伝統板・第二
読書の力 - 夕刻版
2016/10/27 (Thu) 19:30:52
今日(10月27日)から、(秋の)読書週間が始まっています。
2016(第70回)読書週間 10月27日~11月9日。
第70回読書週間 標語 『いざ、読書』
→ http://www.dokusyo.or.jp/jigyo/jigyo.htm
・・・
読書の力
*Web:van*n*2のブログ『生命の實相』哲學に学ぶ(2015/11/4)より
生長の家では、そういう真理を 『生命の實相』 に説いてあると共に、
単にそういう理論を説明してあるだけではなく、その真理を文章の力、言葉の力によって、
それを読む人の心に強く愬え、強く射貫くように工夫して書いてあるのであります。
それを読むことによって、読者自身の心が自然に努力なしに
変って来るようになっているのであります。
是は例えば毎日ダイヤモンドを磨いておったならばだんだん
そのダイヤモンドが光を増して来るというのと同じで、
我々の生命というものは本来ダイヤのような立派な生命であるのでありますから、
この立派な生命を「言葉の力」によって磨こう、
「文章の力」によって磨き出そうというので、
『生命の實相』 を毎日読むということして戴いているのであります。
だから 『生長の家』誌 又は 『生命の實相』 を読んで戴きさえすれば
心を変えようと努力しないでも、何時の間にか読むことによって心が変るのであります。
《読書の選択は大切である》
「読書の力」というものは非常に大きなものでありまして
本を読むことによって、その人の思想が変り、行動が変るのであります。
或は悪い本を読めば、悪い感化を受ける。
犯罪小説のようなものを読み耽る人はやはり犯罪小説にあるような罪悪
やって見たいような気持が唆されて来るであります。
ちか頃、少年犯罪が多くなった一原因もそこにあります。
それと同じように良き書物を読みますと、
言葉の力が精神に感応して、心の波長が自然に変って来るのであります。
『生命の實相』 を読んで “人間は神の子だ” という真理が
深く潜在意識に滲透いたしますと、あしきことを行おうとしても、
行えなくなってしまうわけであります。
そんなにうまい具合に行くものかとお考えになる人があるかも知れませんが、
実際そのようになれるので、私たちの手許には礼状が沢山来ているのであります。
(中略~17年間のカリエスの治癒の例・・・)
文章の力、言葉の力というものは実に偉大なものであります。
(『愛はかくして完成す』
<http://blogs.yahoo.co.jp/vanon32/19686042.html>)
(平成28.10.27、実際は『愛はかくして完成す』ではなく、
『女の生き甲斐)』(P262~264)に収載されております)
<参考Web>
(1)光明掲示板・第一「読書週間 (2870)」
→ http://bbs5.sekkaku.net/bbs/?id=koumyou&mode=res&log=580
(2)光明掲示板・第二「2013(第67回)読書週間 (2198)」
→ http://bbs7.sekkaku.net/bbs/?id=koumyou2&mode=res&log=505
(3)光明掲示板・第三「読書の力」
→ http://bbs5.sekkaku.net/bbs/?id=koumyou3&mode=res&log=268
(4)伝統板・第二「読書で味わう悦び」
→ http://dentou.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=6646994
<感謝合掌 平成28年10月27日 頓首再拝>
効果的な読書の勧め - 伝統
2016/10/28 (Fri) 18:15:26
*「投資効率を100倍高めるビジネス選書&読書術」藤井 孝一(著)より
1.読書
(1)本は脳の鉄アレイ、読書とは脳に負荷をかけ続ける行為。
本は考える力を養う運動器具。
(2)本の投資効果は極めて高い。
数千円の投資で数万円の成果を上げることは十分可能。
(3)「本の人脈は、宝の人脈」
⇒ 本をきっかけに知り合うことが、効率の良い人脈構築につながる。
2.「効率的に良書を選ぶ」
(1)読書の目的を明確にする・・・自分は何を得たいのか。
(2)買う際にチェックする6つのポイント
①タイトル(サブタイトル)
⇒ 中身を的確に伝えることができる最も有効な手段。
②帯のコピー ⇒ 編集者から見た本の魅力や読みどころ。
③著者 ⇒ 自分が得ようとする知識の世界で第一人者か。
④出版社 ⇒ 出版社ごとに取り扱う書籍のカラーは大きく異なる。
⑤表紙のデザイン
⇒ 表紙のデザインに力を入れている本は、少なくとも出版
社は力を入れている一押しの本。
⑥体裁
⇒ 特殊な形状の本は、著者や編集者の思い入れや、気合が入っている証拠。
(3)ベストセラーは一定の条件をクリアしている可能性が高い
⇒ 手にとってはみるが、あくまでも自分の読書目的に照らして判断。
(4)「はじめに」の部分
⇒ 著者の思いや書籍のエッセンスが詰まっていて、
本の中身を知る重要な手掛かりとなる。
(5)「目次」の部分 ⇒ 本の全体を俯瞰するの適している。
目次はフレームワーク。
(6)「言いたいことは、先に書く」
⇒ 本は重要な部分が最初に書かれている場合が多い。
第1章か第2章を優先して目を通す。
(7)「あとがき」の部分
⇒ 著者の本音が出やすい。本文の意図や、執筆プロセスを
見抜くヒントが潜んでいる。
