。

  (http://www.jmca.jp/column/hito/hito120.html

         <感謝合掌 平成29年2月25日 頓首再拝>

指導者の条件77(人情の機微を知る) - 伝統

2017/03/02 (Thu) 18:45:45


            *「指導者の条件」松下幸之助・著より

指導者は人情の機微に即して事を行わなくてはならない。

”衣食足りて礼節を知る”ということをよく言うが、
もともとは、”そうりんみちて礼節を知り、衣食足りて栄辱を知る”というのだそうで、
古代の斉の国の政治家、管仲の言葉だという。

管仲は、道義道徳が衰えれば国は滅びるとしてこれを大いに重視したが、
同時にそれは、倉に穀物が満ち、人民が衣食に事欠かないという、
物の面での豊かさに裏付けられなくてはいけないということを考えたわけである。

そこで、道義道徳を奨励する一方、経済を盛んにし、国を富ませることを図った。
その結果、一小国であった斉をして、天下の最強国にまで発展せしめたのである。

管仲という人は、結局、人間というものをよく把握していたというか、
いわゆる人情の機微に通じていたのだと思う。
だから、こういう事を言ったり、行ったり出来たのだろう。

実際彼は、「政令というものは民心に沿って下さなくてはならない」といい、
すべての政令をわかりやすく、実行しやすいものにしたとも言われている。

人間の心というものは、なかなか理屈では割り切れない。

理論的には、こうしたらいい、こういうことが望ましいと考えられても、
人心はむしろその反対に動くということもあろう。

一面まことに厄介といえば厄介だが、しかしやはり、ある種の方向というか、
法則的なものがあるとも考えられる。

そうしたものを、ある程度体得できるということが、
人情の機微を知るということになるのだと思う。

そのような人情の機微を知ること無しに、理論や理屈だけで事を成そうとすれば、
人々の反発を受けたりして、なかなかうまくいかず、労多くして功少なし
という結果に終わりがちである。

また、そうしたことを無理に力をもってやろうとすれば、
人々を苦しめたりすることにもなると思う。

古来、優れた政治家、優れた指導者といわれる人の業績を見ると、
やはり皆こうした人情の機微というものをよく把握し、
それに則して物事を行っているようである。

人情の機微を知るためには、やはり何といっても、
色々な体験を通じて、多くの人々と実際に触れ合うことである。

その意味で、指導者になる人は、
出来る限り実社会の体験を多く有している人が望ましい。

そうした体験に立ちつつ、常に素直な目で、人間というものを見、
その心の動きを知るということが大切だと思う。

         <感謝合掌 平成29年3月2日 頓首再拝>

世界のリーダーが「原点回帰」している - 伝統

2017/03/04 (Sat) 18:11:37


        *Web:DIAMOND onlin( 2016年2月9日)より


悩めるリーダーは「同族企業」を見よ!

《危機に直面したリーダーが大胆に「変えたこと」》

   松阪牛や黒毛和牛で有名な株式会社柿安本店(本社 三重県桑名市)は、
   この20年間のうちに2度の危機に見舞われました。

(1)1度目は、BSE(牛海綿状脳症)、いわゆる狂牛病が問題になったとき。

   このとき、同業者みんなが「大変だ!」と焦るなか、
   同社は「ピンチをチャンスに」の発想で、牛肉ではなく
   サラダを中核にした新たなビジネスモデルをつくり、
   積極的に出店することで黒字にしました。

(2)2度目の危機は、東日本大震災でした。

   原発事故による放射能汚染が稲わらに広がり、それを餌にする
   高級牛の買い控えが起きたのです。
   高級牛を主力商品とする柿安本店にとっては大打撃でした。

   しかし、ここでも同社は、後ろ向きになることなく、いち早く被害対策を講じました。
   「いまは、サラダを扱う惣菜事業や、牛肉を扱わないレストラン事業などを
   ブラッシュアップするときだ」と方針を定め、

   ショッピングセンターを中心に和菓子店を一気に出店するなど、
   店舗開発にも積極的に打って出たのです。

   このようにして同社は、本来なら赤字になってもおかしくない
   2度の危機を黒字で乗り越えました。

(3)創業から140年以上を経ている同社には、「伝統と革新」という言葉があります。
   伝統とは当然、明治4年から受け継がれてきた暖簾に込められた歴史であり、
   革新とは、つねに新しいことに挑戦しようという未来に対する姿勢です。

   柿安の6代目代表取締役社長である赤塚保正さんは、先代から社長を引き継ぐときに、
   こんなことを言われたそうです。

   「これだけ世の中の変化が激しい時代なのだから、変えたいことはすべて変えればいい。
   ただし、1つだけ絶対に変えてはいけないものがある。それは柿安の経営理念だ」


《理念に沿って決断する》

(1)赤塚さんが大胆な決断を現場の人たちに伝えるときには、
   それが理念に沿っているかをつねに意識してきました。

   危機が起きたときも、「決して人員削減はしない」とまず宣言したうえで、
   新たなビジネス展開について説明したそうです。

(2)赤塚さんは、日ごろから365日ほぼ毎日、どこかの現場に足を運び、
   従業員たちと対話する時間を持つようにしています。

   赤塚さんが思いを語るだけではなく、従業員たちの声にも
   真摯に耳を傾けることを大切にしています。

   ふだんから言葉のやりとりを繰り返してきたからこそ、
   従業員たちはトップの決断を信じて受け止めることができたのでしょう。

   こうして、多角化経営という大きな転換に際しても、
   従業員たちは気持ちを1つにして挑戦し、成功を手繰り寄せる結果となったのです。

(3)柿安本店の例が興味深いのは、明治時代に創業された老舗の同族企業が、
   140年以上経ったいまも、ビジョン型のリーダーシップを実践しているという点です。


《次世代リーダーシップは、「伝統ある同族企業」に学べ》

(1)哲学やビジョンが、額縁に入った「お題目」であっては意味がありません。
   これを現場に浸透させることに成功した企業だけが、
   「100年企業」となる資格を得るのです。

(2)会社が100年を超える歴史を持つということは、当然のことながら、
   その経営者が何度か交代しているということを意味します。

   リーダーが変わっても企業が続いているということは、
   哲学や理念が一時的に浸透しているだけでなく、
   世代を超えて継承されているということにほかなりません。

(3)ビジョンの継承という問題を考える場合、
   やはり同族経営だからこその強みはあります。

   寝食を共にする血族同士だから、言葉を超えた価値観を共有できる。
   つまり、哲学や理念が世代を超えて受け継がれやすい環境にあるのです。


   (http://diamond.jp/articles/-/85505

         <感謝合掌 平成29年3月4日 頓首再拝>

『弱さをも成功要因に』 - 伝統

2017/03/08 (Wed) 18:31:11

        *人と組織を動かす
        (日本経営合理化教会「国際ビジネスブレイン代表・新将命氏」コラム)より

松下幸之助氏が亡くなられたのは、1989年4月。94歳の生涯だった。

亡くなられてすでに四半世紀も経過しているのに、
今なお「経営の神様」として、経済界に隠然たる影響力を持っておられる。
間違いなく、近代日本が得た最高の経営者の一人に挙げられるだろう。


94歳という長寿から、松下氏は健康に恵まれた人と錯覚されるかもしれないが、
実は氏は、その生涯を、病弱な身体と戦い抜いた人であった。

和歌山の長く続いた古い家柄であった松下家の、八番目の末っ子に生まれ、
兄が二人あったが、いずれも早くなくなっている。

氏自身も生来、身体が弱かった。
そのため、勤めに出る生活はそう長くは続けられないだろうという気持ちも、
起業の動機のひとつになったと伝えられる。

起業前は、大阪電灯という電気メーカーに勤めていた。
ここで、順風満帆の出世を遂げていくが、22歳で肺尖カタルで倒れる。

医者は、「仕事を辞め、空気の良いところで転地療養するように」と言ったが、
そんなことが許される境遇ではなかった松下青年は、
3日出勤して1日休むという《飛び石勤め》を願い出た。

この1日の休みに様々なことをじっくり考えたと、のちに氏は述懐している。

独立し最初に手掛けた商品が、改良ソケットであることは広く知られているが、
そのアイデアもこの「1日の休み」中に、ふっと頭に浮かんだものだったという。

その後、松下電器を世界的な企業に発展させた氏の、功績を知らぬ人はいない。

だが、その生涯が肺の持病との闘いで、
入退院の繰り返しであったことは、あまり知られていない。


 「健康なのはなによりだ。
  しかし、体が弱いからといって、悲しむことはない。
  弱ければ弱いなりに、それに適したやり方がある。

  いろいろと知恵を働かせる機会も生まれるし、
  それで、人に負けない立派な仕事をやる遂げることもできる」


…松下幸之助語録には、こんな健康に関する言葉もある。

人には生まれつき背負ってきた運もある。
身体が丈夫か、そうでないかもそのひとつだ。


私は、生来、丈夫なほうに生まれつき、幸運だと思っていたが、
松下氏のような栄光や僥倖に恵まれているわけではない。

体が弱いことイコール不運だ、不幸だと言い切ってしまうのは、
運命をなめているといわれてもしかたない。

「無事これ名馬」という言葉があるが、
無事であれば、すべての馬が名馬だというわけではない。

世の中には、「無事ではない」けれど、
名馬以上の誉れ高い生き方をする人もあることを知っておきたい。

http://www.jmca.jp/column/hito/hito121.html

         <感謝合掌 平成29年3月8日 頓首再拝>

有事の際の、リーダーの心構え - 伝統

2017/03/10 (Fri) 19:43:01

☆ 復興への視点 ☆ ~有事の際の、リーダーの心構え

         *『致知』2012年6月号 より

           村井 嘉浩(宮城県知事)
              × (対談)
           鍵山秀三郎(イエローハット創業者)


【村井】
    私自身は今回の震災に際して心に決めていたことがあります。

    こうした非常時には、大変ストレスがたまるものですけれども、
    私は県のトップとして、自分のマイナスの感情を
    絶対に外に出さないようにしようと決めておりました。

    辛くて涙が出そうになる場面が何度もありましたけれども、
    私が高ぶった感情をそのまま外に出してしまうと、
    組織が混乱してしまいます。


【鍵山】 
    それは上に立つ者の基本的な心構えとしてとても大切なことですね。


【村井】 
    私が防衛大学校にいた時の校長先生が土田國保先生
    という元警視総監の方でした。

    土田先生は警視庁の警務部長をされていた時、
    贈り物を装って自宅に送られてきた爆発物によって奥様が亡くなり、
    息子さんも大怪我をされたことがあるんです。

    土田先生が朝礼で部下からその報告を受けた時のお話を
    なさったことがあるのですが、
    私はそのお話がとても印象に残っているのです。


【鍵山】 
    その事件のことは私も覚えています。
    土田先生はどんなお話をされたのですか。


【村井】 
    土田先生は、

    「君たちはいずれ、下や家族の突然の死というものに
     直面する機会があるかもしれない。

    また有事の際は自分の組織が 全滅することもあるかもしれない。

    その時に指揮官は 絶対にうろたえてはいけない」


    と前置きをされて、ご自身のご家族が
    事件に巻き込まれた時のことをこのように話されました。


    「自分がその報告を受けた時、正直、足がガクガクと震えた。
    しかしここで自分が 震えているところを見せたり、
    うろたえたり、涙を流したりしていると、
    部下がどう対応をしていいのか分からなくなってしまう。
 
    だから自分はその時、
    お尻の穴をくっと締め、下腹にぎゅっと力を入れて、大きく深呼吸をした。

    そしてすっと立ち上がって、
    これからどう捜査を進めるか指示を出した。
    いざという時の参考にしてほしい」


   と。お話を伺いながら
   私もお尻の穴をくっと締めて、下腹に力を入れ、大きく深呼吸をしたことを
   いまでもよく覚えています。


【鍵山】 
   それは大変貴重な教訓ですね。


【村井】 
   今回の震災では何度かそういう厳しい場面に直面しました。

   その度に先生のお話を思い起こして実践したのですが、
   不思議と心が落ち着いて冷静に対処できたんです。

         <感謝合掌 平成29年3月10日 頓首再拝>

指導者の条件78(熱意を持つ) - 伝統

2017/03/12 (Sun) 19:02:00


            *「指導者の条件」松下幸之助・著より

指導者は熱意においては最高のものを持たねばならない。

古代、蘇秦という人がいた。

一民間人に過ぎなかったが、自分の学び修めたものを
世の君主に用いてもらおうと考え、各地を訪れたが、
最初はどこでも相手にされなかった。

けれどもそれにもめげず、ついに燕の国王に用いられた。
当時、燕をはじめ、秦、趙、斉、魏、韓、楚の7国があったが、
西方の秦が次第に巨大になり、他は圧倒されつつあった。