(8)読みながら気づいたことは、本の中、特に文章のそばに書き込んでおく。
(9)読書とは、他のことをしながら同時進行でやるもの。
(10)速く読みたいなら、とにかくたくさん読む
⇒ 何年も速読教室に通って、目玉の筋肉を鍛える暇があったら、
その間1冊でも多くの本を読むことです。
(11)本当に書き手が伝えたいメッセージは、1冊について1つか2つ
⇒ わずか数千円の投資、1か所でも「ピン!」とくるところがあれば、それで十分。
(12)大事なことは「漫然と読まないこと」、
「ビジネス書の読書そのものを目的にしてしまわないこと」
⇒ 読んで終わりでなく、行動につなげること。
書いてあることのうち、何か一つでいいから実際にやってみる。
(13)読書を小さな「社会貢献」にする
⇒ 読書の内容を同僚や友人家族など、周囲の人とシェアすることは
相手にとってもメリットがあり、自分の理解も深めることができる。
(14)書籍の売れ行きは、発売直後がすべて。
メルマガやブログで紹介するなら、あくまで新刊本を紹介すること。
(15)「勉強会」「読書会」
⇒ インプットした内容を人前でアウトプットするのは極めて学習効果が高い。
3.読書レポートの効用・・・一番手軽なアウトプット
(1)学習効果を高める
⇒ 自分なりに整理したりする作業で、より深い理解ができる。
(2)備忘録になる
⇒ 後ほど参照にするのが楽。自分の成長の記録人もなる。
(3)発信ができる
⇒ ①読み手がいるとモチベーションが上がる。
②レポートの読み手が、人脈になる。
③ちょっとしたお小遣い稼ぎになる。
(4)文章修業になる ⇒ 文章力アップに有効なのは書くこと。
(5)読書レポートを作成する場合、自分の考えや、行動を盛り込むことが不可欠。
(6)メルマガやブログも含めて、読書レポート作成を習慣化するうえで
一番大事なことは読み手の存在。
反応が返ってくるからモチベーションの維持につながる。
<感謝合掌 平成28年10月28日 頓首再拝>
【バカになるほど、本を読め!】 - 伝統
2016/10/29 (Sat) 19:19:10
*メルマガ「人の心に灯をともす(2015年02月03日)」より
(神田昌典氏の心に響く言葉より…)
意識の高い人の本の読み方には、変化が見られる。
それは、「知識創造」「価値創造」型の読書をする人が増えているということだ。
その理由は、世の中で付加価値をつけられる人のスキルとセットが変化したこと。
旧来型の読書をしても、評価されなくなったことにある。
旧来型の読書というのは、本に書いてある知識をしっかりと頭にに入れ、
それを必要なときに正しく迅速に引き出せるようにする、というものだった。
かつての知識人というのはこういう人だったわけで、
たとえば、マルクスの『資本論』を読破し、その内容を正確に語ることさえできれば、
大学教授や評論家として社会的地位を得られたわけだ。
ビジネスでも、そうした「旧来型の読書」型の人材が求められていた。
たとえば役所や銀行では、何よりも正確性が求められる。
そのため、書いてあることを記憶する能力のある人、
たとえば東大生などの受験エリートがもてはやされたわけだ。
ところが、その「正確な知識を提供する」役目は、
今やコンピュータにとってかわられてしまった。
何かわからないことがあっても、
ネットで検索すれば、すぐに情報が取り出せるようになった。
だから、知識を受け売りするだけの記憶型の人は、
まったく価値がなくなってしまった。
代わりに、求められるようになったのは、「知識の創造」「価値の創造」だ。
どの業界でも、これまで誰も直面したことのない問題や課題が次々と発生している。
たとえば、携帯電話がゲーム機のライバルになるなんて、誰も思っていなかった。
当然ながら、そうした問題の答えをズバリと書いてある本なんて、どこにもない。
求められているのは、
イノベーティブなアイデアや解決策を自らの頭で創造すること。
既存の常識の枠を超える発想を生み出すことだ。
もはや、そこにしか自分の付加価値をつくりだす方法はない、
と言っても言い過ぎじゃないだろうね。
このような状況の変化は、
「イン・フォメーション」から「エクス・フォメーション」への
転換とも言い換えられる。
イン・フォメーションとは、外からの情報を受け入れて自分の中に認識を形創ること。
それに対し、エクス・フォメーションとは、
自分の内にある認識を、外へ形創っていくことだ。
イン・フォメーションは、
世の中から求められている自分を作っていく行為であるのに対し、
エクス・フォメーションは自分が求めている世の中を創っていく行為といえる。
後者を常に意識した行動をとることが、これからの時代は何よりも求められる。
<『バカになるほど、本を読め!』PHP>
・・・
スティーブ・ジョブズの有名な言葉に次のようなものがある。
「多くの場合、人は形にして見せてもらうまで、
自分は何が欲しいのかわからないものだ」
そして、ジョブスは、次のような、
ヘンリー・フォード(自動車王)の言葉を好んで引用していたという。
「もし顧客に、彼らの望むものを聞いていたら、
彼らは『もっと速い馬が欲しい』と答えていただろう」
多くの人は、今の延長線上にあることしか想像できない。
突拍子もない発想や非常識な考え方は、最初から考えようともしない。
だからこそ、これからますます「知識創造」「価値創造」型の読書をすることが必要とされる。
既存の常識の枠を超える発想を生み出すためにも…
バカになるほど、本を読みたい。
<感謝合掌 平成28年10月29日 頓首再拝>
プロ野球日本一の覇者「日本ハム」の場合 - 伝統
2016/10/30 (Sun) 18:51:14
*Web:gooニュース(10月29日 )より抜粋
中心選手は自前で育てるのが基本方針。
独自のプログラムが成功に導いた。
高校からの入団は5年、大学・社会人は2年が育成期間となる。
その間は、千葉県鎌ケ谷市の2軍の練習施設に併設する「勇翔寮」への入寮が義務。
そして、最初の休日には決まりがある。本を買いに行くのだ。
朝食後の10分間が読書タイムになる。
「一番大事なのは野球での成功。そのためにいろんな考えを身につけるのが大事です。
てっとり早いのが読書。習慣づけのため、時間を設けています」と、
本村幸雄・選手教育ディレクター。2011年、高校教師から転身した。
球団は寮の教官に元教育者を選んだ。
選手は毎日日誌をつけ、自分と向き合う。
(http://news.goo.ne.jp/article/asahi/sports/ASJBW3F2MJBWUTQP016.html)
<感謝合掌 平成28年10月30日 頓首再拝>
エネルギーを取り入れる読書 - 伝統
2016/10/31 (Mon) 17:46:22
*『1分間読書法』石井貴士・著より
(1)1冊1分で本が読めるようになれば、人生が変わる。
(2)1冊1分になろうとするのではなく、1冊1分で「読めている自分」になる。
(3)読書は費用対効果が、もっとも高い自己投資だ。
本を買うイコール成功している人の時間を買う、である。
(4)インプットのゴールデントライアングルは、本、教材、セミナーの3つだ。
(5)精度の高い情報を発信するのには、
それだけインプット量を多くする必要がある。
1の情報を発信するために、10の内容を仕入れる。
(6)学習2000時間、行動1万時間が成功の方程式。
①赤ちゃんは、英語を2000時間聞くと英語を話し出し、
日本語を2000時間きくと日本語を話し出すといわれる。
学習の臨界時間は、「2000時間」だ。
②「数学が苦手なんです」という人は、2000時間やればいいのです。
「ビジネスアイデアが浮かんでこないんです」という人は、
2000時間ビジネスアイデアの作り方に関して勉強すればいい。
③行動1万時間は、最速化することができない。
しかし、学習2000時間の、本を読むということだけに関しては、
最速化が可能だ。
(7)成功している人の本を「2000冊」読む。
定員がない世界では、努力次第で成功できる。
(8)2000冊の本を読むと、潜在意識が成功者と入れ替わる。
①2000時間英語を聴いていたら、
潜在意識が「英語が当然なんだ」と思うようになる。
②成功したらではなく、成功する前に本を読む。
会社を上場するのが夢なのであれば、
すでに上場している人の本ばかりを2000冊読めばよい。
③目的地から逆算して成功を目指す。
専門分野と周辺分野で、「2000冊」の本を読もう。
(9)基本的には、本は買う。
図書館で借りてはいけない。
本を無料だと思ってしまうと、
内容が頭に入ってこなくなってしまうから。
本は100円でもいいので、お金をかけてナンボだ。
(10)内容を感じ取らないようになれば、内容を感じ取れる。
大切なのは、無我の境地だ。
「内容を知りたい」という自我を完全に捨て去ったときに、
内容が勝手に頭の中に入ってくる。
(11)成功するために、本ほど安いものはない。
①本を読んだことで、先人の試行錯誤を追体験することもできる。
②成功者と同じ空気を吸うために、本を読む。
③億万長者と同じ空気を吸っていれば、億万長者になれる。
あなたの波長をどこに合わせるかで、成功の形が変わる。
多くの人が会社員のまま人生を終わる理由は、
日本の人口の多くが会社員だから。
④成功している人の本ばかり読んで、
成功するのが当たり前だというチャンネルに合わせればいい。
失敗している人を見るのではなく、成功している人だけを見る。
(12)本を買うスピードは、手に取ってから「1分以内」。
1分迷っている暇があったら、レジに行って本を買う。
100冊、200冊つまらない本を買ってしまったとしても、
1冊、あなたの人生を変える本と出会えるならば、それで元が取れるのだ。
(13)新刊は「エネルギー」を買う。
新刊は、その本を出した瞬間の、書店に平積みされている勢いをかうのだ。
エネルギーを1500円で自分の中に取り入れる。
(14)あなたが一皮むけるのは、関係ない本に出会ったとき。
(15)1日3冊。
年間1000冊をクリアしたときの境地を知っておく。
(16)本と付き合うのは、女性と付き合うのと同じ。
一言でもいいキーワードがあれば、「いい本」だということにする。
本を読んで、ひとつでも自分にとって役立つ一言があれば、
それで1500円の価値があったと感じればいい。
(17)本のレビューをしている暇があったら、「次の本」を読む。
(18)あなたに関係ない本が、一番関係がある。
<感謝合掌 平成28年10月31日 頓首再拝>
古典の日 - 伝統
2016/11/01 (Tue) 18:16:51
今日、11月1日は古典の日です。
《古典の日の由来》
1008年11月1日の紫式部の日記に書かれていたことが由来になります。
その中には、藤原公任とのやりとりが書かれていました。
藤原公任が紫式部の事を「若紫」と呼んだのでした。
「若紫」というのは源氏物語の中の登場人物です。
そこからわかることが若紫の登場する源氏物語は
その当時には既にあったと考えられます。