そこで蘇秦は、燕を足がかりに、趙、斉、魏、韓、楚を順次訪れ、
各国の王に、共同して秦に対抗するよう熱心に説いた。

各王ともそれに動かされ、ついに蘇秦は、6カ国の宰相の地位を兼ねるにいたり、
さすがの秦も、15年間は他国に攻め入ることは出来なかったという。

戦国の時代には、各国とも進んで人材を求める風潮が強く、
従って、志を抱いて王公を説き、登用された人は少なくないようである。

しかしその中で、6カ国の宰相の印綬を帯び、天下に号令した蘇秦の業績は際立っている。

これは、蘇秦の策が当を得たものであり、また弁舌が極めて鮮やかであったこともあろうが、
同時に、その事に対する彼の熱意が極めて強かったこともあるのではなかろうか。

昔の不便な時代に、広い国中を説いて回るのは随分大変なことであろう。
また、燕の国で国王に謁見を許されるまで、1年余りもかかっているという。
普通では諦めてしまうところを熱意をもってやり通したところに、彼の成功があったのだと思う。

実際、熱意こそ物事を成し遂げる一番の要諦だと思う。
なんとなくやりたい、という程度ではなかなか事はなるものではない。

なんとしてもこれをやり遂げようという熱意があって、
はじめて知恵も湧き工夫も生まれてくるのである。

特に指導者は、こと熱意に関しては誰にも負けないものを持たなくてはならない。

知恵なり、才能なりにおいては、人に劣ってもよいが、
熱意については最高でなければならない。

指導者に、是非ともこれをやりたいという強い熱意があれば、
それは必ず人を動かすだろう。

そしてその熱意に感じて、知恵ある人は知恵を、才能ある人は才能をといったように、
それぞれの人が自分の持てるものを提供してくれるだろう。

指導者は才能なきことを憂うる必要はないが、
熱意なきことをおそれなくてはならないと思う。

         <感謝合掌 平成29年3月12日 頓首再拝>

「リーダーの魅力」はどこから生まれる? - 伝統

2017/03/20 (Mon) 17:36:40


        *Web:DIAMOND onlin( 2016年2月12日)より要点の抜粋


《ビジョンは「あとからつくる」もの》

(1)ほとんどの経営者は、最初からビジョンがあって
   企業リーダーになったわけではないのです。

   むしろ、経営者という役割を担い、組織を率いる責任を負うなかで
   ビジョンの重要性に気づいていくというほうが正しいかもしれません。

(2)そういう意味では、「ビジョン型リーダーシップの時代がやってきた」などと
   言っても、それぞれの人がビジョンを“つくる”ところから、まずはスタート
   しなくてはならないのです。


《生き方とビジョンを一致させる ―― 起業家の場合》

多数のレストランを展開する株式会社ひらまつ(本社 東京都)の代表取締役社長・平松博利さん

(1)平松さんが大切にしているのが、「いま目の前にいる人を幸せにすること」。
   これを社員たちは「ひらまつイズム」と呼んでいます。

(2)1982年に奥様と2人でレストランを開業して以来、平松さんは
   「いま目の前にいる人を幸せにすること」を大切にしてきました。

(3)いま目の前にいる人を幸せにすることをいつも考え続けていたら、
   700名以上の社員を抱える大企業に成長していたのだと、平松さんは言います。

(4)平松さんは、ビジョンを「語る」だけでなく、
   それを自ら「実践」し続けているリーダーです。

   「いま目の前にいる人を幸せにする」というのは、頭で考えて出てきたものではなく、
   ご自身の「生き方」そのものなのです。


《組織の哲学を「翻訳」する ―― サラリーマン社長の場合》

(1)リーダーに着任したばかりときは、メンバー参加型のビジョンづくりではなく、
   まず自らの考えに基づいたビジョンを提示するのがいいでしょう。

(2)次のステップとしての社員参加型のビジョンづくり

  ①メンバーたちとのコミュニケーションがある程度進んで、次の節目に差しかかるころに、
   現場からアイデアを募るのです。

  ②メンバーがビジョンを「自分ごと化」するいい機会になります。

  ③ここで問題が起きる場合もあるでしょう。
   たとえば、社員たちの声を集めてみると、経営者の考える方向性とは
   まったく異なるアイデアばかりが出てくるといったことです。

   リーダーにとっては痛恨の極み。
   それまでの自分のメッセージがメンバーに届いていなかった証拠です。

   またこれは、リーダー・メンバー間のコミュニケーションを見直すべきだ
   というサインでもあります。これまでの伝え方では伝わっていなかったのですから、
   トップリーダーの代わりにビジョンを伝える「中間リーダー」への伝達も含めて、
   もう一度考え直す必要があります。

  ④リーダーにとって厳しい結果が出るかもしれませんが、
   軌道修正のための貴重なチャンスとして前向きにとらえるようにしましょう。

   (http://diamond.jp/articles/-/85507

         <感謝合掌 平成29年3月20日 頓首再拝>

『あきらめないことが、最高のリカバリー』 - 伝統

2017/03/25 (Sat) 18:05:41


        *人と組織を動かす
        (日本経営合理化教会「国際ビジネスブレイン代表・新将命氏」コラム)より


「もう、こんな仕事、辞めてやるっ!」と、叫びたくなるようなことは、
ビジネスマン人生に何度かあるものだ。

順風満帆。陽の当たる道だけを歩み続けてトップに躍り出たいというような人は、
どちらかというとマレだ。

むしろ、一度や二度は苦汁をなめ、長いこと陽の当たらない当たらない道を
コツコツと歩み続けた人の方が、気がつけば頂上に登り詰めていた…
というような例が多い。


「花王」で社長をされていた、後藤卓也氏もそんな一人だ。

後藤氏の社歴だけを見て、「将来の社長だ」と思った人は、
恐らく誰一人、いなかったのではないか。
なにしろ、マイナーな部署ばかりを廻ってこられた。

ナンバーツー的存在であることが、自分にとって一番力を発揮できるスタンス、
と、自らがいってはばからず、
1997年に副社長ら4人抜きで社長に指名されたときも、「一日考えさせてほしい」
と申し出たほどだった。

自分自身、社長の器ではないと思っていたのだという。

後藤氏の社長時代、
最も大きなデシジョン(決断)は、フロッピーディスクからの撤退であった。

このとき、降格を命じられた役員はあったが、後藤氏は、日本企業でよくある
「責任をとって辞める(辞めさせる)」という方法は採らなかった。

むしろ、「責任をとって辞めない」ことを強く求めた。

はたして、降格された役員は、ヤル気を失うどころか、かえって
新たに与えられたポジションで全力を尽くし、その後も大いに会社に貢献した。


「世の中のことは、時々刻々変遷きわまりないもので、
 機至りて機去り、その間には髪を容れない。
 こういう世界に処して、万事、小理屈をもってこれに応じようとしても、
 それにはとてもおよばない。」

勝海舟の『氷川清話』にある言葉だ。

学校を出で、仕事の就いてからリタイアまで。
ビジネスマン人生は、30年、40年とロングスパンで考えるべきだ。
まだまだ先がある。先は長いのだ。

一度や二度であきらめてはいけない。投げてしまうのはもっといけない。

じっと耐えて、「コツコツカツコツ」とがんばっていれば、
リカバリーショットを打つ機会は必ずくる。

   (http://www.jmca.jp/column/hito/hito123.html

         <感謝合掌 平成29年3月25日 頓首再拝>

【王道経営】 - 伝統

2017/04/06 (Thu) 19:18:49


          *メルマガ「人の心に灯をともす(2017年03月27日)」より

   (新将命氏の心に響く言葉より…)

   我が国では、毎年、3万5000件を越える会社が倒産や廃業をしている。

   倒産会社、自主廃業した会社を合わせると、
   日本では毎日、毎日、1時間に4社すなわち15分ごとに1社が
   消滅していることになる。

   1990年代から2000年代のはじめ、名門の証券会社であった山一証券や、
   国内乳製品メーカーのトップだった雪印乳業が倒産、解体に陥った理由は、
   いずれも社会から信用を失ったからである。

   近年、問題になった東芝の不正会計も同社の社会的な信用を失墜させた。

   優れた技術力や営業力を誇る企業であったとしても、
   長い歴史を持つ名門企業であったとしても、邪道や無道の経営に迷い込み、
   道を間違えてしまえば死に至るしかない。

   信用を著しく毀損して生き残れる企業はない。

   倒産や廃業の理由は企業によってさまざまであるが、
   その背景に経営者の判断の誤りという事実があるのは疑いない。

   ビジネスは結果である。
   倒産という結果も、成長という結果も経営の結果にほかならない。
   望ましい結果は、正しいプロセスの結果なのだ。


   現代は激変、急変、大変の時代である。
   ITの世界では、新製品が半年足らずであっという間に旧製品となってしまう。
   バージョンアップのサイクルが著しく速い。

   企業が生き残り、そして勝ち続けるためには、
   まずこの時代の変化と環境の変化に追いつき、対応していかなければならない。

   欲をいえば、一歩も二歩も先を見通すという先見力や洞察力が求められる。

   写真フィルムではレジェンドとさえいわれたイーストマン・コダックが
   あっけなく倒産したのは、アナログからデジタルという市場の変化に
   迅速に対応できなかったからである。

   会社は変わらなければ生きていけない。

   チェンジ(変化)は、王道経営の重要なキーワードといえる。


   しかし…である。

   変化ばかりに目を奪われて、肝心な本質を見失ってはならない。
   本質とは、「不易流行」という言葉に込められている。


   「不易を知らざれば基(もと)立ちがたく、
   流行を知らざれば風(ふう)新たならず」 (松尾芭蕉)

   不易とは、時代や環境が変わっても、けっして変わらぬ原理原則のことである。
   企業理念や文化、労使の信頼関係や結束、顧客志向の社風などは
   大事に守りたい不易の例といえる。

   反面、流行とは、英語で言えば“fashion”(一般的なはやり)ということだ。

   不変の原則を守り、一方、変えるべきときは勇気を持って変えるということだが、
   芭蕉の言葉を現代のビジネスシーンに置き換えていえば、
   不変の原理原則を知らなければ、基本が成り立たない。

   そのうえで、時代や環境の変化(流行)に対応しなければ、
   時代にふさわしい会社、顧客に必要とされる会社にはなれない、
   つまりは倒産か廃業という運命が待ちかまえている。


   時代がピシピシガタガタと音を立てて変わるとき、
   人はどうしてもその急激な変化にばかり注目し、その対応を急ぐ。

   しかし、そいう時代の変化であるからこそ、
   むしろ不変の原理原則を守り続けるべきなのである。

   それが、すなわち王道経営の第一歩といえる。


   アメリカで流行の経営手法を採用した企業を調査したところ、
   その手法が業績改善につながったということを証明する証拠は何もなかった
   というレポートがある。

   1982年に発行された『エクセレント・カンパニー』や
   1994年に発行された『ビジョナリー・カンパニー』の中で、

   エクセレント(優良な)、あるいはビジョナリー(夢がある)と
   紹介された企業のほとんどはその後、並か、または倒産、
   あるいは倒産寸前、他社に吸収という状況に陥っているともいわれる。

   経営者やビジネス書でも、その時代に流行したハウツー的ベストセラーが
   名作として後年まで読み継がれるということはほとんどない。

   ピーター・ドラッカーの『現代の経営』のように、
   時代を超えて今日でも、なお読者をつかんでいる本というのは、
   極めてまれなのである。

   時代が去れば、流行は衰えるのである。

   その時限りの流行に飲みこまれてしまえば、
   企業は王道から外れ漂流することになる。

            <『王道経営』ダイヤモンド社>

                ・・・

新将命氏は、王道経営を実現するには6つの要素が必要だという。

(1)経営者品質

(2)社員品質

(3)商品・サービス品質

(4)顧客・社会満足品質

(5)業績品質

(6)株主満足品質


「日本には、創業200年を超える会社が約3900社あるという。

継続的に繁栄する会社、持続的に成長する会社をつくる経営を『継栄』という。
『継栄』こそが、王道『経営』の本質なのである。

継続的に繁栄する会社、持続的に成長する会社のことを勝ち残る企業、
すなわち長寿企業という」(同書より)


王道とは、努力多くして、「利」少ない道。

覇道とは、努力少なくして、「利」多い道。

王道を目指したい。

         <感謝合掌 平成29年4月6日 頓首再拝>

指導者の条件79(ひきつける) - 伝統

2017/04/08 (Sat) 18:32:16


            *「指導者の条件」松下幸之助・著より

指導者は何かしら人をひきつける魅力を持つことが望ましい。

秀吉が北条氏を攻めた時、伊達政宗は招請を受けながら、
形勢を観望してなかなか出かけなかった。

しかし秀吉軍の優勢を見て、自分の非を覚り、叱責を覚悟の上、
遅まきながら小田原にやってきた。

すると秀吉は、遅参に対しては詰問したものの、そのあと
「一度この陣営を見せてやろう」と言って、小姓を一人連れただけだったが、
まったくそれを気にする様子はなかったという。

後に政宗はこの時のことを人に、
「あの時はただ恐れ入るだけで、太閤を害しようというような気は少しも起きなかった。
全く、大器というか天威を持った人だ」と語ったという。