この日付は源氏物語が存在したということが証明出来る一番古い日付です。
そのことからこの日が古典の日になります。
(http://useful-method.com/?p=2698)
・・・
古典の尊厳を知る日
*「光明道中記」(P241)より
【神は時代に相応して教祖を遣わし給い、それを通じて吾々に現れる。】
(『生命の實相』第十一巻)
エリオットは20世紀英国文学界の古典主義者であり、歴史主義者である。
流れる歴史の底に永遠不動の規範又は秩序を発見し、その規範秩序の中にのみ
価値を発見しようとする者である。
彼は近代を古典的時代よりも《進歩》せるものとする観方を否定し、《進歩》と云うものは
実はただ「超時間的の古典」又は「伝統」を発現せるものにほかならないのであって、
歴史的意識とは「時間的なるものと共に超時間的なるものの知覚であり、
また時間的なるものと超時間的なるものとの同時的知覚」であるとしている。
エリオットがそれを意識していたかどうか知らないが是は当(まさ)に
「華厳経」の「一時即一切時」の自覚であると思う。
今立つ此(こ)の歴史的一点に於(おい)て、久遠に成就せる「既成の歴史」が、
「既成の世界秩序」が、換言すれば、「古典」が其処に流れていると云う自覚である。
『古事記』が来るべき世界秩序の予言であると言い得るのもそのためである。
「既成の歴史」が今現在此処を流れているが故に、
現在は「古典」の発展であるほかあり得ない。
だから古典に於ける東洋の日本列島への天孫降臨の歴史は、
全世界への天孫降臨(神意帰一の世界連邦)となって実現するほかはあり得ないし、
大国主命の国譲りは各国の主権が神意連邦の中心に帰一することである。
<感謝合掌 平成28年11月1日 頓首再拝>
古典(原書)を読む - 伝統
2016/11/02 (Wed) 17:56:42
*Web:「如何に読書すべきか」三木清
(原典は、「読書と人生」三木清・著)
古典を読むことが大切である如く、
ひとはまたつねに原典を読むように心掛けねばならぬ。
解説書とか参考書とかを読むことも固より必要ではあるが、
本質的には原典を中心としてこれに頼らねばならぬ。
原典はつねに最も信頼し得る書物である。
例えばプラトンとかカントとかについて千の文献を読むにしても、
原典を読むこと、これを繰り返して読むことをしないならば、
深く根本的に学ぶことができぬ。
第三者の書いた解説書よりも原典は本質的な意味においては一層理解し易いものである。
多数の参考書を読むよりも一冊の原典を繰り返して読むことが
そのものを掴むのに結局近道である。
そのうえ原典は屡々解説書よりも短いという利益を有している。
原典を読むことは読書を単純化するに必要な方法である。
それは何よりも読書の経済化、簡易化を意味している。
前に述べた規則的に読むという必要は原典の場合において特に大きいであろう。
本はひとに読んで貰うのでなくて自分自身で読まねばならぬとすれば、
この自分自身で読むという必要は原典の場合においては絶対的である。
然るに世の中には文学上の作品についてさえ、それを自分で読まないで、
他人の書いた解説や批評ばかりを読んでいる人が少くないのである。
ひとはつねに源泉に汲くまねばならぬ。
源泉はつねに新しく、豊富である。
原典を読むことによって最も多く自分自身の考えを得ることもできるのである。
原典を読むことが必要であるように、できるだけ原書を読むようにすることが好い。
どのような飜訳よりも原書がすぐれていることは確かである。
原書の有する微妙な味、繊細な感覚は飜訳によって伝えられることが不可能である。
そのうえ飜訳はすでに解釈であるということを知らねばならぬ。
ひとは原語で読む困難を避けてはならない。
飜訳で読むのが原書で読むのよりも速いということはあるにしても、
ゆっくり読むことはそれだけ自分で考えながら読む余裕を与えることにもなるのであり、
そしてこれは大切なことである。
原書を読むには語学の力がなければならないが、
その語学というものも決して手段に過ぎないようなものではなく、
却って語学そのものが一つの重要な教養である。
一つの国語はその民族の精神の現われであり、
その思想の蓄積であるということができる。
勿論あらゆるものを原語で読むということは不可能であり、
またあらゆる場合に原語で読まねばならぬというわけではない。
原語で読むことができないという理由でそれを読まないというのは悪い口実である。
また飜訳で間に合わせて十分な書物も多い。
しかし重要な本はできるだけ原書で読むようにしなければならぬ。
飜訳の方が簡単であるからというので原語で読むことを避けようとするのは
読書における便宜主義であって、便宜主義は読書においても有害である。
(http://www.aozora.gr.jp/cards/000218/files/50535_37478.html より抜粋)
<感謝合掌 平成28年11月2日 頓首再拝>
『バカになるほど、本を読め!』~その2 - 伝統
2016/11/03 (Thu) 17:41:52
*『バカになるほど、本を読め!』神田昌典・著より
(その1は、本スレッド2016/10/29 投稿記事参照)
(1)私の言う「バカ」とは、
周囲の人からは「あいつって本当にバカなんじゃないか」と思われるような、
既成概念にとらわれない発想ができる人。
また、誰もやったことがなく、
保守的な人からは「失敗するに違いない」と言われるようなことでも、
果敢に行動に移せる人。
頭でっかちになって行動できない常識人とは一線を画す、
マッドでクレイジーな奴だけど、何かを成し遂げる「バカ」だ。
(2)何かを発信したい人が、誰にもジャマされずに、自分の意見を公に発信する際に、
本に勝るものはないのである。
(3)「イン・フォメーション」から「エクス・フォメーション」への転換。
①イン・フォメーションとは、外からの情報を受け入れて自分の中に認識を形創ること。
②エクス・フォメーションとは、自分の内にある認識を外へ形創っていくこと。
情報をアウトプットして、自分が求めている世の中を創っていく行為だ。
知識創造をするためには、エクス・フォメーションが欠かせない。
本から得たことを外に発信するには、自分自身が思考を整理しなくてはならないからだ。
また、発信すれば、意見や感想などのフィードバックが得られ、
自分の思考を深めることができる。その過程を踏むことが知識創造につながるのだ。
人に語るということは、まさにそのエクス・フォメーションに他ならない。
一人でエクス・フォメーションをする方法としては、
プログやSNS、メールマガジンなどが挙げられる。
これらを使って世界に発信していき、世の中に意見を問うことも、
知識創造につながるけれども、実際には、読んだ相手から自分の知識創造に
つながるようなフィードバックが得られることはあまりない。
しかし、読書会なら、自分が見解を述べたことに対して、
他の人から自分が考えてもいなかった意見や感想を聞くことができ、
思考をさらに深めることができる。
そして、プログなどとは違って、目の前に相手がいるので、
「あとで読もう」「あとで答えよう」などと保留することができず、
すぐに直接相手と対話をすることになるため、エクス・フォメーションが活性化される。
このように、本を紐帯とした良質なコミュニケーションを積み重ねることで、
自分独自の視点が醸成され、イノベーティブなアイデアや知識を
生み出せるようになるわけだ。
③イン・フォメーションは、
世の中から求められている自分を作っていく行為であるのに対し、
エクス・フォメーションは自分が求めている世の中を創っていく行為といえる。
後者を常に意識した行動をとることが、これからの時代は何よりも求められる。
(4)せっかく知識や価値を創造したとしても、
その元となる情報が間違っていたら、その価値は失われてしまう。
だから、最初に情報の見極めが必要というわけだ。
(5)今の時代は単純に本を読むだけではダメで
「知識創造型の読書」「行動型の読書」を目指すべきだ。
では、どうすれば、「知識創造型の読書」や「行動型の読書」が
できるようになるのでしょうか?
答えはシンプルで、本を読むときに以下の3つのステップを実践するだけです。
①目的志向型の読書をする。
②大勢の人と共に読む。
③即、行動に結びつける。
(6)知識創造型の読書は世の中を変える力を持つ。
「知識創造型の読書」によって知恵を得た人は、
その知恵を社会の変革に用いる責任を負うべきだと、私は考えている。
今、世界では、社会を変えるための小さな行動を起こしている人が無数にいる。
あなたが、その新たな一人となり、将来大きなムーブメントを起こす人材に
育ってくれれば、世の中を変える「バカ」へと成長を遂げてくれれば
……こんなに嬉しいことはない。
書を持って、町に出る。そして、仲間と一緒に世の中を変える。
一冊の本が、あなたを「マッド」に、そして「クレイジー」にしてくれる。
そんな力を書籍は持っている。
そのことが本書で伝えたかった私の一番のメッセージだ。
(7)<ステージごとに読むべき本を変える>
◆22歳~28歳 世話役(見習い期間):「基本的なスキルが身につく本」
◆29歳~35歳 探求者:「役割探求」のための本
◆36歳~42歳 破壊者:「歴史本」
(8)その本の解説本を読むよりも、難解な原典に触れたほうが、
著者の考え方に直接触れられる。
理解できたのが一行だとしても、
その一行は必ずあなたの脳裏に焼きついて一生離れなくなる。
(9)一ページでも実生活の役に立てば価値がある。
(10)表現力をつける意味では、エッセイや評論の類もためになる。
じつは、私の文章の師匠ともいえる存在は、ジャズピアニストの山下洋輔さんだ。
音楽家としてのイメージしかない人もいるかもしれないが、
じつはエッセイや小説を多数書かれている。
(11)江戸時代の末期には、吉田松陰の「松下村塾」や緒方洪庵の「適塾」
などの私塾が数限りなく生まれた。
松下村塾からは高杉晋作や久坂玄瑞、伊藤博文、山縣有朋などが輩出され、
適塾からは福澤諭吉や大村益次郎、橋本左内などが輩出されたわけだけど、
そこで行われていたのは、まさに全員で本を読み、議論するという教育だった。
(12)今後は、どれだけ社外の人材をプロジェクトに連れてくることができるかが、
仕事の評価を左右する時代になる。
どんなにええカッコしいことを言っていても、人や金を引っ張ってくることが
できなければ、あなたが生み出す付加価値は「ゼロ」。
(13)リーダーになるための4つのステップ
①「イン・フォメーション」
②「インター・フォメーション」
③「エクス・フォメーション」
④「トランス・フォメーション」
<参考Web:バカになるほど、本を読め! ~神田 昌典 著【書評・要約】
http://www.nomad-cafe-20.com/post-2234/ )
<感謝合掌 平成28年11月3日 頓首再拝>
読書は、感奮興起の起爆剤 - 伝統
2016/11/04 (Fri) 18:31:49