さすがの政宗も完全に秀吉に心服してしまったわけである。

政宗だけでなく、九州の島津義久をはじめ秀吉に敵対した多くの人々が、
後にはみな秀吉に心服している。

徳川家の重臣であった石川数正ほどの人が、
家康のもとを去り秀吉の臣下となったような例さえある。

秀吉という人には、それほど人をひきつける魅力があったようである。

それは秀吉の天性の人柄か、あるいは幼い時から諸国を流浪し、
人情の機微というものを身をもって知り尽くしたことによるのか、
それはわからない。

が、いずれにしてもそうした秀吉の魅力が、
あたかも磁石が鉄片を引き付けるように、多くの人を彼の元に集めたのだろう。

そのような、ひきつける魅力というものを持つことが、
指導者にとって、きわめて望ましいことだと思う。

指導者に「この人のためには・・・」と感じさせるような魅力があれば、
期せずして人が集まり、またそのもとで懸命に働くということにもなろう。

そういうものを持たずして、よき指導者となることはなかなか難しいと思う。

もっともそうはいっても、人柄といったものはある程度先天的な面もあって、
誰もが身につけることは難しいかもしれない。

しかし、人情の機微に通じるとか、人を大事にするとかいったことも、
努力次第で一つの魅力ともなろう。

また、自分自身でなく、自分の会社、自分の団体というものに
何らかの魅力を持たすことでも良いと思う。

いずれにしても指導者は、そうした”ひきつける魅力”の大切さを知り、
そういうものを養い高めていくことが望ましいと思う。

         <感謝合掌 平成29年4月8日 頓首再拝>

なぜあのリーダーの決断は「自信に満ちている」のか? - 伝統

2017/04/14 (Fri) 19:49:15


        *Web:DIAMOND onlin( 2016年2月15日)より要点の抜粋

《既存の土台に「新しい柱」を加える ― 後継者の場合》

(1)家族経営などの後継者の場合、老舗企業になればなるほど、
   創業時から伝えられている哲学やミッション(使命)を大切にしています。

(2)しかし、これまでの事業を基礎にしながらも、次なるビジネス領域を開拓し、
   両者を包括するような新ビジョンを掲げる後継者さんが各方面で出てきています。

   例として、株式会社ありがとうサービス(本社 愛媛県今治市)の場合は、
   創業当時はミシン販売からスタート
   2代目の父の代にデパート経営へと事業を展開
   3代目は、大きな社会の変化に合わせて、飲食事業とリユース事業へと
    経営の舵を切り、社名も変更。


《後継のリーダーは次の100年を描く》

(1)社会の常識が大きく変わっているこの時代にリーダーになった人たちは、
   これから100年先のビジョンを描く役割を担っているのだと覚悟したほうが
   いいでしょう。

(2)ただ、ここで改めてお伝えしておきたいのは、過去の全否定の上に
   新しいビジョンを描くのではないということです。

   過去に大切にしてきた哲学はもとより、技術がいかにして磨かれ、
   お客様がなぜ自社を支持してくださったのかなど、過去の財産の奥にある
   不変的なものを見出し、その土台の上に新しいビジョンをつくって
   いただきたいのです。


《リーダーはいかに道を決めるか》

(1)どれだけ相談・調査しても、最後はリーダーの直感。

   「まだ世の中にないもの、これから新たにつくるものが
   売れるかどうかなんて、調査のしようがないでしょう?」(カルロス・ゴーン)

(2)直感とは、考えに考えて考え尽くした末に、ふと浮かび上がってくる決意です。
   単なる思いつきや何となくのヤマ勘ではありません。

   ですから、リーダーの大切な仕事は、つねに考え続けることです。
   考え続けた人にしか、直感は降りてきません。

   考え尽くしたからこそ、どんな反論にも動じない信念が生まれてくるのです。

   (http://diamond.jp/articles/-/85508

         <感謝合掌 平成29年4月14日 頓首再拝>

【「私」を消し去ることができる人がリーダーになれる】 - 伝統

2017/04/16 (Sun) 18:01:44


           *メルマガ「人の心に灯をともす(2017-02-13)」より

   (高野登氏の心に響く言葉より…)

   自分の心を修めるとはすなわち、喜怒哀楽の感情を
   自分できちんとコントロールできるようになることです。

   人間社会で起こるトラブル、人との間に起こるトラブルとは、
   つまるところ、自分の喜怒哀楽の感情を修められていないことにある
   と言っていいでしょう。

   なかでも難しいのが、私利私欲への誘惑。
   そして、嫉妬です。


   以前お目にかかった、ある京都のご住職も、
   「死ぬまで自分の中に度しがたい思いが二つある。欲と嫉妬の念である」
   とおっしゃっていました。

   たとえば、隣の寺の坊主が最近よくテレビに出ていて評判がいい、
   なんであいつが、と胸がざわざわするのだと、長い間修行を積んできた
   80歳を過ぎたお坊さんがおっしゃるのです。

   だとすると、凡人である私たちには、
   それらを完全にコントロールすることなど到底無理なのかもしれません。

   けれども、たとえ生涯無理であったとしても、
   それを修めていこうと意識していくことが、
   心を修めていく唯一の道だと思います。


   宮本武蔵はいうまでもなく歴史に残る優れた剣豪でした。

   しかしながら、かれはお城の城主になれたでしょうか?

   おそらくなれなかったでしょう。

   かれは、人並み外れたその腕を消し去ることをしていないからです。


   多くの場合、優れた腕(知識やスキルなどのリソース)を持つことが、
   リーダーとなる人の最初の関門となります。

   しかし、真に優れたリーダーとなっていくのは、
   その腕を消し去ることができる人ではないでしょうか。


   昔、巨人軍を9連覇に導いた川上哲治という名監督がいました。

   かれ自身、現役時代は、打撃の王様といわれた名選手でしたが、
   監督に就任したのちは、その打撃力をアピールすることはありませんでした。

   現役選手としての最大の能力である打撃力、すなわち現場力を封印し、
   その気配を消し去ったのです。


   現場の第一線で一流プレイヤーとして発揮する力と、
   リーダーとなるときに発揮すべき力は異なります。

   そして、リーダーが自身の現場力を上手に消している組織には
   一体感があり、品格があります。


   ホテル業界でもときどき、スーパープレイヤーというべきホテルマンが現れますが、
   かれらが組織をつくっていくケースは非常に少ない。

   あるいは、日本にも世界ランキングに入るようなソムリエが何人もいますが、
   かれらが自分の会社をつくり発展させているという話はあまり聞きません。

   それは、できないからではなく、やらないからです。

   ずっとソムリエやホテルマンの世界で、
   現場で第一線に立ち続けることを選択しているからなのです。

   でも、数名の人たちは、組織をつくり、自分の下に
   世界ランキングのソムリエやホテルマンを育てています。

   つまり、役割りが違う、ということです。


   どちらが優れているかとか、そういうことではまったくなく、
   どのような人生を自分が全うしたいと思っているか、ということです。

   もし、どうしても「私」を消し去ることができないのなら、
   自分がもともとリーダーとなることを望んでいるわけではないと自覚すべきです。

   それより生涯第一線で活躍し続けられるよう努力すべきです。

   それもまた見事な一生となるでしょう。

   一方、リーダーを目指す人は、自分を超える一流プレーヤーを育てるために、
   プレイヤーとしての自分の気配を消すべく努めるべきです。

   「私」、すなわち、自分の優れた腕への賞賛、評価への
   欲を消し去ることに成功した人が優れたリーダーとなります。

          <『品格を磨く』ディスカヴァー>

             ・・・

自分のことばかり考え、欲でギラギラして、しかも嫉妬深い人に
品格を感じる人はいない。

品格のある人は、他人の成功を心から賞賛するような、
自分のことより人のことを考える利他の心のある人だ。


『おれがおれがの「我」をおさえ、おかげおかげの「下」で生きよ』(田中真澄)

「我」が強い人は、リーダーになると問題が噴出する。

自分のことばかり考えるからだ。


『「私」を消し去ることができる人がリーダーになれる』

私を消し去り、おかげさまの気持ちで生きていきたい。

         <感謝合掌 平成29年4月16日 頓首再拝>

『本をメンターにする』 - 伝統

2017/04/18 (Tue) 18:01:10


        *人と組織を動かす
        (日本経営合理化教会「国際ビジネスブレイン代表・新将命氏」コラム)より

文化庁の「国語に関する世論調査」によると、1か月の読書量は、
「1冊も読まない」の回答が最も多く、47.5%のも及ぶという。
嘆かわしいかぎりだ。


できる人、できた人は、必ず「座右の銘」と愛読書をもっているものだ。

本には先人の知恵が詰まっている。
それを、いくばくかのお金と時間で、自分のものにできるのだ。


ワールドシリーズでMVPをも受賞した、元ヤンキースの松井秀喜さんが、
「メジャーリーガーとしてやってみたい」という想いを固めたのも、
一冊の本との出会いからだったという。

ジャイアンツ時代の松井さんは、ネクストバッターズサークルから打席までを、
15歩で歩いていくことで知られていた。
平常心を保つために、そういうクセをもっているというのだ。

そんな松井さんは、H・A・ドルフマン、C・キュール共著の
『野球のメンタルトレーニング』を読んで、
メジャーリーガーにも、自分のように、行動のクセによって自分をコントロールし、
リラックスさせていた選手の存在を知ったという。

そんなところからも、メジャー行きを希望するようになったのだそうだ。


日頃から本を愛し、本に接していれば、
こうしたメンターとしての本と出会う機会もそれだけ増えるようになる。

私の経験からいえば、「本もアトを引く」。
まず、1冊読み始めることが、メンター本との出会いの一歩となる。

よい本の見つけ方について、
哲学者のショウペン・ハウエルが、痛烈な言葉を残している。

“よい本を読むためには、悪い本を読まないことだ。
 …それには、一時的に人気のある本を手にとらないということだ”と。


経団連会長だった石坂泰三氏は、夏の休暇には必ず『論語』を持参したという。
古典は、後世に選び残された本である。
その意味からも、古典にふれることもおすすめしたい。


「一日に四度のメシを食え」が私の持論だ。
三度は普通の食事のメシ。四度目のメシは、「活字のメシ」だ。

毎日30分でも活字にふれる習慣は、貴重な財産になる。

   (http://www.jmca.jp/column/hito/hito126.html

         <感謝合掌 平成29年4月18日 頓首再拝>

指導者の条件80(人の組み合わせ) - 伝統

2017/04/21 (Fri) 18:02:30


            *「指導者の条件」松下幸之助・著より

指導者は適切な組み合わせにより人を生かすことが大事である。

武田信玄は、生涯自国に城というものを築かず
”人は石垣、人は城”という考えに徹して、人を重視し、人を最大限に生かして、
地歩を築いたが、人を使うについて、こういうことを言っているという。

「自分は部下に釣り合いということを考えている。
例えば馬場信房は寡言で気位が高い。
だから、よくしゃべり物事をテキパキとやる内藤昌信と組ませる。

山県昌影は性急で、敵を見ると自分の軍勢だけでも攻めかかるようなところがある。
そこで、高坂昌信のように、まずじっくり考えてから行動する者と一緒に働かせる。

強情な者には柔和な者を組ませれば、水と火とが物を煮るようにうまくいくものだ」

つまり、人を使うに当たっては人の組み合わせということが大事だというわけである。
これはその通りだと思う。

よく適材適所ということが言われる。
それぞれの人をそれぞれに適した場所に用いることによって、
人も生き成果も上がるということで、それは極めて大事なことであるが、
その際に、適所というものを仕事それ自体とともに、
人の組み合わせといった面も合わせて考える必要があると思う。

人にはそれぞれに長所短所がある。
だからその長短補い合うような組み合わせをすれば、
それによってどちらもより生きてくるだろう。

また、そのようにはっきりしたものでなく、
何となくウマが合わないといった微妙な問題もある。

もちろん、そういうものはそれぞれが努力して
ある程度は解消していくことが望ましいが、やはり人の組み合わせよろしきを得て、
それを無くしていくということが大切であろう。

実際世間にはそういう実例を見ることが多い。

3人の人に仕事をさせていたが、それぞれに優秀な人なのにどうもうまくいかない。
それで思い切って、その中の一人を他のところに移して二人でやらせてみたら、
わずかの間でこれまでの倍以上の成果が上がるようになり、
その一人の人も、新しい所で非常な活躍をしている。

そういったことが、お互いの経験の中に必ずあると思う。
立派な人、賢い人ばかりを集めたからといって必ずしも物事がうまくいくとは限らない。
反対に平凡な人たちでも組み合わせよろしきを得れば、非常な成果が上がる。

そうした人の組み合わせの妙というものを指導者は知らなくてはならないと思う。

         <感謝合掌 平成29年4月21日 頓首再拝>

優秀なリーダーほど「まぐれ」を味方にする - 伝統

2017/05/05 (Fri) 19:05:19


        *Web:DIAMOND onlin( 2016年2月16日)より要点の抜粋

《優秀なリーダーは全身から「釣り針」が出ている》

(1)リーダーたちは、つねに考え続けているがゆえに、大事な情報を見逃さないのです。
   その姿は、あたかも全身から「釣り針」が出ているような状態です。

(2)あなたの知っているリーダーは、飲みに行ったり、会食に行ったり、
   仲間と趣味を楽しんでいたり、新聞や雑誌を読んでいたり……と、
   いつもなんとなく遊んでいるように見えるかもしれません。