*メルマガ「人の心に灯をともす(2015年04月26日)より
(「読書のすすめ」店主、清水克衛氏の心に響く言葉より…)
いつの世も、ちょっとはみ出した人に光が当たります。
このほんのちょっとの積み重ねが、人生を大きく変えていくのです。
乱世のヒーローも、特別な人ではなくて、
好奇心を積み重ねていった人たちだと思うんですよ。
本を読んで頭を良くしようとか、知識を得ようとか、癒(いや)されようとか、
そういうことを言っているのではありませんよ。
本なんて、面白いと思わなければ途中で読むのをやめてもいいし、
難しい古典や文芸作品を無理して読む必要もないのです。
では、何のために本を読むのかといったら、
自分のパワーを最大限に世の中に生かしていくために本を読むのです。
知識をインプットするためではなく、自分の力を世界に向けてアウトプットし、
人との絆(きずな)をしっかり結んでいくために本を読むのです。
世の中には、人よりお金持ちであるとか、顔が良いとか悪いとか、
学校の勉強ができるとかできないとか、どの学校を出てどの会社に勤めているだとか、
そんなことばかりを気にする人がたくさんいます。
それが世間では常識と言われているものです。
しかし、そんな常識にだまされてはいけません。
学歴などというファッションは子どものうちは褒められるかもしれませんが、
社会に出たら、屁(へ)のつっかい棒にもならないのです。
考えてもみてください。
この世に大きなものを残した人は、
そんな世間の常識をものともしなかった人ばかりです。
あのスティーブ・ジョブズも、エジソンも、坂本龍馬も、宮沢賢治もそうです。
そんな彼らが、人生でやり続けたことがあります。
それは、本を読むこと。
そして、自分から人に会いに出かけていって、自分流の学問を続けることです。
この世には、自分の魂を熱く燃え立たせてくれる、素晴らしい本がたくさんあります。
みなさんも、そんな本を読んで、自分流の学問を始めてください。
たとえ勉強はビリでも、本を読むことさえ忘れなければ、
必ず立派に世の中をわたっていけます。
<『非常識な読書のすすめ』現代書林>
・・・
「すべて良き書物を読むことは、
過去の最もすぐれた人々と会話をかわすようなものである」(哲学者・ ルネ・デカルト)
読書は、過去の偉人たちと会える唯一の手段。
偉人たちの足跡にふれ、心を躍らせる。
「感奮興起(かんぷんこうき)」という言葉がある。
心を揺り動かされて、奮(ふる)い立つことだが、まさに読書こそが感奮興起の起爆剤。
「自分のパワーを最大限に世の中に生かしていくために本を読む」
本を読み、自分流の学問を続けたい。
<感謝合掌 平成28年11月4日 頓首再拝>
無限の宝を発掘するのが読書 - 伝統
2016/11/05 (Sat) 19:41:46
*「弁護士が書いた究極の読書術」木山泰嗣・著より
(1)仕事に必要な情報の入手は「スピード」「効率」が重要。
しかし、これは「リサーチ」です。
(2)読書から得られるものは、実に様々。
本には、無限の宝が眠っている。
無限の宝を発掘するのが読書。
(3)歴史も含めて「繰り返し」が人の本質。
言い古された内容だからこそ、重要だと思えるようになることが大切。
(4)本には発想力という宝も眠っている。
アイデアというものは、既存の概念の組み合わせでできている。
インスピレーションを得るには、多くの本を読むこと。
(5)本には「本の情報」という宝も眠っている。
本の情報というのは、あなたが次に読む本の情報のこと。
(6)本の醍醐味は、偉大な人物の頭脳と議論することができる。
偉大な人物の脳とあなたの脳の間を、思考が行き来する。
その不思議なレベルまで行くためには徹底して読むこと。
その人物の本を何冊も読む。
繰り返し読む。
暗記するくらい読む。
(7)いまやっている仕事に関する新しいテーマの専門書を読む。
そういった仕事があるときは本を読むチャンスです。
その分野に関する本を片っ端から買い集めて、読む。
(8)本は楽しむもの。
楽しんで読みたいものを読むのが読書。
(9)同じジャンルの本を何冊もたて続けに読む。
同時並列で大量に読む。
それは、好奇心にガソリンを注ぎ続ける行為。
(10)書店の近くの喫茶店で読む。
本は買ったときが一番ホット。
鉄は熱いうちに打て。
それと同じで、本も買ったらすぐに読む。
これが好奇心を絶やさないための鉄則。
(11)同時並行で大量に読むようになると、
読むスピードが速くなる。
<感謝合掌 平成28年11月5日 頓首再拝>
激動の現代を自由に生き抜くための読書術 - 伝統
2016/11/06 (Sun) 18:52:54
*「野蛮人の読書術」田村耕太郎(著)より
(1)この本で私が伝えたいメッセージは、
「読書こそが激動の現代を自由に生き抜く術を身につけるための、
最良にして最短の道である」というものだ。
(2)現代を生き抜くためにマスターすべき「現代版リベラルアーツ6分野」
①先進課題。
②先端科学、数学、哲学。
③宗教、思想、文化、歴史。
④経済、金融。
⑤政治、外交、地域研究。
⑥コミュニケーション能力。
(3)世界のエリートに読書術を学べ。
世界のエリートたちは例外なく凄まじい読書家である。
好奇心も旺盛で、話題も豊富。
金融のプロなのに宇宙のプロであったり、
政治家でありながら美術や哲学や歴史について、
専門家顔負けの知識量だったりする人も珍しくない。
(4)読書術の神髄は「アウトプットを想定して取り掛かる」ことだ。
なぜこの本を読むのか?
何を知りたいのか?
この本を読めば、何が得られるか?
(5)思考力を鍛えるには、古典が一番。
英国に赴任した際、僕の英語のお粗末さを、
シェイクスピア(全戯曲を読んでいた)や、英国王の名前を
すべてスラスラ言えたことが大いに助けてくれた。
ルソーの『エミール』を座右の書としていたフランスの要人とも、
ルソーの話題で盛り上がった。
ワルシャワでは、スピーチで
「人魚の作った町に来ることができて嬉しい」
と冒頭で話したところ喝采された。
地理と歴史、著名な文学作品は、
グローバル時代にあっては必須かと。(出口治明)
(6)1日10時間、365日熱中できるものを見つけ、
その環境に身を置いて練習量を圧倒的に増やせば、
まったくできなかったものでも「3年や5年でマスター」は夢でもない。
日本語や英語のマスターには、それぞれの言語圏に属する
子どもが2000~3000時間かけているという学説もある。(藤原和博)
(7)いい他者との出会いによって、読書から得られるインプットはより豊かになり、
豊かなインプットによって自己を磨くことが、いい他者との出会いを増やし、
親交を深めてくれるのだ。
<感謝合掌 平成28年11月6日 頓首再拝>
闇の中で字が読める~法霖の読書 - 伝統
2016/11/07 (Mon) 17:46:31
*「光に向かって100の花束」高森顕徹(著)より
江戸中期、浄土真宗に法霖という大学僧がいた。
若いころは慧琳といい、19歳で『選択集』を講義して希代の奇才とうたわれた。
後年、真宗を誹謗した華厳宗の傑僧・鳳潭を相手に大論争をやり、
『笑螂臂』5巻を著して完膚なきまでに誤りを正し、名を天下にとどろかせた。
その法霖が鷺森別院の役僧をしていた17歳のとき、
ある夕方、輪番が火の用心のために見まわると、本堂の後ろの真っ暗がりの中で、
一心に読書しているものがいるので驚いた。
「そこにいるのは、だれか」
「はい、慧琳でございます」
「こんな闇の中で字が読めるのか」と言われて振り向いて、
ふたたび書物に向いたときは、もう文字は見えなかったという。
熱中していたので、闇の中でも字が読めたのであろう。
またあるとき、友達が海水浴に誘った。
「ちょっと待ってくれ、ここまで読むから」
と立ち上がらない。
どれだけ待ってもやめようとはしない。
「いいかげんにしろ」
「すまんが後でゆくから先にいってくれ。おもしろくてやめられないのだ」
「それじゃ、この帽子をかぶってこいよ」
と、頭の横にかぶせていった。
夕方になっても法霖はこなかった。
みんなが帰ってみると、帽子を横にかぶったままの姿で、読書にふけっていたという。
精出せば 凍るひまなし 水車
(http://www.takamori.info/book/hikari/27hourin.html)
<感謝合掌 平成28年11月7日 頓首再拝>
ひらめきは読書の量に比例する - 伝統
2016/11/08 (Tue) 17:33:39
*メルマガ「人の心に灯をともす(2013-03-15)より
(赤根祥道氏の心に響く言葉より…)
北条早雲は『早雲寺殿 廿一(にじゅういち)箇条』の中で
読書についてこう教えている。
「少しの隙(すき)あらば、物の本をば、文字のある物を懐に入れ、
常に人目を忍び見るべし。
寝てもさめても手馴れざれば、文字忘るるなり、書くことまた同事」
戦国時代の幕を切って落とした英雄が、
少しの隙があれば、人生の糧になる本を読んでいたのだから驚かされる。
今日はどうにか命があったが、
明日はどうなるかわからないという乱世にあって
北条早雲は片時も本を手放さない。
若い頃、京都の建仁寺や大徳寺で学問や禅を学び、
宗瑞(そうずい)という法名までもらっていたというのも本当ではないだろうか。
苦手だからとか時間がないからというような言い訳は通用しない。
いずれ、恥をかき後悔させられるのは自分自身なのである。
週刊誌を読むのも結構だが、もっと大切な書物があることを認識して、
その書物を通して学び、自分を磨いてみる努力をしようではないか。
常に何か一冊持ち歩いて、暇さえあれば読むという習慣を身につけたいものである。
<『この“心がけ”ができる人 できない人』三笠書房>
・・・
読書の量は、「ひらめき」の量に匹敵するという。
知識という材料がなければ、どんなアイデアマンでもひらめくことない。
ひらめきとは、知識と知識の組み合わせだからだ。
戦国時代という生きるか死ぬかの世界であるからこそ、
その「ひらめき」が生死を分けた。
現代においてもそれは同じで、「ひらめき」がある人が運を引き寄せる。
また、読書によって得た知識は、人に教えるとか、実践で使うとかという、
「出す」というアウトプットの作業が必要だ。
ためこんだだけの知識は、いつかは腐る。
アウトプットすればするほど、読書というインプットは進化する。