   しかし本当に考え続けているリーダーにとっては、
   そうした時間すらもヒントとチャンスを与えてくれる情報源になっているのです。


《10分1000円のヘアカット専門店であるQBハウス創業者である小西國義さん》

(1)「何もしていない」ときこそチャンスが訪れる。

  ①テレホンカードの販売機を店舗の券売機にするというアイデア。

  ②さらにラッキーなことに、テレホンカードの販売機には通信機能がついている
   こともわかりました。つまり、販売機と本部を電話回線でつなぐことで、
   売上の集計や管理のほか、不正・盗難の防止もできるという
   「おまけ」までついてきたのです。

(2)リーダーはつねに考え続ける

  ①使い捨てタオルのニュースが“たまたま”流れていて、すぐに採用を決めた
   というエピソードもあります。希望するお客様には再生タオルをプレゼントする
   ようにし、洗濯にかかっていた費用を一気に削減できたといいます。

  ②店の入り口にランプを設置し、
   待ち時間なしなら青、少し混雑なら黄、満員なら赤が点灯するようにして、
   スタッフがお客様に応対する手間を省いたのです。

(3)私たちもおそらく、小西さんがヒントにしたのと同じような情報や映像に
   触れているはずです。それがヒントとして映るか、単なる情報として
   通り過ぎていくかは、ふだんからどれだけ考えているかの違いでしょう。


《もの静かな外見、轟音を立てる脳内》

(1)最高のリーダーは「何もしない」、
   つまり現場で手を動かすことはしないにしても、
   とにかく頭を働かせ続けています。

(2)リーダーとして結果を出す人は、考えることが常態化・習慣化しています。
   チームのなかで誰よりも「考えている」のがリーダーなのです。

   (http://diamond.jp/articles/-/85509

         <感謝合掌 平成29年5月5日 頓首再拝>

『人は見かけで判断する』 - 伝統

2017/05/08 (Mon) 20:17:13


        *人と組織を動かす
        (日本経営合理化教会「国際ビジネスブレイン代表・新将命氏」コラム)より

スピーチでも何かの席での発表でもいい。
いったい、聞き手はスピーチや発表の内容を、どの程度聞いているのだろうか?

自分の発表に対して、他人が受ける感銘度や印象度に対する調査結果がある。

それによると、普通もっとも重要だと思われる「話の内容」については、
実際には、わずか7%しか評価の対象にならないという。

つまり、話の内容は7%しか印象に残らない、ということである。

結婚披露宴にしても会社設立周年パーティーにしても、私自身を含め、
スピーチの内容をあまり熱心に聞いていないことは承知していたが、
それにしても、話の内容のもつ重要性が1割にも満たないとは、驚きである。

では、何が印象として強く残るのか?

話し方、声の質、イントネーション、口調、訛りなど、
話し方に関する部分が、4割近い38%を占めるそうである。

そして、印象の半分以上、55%は全く話の内容とは関係のない部分が占めるそうだ。

たとえば、スーツの色や形、ネクタイの柄、体格、顔つき、身振り、手振り…等である。
人がいかに話し方や見かけによって他人を判断しているかがわかるだろう。


このことは、社内の上下関係においても同じである。

上司や部下といい関係をつくるためには、
話し方の演出やいい印象を与える外見が必要ということである。


ビジネスの世界では、プレゼンテーション能力が大いに問われてくる。

よく、内容さえよければ、プレゼンは下手でもいい・・・こんな主張をする人がいる。
だがそれは、誤りであるということだ。

もちろん、話の内容がどうでもいいとはいわない。

しかし、強調したいポイントがどこにあるのか、レジュメをはっきりさせ、
わかりやすいように図や表を使うことも、忘れてはいけないということである。

また、しゃべるときの姿勢を正しくして、声の大きさも適度に、
そして口調もはっきりさせる、といったこともポイントとなる。

最近は、相手の目を見ながらしゃべるのが苦手という人が増えているが、
眼をそらしてしゃべるようでは、なかなか信用されるものではない。
適度に相手の目を見てしゃべることも心がけたい。


いい印象を与える外見といえば、すぐに服装ということになるが、
TPOをわきまえ清潔であればそれでいいと思う。

それよりも、表情に気を配りたい。

たとえば、笑顔の人と物調面の人では、笑顔の人の方が
あとで思い出しやすいことはいうまでもない。

つねに微笑みを浮かべ、大きめの声であいさつをする。

この2つを実行するだけで、周囲のあなたに対する評価は変わってくるはずだ。

   (http://www.jmca.jp/column/hito/hito132.html

         <感謝合掌 平成29年5月8日 頓首再拝>

指導者の条件81(人を鍛える) - 伝統

2017/05/17 (Wed) 18:42:39


            *「指導者の条件」松下幸之助・著より

指導者は厳しく人を鍛えることによって人を育てなくてはならない。

水戸光圀がまだ幼い頃の話である。
江戸小石川の水戸藩邸の近くに、桜の馬場という刑場があって、
ある日そこで罪人の処刑があり、その首がさらし首になった。

すると、その晩になって、光圀の父の頼房は、
「あの罪人の首を持ってくるように」と光圀に命じた。

桜の馬場というのは、昼でも木立がうっそうと繁り、気味悪いような所なので、
家来達も心配したが、光圀は別におそれる風もなく、
「かしこまりました」と出かけていった。

そして、手探りで首を見つけ、持って帰ろうとしたが、
重くて手に余るので、引きずりながら、屋敷に帰ってきた。

それを見て、頼房もわが子の胆力に非常に喜んだという。
これはいわゆる肝試しであろう。

幼い子供に生首をとってこさせるなどというのは随分乱暴なようだが、
昔は大名の若者でもこのようにして色々な形で、
心身共に厳しく鍛えたのだと思う。

人間というものは、何事によらず、
鍛えられることによって成長していくものである。

例えば、スポーツの競技などを見ていても、
まるで神業とも言えるような見事なプレーを見受けるが、
そういうものも全て、厳しい練習の積み重ねによって生まれたものであろう。

身体的というか、技術的な面だけでなく、心の面でも同じ事だと思う。

禅宗の戒律というものは非常に厳しくて、
普通の人ではとても耐えられないもののようだが、
修行を積んだお坊さんは、なんら苦痛を感ぜずして、
その戒律に従った生活が出来る。

そのように人間は、厳しく鍛えられれば、
心身共にいくらでもと言って良いほどに向上していく。

反対に、いかに優れた素質を持っていても、鍛えられるということが無くては、
その素質も十分に発揮されないままに終わってしまうだろう。

だから指導者は、人間の偉大さを発揮させるという意味からも、
人を鍛えることに大いに意を注がなくてはならないと思う。

もちろん、昔のような遣り方をそのまま今日に当てはめろというものではない。
そんなことはかえって逆効果になってしまうだろう。

従って、その遣り方は今日の時代に即したものでなくてはならないが、
しかし方法は違っても、何らかの形で厳しく人を鍛えつつ、
人を育てることは決して怠ってはならないと思うのである。

         <感謝合掌 平成29年5月17日 頓首再拝>

誰よりも「高解像度」でチームを見る - 伝統

2017/05/19 (Fri) 18:37:15


「楽天家リーダー」がチームを壊す
「究極の小心者」こそが人を動かせる理由

        *Web:DIAMOND onlin( 2016年2月17日)より要点の抜粋

《誰よりも「高解像度」でチームを見ている》

(1)タビオ(本社 大阪市)の創業者である越智直正会長に限らず、
   成功しているリーダーは、常日頃から考え続け、考え抜いています。

(2)リーダーとして高いポジションへ上がるほどに、
   多くのことが気になってくるというのが現実です。

   細部が気になってしまうのが、優秀なリーダーの共通点でもあるのです。

   経験が増えるからでもありますが、やはり仕事全体を高い解像度で見通せる人が
   リーダーになっているということだと思います。


《リーダーは細かいことが気になる》

(1)大切なのは、全体を包括する視点を持つと同時に、
   個別の部分についてもある程度の仮説・想定を持ち、
   現場で起こり得るリスクに備えておけるかどうかです。

(2)そして、高い解像度でプロジェクト全体を見通すためには、
   メンバーの力が不可欠です。だからこそ、ビジョンが重要なのです。

(3)ビジョン型リーダーなどと言うと、
   「全体をさっと見渡して、ざっくりとしたことを言うだけの人」
   というイメージを抱かれるかもしれません。

   しかし、どちらかと言えば、「細かいことが気になって仕方がない心配性の人」
   のほうが多いのが実情です。


《極端に心配性で、最高にポジティブ》

(1)優秀な社長たちとお話しするのは私にとって最高に楽しい時間です。
   なぜかといえば、彼らは極端に心配性でありながらも、
   決してネガティブではないからです。

(2)ですから本来なら、「心配性」というより
   「繊細」とか「緻密」と表現すべきかもしれません。

   ネガティブな人ではなく、ネガティブチェッカーであり、
   考えに考えて考え抜くリスク管理者なのです。


《「極限の繊細さ」を持つリーダーの「最強の大胆さ」》

(1)優秀なリーダーたちが自信に満ちているように見えるのは、
   徹底的に心配し、考え抜き、手を打った結果、
   「やるべきことはやり尽くした」という実感を持っているからです。

(2)あらゆる角度で考えて、膨大な数の仮説を立てる。
   誰よりも緻密にネガティブチェックをしているからこそ、自信を持って前に進める。
   その様子が、考え尽くしていない人間からすると、大胆に「見える」のでしょう。

(3)一方で、「自分は心配性ではない」というリーダーは、
   まだまだチームや組織に対する責任感が不十分なのかもしれません。

   全体を見渡す際の解像度が低いままで、気づいてしかるべきリスクに
   目が行っていない可能性もあります。

     (http://diamond.jp/articles/-/85510 )

         <感謝合掌 平成29年5月19日 頓首再拝>

【最強のリーダーとは】 - 伝統

2017/05/25 (Thu) 17:55:46


        *メルマガ「人の心に灯をともす(2017年05月21日)」より

   (吉越浩一郎氏の心に響く言葉より)

   多くの人がカン違いしているのだが、
   「おれのいうことを黙って聞いていればいい」という
   日本でありがちなリーダーのやり方は、決して「トップダウン」ではない。

   では、真のトップダウンとは何か。

   情報を隠すことなくオープンにして
   すべての人と共有すれば、誰もが同じ判断にいたる。

   すべての情報を上から下まで共有することで、
   誰もが同じ判断のもとで動き、社が一丸となって同じ目的に
   邁進(まいしん)する状況をつくり出せる。

   その上で、早い判断をしていく「トップダウン」なのである。


   アブラショフ(本書の著者)氏は、艦長時代、同じように
   すべての情報を部下に対して開示し、情報を共有した。

   無線で上司と話をするとき、
   全艦にそのやりとりをオープンにして部下に聞かせた。

   上司を説得してくれと、部下たちは手に汗を握りながら聞いていただろう。

   説得できなければ、「残念だな!」となるし、
   うまくやったら全員がワーッと声を上げ、手を叩いて喜ぶ。

   その一体感が、全員の士気を上げ、艦全体を盛り上げていったのである。

   アブラショフ艦長は、与えられた環境を最大限に活かし、
   味方につけていく天才であり、同時に艦の成果を何倍にもする
   素晴らしいリーダーであった。


   日本のリーダーシップのあり方というのは、
   いまだ「GPS指導型」が主流だ。

   「ホウ・レン・ソウ」、つまり「報告・連絡・相談」を重視する。
   「現状を報告しなさい」
   「では、まずこの問題に、このように対処して、できたらまた報告しなさい」