「ひらめきは読書の量に比例する」
寸暇(すんか)を惜(お)しんで読書にいそしみたい。
<感謝合掌 平成28年11月8日 頓首再拝>
読書の習慣は、「超常識」を生み出す力を養う - 伝統
2016/11/09 (Wed) 18:19:54
*メルマガ「人の心に灯をともす(2016-01-07)より
(堀紘一氏の心に響く言葉より…)
福沢諭吉は慶応義塾を設立しただけではない。
日本初の事業家たちの社交クラブとして知られる「交詢社」を
銀座に設立したのも福沢だし、
「横浜正金銀行」や「丸善」の設立にも関わっている。
北海道には旭川と稚内の中間に牧場まで作っている。
要するに時代が求めているもの、
日本という国がこれから必要と思うものを次々と起業していった人物なのだ。
福沢の起業家精神を養ったのも、読書だと私は思う。
福沢は子どもの頃は読書が苦手だったそうだが、
のちに改心して漢書(漢籍)を読みあさった。
福沢に限らず、明治維新の先頭に立った志士たちは例外なく読書量が多かった。
古典を中心に読書をすると人間の普遍的な思考が学べるし、
社会生活を送るうえで最低限知っておくべき「常識」が身につく。
いまの教育の世界では「幼少から自分の頭で考える力を養うべきだ」
という議論が盛んに出ているようだが、
まずは読書で常識を身につけることが先決だ。
自分の頭で考えることは既存の思考体系を組み換えて、
その常識を超える「超常識」を生み出すことに他ならない。
超常識は、イノベーションを引き起こす起業家にとっていちばん重要なものである。
読書をおろそかにしていると、最低限の常識がない非常識になってしまう。
常識を踏まえない単なる突飛な思いつきである非常識と、
常識を踏まえたうえで新しい価値を提案する超常識には
月とスッポン、天と地ほどの差がある。
福沢は漢書に親しんだ身でありながら、のちに欧米の現実を視察したうえで記した
『西洋事情』や『文明論之概要』といった著作を通じ、
旧来の常識だった儒教思想と中国を中心とする冊封(さくほう)体制から、
超常識である西洋文明に接近する大いなるパラダイムシフトを先導しようとした。
いういまでもないが、福沢は日本を欧米のようにしたいと考えたのではない。
西洋文明を咀嚼(そしゃく)してとり入れておかないと、
日本だけではなくアジア全体が欧米諸国に乗っとられてしまうと恐れたのだ。
その超常識を支えたのは間違いなく読書だ。
これから超常識でイノベーションを目指す起業家を志すのなら、
読書は必修科目なのである。
<『自分を変える読書術 学歴は学<習>歴で超えられる! (SB新書)』>
・・・
堀氏はこう語る。
「読書の効用のひとつは、本を読んでいると表現力が養われること。
表現力というのは作家や俳優のような表現者だけではなく、すべての人に必須の能力だ。
私は表現力の有無は人生を左右すると信じている。
読書で表現力が磨かれるのは、第一に本を読むとボキャブラリー(語彙・ごい)が増えるからだ」
人は自分の語彙力の範囲の中でしか考えることができない、という。
つまり、言葉を知らなければ、
表現力も、発想力も、創造力も、イノベーションも、発揮できないということ。
読書の習慣を身につけたい。
<感謝合掌 平成28年11月9日 頓首再拝>
古典の尊厳を知る - 伝統
2017/08/03 (Thu) 20:24:51
*「光明道中記」(八月 烈日に伸びる)(8月3日)より
【神は時代に相応して教祖を遣わし給い、それを通じて吾々に現れる。
(『生命の實相』第十一巻)】
エリオットは20世紀英国文学界の古典主義者であり、歴史主義者である。
流れる歴史の底に永遠不動の規範又は秩序を発見し、その規範秩序の中にのみ
価値を発見しようとする者である。
彼は近代を古典的時代よりも進歩せるものとする観方を否定し、進歩と云うものは
実はただ「超時間的の古典」又は「伝統」を発現せるものにほかならないのであって、
歴史的意識とは「時間的なるものと共に超時間的なるものの知覚であり、
また時間的なるものと超時間的なるものとの同時的知覚」であるとしている。
エリオットがそれを意識していたかどうか知らないが是は当(まさ)に
「華厳経」の「一時即一切時」の自覚であると思う。
今立つ此の歴史的一点に於て、久遠に成就せる「既成の歴史」が、「既成の世界秩序」が、
換言すれば、「古典」が其処に流れていると云う自覚である。
『古事記』が来るべき世界秩序の予言であると言い得るのもそのためである。
「既成の歴史」が今現在此処を流れているが故に、
現在は「古典」の発展であるほかあり得ない。
だから古典に於ける東洋の日本列島への天孫降臨の歴史は、
全世界への天孫降臨(神意帰一の世界連邦)となって実現するほかはあり得ないし、
大国主命の国譲りは各国の主権が神意連邦の中心に帰一することである。
<感謝合掌 平成29年8月3日 頓首再拝>