   といった調子で、上司はさながら部下の「GPS」であるかのように、
   現在地点から次のステップへ行く方向も、手順も、
   すべて導いてしまうのである。

   部下は「GPS」にしたがうだけ。
   みずから考えて行動する機会を与えられず、答えだけを知ってしまう。

   その仕事で成果を出したとしても、なにも学べず、なにも身につかない。

   まさに「指示待ち人間」を一生懸命につくり出しているのだ。


   本来、リーダーシップとは、「AI育成型」であるべきなのだ。

   「AI」とは文字どおり、「人工知能」のこと。
   人工知能は、そこに人間が知識を詰め込んだだけでは、
   人工知能たり得ない。

   知識をもとに、AI自身に「学習」させるというプロセスを踏む必要がある。

   人間も同じなのだ。

   その仕事に明確な正しい解があるなら、マニュアル化して
   誰でも間違いなくこなせるようなしくみをつくればいい。

   いわゆる「形式知」である。


   しかし、「暗黙知」、つまり言語化できない、
   経験やカンをもとにした知識を自分のものにするには
   「AI」のごとく自分で習っていくしかない。

   仕事における暗黙知の比重は、とても大きい。


   「舵(かじ)をとれ。ただし航路は外れるな」

   と、アブラショフ氏は書いている。

   リーダーは部下に対して、自由に裁量できる権利を増やすと同時に、
   絶対に越えてはならない一戦を示さなければならない、という意味だ。


   「ここへ到達するまではお前に任せるから、やりたいように舵をとれ。
   ただし、航路から外れないようにチェックは入れるぞ」

   これこそ「AI育成型」のリーダーだ。

   しかし、「GPS指導型」の上司は、

   「おい、ちょっと右に行きすぎだぞ」
   「今のうちに、左に舵を切っておけ」

   と、途中でいちいち指示を出す。

   いわれたとおりに動くだけの部下は、なにも学べない。

   この「AI育成型」のやり方で仕事を叩き込まれた人間は、
   自分で考え、行動し、失敗も成功もその経験を糧にしながら、
   着実に成長していく。


   昨日反発していた部下たちが急に慕ってくるような、
   速効性のある一発逆転の“魔法(マジック)”のような
   リーダーシップなどこの世に存在しない。

   彼は、日々、地道にコツコツと、部下のことを思い、
   部下のためにできることを考えて、前例のない行動を起こし続けた。

   海軍兵学校を出たばかりの新人は、配属される艦が決まると、
   自己紹介をかねて艦長に手紙を書き、返事をもらうのが習わしなのだそうだ。

   しかし、彼は新人のとき、
   艦長から手紙の返答をもらえず、不安な日々を過ごした。

   その経験から、自身が艦長になったとき、
   彼は新任の乗組員の配属が決まると、彼らの便りをまたずして、
   自分から歓迎の手紙を送った。

   仕事の内容や配属までに準備をしておくこと、
   赴任地の情報、それに艦名入りのキャップまで送ったそうだ。

   こうして迎え入れられる新人たちは、どれだけ心強かっただろう。

   艦に足を踏み入れ、
   艦長と言葉を交わすその日を楽しみに待ったのではないか。

   アブラショフ艦長は、
   このように地味で手間のかかるやり方を各方面で貫いて、
   部下を味方につけていった。

     <『アメリカ海軍に学ぶ「最強のリーダー」』
       (マイケル・アブラショフ著・吉越浩一郎訳)三笠書房>

             ・・・

軍隊には、強烈なトップダウンが必要、と思ってしまう。

しかし、軍隊も会社も、およそ組織という組織の基本は変わらない。

部下やチーム全員と揺るぎない信頼関係をつくることにより、
その組織の方向性や理念に従って、個々人が自律的に考え、
学習し、行動する組織をつくることだ。


ただ上から命令し、「黙って俺の言うことを聞いておけばいい」
というような組織からは、ギスギスした冷たい関係しか生まれない。

本当のところは、人は命令では動かないからだ。

「ロバを水辺まで連れていくことはできるが、
ロバに水を飲ませることはできない」

ということわざのごとく、
のどが渇いていなければ無理矢理水を飲ませることはできない。

つまり、人が動きたくなるような状況に持っていく、
このことこそがリーダーシップの要諦(ようてい)だ。


真のリーダーシップを学びたい。

         <感謝合掌 平成29年5月25日 頓首再拝>

「寧静致遠」 - 伝統

2017/05/27 (Sat) 19:41:45


          *『致知』2017年6月号(P28) より
           ~新 将命(国際ビジネスブレイン社長)

これまで数多くの経営者を見てきて感じているのは、

「成功する人は謙虚、失敗する人は傲慢である」

ということです。

リーダーにとって自信は必要不可欠ですが、
ややもすると自信は過信に、過信は慢心に、慢心は傲慢に変わり、
最終的には破滅に至ってしまう。

傲慢な人は自分の考え方はすべて正しいと思い、
苦言や諫言を呈する人が疎ましくなり、
そういう人を遠ざける。


ある日、気づいたら、周囲にはイエスマン、追従者しかいない。
そういう人は自分自身と会社を滅ぼすのです。
 

反対に、謙虚な人は、目まぐるしく変化する時代の中で、
その流れに取り残されず、勝ち残っていくために、
自ら変化成長を遂げようと自己投資を惜しみません。

吉川英治の「我以外皆我師」という格言の如く、
あらゆる人や事象から学ぼうとします。


私は「美点凝視」という言葉が好きなのですが、

どんな人であっても、
その人のよい点を見て学ぼうとする
謙虚さが大事であると思います。


最近よく若い人に言っていることは
「一日4回飯を食え」ということです。

3回の飯は朝昼晩にいただく食事のことで、

4回目の飯は……活字の飯を食え ということです。

「毎日30分でも活字にふれる習慣は、貴重な財産になる。」

・・・

*寧静致遠(ねいせいちえん)
  → http://kanzaki.sub.jp/archives/002985.html

         <感謝合掌 平成29年5月27日 頓首再拝>

真のリーダーシップを取る - 伝統

2017/05/31 (Wed) 18:27:38


          *「Q・次の2つから生きたい人生を選びなさい」 
           ~ハーバードの人生を変える授業 2 (P266~268)より抜粋

心理学者がさまざまな実験で明らかにしているところによると、
人は「カリスマ性のある人物に従いがち」であり、「大多数の意見に流されがち」で、
そのうえ「自分の代わりに他人が動いてくれると期待して何もしない」性質が
あります。

とはいえ、しっかりと目を開き、自分のために考え、
必要な行動を取る選択ができるのです。

いつ人に従うか、いつ自分がリードするか、
その適切な判断をする責任は私たち一人ひとりにあります。

(多くの場合)人は、自分の言葉・行動の責任を取ることを恐れます。
立ち上がってリーダーシップを取ることは簡単ではありません。
社会的な代償や物質的な代償などを支払わなけれならない場合はとくにそうです。

私たちは他人に同調し、何もしないことを正当化し、見て見ぬふりをして
しまいがちです。汚職を暴く告発者、流れに逆らって進む勇者、
責任を自ら進んで引き受ける真のリーダーがなかなかいないのは、そのためです。


もしあなたがよりよい世界、道義に基づく公正な世界をつくりたいと
思うなら、いまのあなたがステージ上にいるか、聴衆側にいるかにかかわらず、
あなた自身がリーダーシップを発揮する必要があります。

         <感謝合掌 平成29年5月31日 頓首再拝>

リーダーの時代 - 伝統

2017/06/03 (Sat) 19:27:20

        *メルマガ「戦略的経営のための「よもやま話」」(2017年05月30日)より
             <第100回記念特集>

1.リーダーの時代

(1)企業等の本来ある目的は、3つです。

   顧客に満足や感動を与えること、従業員に生活の糧と生きがいを与えること
   そして社会に害をなさず貢献して支持してもらうことです。
   利益はそのためにあり、経営者自身が夢や願望を適えながら
   それらを成すことにこそ人としての醍醐味があると感じます。

(2)経営者の方と関わっているとその孤独さの軋轢をつくづく思うのです。
   その反面、自分の考え方や実行で実社会に自由に形をつくることができます。
   そこからまたつくづく思うのですが「知り」さらに「覚醒した」経営者の
   自由さをうらやましく思えます。

   ただ、これは誰にでも可能なことで「知らない」から「知る」さらに「智る」
   に変わればできることだと信じます。

   知っていなくとも、勢いで乗り越えた時代は過ぎてしまいました。
  
   あの「東芝」でさえ「経営」の「まずさ」で、倒産の瀬戸際にあります。

(3)北欧神話にそのことを語った面白い逸話があります。

   北欧神話主神オーディンは「片目」であることが特徴ですが、それは「英知」
   を得るための代償として片目を巨人に与えてしまったことに由来しています。
   古代神話のなかですら「英知」と「偉大さ」の関係が深く認識されています。

(4)一人だけの才覚で勝負する剛腕の『ボス』の時代は過ぎ去って、今や多くの
   人の知恵を活かしきる賢明な『リーダー』の時代となってきています。

   いかに一人が天才でも、多くの凡才が束になれば勝ちようがありません。

   ましてや他の力を活用しない一人の剛腕より、多彩な異なる才能を効果的に
   活用する賢者にこそ勝ち目があるのは自ずから明らかになります。  


(5)前にも少し述べましたが「漢」の創始者の劉邦は「将」の能力など
   まったく持たず見栄えこそ秀でているものの、一介のやくざの頭目でした。
  
(6)しかし、その器は大きく「将の将」として天下を我がものにしました。

(7)20世紀最大の経営者であるジャック・ウェルチは「優れたリーダーとは、
   自分が一番バカに見えるような優秀な人たちをチームメンバーとして集める
   勇気のある人だ。」と言い

   「もしリーダーが一番賢いふりをしたら、最善の決断を下すのに
   必要な意見や批判などを半分も得られなくなってします。」
   と続けます。

(8)「しばしの間」か「小さい」ままでいるのであれば、企業経営は個人の才覚
   ・力量だけに頼って充分にやって行くことができるでしょう。

   ところが規模が大きくなって人が増えるとなるとまた複雑になると、
   経営者の実務手腕をはじめとする個人的な影響力だけでは疎かになって行きます。

   また、単に「労力」だけを活用しようとするならば、そこでは生産性の向上
   や創造性の獲得などつまり「知恵・知識」の経営は望むべきもありません。
  
   よくあるのですが経営者がやり手で、従業員数が50人を超えるまでは順調
   に業績を伸ばすのですが、それを越えた時点で急に業績を落とします。
  
   それは「リーダー」となる人材をまた自立して判断できる社員を育てこなかった
   がために起こる必然的な現象で、大きくしたければ自分以上の人材を採用し 
   ・教育し・訓練しなければなりません。
   それを望まないのなら、小さいままで活躍することが良策だとも言えます。

   トヨタが優良企業なのは、従業員が自立して知恵・知識を創造して実行する
   能力を風土・システム・しくみのなかで育み・成長させるからこそです。
  
   京セラはアメーバ組織という独特な自己責任を明確にする組織体系を持ち、
   フィロソフィーと言う行動規範により従業員が自立して働くシステム・
   仕組みを整えています。
  
   すべての「過去」を生き抜いて「今」も優良である企業には、
   そうなれるための「知恵」と「努力」と「工夫」があります。

   最高の効用(商品・サービス)でなければ納得しない「今日」であれば、
   一人のやり手ボスと現場感覚の薄い管理者・専門家がいくら頑張っても、
   現場に精通していてやる気充分な従業員が知恵・知識を活かして活躍するならば
   太刀打ちできようはずがありません。


2.仕事の「自働化」

(1)先日見た番組カンブリア宮殿の「タマノイ酢」の話には、優良企業に変身
   するためのマネジメントの「考え方」と「方策」が多く語られていました。

   いつも企業が「V字回復」をはたすときには、同様な軌跡を描きますが
   「タマノイ酢」もそんな一つの「知恵」と「勇気」経営のモデルケースです。

(2)業績が下降し倒産に至る企業は、いつも同じような弱点を持っています。
  
  ①どんな企業でも、思わぬ外的要因で窮地に落ち込むことはありますが、
   基本の「知恵と活力」を持った企業は復元力があり試練を糧として成長します。  
  
  ②そうでない企業は、一時の「アイディア」と「幸運」により
   繁栄を謳歌してもやがて必ず崩壊する「定め」を迎えます。
  
  ③また平安に安住してしまい「知恵と活力」を失う時も同様に崩壊を迎えます。

(3)経営者の仕事とは「価値観」を核力しながら「知恵(知識)と活力」が
   自働運動する組織体を創り上げることにあります。

   経営者がそれを「しなければ。またできなければ」それまでで、
   外部・内部を問わず活力なく歪み組織は沈滞して末期へと向かいます。
  
   そうなってしまうと、企業のミッションである「顧客によろこんでもらえる
   『効用』」は創れず、また「従業員を幸せ(生活の糧、生きがい)にする」
   という内部ミッションの『効用』も果たすことができません。

(4)基本の「『知恵と活力』を総動員するにはどうしたらよいのか。」
  
  ①それは、経営者が『人(顧客・従業員を含め)の欲求・現実・価値感』を
   知ることから始めなければなりません。  
  
   「タマノイ酢」の話に戻りますが、同社が窮地に陥ったのは
   現経営者播野勤氏の実兄が投機に失敗したことが大きな原因でした。
  
   現経営者播野氏は思わぬ経緯で社長になったのですが、ある時のある役員会
   で部下である営業部長に「営業の状況はどうですか。」と尋ねました。
  
   そこで返ってきたのが組織の硬直化と人材配置の錯誤を象徴する「社長は
   営業のことには、口を出さないでいただきたい。」というものでした。
  
   ここに至っては、いかに組織が歪んだ状況にあるのかが分かります。
   いつも、組織が機能不全を起こすと官僚制的発想とセクショナリズムが
   頭をもたげてくるのです。

   これは組織自体の問題であり、一部長の品格の問題ではありません。
   そうなったのは、経営者の経営(マネジメント)が失敗したからです。
  
   ここに至れば、行わなければならないのは「大ナタ」をふるう
   「破壊的創造活動」で、そのことなくして解決の法はなく
   またそれは行う絶好の機会です。

  ②破壊的創造(革新)に必要なのは「勇気」と「誠実さ(真摯さ)」です。
  
   まずしたことは『人(顧客・従業員を含め)の欲求・現実・価値感』を
   知るために「百聞は一見にしかず」で、一年間をかけて全国の得意先、
   自社の営業所、工場を訪問して巡り数千人以上の人に会ったそうです。
 
   「素直」に現実を見れば「問題点」「課題」が少しずつ浮き彫りになります。
   そして「勇気」を持って尋ねれば、そこから「対応策」や「方向性」の
   糸口も自ずから浮き上がってきます。
  
   ニッサンの「カルロス・ゴーン」さんも再建を委ねられた時、予断を持たずに
   「現場」を1年間巡って現場と対話して、そこでの観察と情報に基づいて
   「日産リバイバルプラン」の戦略構想を練りあげたそうです。
 
   そのうえで基本構想のもとに、社内の部署の垣根を超えた
   「クロスファンクショナルチーム」を発足させて再建計画を作成しました。

  ③そこから重視しなければならないのは、松下幸之助さんの言う

   「血の小便が出るほど、とにかく、考えてみることである。
   工夫してみることである。そして、やってみることである。
   失敗すればやり直せばいい。」となります。

   「タマノイ酢」の経営者である播野さんも、悩み抜き考え抜いて
   実際に胃に穴があいたそうです。

(5)GEの元経営者のジャック・ウェルチは「改革」の成功者ですが、
   その成功の法則をシンプルにまとめています。
  
  ①変化の一つ一つに明確な目的と目標を持たせること。

  ②変化に必要性を感じ、一緒にやって行こうとする人材だけを登用すること。

  ③たとえ業績はよくとも抵抗する者は、排除すること。  

  
(6)(「タマノイ酢」の)
   熟考の末に行なわれた改革目的・目標は、大きく2つに集約されます。

  ①一つは、硬直化した官僚的なセクショナリズム(縄張り意識)を破壊して
   部門を超えてコミュニケーションし協力し合える文化の構築であり。
  
  ②もう一つ目は、年齢、職制にかかわらず自由に「知識(知恵)」が
   発想され交換でき創造でき実行できる活性化した組織の構築です。

   大胆に決行したのが大幅な定期的で頻繁な全部門にまたがる人事異動で、
   それは営業、製造、管理という専門分野にこだわらない大胆なものでした。
  
   特筆すべきものとして、いがみ合っていた大阪・東京間の人事異動で
   その成員の半数を一気に移動・交替させたもので、それまでの敵同士が
   相手の立場が分り理解しあえるとなると、そこから同志に変わってしまいました。

   14年で9回も部署の移動を経験した女性社員は、最初は戸惑ったが最終的
   には自分たちの仕事の目的を「会社として『目指すもの』『頑張ること』は
   『共通』のものと考えるようになりました。」と述べています。

   これは、頻繁な異動で混乱するなかお互いが補い合うことから意思疎通が
   生れ、部署ではなく会社であることが知った社員集団が生まれたことにより
   成し得ることになりました。

   また「ヒット商品開発」や「業務改革」をしなやかに実現するには、
   柔軟頭での新たな視点による発想が必要です。
  
   ユニークな施策は、入社間もない新入社員の経営上の問題点を発表できる
   報告会を催して経営者はじめとする幹部がそれを聞き参考にするというもので、
   社長は「解決策を求めるものではなく、自由に発言できる。」環境をつくる
   ことだとしています。

   同社の「ヒット商品」である『はちみつ黒酢ダイエット』は
   入社2年目の新入社員の提案から生まれています。  
  
   また、工場の「勤務体制の改革」は異動で転勤してきた社員の
   「常識にとらわれない柔軟な発想」から生まれています。
  
(7)「優秀な人がいない。」と嘆く経営者の方が多くおられます。
  
  ①「優秀な人がいない。」ではなく、それはマネジメントが正しく行われない
   がための結果で「タマノイ酢」のようにシステムや仕組みが変われば状況は
   一変しまた「一人としては平凡」であっても協同すれば「天才」に勝ります。

   「V字回復」企業では、同じことが行われます。
  
  ②大事な核となる要件は「最大の経営資源」である「人」の処遇にあります。
   これは、まさの経営者にしか行うことのできない「仕事」だと言えます。 

  ③ジャック・ウェルチは経営者の理想を、先に言ったように「優れたリーダー
   とは、自分が一番バカに見えるような優秀な人たちをチームメンバーとして
   集める勇気のある人だ。」であり

   「もしリーダーが一番賢いふりをしたら、最善の決断を下すのに
   必要な意見や批判などを半分も得られなくなってします。」

   と極言しているのです。  


3.「人をつくる」のが仕事
  
(1)「V字回復」ではなく、好業績の最中に未来の危機を予見して
   大改革を実行した経営者がいました。
  
  ①それが先に名前を出した「20世紀最大の経営者」である言われる
   ジャック・ウェルチで、その手法は基本において「タマノイ酢」と
   同じものだと言えます。
  
  ②ジャック・ウェルチは「会長としての20年間、仕事の75%近くは人事だった。
   世界で最も頭が良くて、最も創造的で、最も競争心に富んだ人たちと
   一緒に仕事をしてきた。その多くは私よりも優れている。
   一緒に素晴らしい会社づくりができたことが私の誇りだ。」

   だと言い、人に関わる仕事が経営者の最も重視する「核になる仕事」であると言います。

  ③ただしそれは「その多くは私よりも優れている。」という人材が運よく見つかり、
   ほっておいても高い業績を上げたのではないことだけは確かです。
  
   ジャック・ウェルチが「人事の仕事を行った」からそれができたのです。
  
(2)松下幸之助さんは

   「松下電器は人を作る会社です。あわせて電気製品を作っています。」

   と言われるのもまさにこのことにあたります。
  
   少し趣は違うのですが、本田宗一郎さんは

   「私はうちの会社のみんなに『自分が幸福になるように働け』って
   いつもいってるんですよ。会社のためでなく、自分のために働けって。」

   と言い、また「自分のために働くことが絶対条件だ。一生懸命に働いている
   ことが、同時に会社にプラスとなり、会社をよくする。」

   という言葉が出てきています。

   この言葉を「タマノイ酢」の社長の播野勤氏も同様に言います。

   『会社は社員の生きがいを実現する場』だと。
  
   そのようにすると「日本」の場合では、優良企業に変身するようなのです。
  
(3)また最後に蛇足ですが、欧米、中国などでは
   金銭的な報酬と直接にリンクさせて行います。
  
   「日本」ではそこまでしなくとも行い得ることで、
   それが何を意味するのか分かりませんが

   「文化」を無視してマネジメントを行うことができないのは確かだとは言えます。

         <感謝合掌 平成29年6月3日 頓首再拝>  

人の上に立つ者は愛嬌がなければならない。 - 伝統

2017/06/05 (Mon) 19:23:03


       *「松下幸之助パワーワード」小宮 一慶・著(P282~284)より抜粋

人を受け入れる姿勢、つまりオープンでいるのが、経営者には大事です。

幸之助さんは、リーダーになる人には、アピール力や経歴ではなく
運、そして多くの人を寄せつける愛嬌がなにより大事だという。

世の中には態度が大きくて、無愛想で、細かなことは
みんな下の人がやっていればいいという経営者がいます。

傲慢で、周りに気配りしない、愛嬌がないという人からは、
自然に人が離れていきます。

気配りの仕方や、立ち居振る舞いを見ていると、
その人がどれぐらいのものかがわかります。

愛嬌があるかどうかは、余裕があるかどうかでもあります。
怖い顔をしているのは、恐怖心の心の裏返しかもしれませんね。
余裕がないのです。

自分は、愛嬌のある面白い人かどうかということにも
注意を払いたいですね。

         <感謝合掌 平成29年6月5日 頓首再拝>  

他人のいいところを見抜いて、褒めて、伸ばすのがリーダーの役割 - 伝統

2017/06/07 (Wed) 19:15:54


        *「松下幸之助パワーワード」小宮一慶・著(P178~179)より

すべての人を自分より偉いと思って仕事をすれば、
必ずうまくいくし、とてつもなく大きな仕事ができるようになります。


リーダーとして成功する人は、他人から心から褒められる人です。

優秀な人は、他人のいいところが見えるのです。
自分が持っていないものを絶対に持っています。

それを見つけ出せるかどうかです。

傲慢で、能力の足りない人は、
他人の欠点や至らない部分ばかり目について、叱ったりします。

他人のいいところを見抜いて、褒めて、伸ばす。
それがリーダーに求められる能力です。


どんな相手にも必ず自分より優れたところがある、という考え方を持っていると、
自然といい部分は見えてきます。

幸之助さんは、ずっと「すべての人は自分より偉い」と言われれいました。

そして部下を褒めるのがとても上手でした。

「いい考えをしてるな」「それもええアイデアやな」「君の話は面白い」と、
いつも部下をほめていたそうです。

「部下が話をしにくる、その行動を褒めんといかんのや。
その部下が持ってきた話とか提案の内容は、早く言えばそれほど大事ではない。

《話をしに来たことを褒めれば、部下はそれからなお勉強して責任者のところへ
どんどん話や情報、いい知恵を持ってきてくれるようになるんや。》

何でもいいから部下に知恵を持ってきてもらう。それが大事やね」(「成功の法則」)

意見の提案、それ自体を褒める。
衆知を集めて、最高のチームづくりをしてきた幸之助さんらしいです。
他人の優れた意見を引き出して、いいチームをつくることができるのです。

         <感謝合掌 平成29年6月7日 頓首再拝>  

『才子よりも、君子をめざせ』 - 伝統

2017/06/08 (Thu) 20:25:53


        *人と組織を動かす
        (日本経営合理化教会「国際ビジネスブレイン代表・新将命氏」コラム)より

組織の中のポジションが上がれば上がるほど、
スキルよりもマインドが需要になってくる。

スキルというのは、仕事の技能や能力。
それに対し、マインドとは、心の能力のことである。

私自身、若い頃を振り返ってみると、
スキルを重視し過ぎたという反省がある。

20代の頃はとくに、「仕事さえできればいい」という、
今から思えば鼻持ちならない人間だった。

周囲に対する配慮が足らず、
自分のスキルアップばかりを考えていた。

外資系によくいる嫌なタイプの人間だったと思う。


幸いにも、30歳を過ぎたあたりから、自分の誤りに気づいた。

スキルは当然必要だが、
マインドのないスキルは力を持たないということが、
部下を持つ身になって身に沁みてわかるようになったのだ。

もっと早くそれに気づいていれば、
仕事はもっとスムーズにいっただろうし、
磨いたスキルももっと活かせただろう。


頭が切れて仕事ができる人、技能があって仕事ができる人を「才子」という。
つまり、スキルの優れているビジネスマンである。

スキルだけでなく、人間性が豊かで人間的な香りのある人を「君子」という。
「できる人」と一目置かれるだけでなく、共感・協調・尊敬といった
マインドの部分でも、人を惹きつける力がある。

技能もなく、人間性も平凡な人は「小人」という。

会社も、この3種類の人がいて成り立っている。

この中で、会社を成長させる力を持つリーダーになれるのは、「君子」のみである。
「才子」はいわば職人であり、人を束ねることは不得手とする。
「小人」は問題外だ。

    (http://www.jmca.jp/column/hito/hito136.html

         <感謝合掌 平成29年6月8日 頓首再拝>  

人の上にたつ (1) - 伝統

2017/06/12 (Mon) 18:44:39


       *Web:貞末良雄のコラム(2014年6月10日) より

努力して認められて、ある集団の責任を任される。
すなわち、俗に言う「出世する」、ある範囲のTOP(トップ)になることである。

恐ろしいことであるが、息を耐えだえに踏んばって、踏んばって、
TOP(トップ)に立った人はやれやれ、一息。と思うものである。

私もこんなに頑張ったのだから、お前たち(部下)も私と同じようにやれと、
出来ない部下を叱りつけて、全体の士気があがらなくても、それは全て部下が悪い。
だらしがないからと思う。

何度言っても、部下はミスをする。
叱れば叱る程、ミスを繰り返すものである。

自分の向上は一休みして、高みから下ばかり見る様になる。

高い処は安全地帯と思ってしまう。
これ以上、自分は進化し、向上しようとは思わない。
もう、面倒くさいのだ。今まで、随分努力してきたのだから・・・

こうして、登りつめた途中の高台で、満足することを、
無能のレベルに到達したと言い、その人は終わるのであるから、
自分の地位を脅かす何物にも鋭い敵意を内包する。

どんな建設的な意見にも、それを受けたら自分が劣っていると思われるのか、
恐ろしくなってしまう。
この無能のレベルは、始末の悪いことに、本人は気付いていないのである。

ここまで努力して、得た地位であるから、
地位が高いとその人は偉いと、勘違いしてしまう。

地位が高い人は、部下からみれば、
皆の不出来、失敗を背負ってくれる人と考えているから、そのギャップは大きい。

地位は責任の重さの目安であり、それを楽しみ、部下の才能を愛し、
自分より優れた部下を認める力を持つべきであり、
愛情をもって、部下を叱り教え、集団のヤル気を向上させる役目を担っているのだ。


無能なボスに成ってはならない。

気配りを欠かさない縁の下の力持ちこそが、真のリーダーである。

一番下から皆を持ち挙げるのだから、力は要る。バネも要る。
その行動こそが、誰もが認めるリーダーではないか?

リーダーとは、どうあるべきか等の本を読んで理解した。
判ったということと、やれる、行動を起こすこととは違うのだ。

この文章を読んで、今から行動を起こせる人は数少ない人達と思う。
しかし、この数少ない人達によって、
会社も、日本も、世界を変えていくのではないか?

   (http://www.shirt.co.jp/column/cat1/55/

         <感謝合掌 平成29年6月12日 頓首再拝>  

人の上にたつ (2) - 伝統

2017/06/13 (Tue) 19:45:47


       *Web:貞末良雄のコラム(2014年8月12日) より

よく、人の上に立てるのは部下のサポートではなくて
上からの引っ張りに依る事が多いと言われる。
企業力学である。

従って、上にある集団の習性がはびこることは避けて通れない。
集団の力学とは、こうしたものであると自覚しなければならない。

果たして自分はその分類に入る人間なのであろうか、自己分析が欠かせない。
どんな理由であれ、人の上に立ったならばその役割を遂行せねばならない。


失敗は部下の責任、手柄は自分。
このような行為は誰からも信頼を得られるものではない。
自殺行為と悟るべきである。


実力でTOP(トップ)に立ったのか、否かは自分よりも他人の方が判っている。
故に、どんな理由であれ、
TOP(トップ)に立つ人は大きな責任を背負うことになる。

その時こそ第2の人生の出発点と考え自他ともに認める
自分に向かって精神的にも、肉体的にも強く鍛え
目標とする自己実現に近づかなければならない。

精神を鍛える、それはいかなる困難にも動じない自分創りである。
困難に遭っても狼狽しない自分創りだ。

困難を克服するには学問は役に立たない。
実戦経験に依るしかない。(避難訓練みたいなものだ)

体が動かなければ何の方策も出せない。
困難は、その本質を見極めその奥に潜む真の問題点を、
そしてそれは何故起こったのか、知覚する事である。

知識、理論派は考えるだけで行動には臆病である。
行動、決断出来る人は、体験派であり問題の本質を体感、認知している。

体験派は、今までに色々と痛い思いを含め、様々な選択肢を経験した人であり、
脳の回路が何を優先させるか、問題の本質は何か、だから何なのだと開き直れる、
そんなプログラムを構築してきた人と言える。
秀才が有事に弱いと言われる所以である。

(体を鍛える)

健全な精神は健全な体力に宿る、耳にタコが出来るほど聞き慣れた言葉
であるが、どれだけの人が体力を鍛えているだろうか?

第一に緩慢なる自殺行為と言われているのが喫煙である。
癌、痴呆、欝(うつ)のリスクは何倍も高くなると言われている。

人は老い易く、学、成り難し。と言われる様に、
短い人生で凡人の自己実現は健康で長生きして初めて実現する。
健康でなければ正しい判断は下せない。

どんな状況にも対応するTOP(トップ)が健康を維持出来なくては
資格を有しないと同じ事である。

流行のうつ病などは健康を害することから始まると考えてよいのではないか?

体が健全でないと、負の思考、すなわち物事を前向きに捉える事が出来なくなる。

リーダーが仕事を完遂するには、明確な判断基準と強い達成への意欲、
誰もが納得する高い理想や信念が集団の共通認識となり
エネルギーの渦となって、全体を牽引していくのである。


信頼に基づき集団が一致団結することが理想であり、
その環境を創るのが真のリーダーである。

  (http://www.shirt.co.jp/column/cat1/57/

         <感謝合掌 平成29年6月13日 頓首再拝>  

リーダーが消し去るべき「私」とは? - 伝統

2017/06/18 (Sun) 18:55:24


         *「品格を磨く」高野 登・著(P24~26)より

宮本武蔵はいうまでもなく歴史に残る優れた剣豪でした。
しかしながら、かれはお城の城主になれたでしょうか?
おそらくなれなかったでしょう。

かれは、人並み外れたその腕を消し去ることをしていなかったからです。

多くの場合、優れた腕(知識やスキルなどのリソース)を持つことが、
リーダーとなる人の最初の関門となります。しかし、真に優れたリーダーと
なっていくのは、その腕を消し去ることができる人ではないでしょうか。

《一流プレイヤーであり続けるか、一流プレイヤーを育てる側に回るか》

(中略)

現場の第一線で一流プレイヤーとして発揮する力と、
リーダーとなるときに発揮すべき力は異なります。

そしてリーダーが自身の現場力を上手に消している組織には
一体感があり、品格がります。

もしもリーダーを目指すのであれば、
いずれ自分の気配の消し方を考えるべきときがやってくる。
そのことを自覚していることです。


ホテル業界でもときどき、スーパープレイヤーともいうべきホテルマンが現れるますが、
かれらが組織をつくっていくケースは非常に少ない。

あるいは、日本にも世界ランキングに入るようなソムリエが何人もいますが、
かれらが自分の会社をつくり発展させているという話はあまり聞きません。

それは、できないからではなく、やらないからです。
ずっとソムリエやホテルマンの世界で、現場で第一線に立ち続けることを
選択しているからなのです。

でも数名の人たちは、組織をつくり、
自分の下に世界ランキングのソムリエやホテルマンを育てています。
つまり、役割が違う、ということです。


自分がずっと一流プレイヤーとして第一線で活躍することを選択するのか、
自分の気配を消しながら、自分のあとに続く人を育てることを選択するのか。

どちらが優れているとか、そういうことではまったくなく、
どのような人生を自分が全うしたいと思っているか、ということです。


《「私」を消し去る人がリーダーとなる》

もし、どうしても「私」を消し去ることができないのなら、
自分がもともとリーダーとなることを望んでいるわけではないと自覚すべきです。
それより生涯第一線で活躍し続けられるように努力すべきです。
それもまた、見事な一生となるでしょう。

一方、リーダーを目指す人は、自分を超える一流プレイヤーを育てるために、
プレイヤーとしての自分の気配を消すべく努めるべきです。

「私」、すなわち、自分の優れた腕への賞賛、評価への欲を消し去ることに
成功した人が優れたリーダーとなります。

         <感謝合掌 平成29年6月18日 頓首再拝>  

現場の力があってこそ、リーダーは力を発揮できる - 伝統

2017/06/20 (Tue) 18:29:07


        *メルマガ「天風哲学のすすめ 新風(2017/06/16)」より


大臣の職
     木南 一志
大臣の職は大綱を統ぶるのみ。
  日間の瑣事は旧套に遵依するも可なり。

  但、人の発し難きの口を発し、人の処 し難きの事を処するは
  年間卒ね数次に過ぎず。紛更労擾を 須うること勿かれ。
(言-51)

            ・・・

  大臣の職は、政治の最も大事なところだけを統べ治めればよい。
  日常のこまごましたことは、今までのしきたりに 従って
  処理すればよろしい。

  ただ人の言わんとして言い言えないことを言い、
  また人の処理しにくいことを処理する ことだ。
  こんなことは1年の間にそう数多くはないものだ。
 
  日常のこまごましたことにかかずらって、あれこれと
  やり方を改変して、混乱させる必要はないのである。

          人間学言志録より


<解説>
 
リーダーとしてのあり方を問われている。

部下と競争する上司は、意外と多い。
昭和の名経営者、土光敏夫氏が

「リーダーは部下と能力で競ってはならない。
能力で負けても情熱で勝て。情熱を失ったら去れ。」

と語っている。

上司が全て能力で勝る人材ならば、現場は奴隷と同じだ。

現場の素晴らしい能力が熱く花開くからこそ、
会社は良くなっていくのだ。


リーダーも大切であるが、現場の力がなければ、
どんなに優秀で立派なリーダーが来てもダメである。

土光氏が率いていた頃の東芝は、もう見る影もない。
日産は、カルロス・ゴーン氏の厳しさに負けず、大復活している。

現場は能力を磨き、リーダーは情熱を燃やす。

世の中を良くするために会社は存在している。

赤字の会社は潰れてもらわねばならない。
補助金や助成金で生き残る姑息な手段に頼るようでは、
社会から必要とされていない証拠である。

リーダーは熱い心で、人々が言いづらいことを堂々と口に出し、
難しいと思われている仕事を大きな決断によって実行せよと説かれている。

明治維新のきっかけとなった言志四録。

志士達は熱く語り、前例のない仕事で日本を近代化した。

同じ国土に生きている私達はどうか。

自分の役割をハッキリと自覚して、
国のためになる生き方をしてゆきたい。

     <こころ便り  第207号 平成29年6月号より>

         <感謝合掌 平成29年6月20日 頓首再拝>  

リーダーの原則 - 伝統

2017/06/23 (Fri) 18:26:05


      *『アメリカ海軍に学ぶ「最強のリーダー」』マイケル・アブラショフ・著 より

(1)「いいか。腹が立ったときは、伝えたい内容を書いて、ひとまず未決箱に入れておけよ。
   48時間経ってまだ同じ心境であれば、そのまま送ってもいい。
   だが、気持ちが落ち着いて、内容が子どもじみていると思ったら
   破り捨ててしまったほうがいい」(著者の元上司)

(2)まず新人に対して、組織が正しく進んでいると感じさせるのがリーダーの仕事。

(3)自分の妻や娘が職場でどのようにあつかわれるべきかを想像して、
   彼女を大切にするように自分の部下とも接すればいい。

(4)「金持ちになるよりも、人助けをしたい」と考える志望者を選んでいる
                (キーン・モビリティCEOバイル・ホートン)

(5)「舵をとれ。ただし航路は外れるな」

(6)リーダーは部下たちのために、限界を設定しなければならない。
   彼らは自分たちがどの範囲を任されたのかを知り、
   その範囲から外れてはならないと自覚する必要がある。

   そのためにはリーダーが、部下が絶対に越えてはならない一線を示すことだ。

(7)「少数派」にこそチャンスを与えよ。

(8)他人は変えるな、まず自分が変われ。

(9)上司の“結論”はあと回しだ。

(10)私が最初にかならず尋ねるのは、
   「その間違いをいつから知っていたのか」という点だった。

(11)ポイントは、社内の問題を個人や部署の責任に帰すことはしないということだ。
   「失敗するのは人ではなくシステムである」というのが組織のスローガンになっている。

(12)“尖った部下”を引き立てよ。

(13)部下の利益を第一に考える。

(14)艦が沈めば、溺れるのは全員だ。

(15)つねに「プランB」を用意する。

(16)すべてのリーダーは、その権限を象徴するモノをなかなか手放せない。

(17)人は命令では動かない。

(18)競争よりも連帯だ。

(19)「正直さ」を歓迎せよ。

(20)裁量を明確にし、完全に任せる。

(21)部下に敬意を払い、盛り立てよ。

   部下を信用できず、リーダー自らが考え、
   やりたいように部下を動かすようなことをすると、
   自主性が育たず、言われたことをやるだけのポンコツ組織になる。

(22)「完璧」を目指さなくていい。

(23)厄介な敵ー嫉妬心をコントロールする。

   嫉妬やねたみは強い感情で、それに従って行動すれば
   深刻な問題を生み出しかねない。
   指導者は常にそうゆう感情に注意していなければならない。

   嫉妬深い指揮官は往々にして
   自分の部下を押さえつけるような行動を取ってしまうからだ。
 
   他のリーダーが成功したときは、その成功から素直に学ぶこと。
   それが自分の部下のプラスになる場合はなおさらである。

(24)偉大な艦長はピンチのときに必ず艦橋にいる。

(25)リーダーの絶対的な原則

   不変の原則がある。

   “正しいことをする” という原則だ。

   現実社会においては生ぬるい、きれいごとだと思われるかもしれない。
   しかし、すぐれたリーダーほどこの原則を知っているし、
   生き方でそれを示している。

         <感謝合掌 平成29年6月23日 頓首再拝>

艦が沈めば、溺れるのは全員だ。 - 伝統

2017/06/24 (Sat) 18:40:04


      *『アメリカ海軍に学ぶ「最強のリーダー」』マイケル・アブラショフ・著 より
          (P158)

怠惰なリーダーが職場の雰囲気を乱し、全体の業務を滞らせていまい、
”お得意様”から目をそらせてしまう事態になるのだ。

とりわけ伝統的な上位下達型のシステムにおいては、階級が高いというだけで
自分が他者よりも優秀だと思い込んでしまう人が現れる。

自分は人より頭がよく、情報も豊富で才能もあると勘違いし、
下の誰よりもすぐれた存在だという気になってしまうのだ。

《嵐の中を歩けば艦長も水兵も等しく濡れるものだし、
 艦が沈めば溺れるのは全員》だ。

艦長が高慢な態度を改めて部下の才能と個性を尊重することを学べば、
部下たちも艦長を尊敬し、熱意をもって仕事に打ち込んでくれるだろう。

         <感謝合掌 平成29年6月24日 頓首再拝>

尊敬されるリーダー - 伝統

2017/06/25 (Sun) 18:29:21


      *『アメリカ海軍に学ぶ「最強のリーダー」』マイケル・アブラショフ・著 より
          (P159~160)

当然のことながら、ビジネスの世界でもどこの世界でも、
傲慢さより謙虚さをもって部下に接したほうがずっといい。

厳しい局面を迎えたときに部下たちがついていくのは、
魅力的で尊敬に値するリーダーだからだ。

1998年に陸軍兵学校の校長の地位から引退したチャールズ・R・ラーソンは、
士官候補生たちに、「傲慢さを感じさせない人間になれ」と説いた。

長期的に見れば、それが新しいものをつくり出すカギになるのだ。

いいリーダーは階級にこだわらず、部下に敬意を払い、礼儀ただしく接するものだ。

階級の低い者は人間としても格下だと考えるような鼻持ちならない人間は、
服従されることはあっても部下の魅力を最大限に引き出すことはできないだろう。

どのような場合でも、階級を持ち出すのは誰のためにもならない。

         <感謝合掌 平成29年6月25日 頓首再拝>

優秀なリーダーほど「孤独な意思決定」をしている - 伝統

2017/06/28 (Wed) 20:07:20


        *Web:DIAMOND onlin( 2016年2月19日)より要点の抜粋

「みんなで決める組織」がキケンな理由
優秀なリーダーほど「孤独な意思決定」をしている


(1)决断の全責任はリーダー1人に

  ①最後の最後の決断は、やはりリーダーの仕事です。

  ②サッカーの岡田武史監督は、日本代表の監督をしていた当時、
   選手とは絶対にプライベートな食事に行かないようにしていたそうです。

   人間なので、一緒にご飯を食べたりするとどうしても情が移り、
   直感や決断が鈍るというのです。

(2)メンバーとの距離を保つ

  ①岡田武史監督は、「結婚式に参列したりしたら最悪だよ。
   『あいつにはあのかみさんがいるんだ』と思ったらスタメンから外せなくなる。
   おれ、そういうのに弱いんだよね」と言います。

  ②ベストな決断をするために、特定のメンバーと関わりすぎないように気遣い、
   メンバー全員をフラットな目線で見られるようにする。

   リーダーにはメンバーとの距離を保つバランス感覚も求められるのです。

(3)リーダーは相談で確信を深める

(4)リーダーはメンバーの壁になる

  ①メンバーから相談されたときは、真摯に相手の話を聞くようにしましょう。
   リーダー自身がメンバーにとっての「壁打ちの壁」になるのです。

   人は誰しも自分のなかに答えを持っていますから、
   それを自らの力で見つけてもらうのが「壁」の役割です。

  ②話を聞きながら何か気づいたことがあっても、ギリギリまで指摘しないようにし、
   とにかく最後まで話を聞くようにします。

   そうすることで、メンバーが自ずと自分の答えと出会うことになるのを「待つ」のです。

  ③相談内容に耳を傾けているうちに、リーダーであるあなた自身の
   体験とも重なり合うところが見つかり、自分の課題とも向き合う
   きっかけになるかもしれません。

  ④相談は、互いを成長させるすばらしいコミュニケーションの1つです。

  (http://diamond.jp/articles/-/85511

         <感謝合掌 平成29年6月28日 頓首再拝>

指導者の条件82(人を育てる) - 伝統

2017/07/03 (Mon) 18:34:40


            *「指導者の条件」松下幸之助・著より

指導者は真の人間教育を目指さなくてはならない

吉田松陰は23歳の時、海外へ密航を企てて失敗し、捕らえられて入獄の身となった。
この時牢内には11人の囚人がいたが、松陰はすぐ皆と親しくなるとともに、
そこをお互いの教育の場としたのである。

すなわち、松陰自身は自らの得意とする、いわゆる四書五経の講義を行うと共に、
俳諧に詳しい人には俳諧を教えさせ、書道に秀でた人には書道を教えさせ、
自分もそれを学ぶというようにした。

それによって、今まで絶望的な雰囲気だった獄内が、
皆それぞれに自信と勇気を取り戻し、活気に溢れてきた。

それが藩当局の認める所ともなって、
ついに松陰を含めて全員が解放されるに至ったという。

牢に入れられてなお志を失わないということだけでも、
実際にはなかなか出来ないことであろう。

その上に松陰は同囚の人々の教育までもした。
しかもそれはただの教育ではなく、真の人間教育だったのだと思う。

つまり、自らも講義し、またそれぞれの人に自分の得意とするところを教授させ、
互いに教え合い、学び合う中で、その人々が獄中生活の中で見失っていた、
人間としての価値、人間の尊厳といったものに目覚めさせたのだと思う。

松陰が有名な松下村塾を開いたのは、この出獄の後のことであるが、
そこから明治維新の偉大な志士たちが輩出したのは、こうしてみると
決して偶然ではないと言えよう。

松下村塾には、高杉晋作などのような、名門、上士の子弟もいるが、
同時に伊藤博文とか山県有朋のような足軽の子もいる。
封建時代にあっては、普通であればまず重く用いられることのない人々である。

それが後に国家の柱石となり、位人臣を極めるというほどにまでなったのは、
もちろん本人が優れていたからには違いないが、

やはり松陰の人間教育によって、いわば魂の底から揺り動かされ、
その秘められた素質が引き出されたからではないかと思う。

松陰は入獄の時

”かくすればかくなるものと知りながら、やむにやまれぬ大和魂”

という歌を詠んでいる。

そうした国の将来を憂うひたむきな思いが、
囚人であろうと軽輩であろうと、わけへだてなく、
人間としての価値に目覚めさせずにはおかなかったのであろう。

指導者が人を育てるにあたって、知識よりも何よりも、
まずそうした人間の尊厳を教えることが大切なのだと思う。

         <感謝合掌 平成29年7月3日 頓首再拝>

リーダーは「超越の欲求」を刺激する - 伝統

2017/07/13 (Thu) 18:35:56

「イラクの食堂」~リーダーは「超越の欲求」を刺激する

         *「アイデアのちから」(著:チップ・ハース+ダン・ハース)より
            (P253~255)

軍隊での食事は大方の予想通り、味気ない。
大鍋でくたくたに煮た料理には、パセリの飾りもない。

軍の食事とは要するに「カロリー工場」であり、
兵士が任務を遂行するために必要なエネルギーを供給する場所だ。
軍には昔から「軍隊は腹で動く」という言葉がある。

だが、バグダッド空港のすぐ外にあるペガサス食堂は、一味違うと評判だ。
ヒレステーキの焼け具合は絶妙だし、果物の盛り合わせにはスイカやキウイ、
ブドウが美しく盛り付けられている。

ペガサスで食事をしたい一心で、わざわざグリーンゾーン(バグダッドでも米国人が多く、
警備が行き届いた区域)からイラクで最も危険な道路を通ってやってくる兵士もいるという。

ペガサスの責任者フロイド・リーは、海兵隊と陸軍で25年間、
チョリ担当を務めたキャリアを持つ。
だが、イラク戦争開戦時は引退していた。
彼は、引退生活を捨ててペガサスの仕事を引き受けた。

(中略)

兵士生活が過酷であることをリーは知っている。
兵士の多くは1週間に7日、1日18時間働く。
イラクでは常に危険に晒されてもいる。

兵士たちのためにペガサスを束の間の安らぎを得られる場にすることがリーの願いだ。

彼は指導者としての任務を明確に意識している。
「食事サービスの責任者だけでなく、軍の士気を高める責任者でもある
と自分では思っている。」

士気を高める責任者であるというのは、つまりマズローの欲求段階説(*1)で言うなら、
リーは「超越」をめざしているということだ。
このビジョンは、スタッフのちょっとした普段の仕事ぶりにも現れている。

(中略)

ペガサスは料理の美味しさで有名だが、注目に値するのは、
他の基地食堂と全く同じ配給食材を用いている点だ。
他の食堂と同様、ペガサスも軍の定めた21日周期の献立通りに食事を出している。
食材の供給業者も同じ。

違うのは、その姿勢である。
毎日、果物が届くとコックの一人が選別を行う。
傷んだブドウの実を取り除き、スイカやキウイの一番美味しい部分を選んで、
完璧な果物の盛り合わせを作る。

夜には、デザート台に5種類のパイと3種類のケーキを用意する。
日曜日に出すヒレステーキは、2日前からタレに漬け込んでおく。
ニューオリンズ出身のあるコックは、主菜の味を引き立てるため
香辛料を郵送で取り寄せている。

デザート担当のコックは、自分の作るイチゴケーキは「官能的」だと言う。

(中略)

毎週日曜、夕食のためにペガサスに来るというある兵士は
「ここにいると、イラクにいることを忘れる」と言った。

リーは、マズローの欲求段階の忘れられた層に訴えている。
それは、「美」と「学習」と「超越」への欲求だ。

彼は、食堂の使命を一新する中で、砂漠にオアシスを生み出すという
目的に向かってスタッフを奮い立たせている。


(*1:アメリカの心理学者アブラハム・マズローが、
   人間の欲求を5段階の階層で理論化したもの。
   「自己実現の欲求」「承認(尊重)の欲求」「社会的欲求・所属と愛の欲求」
   「安全の欲求」「生理的欲求」の5段階に加え、
    のちに、一番最上位に「超越の欲求」を定義した。)

             ・・・

イラクの食堂の責任者リーは、自らを「軍の士気を高める責任者」と定義し、
マズローの欲求段階説で言うところの「超越」、つまり
「他者の潜在能力発揮を助けること」を目指している、ということを明確にしたのです。

        <感謝合掌 平成29年7月13日 頓首再拝>

『「感性の泉」を持つ』 - 伝統

2017/07/15 (Sat) 20:11:02


        *人と組織を動かす
        (日本経営合理化教会「国際ビジネスブレイン代表・新将命氏」コラム)より

リーダーには、豊富な情報・知識に裏付けされた理論が必要だ。

人は理論で説得され、感情で動く。

数字と理論の塊でしかないリーダーのもとでは、
人は思うように動かない。

では、どんなリーダーならば人は動くのか。

  ・人の立場に立って考えることができる
  ・人の痛みがわかる
  ・人と喜びを分かち合える……

なんだ、そんなことか、と思うかもしれない。

たしかに、シンプルで原則的な人間関係論だが、
地位が上がれば上がるほど、実行が難しくなる。

「感性の泉」が枯れてくるからだ。

だが、枯渇を食い止める方法がないわけではない。
ビジネスとは異質な世界で「本物」に触れて、水分を補給すればよい。

ビジネスは理論と数字に支えられているため、デジタルな思考に傾き、
論理と言語をつかさどる左脳ばかりを使う。
それが、「感性の泉」の枯渇に拍車をかけることになる。

だからときどき、これらを逆方向へシフトしてやる必要がある。

仕事とは関係のない本を読むのもいいし、
オペラや歌舞伎やミュージカルに出かけるのもいい。
俳句、川柳、楽器演奏・・・と、外には広い海がある。

  (http://www.jmca.jp/column/hito/hito149.html

        <感謝合掌 平成29年7月15日 頓首再拝>

「伝えベタ」でも最高のリーダーになれる - 伝統

2017/07/17 (Mon) 18:30:22

        *Web:DIAMOND onlin( 2016年2月22日)より要点の抜粋

リーダーの重要な役割は、ビジョンをメンバーに伝え、それを浸透させることである。
どのような伝え方が効果的なのか、何を伝えるべきなのか。

《「高度なプレゼン技術」は必須ではない》

プレゼン力とビジョンを語る力は、必ずしもイコールではないということです。

プレゼンは、多くの人にアピールするためのある種のパフォーマンスです。
プレゼンのような大仰なことを考えなくても、日ごろの仕事のなかで
ビジョンを伝える方法はたくさんあります。


《伝えるときは「テクニック」より、「たくさん」「日常のなかで」が重要》

ビジョンの伝達には、周到に用意された演出や高度なプレゼン技術は不要です。
それよりも、ビジョンを意識する機会を「いかにたくさん」日常のなかに
盛り込めるかが重要なのです。


《まずはリーダー自身が「腹落ち」しているか? 》

まずもってリーダー本人がそのビジョンに共感していなければ、
どんなに伝え方を工夫したところで、メンバーの心の底にまで
ビジョンが浸透することはありません。

ビジョンに対して表面的に共感したふりをしていても、
メンバーからは容易に見透かされます。
「どうしたんだ? うちのリーダーは急に『きれいごと』を言い出したぞ……」
と思われるのが関の山です。


《繰り返し語って自身に刻み込む》

語れば語るほどビジョンの精度が増し、自らの考えが整理されていくのです。


《直感での决断を、論理的な言葉に「変換」する》

(1)ビジョンが少しずつ自分の腑に落ちてきたら、
   次に磨くべき能力は、「説明力」です。もちろん、

   スキルとしての説明力をどう磨くかということもあるのですが、
   それ以前に心に据えておくべきことがあります。

   それは「誠実さ」です。

(2)リーダーの説明力のベースには、
   「嘘をつかない」「正直に伝える」「いい加減にしない」といった
   誠実さが不可欠です。

   どれほど高い説明スキルがあろうとも、
   誠実さがなければビジョン伝達には役立ちません。


《決断したプロセスを「説明」する》

(1)とはいえ、伝書鳩のように、つねに何でも正直に伝えていては、
   組織やチームに混乱を招きます。

   何を伝え、何を伝えないのかもまた、リーダーが判断すべき重要なポイントです。

(2)そこで必要なのは、決断したプロセスを「説明」することです。
   あと付けでもいいので、「なぜそこに向かうことにしたのか」についての
   論理を組み立てて、しっかりと伝えるのです。

(3)納得してもらうための説明をすること、
   共感を得るために心に深く届けることは、
   リーダーの重要な仕事の1つです。

    (http://diamond.jp/articles/-/85512

        <感謝合掌 平成29年7月17日 頓首再拝>

Re: 人の上に立つ者に求められること⑦ - cibyzpdoplMail URL

2020/08/29 (Sat) 03:50:31

伝統板・第二
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